リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2022.12.26

「祝福の声」響き渡る、熱い喜びの一夜! “ブシロード15周年記念ライブ in ベルーナドーム”レポート

「祝福の声」響き渡る、熱い喜びの一夜! “ブシロード15周年記念ライブ in ベルーナドーム”レポート

11月13日、ベルーナドームにて“ブシロード15周年記念ライブ in ベルーナドーム”が開催。株式会社ブシロード設立15周年を記念した、同社が展開する様々なコンテンツを中心に総勢19組が出演したこの日のライブは、大型アニソンフェスとしては本当に久々の、観客の声援OKというレギュレーションで開催。約5時間・全65曲(+OPアクト2曲)の大ボリュームの内容はもとより、久々に客席から響くコールや歓声が“ライブ”を感じさせてくれるという点でも貴重なライブとなった。

TEXT BY 須永兼次

3年間蓄えた力が、ステージ上でも客席でも炸裂!

まずはオープニングアクトとして「BanG Dream!」プロジェクトからMyGO!!!!!が登場。メンバーの入場時に挙がる歓声が久々の“ライブ会場”らしさを感じさせるなか、リリース直後の初のオリジナル曲「迷星叫」を披露。力強い演奏に乗る真っ直ぐな歌声が、そこに込められた想いの切実さをより引き立てる。今後の成長とさらなる展開に大きな期待を持たせる1曲だった。

また、オープニングアクト2組目として登場したシークフェルト音楽学院中等部は、「アフレぐ!〜Aufregendes leben〜」を披露。エネルギッシュなダンスをみせステージ上で躍動し、観客の大きなコールを受ける。思えばこの2組、いずれも「叫ぶ」がカギになる楽曲を選曲。これもまた、このライブならではの要素だったのだろう。

そして開演時間を迎えると出演者紹介のOP映像が流れ、そのラストで株式会社ブシロード・木谷高明社長による開会宣言がなされると、トップバッター・RAISE A SUILEN(以下、RAS)が登場。音玉の炸裂とともにシャウトをかましてスタートを飾った「EXPOSE ‘Burn out!!!’」では、ラップに大きなコールが返る光景に「ライブが帰ってきた!」といきなり胸を熱くさせられると、「DRIVE US CRAZY」ではレイヤ役・Raychell(Ba.&Vo.)の先導が会場中からのVOICEをRAISE。メンバー自身もステージを楽しみながら観客を圧倒できるRASは、まさに“いつものライブ”へと観客の心を引き戻すための、トップバッターにふさわしい存在だ。

その余韻が残るなか、ミルキィホームズとHappy Around!の8人がステージへと飛び出して「熱風海陸ブシロード~熱き咆哮~(Hyper Euro Version) 」を歌唱。活動歴の長いユニットと10周年ライブ以降に生まれたユニットの共演が“伝統”を感じさせるなか、下手側からトロッコに乗ったキッダーニ男爵も登場!間奏では会場の中心にあたる位置に到達しあらゆる方向へ感謝の礼をし、続けて「人間五十年」「夢幻のごとく」のフレーズも堂々と務め上げた。

曲明けにはセンターステージにDJ台が登場し、Happy Around!単独の出番に。彼女たちはさらに明確になった個々のキャラクター性と、チームワークの良好さを同時にみせる。特に「君にハピあれ♪」ではセリフや歌声、実際の表情も含めて4人がそれぞれキャラクターに沿った個性を発揮。この日が渡月 麗役として初のライブとなった入江麻衣子も、ほかのメンバーに負けず劣らずのキュートかつフレッシュなパフォーマンスを繰り広げ、「HAPPIEST☆DREAM」で歌われた“ひとつだけど ひとりじゃない”の言葉通りのステージを形作る。そして最後はハピアラと「D4DJ」にとって大事な1曲「Dig Delight!」。1-Bメロの“声が途絶えて しまわないよう”や1サビの“新しいこと 始まれ!”といったフレーズは歓声を取り戻した公演でまた違った意味を持って響いていた。

続く「from ARGONAVIS」のリアルバンド、ArgonavisとGYROAXIAのメンバーからなる「from ARGONAVIS Special Band」は、Argonavisの七星 蓮役・伊藤昌弘(Vo.)とGYROAXIAの旭那由多役・小笠原 仁(Vo.)が、各々の担当キャラの個性を前面に出した歌声で3曲を熱唱。どの曲でも、大サビでは向かい合って歌声をぶつけ合う姿は、アニメさながらの光景だ。そのラストを飾ったのは、Argonavisにとってもプロジェクトとしても初のオリジナル曲「ゴールライン」。そのサビで突き抜けていく個性豊かなツインボーカルは未来への希望の軌跡であり、続けて響き渡ったコールはそれを支えついていくオーディエンス……といった構図の縮図のようだった。

その“希望”をリレーするかのように、クラップを呼び起こしながら「私たちはもう舞台の上」から出番を始めたのはスタァライト九九組。デビュー曲「Star Divine」も含め、舞台公演の多いこの作品らしくスピンやポジションの入れ替えは麗しさを強く感じるものに。加えて笑顔で跳ねまくる愛城華恋役・小山百代やその隣でしとやかに跳ぶ神楽ひかり役・三森すずこなど、キャラ性もバッチリ滲ませたパフォーマンスを展開していく。

さらに九九組からしとやかさという要素は引き継ぎつつ、そこにかわいさをどっかり乗せたパフォーマンスをみせたのが、Lyrical Lily。ユニット活動開始時期がコロナ禍だったリリリリ、桜田美夢役・反田葉月による「ベルーナドーム、声聞きたーい!」の声に返る“初めて”の大歓声を受けながら、ユニットとしての“初めて”の曲「汚れっちまった悲しみの色」を歌う。カバー曲「撲殺天使ドクロちゃん」では、4人がエスカリボルグ……ではなくペンライトをくるくる回すと、春日春奈役・進藤あまねによるDJプレイから「人間合格!!!!」のDメロにあたる「3・3・1・1・3・7拍子」部分に接続しクラップで一体感を増させると、ラストは「吾輩よ猫であれ」のフルサイズ披露へ。「にゃん!」というコール自体はもちろん、猫の手をモチーフにした振付やちょこちょこしたステップ、小首のかしげ方に至るまでまさに“天使”だった。

続く奥井雅美は、まず「only one, No.1」から3曲続けての『デ・ジ・キャラット』の主題歌メドレーで、客席を“でじこカラー”の緑へと染め上げる。この日最初のソロ出演者であった奥井は、大会場を自分のものにしていく姿が彼女のボーカリストとしてのすごさを立たせる。そしてメドレーに続いては、もちろん『令和のデ・ジ・キャラット』主題歌「曖昧さ、幸福論」。A・Bメロは暖かめに、サビでは少し力を込めたパワフルな歌声を響かせると、ステージには着ぐるみのデ・ジ・キャラットが登場!「『意外とすごかった』と絶賛する準備はできたかにょ?」と観客を煽るとスクリーンの中へと“戻り”、バーチャルD.U.Pによる「PARTY☆NIGHT (D-POP version) ~D.U.P.~」へ。曲中ではでじことうさだが曲中小競り合いをしたり、ぷちこがサビのダンスを5才児らしく若干遅れ気味になったり、さらには背景としてサブキャラが星座として描かれたりと、演出は細部までこだわられたもの。「意外と」どころか、「超」すごかった。

そこに「Gonna be right」のイントロにのせて、トロッコに乗ってスタイリッシュに切り込んできたのがPeaky P-key。「D4DJ」において王者感を持つユニットとして描かれる彼女たちは、披露の4曲全てをトロッコの上でこなすという離れ業をみせる。特に犬寄しのぶ役・高木美佑は、トロッコ上という揺れて動く環境でも堂々たるプレイで観客を引き付けつつ、4人とも披露した4曲すべてで振付も交えてさらに盛り上げる。自身初めてのオリジナル曲「電乱★カウントダウン」ではメインスクリーンにアニメ映像の4人が映し出され、久々にカウントダウンの大きなコールが響き渡るなか、山手響子役・愛美の歌声は最後までクール。4曲をかけてゆっくり客席通路を8の字に移動して、距離の近さという「D4DJ」ならではの醍醐味も感じさせてくれた。

次ページ:サプライズ出演者も!各出演者・作品がそれぞれの魅力をぶつけ合う中盤戦

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP