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REPORT

2023.03.23

「この先いいことしか待ってない」鈴木みのり、全22曲を届けた笑顔の幕開け。「3rd LIVE TOUR 2023 ~fruitful spring~」初日・東京公演レポート

「この先いいことしか待ってない」鈴木みのり、全22曲を届けた笑顔の幕開け。「3rd LIVE TOUR 2023 ~fruitful spring~」初日・東京公演レポート

歌と言葉で伝えた、未来への決意と新たな物語のはじまり

さて、ここまで14曲を歌ってきた鈴木。普段のワンマンであればそろそろ終盤……という頃合いだが、「まだまだ全然ラストじゃありませーん!」と宣言し、沸き起こる歓声。だがその大きさにまだまだ満足していないのか「ダメですダメです、もっと!」と煽ると、その言葉を前フリに、「ダメハダメ」から始まる爆アゲゾーンへと突入。

冒頭から観客のコールが響き渡るが、鈴木も「もっともっと大きい声ー!」とさらに煽るとそのボリュームはさらにUP。笑顔で大きな「○」のサインが送られる。そんな彼女自身は、要所にちょっとファニーな振付も織り込んで、ややコミカルさも交えつつこの曲をみせていく。2サビ前には指揮棒を手にして会場の照明を操り観客のウェーブを巻き起こせば、大サビでも表情豊かにとにかく会場いっぱいの観客と楽しみまくると、指揮棒をタオルに持ち替えて「Shout!!!」へ。センターステージへと跳ねて飛び出せば、この曲ではもうとにかくパワフルさ全開! サビの叫ぶ部分では自らも跳ねながらシャウトし観客を先導すれば、それに導かれるように観客も跳ね、タオルを振り、大きな大きなコールを響かせる。さらにその光景が鈴木の120%を引き出し、場内のボルテージをさらに上げる。

そうして会場が熱を帯びまくったところで満を持して歌われたのが、ソロデビュー曲「FEELING AROUND」だ。すかさずタオルをネギに持ち替えお立ち台に上ると、彼女の眼前にはペンライトで緑の輝きに染まった客席が広がっていた。しかも直前2曲での高まりもあってか、序盤からとにかく割れんばかりのコールが響き渡っていく。それを受ける鈴木は、バトントワリングのように手にしたネギを回したりステージ上を軽快に跳ね回ったりしながら、観客との掛け合いも効果的に交えて熱唱。そしてこの曲の大サビ直前には、「ちゅるっ♪」のセリフのために(いつものように)ステージにラーメンの“出前”が到着するも、おかもちの中身はなんと空っぽ。代わりにこの日は5周年と声出し解禁を祝して、そのコールを観客と斉唱し、同時に巨大なクラッカーを炸裂! いい意味でなんでもありのステージを作り、最後は会場全体でのジャンプエンドで楽曲を締めくくった。

そんなクライマックス感満載の展開だが、鈴木からは「かなり盛り上がったんですけど、次が最後の曲でもないんですねー(笑)」と2度目のフェイントが。そんな嬉しい予告に続けて、この2年間を振り返りつつ、少々場の空気を落ち着かせていく。様々な新しい一歩を踏み出したことを思い返しながら、「演者としても歌手としても、少しずつ自分に自信を持てるようになってきているのかなぁ」とまとめると、さらに「最近は人に見られる機会も増えて、表現の奥深さをより学んだ」といった話を呼び水に最新シングル「ミュージカル」の話題へ。「ここからはみんなで、笑顔になりたいな」と語ってから、歌唱へと移っていく。

スーッと清らかでありながら陽光のような明るさと温かさをもった歌声と、軽やかなステップも織り交ぜられた滑らかで麗しい振付が楽曲とマッチして、清々しい空気感を生み出していく。そのまま、柔らかく聴く者に寄り添うような歌声で「エフェメラをあつめて」を歌唱し、会場中の観客に笑顔を届けてくれる。きらめきと柔らかさが両立した歌声だからこそ、落ちサビを大事に大事に歌う歌声もまた、たまらなく心に残るものとなっていた。

歌唱後、改めてここ最近の自身を振り返っていく鈴木。そのなかで彼女は、一昨年の2ndツアーの頃「もっとこうしたい」という想いが強すぎて自信を失っていたと語り、同時にその名古屋公演や、同時期にゲスト出演したTVアニメ『ポケットモンスター』のアフレコを経て「自分の表現したものでこんなに喜んでくれる人がいるのだから、自信を持たないとその人たちに失礼」と思えて視界が開けた……というエピソードを明かす(奇しくも、このライブのちょうど1週間前が、4月開始のTVアニメ『ポケットモンスター』新シリーズで主人公・リコ役を演じることが発表されたタイミングでもあった)。そして「私は私の人生でよかった」と断言し、「この先いいことしか待ってないと、たとえ嘘でも自分に言える“鈴木みのり”になっている」と前向きな言葉で心境を吐露するメッセージを締めくくり、本編ラストナンバー「夏のばね」の歌唱へ。

彼女が敬愛するアーティスト・尾崎雄貴(Galileo Galilei・BBHF)から楽曲提供を受けた「大好きな表現を極めていきたい」という想いが投影されたこの曲は、3rdアルバムを締めくくる曲ということもあって、本編のエンディングという位置づけもピッタリ。序盤はじんわりと大切に歌い始めて、サビでは晴れやかな表情でスキッと歌い上げていき、その空気へと自然と引き入れてくれる。楽しみながら真摯に、大好きな表現を極めていく――そんな今の彼女の姿勢を生の歌声からも感じさせてくれたところで、後奏中に一礼して鈴木はステージを降りた。

こんな最高の表現を見せてもらえたら、アンコールを要求したくなるのはごくごく自然なことだろう。こちらも久々となった、観客の声によるアンコールを受けて再登場すると、「My Own Story」を彼女持ち前のみずみずしい歌声で歌唱。本編最後のMCで語った決意をそのまま形にするかのように、未来へと繋がる新しい物語を始める姿をみせてくれた。もちろんこの日の歌唱あってのものではあるが、この曲順構成もまた、この先の彼女への期待を高めてくれる役割を果たしていたのではないだろうか。

3rdアルバム『fruitful spring』からの楽曲の披露は、これで全曲完了。ラストはコールも交えて盛り上がれるナンバー「いっせーのーでっ!」で、楽しく締めくくりにいく。この曲中のみ観客の写真撮影OKとなったのもあってか、他の曲と比べてセリフ部の展開をなぞった観客への指差しなどでのコミュニケーションも増加。2-Bメロではハートを作ったりと、撮影OK曲ならではの魅せ方も効果的に織り交ぜる。さらにDメロでは観客の近く、センターステージへと移動してコールを巻き起こし、この日一番の一体感ある掛け合いをもたらした。落ちサビ中にも「今日は緊張してたんですけど、今の自分の想いをさらけ出すことができました!」などのメッセージを織り込んで歌と同時に言葉でも想いを伝えると、最後に観客と一緒にジャンプして楽曲を締め、「ボリューミーなライブでしたが、皆さんと楽しい時間を刻むことができました。また笑顔でお会いしましょう!」と挨拶してステージを降り、ツアーの幕開けを最高の形で飾ったのだった。

今回のライブは、自身で言及していたように従来よりも曲数が多めとなったこともあって、鈴木みのりという表現者の素晴らしさを様々な角度から体感できるものとなっていたのではないだろうか。それを成し遂げられたのは、彼女がこの5年をかけて様々な挑戦を行ない、一つ一つを成立させ積み上げてきたからこそだろう。そのうえで堅苦しくもなりすぎず、「FEELING AROUND」などの楽曲では楽しさを前面に出して巻き込んでいく。そういったエンタメ性もしっかり同居させていくのも、彼女のライブの素晴らしいポイントだ。MCで「私は私の人生でよかった」と口にした彼女はこれからも真面目に、でもちょっとだけ肩の力を抜いて、より自由に自分の表現を突き詰めていくことだろう。そうして楽しみながらブラッシュアップされた表現がまた、きっと私たちを笑顔にしてくれるはずだ。


2023年3月10日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)
“鈴木みのり3rd LIVE TOUR 2023 ~fruitful spring~”

<セットリスト>
01. はじめよう
02. だってMy Life もっとMy Choice
03. リワインド
04. わだちの花
05. リップ
06. サイハテ
07. BROKEN IDENTITY
08. 夜空
09. Crosswalk
10. Wherever
11. もういちどメロディ
12. まいっちゃう
13. おセンチなメンタル
14. 季節のカルテット
15. ダメハダメ
16. Shout!!!
17. FEELING AROUND
18. ミュージカル
19. エフェメラをあつめて
20. 夏のばね

アンコール
EN1. My Own Story
EN2. いっせーのーでっ!

<バンドメンバー>
Guitar & Band Master:北川勝利(ROUND TABLE)
Drums:山本真央樹
Bass:千ヶ崎学
Guitar:奥田健介(NONA REEVES)
Keyboards : 末永華子
Manipulation:須藤豪

関連リンク

鈴木みのりオフィシャルサイト
http://e-stonemusic.com/minoringo/

鈴木みのり 歌手活動5周年特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/suzukiminori/5th/

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