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INTERVIEW

2023.09.13

【連載】「幹葉の森 おしゃべりルーム」第4回:幹葉(スピラ・スピカ)×中川翔子

【連載】「幹葉の森 おしゃべりルーム」第4回:幹葉(スピラ・スピカ)×中川翔子

スピラ・スピカ(以下、スピスピ)の幹葉が様々な人たちと対談する「幹葉の森 おしゃべりルーム」は、自身の憧れの人物に直接会いに行き、その人たちと“おしゃべり”するごとに一歩、また一歩と幹葉が成長していく連載企画。

スピスピといえば8月8日にデジタルシングル「私の物語」をリリース!4年ぶりのスピラ・スピカ presents 『星見ヶ丘 vol.3』の開催も決定したほか、“Aichiアニソンフェス”(SACRA MUSIC FES.パート)や“京Premium Live 2023”への出演も決まるなど、2023年の残り半分も元気いっぱいに駆け抜ける勢いだ。

そんな幹葉が第4回で迎えるゲストは、まさに憧れの存在である“しょこたん”こと中川翔子。尊敬する存在に一歩でも近づこうと、「好き」を前面に押し出しながら真剣に疑問をぶつけていく幹葉。熾烈な芸能界を突っ走ってきたしょこたん先輩を前に、幹葉も笑顔に隠れた苦悩を垣間見せる!?

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕
PHOTOGRAPHY BY 堀内彩香

■「幹葉の森 おしゃべりルーム」連載一覧はこちら

【連載】幹葉の森 おしゃべりルーム

「好き」は繋がり、続けていればいつか自分の力に

幹葉 おはようございまーす!

中川翔子 あ、お久しぶりですー!

幹葉 相変わらずかわいい!お衣装もすごいですね。

中川 めっちゃ派手ですよね。猫を飼っていたら着れない服(笑)。

幹葉 そのネイルもSNSに載せているのを見ました!

中川 すごい!TwitterあらためXを見てくれてる!

幹葉 めっちゃ見てます。今日はそのお話もさせていただきたくて。どうぞよろしくお願いします。

中川 お願いします♪

――「お久しぶり」と仰っていましたが、お二人の出会いというと?

幹葉 元々しょこたんさんの歌はよく聴いていたんですけど、2021年に“幹葉 アコースティックカバーライブ&トーク”というイベントをやったとき、ファンの皆さんから幹葉に歌ってほしいアニソンを募集したら1位がしょこたんさんの「空色デイズ」で。

中川 本当ですか!? 嬉しい!

幹葉 もう、飛び抜けての1位で!それで歌わせていただいたことがあってから、いつか会いたいと思っていたんです。そうしたら所属レーベルの方で中川さんともすごく繋がりのある方がいて。

――以前、中川さんのアーティストマネージャーだった栁 真努加(SACRA MUSIC/ソニー・ミュージックレーベルズ)さんですね。馬嶋(亮/リスアニ!編集長)が月間パーソナリティを務めたニッポン放送「ガクのネ『アニソンは世界をつなぐ』」で8月27日にゲスト出演されていましたね。

幹葉 そこから、私がFM ヨコハマでパーソナリティをやらせていただいている「笑顔モリモリらじお☆彡」にしょこたんさんにゲスト出演してもらったんです。ただ、そのときはリモートで。

中川 そうだったね。

幹葉 お顔は見えていたんですけど直接は会えず。そのあと、レーベルのビルに取材でいらっしゃると聞いてご挨拶させてもらったのが初対面だと思います。

中川 ありがとうございます、すごく丁寧に説明していただいて。幹葉ちゃんは初めて会ったときからぴょんぴょんしていて、星みたいにかわいかったですね。ビタミンCみたいな感じで。陰キャとして生きてきた、羽化しないセミみたいな私に元気の1ccでもいいから分けてほしいって思いました(笑)。会うたびに笑顔が伝染してくるのも素敵ですね。歌声にも本人のキラキラが乗っかっているし。最近、運転中に『ガンダム』の歴代主題歌集を流していて、スピラ・スピカも聴いてます。

幹葉 わ、嬉しいです!ありがとうございます……!

――幹葉さんが直接中川さんに会ったときの印象というのは?

幹葉 「わ、本物や」って(笑)。あとは、私のような後輩に対しても腰低くといいますか、すごく丁寧に接してくださったのがすっごく嬉しくて、より一層好きになっちゃいました。

中川 えーっ、嬉しきお言葉です。私、ボブの可愛い女の子が好きなのでもうドンズバですよ。

幹葉 今、できるだけボブを突き通そうと思った瞬間ですね(笑)。……あの、今日はしょこたんさんに色々とお伺いできたらと思っているんですけども。まずは、歌手活動やTVでもバラエティ番組に出たりワイドショーでコメンテーターしたり、それから声優や女優活動もされていて。(主人公の吹替を担当した)映画『塔の上のラプンツェル』は何度観たかわかりません。最近は舞台もお疲れさまでした!

中川 全部知ってくださっている(笑)。

幹葉 多岐にわたって活動されているパワフルさの原動力がどこにあるのか本当に気になります。

中川 うーん、でも全然パワフルじゃなくて。運動を全然してこなかったツケで舞台も大変でした。体力がヤバいのでライブのときは絶対「ユンケルスター」を飲むし。

幹葉 それ、前に教えていただきましたね。ライブのときに「これ飲むといいよ」って。

中川 でもそれは、みんながちゃんと筋トレとかで体を鍛えているときに、アニメ観たりゲームしたりしかしていなかったからだと反省して、最近はサウナに行って整って、ジムにも行ってウォーキングマシンに乗りながら『ガンダム』を見ています。遅いんだけど、そうやってレベル(=年齢)に比例して鍛えるということをようやくやり始めましたね。でも多分、色々と全部を真剣にやりたい人生なんだろうな、とはすごく思います。

幹葉 うんうん。

中川 スマホで本読んで、iPadでアニメ観て、TVで映画観て、Nintendo Switchでゲームして……、みたいな。お仕事だって毎日違うことをしていて、舞台の千秋楽を迎えたと思ったら次の日は昼帯番組のコメンテーターで、今日は歌手活動だし。でも、全部自分の中にあることだからすごく楽しい!それに好きなことが1つ増えると、全然関係ないと思っていたことが星座みたいに繋がっていく感じがしますね。

幹葉 そうなんですね。何にでも挑戦していく気持ちの根源にあるのは「楽しい」や「好き」なんですね。

中川 あとドM気質なので、「疲れたー」ってなってもそれが「生きてる!」って感じもするんですよね。

幹葉 なるほど(笑)。

中川 それに応援してくださる方も、歌手活動とミュージカルのどちらも観に来てくださる方もいて、それが本当に尊いですね、愛おしい。みんなの笑顔が見られたり、みんなの思い出を作ることができたりすると、「なんて幸せな人生だろう」って毎日感じられるので、それもあるかもしれないですね。

幹葉 あぁー、とても素敵なことです。私たちはしょこたんさんのキラキラしている部分を目にすることが多いんですけど、「想像を超えるようなことをきっと色々経験しているからこそ出せるキラキラなんだな」って今すごく感じました。

中川 でも、「『「踊る!さんま御殿!!』で何もしゃべれなかったー」って落ち込むこともあるから。

幹葉 えっ!しょこたんさんでもそう思うことが……?

中川 舞台やコンサートの前はすぐに「私なんか……」とか言い出すし。でも、みんなの拍手だったり笑顔だったりで「イェーイ!」ってなるんですよね。それってラプンツェルと一緒で。 「最低だ」と思った次の瞬間に、(ラプンツェルの声で)「人生で最高の日だわ!」ってなる、ジェットコースターみたいな毎日です。

幹葉 私も最近、「なすなかにしのゲームキングダム」(BS11)にレギュラー出演させていただいていて、収録後に毎度毎度、私も同じようにマネージャーさんと「ここがあかんかった」「あそこはどうしたらよかったですかね」という反省会してから帰っていて。なすなかにしさんのお二人はお優しいんですけど、MCとゲストの間でどういうポジションに立てばいいのか難しくてですね……。

中川 私もそれ、「ウチくる!?」って番組をやってたときにすごく思った!でも、司会のヒデ(=中山秀征)さんってロケバスでも絶対に寝ないでしゃべっているのね。ゲストに来る人は、ローテンションの人もいるし、しゃべるのが苦手そうな人もいるし、めちゃめちゃしゃべる人もいるんだけど、誰が来てもずっと。で、ヒデさんの言葉のシャワーを毎週浴び続けていたんですけど、ポケモンの映画で舞台挨拶をすることになったときに、気持ちが言葉に変換されるみたいに勝手に出てきてくれたんですよ。「あ、絶対ヒデさんのシャワーのおかげだ」って思って。だからきっと、なすなかにしさんのエナジーが活かされることがあると思う。

幹葉 ありがとうございます。すごく嬉しいお言葉をいただきました。それに「言葉のシャワー」!良いですね。

運転席と助手席で2人だけのアニソンフェス!?

幹葉 しょこたんさんは、自分のダメなところや「ちょっと恥ずかしいかも」みたいなところも全部表に出されている印象なんですけど、そうなるきっかけってあったんですか?

中川 私、ブログを始めたときに「どうせ誰も見ていないから自分の生き恥も全部さらそう」と思って、あまり言えないことも書いていたんです。アニメが好きというのも当時はなかなか言えない頃で。でも、そうしたら、「僕も好きです」「私も本当は好き」って人がたくさんいて、1人じゃないと思えたんですよね。「胴が長くて困ってます」とか書いても、「それを含めて中川翔子だ」みたいに言ってくれる人がいて、「この世界は優しいんだ」って思えた。「なんでわざわざそんなことを言うんだろう」という人もいるけど、本当のファンの方々は素の部分も広い心で受け取ってくれるから安心できましたね。YouTubeを始めたときも最初はすっごく怖かったけど、3万人くらいの人と一緒に「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE」をプレイできたとき、自分の部屋で1人でやっていたことを共有できる時代になったんだなぁ、と思えたり。30代を超えてからのほうが「生きてて良かった」がどんどんアップデートされている気がするし、だから(自分をさらけ出すのは)あんまり怖くないかも。あ、水着になったのは怖かったかな。

幹葉 私も見させていただきました。

中川 お恥ずかしい(笑)。

幹葉 私、実はしょこたんさんのXの通知をオンにさせていただいていて。

中川 えーっ!?うるさいでしょ?私、ツイート多いから。

幹葉 誰よりも通知が届きます(笑)。でも、リアルタイムの感情を届けてくれていると思えるというか……。私は結構、「これ、ポストしていいんかな?」みたいなことを考えちゃって、結局下書きに残すだけということもあるんですけど。

中川 あぁ、なるほど……。

幹葉 ハッピーなことだけではなくて、社会で起こっている出来事に対しても自分の気持ちを言葉にするということはすごく勇気のいることだと思うんです。Xだけに限らず、しょこたんさんがSNSでの発信で気をつけていることはありますか?

中川 なんだろうな?確かに、深く考えすぎずに言っちゃうと誰かを傷つけてしまうとか、そんなつもりはないのにそうなるリスクは気をつけたいけど……。でも、Xを始めたきっかけも、1つのリポストだけで保護猫を助けられることが何回もあったからで。

幹葉 なるほど。

中川 それで何十匹も救われる命があったから、やっていたところもあるんですよね。ただ、「言霊」って本当にあると思っているんですけど、Xも似てますよね。「好き」と呟いたらその人に会えるとかそれが仕事になるとか、「そのときはそんなつもりはなかったのに、呼吸みたいに熱が乗るメディアなんだな」とは感じます。だからわざわざ誰かを攻撃したりけなしたりしないように、というのは思うかな。でもそれくらい。むしろ、自分の語彙力を総動員して好きなものを褒めるのが好きなので「褒めるゲーム」だと思いながらやっています。その代わり、本当に美味しいときしか褒めないし、本当にかわいいと思っていないと言わないし。

幹葉 じゃあ、さっき私をかわいいって言ってくれたのは……。やったー!

――そこに反応するんですか?

中川 (笑)。

幹葉 でも、心から思っていることを発信してくれている、というのは伝わってきます。ポストのスピード感が誰よりも早いので。

中川 早いのはそうかも(笑)。

幹葉 ニュース記事になる前に知ることができるので、ぜひみんなもフォローして、通知をオンにするべきだと思います!

中川 通知音はうるさいかもしれないけどね(笑)。

幹葉 あの、私、しょこたんさんの言葉ですっごく好きなものがあって。「歌えることのミラクル」(2023年1月6日)とか「歌を歌える人生にしてくれてありがとう」(2023年1月9日)とか「歌は大切な生きた証」(2023年3月1日)とか、歌えることの喜びを呟いていたのがすごく印象に残っているんです。去年のバースデーライブ(“Shoko Nakagawa LIVE 2022 三年ぶりのバースデーライブレベルアップ進化そして20周年パーティー!みんなでドリドリしながら天元突破でフレフレしようぜ!”)に伺わせていただいたときも、ステージに立っているしょこたんさんから「幸せ」という気持ちをビシバシ感じたのと、観に来てくださっているファンの方々が本当に幸せそうだったので、私もハッピーな気持ちでいっぱいになりました。

中川 ありがとう。138億年の宇宙の歴史に向かって先祖代々全員で土下座して「ありがとう」ってしたくなるゾーンに入っちゃうときがあるんだけど、そのたびについポストしちゃいますね。やっぱり皆さんのおかげということを絶対忘れたくないし。あと、アニソンを歌うというのが一番の夢だったのに、その夢が叶ったあともさらに夢が叶い続けるって「なんてミラクルなんだろう!」って思います。

幹葉 うんうん……!

中川 ね。落ち込んで辛いときに出会ったのがアニソンで、すごくカラフルな世界を見せてもらったんですよね。今も1人で運転しているとき、カラオケには絶対入ってないような音源ばかりを集めてシャッフルで聴いて、ずっと熱唱してる。小学校からの幼なじみが助手席に座ったら、めっちゃ引いてました。「このプレイリストはあんたの人生だよ」って。

幹葉 わ!めちゃくちゃ乗りたい!助手席乗りたい!ずっと歌ってくれるんですよね?横で歌詞を調べながら乗車したいんですけど……!(アニソンの)勉強になりますね。

中川 乗って乗って♪幹葉ちゃんを助手席に乗せるのが、私の新しい夢になりました(笑)。

幹葉 ホントですか?どの辺りで手を挙げてたら乗れるんですかね?

中川 じゃあ新宿で(笑)。

――『シティーハンター』で憧れて、最近よく中川さんがドライブしているという新宿ですね。では車内でかける音楽はやはり……。

中川 1曲目は(トリビュートプロジェクトでカバーした)「City Hunter ~愛よ消えないで~」で(笑)。でも、車内で歌っていると結構周りから見えているらしくて。トラックの運転手さんが、追い越しざまに窓から「トゥットゥルー!」してくれたこともありました。

幹葉 えー!すごい!

中川 返そうと思ったんですけど、私、安全運転だから遅くて。

幹葉 そうしたら、ご自身が気づいていないだけで街中で気づかれていることが結構……。

中川 あるかもしれない。Xでエゴサしたら、見たことある車だと思ったらしょこたんが乗ってた、というのも見ました。あと、駐車場に入ったら係の方から「YouTubeの車だ」って言われたこともありますね。

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