夢と絆、つないで咲き誇れ。知らないうちに歌い手・KIKUNOYUとして自身の歌が公開されていた高校生の清瀬明良(CV:戸谷菊之介)。その歌声を聴いた芸能事務所sMiLeaプロダクションにスカウトされた明良は、同じく歌い手として活動中に声をかけられたという直江万里(CV:山口諒太郎)、五十鈴川千紘(CV:平井亜門)と共にPROTOSTARを結成。アイドルという新たな夢へと踏み出す様を追うアニメ『UniteUp!』でPROTOSTARのメンバーを演じる戸谷菊之介、山口諒太郎、平井亜門を直撃。彼らが見る『UniteUp!』の世界とは。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
——オーディションに参加されたときの心境と、合格をしてプロジェクトが動き始めた現在の心境を併せてお聞かせください。
戸谷菊之介 実はオーディションのときには、僕は(清瀬)明良くんではなく別のキャラを受けていたのですが、「何かほかにやりたいキャラはいますか?」と言われて、明良くんを演じてみたい!と思って受けました。それで合格をいただけたことにまずはびっくりしましたね。主人公だったので、嬉しさがありつつもより身が引き締まる想いもあって。これから頑張らないといけないぞ、というプレッシャーを感じましたし、ダンスもやると聞いたこともあって、とにかく身を引き締めてやらなきゃいけないぞ、という気持ちが強かったですね。
山口諒太郎 このお話をいただいたときには、「UniteUp!」という企画に対してソニーミュージックが力を入れてやるということをお聞きしていたので、「これは絶対に受からなくては!」と思いました。僕も元々は(直江)万里くんではない役で受けていたのですが、自分の声的には万里くんが一番しっくりくるなと思っていて。万里くんに狙いを定めて、二次オーディションでは髪色をばっつり抜いてド金髪にして行って、「万里くんがやりたいです」と自己申告して受けさせていただいたら、合格することができました。でも万里くん役を任せていただけたのはいいですが、ダンス、歌、声優としてのお芝居など色々なことを行うプロジェクトということで、それ相応のプレッシャーがあったなと思います。
平井亜門 今回は声優のお仕事をするということでお話をいただいたのですが、普段から「声が特徴的だよね」と言われることが多かったので、声を使うお仕事への憧れがあったんです。元々アニメが好きですし、今回は男性アイドルアニメということで歌だけでなくダンスを人前で披露することになるかもしれないので、大変なのだろうと予想はついたのですが、これは良い機会だ!とも思いました。その大変さを越えたときには自分に様々なスキルが身に付くだろうと思って、企画を聞いてワクワクしましたね。オーディションに合格してプロジェクトが始まりましたが、アニメ放送が始まってからは正直良い意見もあればそうではない意見も散見できて。今は「今に見とけよ」という気持ちでいます(笑)。
戸谷 うんうん。今に見とけよ!だよね。
平井 僕たちは駆け出しのPROTOSTARですが、ここから上がっていくしかないユニットなので。
山口 うんうん!
平井 どんどんUniteしていく姿を見ていてください。
戸谷 痺れるコメント!
——カメラ前のお芝居とマイク前のお芝居とではすごく表現が違うので、特に映像作品のご出演が多い平井さんは戸惑われたのではないでしょうか。
平井 まったく違いますね。俳優をやっているときには尺に合わせてセリフを言うということがなくて。感情の赴くままに呼吸をとってセリフを放つ感じですが、アニメのアフレコは完全に尺に合わせるんですよね。絵があって、刻一刻とシーンが進んでいって「今しゃべるところ」というタイミングがくる。そこに合わせてセリフを言わなければいけないというところで、まったく違う技術が必要なんですね。さらには台本を見て、画面で絵を見て、という目の運動がとても激しいなと感じます。今までやってきたこととは異なる技術職だということをひしひしと感じています。
戸谷 でも、彼は本当に芝居が上手なんです。その基本がありつつ、レッスンから演技を見てきて感じるのは、アニメのアフレコに至るまでにすごく成長をして、技術を身につけていると感じます。アフレコ中でも亜門くんのお芝居で僕自身の心が動かされることもあるので、やっぱり役者さんなのだなあということをすごく感じています。
平井 自分では「ダメだな」って思うんだけど、だんだんわかっていく感じがあるんだよね。徐々に「ああ、こういうことなんだな」ってことを掴んでいく感覚というか。それは菊さんや諒さんという声優の大先輩が隣にいて、すごいお芝居を見せてくれるから「こういうふうにタイミングを合わせるのか」と勉強させてもらっています。
戸谷 レッスンをしているとはいえ、アフレコ自体が初めてだもんね。
山口 やっぱりどうしてもアフレコ中に「滑舌が悪かったです」とか「台本の紙をめくる音が入っちゃいました」というときにリテイクを重ねると収録時間もどんどん延びていってしまうものですが、最後のほうはそんなに延びなかったんです。それって全員の上達あってこそだし、それこそ亜門くんの上達が激しかったからだと思うんです。12話の中でぐっと上達していったのを間近で見守っていました。
——今はこじんまりとしたアフレコになっているから、お芝居を見られる先輩は戸谷さんと山口さんのお二人になりますよね。
平井 そうですね。
戸谷 でも(お手本のような)意識としてはそれほどなくて。自分ができることだけをやっている感じです。
山口 逆に僕は僕で合わせることに精一杯だったので、余裕もなかったです。自分が当初想像して作っていたキャラクターのお芝居と、アニメ自体の像が離れていたこともあり、アニメへと合わせていく作業が自分でも大変な時期だったので。
平井 でも2人のアドリブシーンはめっちゃ勉強になる。
戸谷&山口 ああ~。
平井 台本には特に何も書いていなくて、ただ「AD(アドリブ)」ってあるだけなのに、そこに上手く乗せる。「声優さんはこういうふうにアドリブを考えて入れるんだな」って思って。あれも台本の読み込みが大事で、自分のキャラクターはこういう子だからこの状況ではこんなことを言うだろうっていうことをちゃんと表現している。諒さんを見ていても、何個か考えてきて、こっちがダメならこのパターンを出そう、みたいなことがあるんだろうなって思って。アドリブも一人技もあれば合わせ技もあって。
戸谷 そうだね。アドリブでの会話もあるしね。
山口 合わせ技もそうだけど、考えて持ってきても違う方向だった場合もあるしね?
——そういったところで皆さん、切磋琢磨されているんですね。
戸谷 そうですね。お互いに。
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