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REPORT

2022.11.06

4DAYSを締め括る、有明アリーナが似合う都会的なステージングを披露!“BanG Dream! 10th☆LIVE” DAY4:RAISE A SUILEN「SOUL ROAR」レポート

4DAYSを締め括る、有明アリーナが似合う都会的なステージングを披露!“BanG Dream! 10th☆LIVE” DAY4:RAISE A SUILEN「SOUL ROAR」レポート

2022年9月22日より4日間連続で開催された“BanG Dream! 10th☆LIVE”を締め括ったのは、RAISE A SUILEN(以下、RAS)。ライブタイトルの「SOUL ROAR」は「魂の咆哮」と訳される。過去最長のライブ「OVERKILL」を6月に開催してさらにひと回り大きくなったRASは、初めて足を踏み入れる最新のアリーナを舞台にこのテーマでどんな光景を見せてくれるのか。会場とバンドに期待以上の親和性を感じさせたライブをレポートする。

PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)、池上夢貢(GEKKO)
TEXT BY 日詰明嘉

RAISE A SUILENのライブはオープニングのSEや音源リミックス、メンバー紹介のレーザーショウから始まっているといっていい。しかも会場は最新の音響・映像・照明設備を備えたアリーナで、冒頭から存分にその威力を発揮させ1万人規模のバンドリーマーのハートを温めると、この日の公演の幕開けに選んだのは「DRIVE US CRAZY」。いきなりのRaychell(Ba.&Vo./レイヤ役)によるアカペラに会場のざわめき立つ。これに小原莉子(Gt./ロック役)、夏芽(Dr./マスキング役)、倉知玲鳳(Key./パレオ役)、紡木吏佐(DJ/チュチュ役)が加わり、シンガロングの状況を作り上げる。

火柱が上がり、往時のようにオーディエンスも声を出せたらどれほど楽しかろうと心の隅で叫びながら、ヘビーなサウンドを身に受けてボルテージを上げていく。1番を軽快に歌って再びシンガロングのタイミングになったときに「魂で叫べ!」と、このライブタイトル「SOUL ROAR」と重なる言葉をシャウトする。そうだ。この状況を肯定的に捉えた言葉が今回のライブテーマなのだ。彼女たちの「魂の轟音」は、いきなりのトップギアで、リリックビデオのフォントからメンバーの真剣な眼差しをライブカメラで抜くスクリーン、間奏の煽りや再び立ち上る火柱までエモさに溢れている。曲終わりに「こんばんは、RAISE A SUILENです」とストイックに名乗り、少しの静かな時間を作って「UNSTOPPABLE」のイントロでまた上げていく。緩急を上手く演出したこの曲では小原のギターソロや、背面弾きをする倉知のキーボード、紡木のDJプレイ、タイトなドラムプレイなど、メンバーの技術も堪能できる。先ほどよりもより長いDJプレイからギターのリフ、テクニカルなキーボードプレイから、Raychellはベーシストとしての姿をアピールせんがごとくゴリゴリのノイジーサウンドを強調する。夏芽はパワフルなスネアやシンバル叩きで魅せ、ソロタイムを存分に楽しみながらも最後はDJサウンドのリズムにキッチリと合わせてくる職人ぶりだ。

Raychell

Raychell

メンバーカラーのLEDが乱れ飛び、そこから「Invincible Fighter」のイントロが始まるとスモークが焚かれ、疾走感溢れるサウンドに乗せてたちまちフロアが一斉にタオル回しの光景が展開する。メンバーのコーラスもかわいらしく入り、2番ではクラップを呼ぶサウンドメイクに。高らかなシャウトからソロ回しを挟み、キラキラのキーボードサウンドとRaychellのボーカルが鍔迫り合いをしながら曲を終えた。続けて同じ3rdシングルからカップリング曲「Takin’ my Heart」へ。静謐なピアノから始まるバラード曲に対し、スクリーンは真っ白でライトもシンプルに2灯のみと曲に集中させる照明演出だ。展開に合わせてバンドサウンドが盛り上げていき、リリックビデオを背負いながらシリアスな表情で歌いきった。

小原莉子

小原莉子

「EXIST」のイントロが流れた瞬間、軽いざわめきが起こり、スクリーンには雪が舞う。リリックのデザインも普段とは異なる世界観で、歌謡曲的なメロディに赤い灯が叙情性をさらに増す。こうした情緒はボーカルの丁寧な技巧や各楽器の強弱からも感じられた。青いレーザーが会場を横切るなか、続けてDJは高速の指さばきをしつつも魅せるプレイをし、キーボードはクラシカルなピアノフレーズをまぶし、ギターは音階を刻む。続いて「Sacred world」の都会的なキーボードのイントロを分厚いサウンドが支え、強い声音作りに挟まれるラップパートが良いアクセントとなっている。中盤からの応援の熱さ、キーボードの旋律やギターソロとバトルする場面の盛り上がりは特筆すべきタイミングだった。

夏芽

夏芽

ここまでノンストップで6曲を歌い、一旦コンディションを整えつつも、マッシュアップ音源のDJをかけてオーディエンスのテンションをキープする演出だ。Raychellのハイトーンが響き渡り、「さあさあ、私たちの色に染まりなさい」と言うと紡木が「全員でアガるわよ」と煽り「!NVADE SHOW!」のキャッチーなイントロが響き渡る。サビで「暴れろ~!」と煽ると爆音のツーバスドラミングに合わせ、さらに会場盛り上がりを見せる。この曲はそれぞれのプレイヤーの演奏以外のパフォーマンスも豊かで見どころとなった。お立ち台にギターを置いてタッピングをする小原やステップしながら流麗なキーボードプレイを見せる倉知、そしてほかメンバーも暴れ回り、終始ステージと客席が一体となった熱い空間を作り上げていった。そのままシンセのループが聴こえるとたちまちクラップが湧く。紡木による「灼熱 Bonfire!」の振付タイムだ。この演出もすっかりお馴染みとなったが、曲自体のパーティーソングとしての完成度も高く、ドラミングのアゲ方やコーラスワーク、キーボードのサウンドメイクやマニピュレーション、DJのアクセント付けまで寝られた構成が光る。

長く大きなクラップのあと、Raychellは「暴れていけんのか?ついてこい」と煽り、「OUTSIDER RODEO」へ。ヘビーなギターサウンドを挟み、この日一番のハードな音圧でツーバスとベースが轟音をかき鳴らす。メンバーたちも頭を振ってタオルを回しての演奏が実に楽しそうだ。膝を立てたギタープレイ、高速で挟み込むラップ、クールな表情で奏でるキーボードなど、それぞれメンバーの個性も見どころだ。ここまで60分。ようやく最初のMC時間だ。2023年2月に早くも有明アリーナに凱旋する“BanG Dream! 11th☆LIVE”の告知が行われ、Poppin’Partyとの対バンが告げられると、オーディエンスだけでなくメンバーも喜びの声を上げ、早くもコラボ曲や衣装合わせを相談するほどだ。また、この日にお目見えした新衣装でそれぞれのお好みをアピールする場面は、MCが少なめのRASの人となりをステージ上で見ることができる貴重な機会だ。

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