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2022.11.06

“羽撃こう…頂点の夢へと”――有明アリーナを揺らす轟音を響かせた“BanG Dream! 10th☆LIVE” DAY1:Roselia「Sonnenschein」レポート

“羽撃こう…頂点の夢へと”――有明アリーナを揺らす轟音を響かせた“BanG Dream! 10th☆LIVE” DAY1:Roselia「Sonnenschein」レポート

2022年8月に開業した有明アリーナは国内有数の規模を誇る大規模なコンサート会場だ。ここで9月22日より4日間連続で開催された“BanG Dream! 10th☆LIVE”のトップバッターを飾ったのはRoselia。今年5月の富士急ハイランド・コニファーフォレストでの2DAYSライブをはじめ、これまでも大舞台で堂々たるステージングを展開してきた彼女たちは、この真新しい会場でどんな光景をバンドリーマー(「BanG Dream!」のファンの呼称)たちに見せてくれたのか。大興奮のステージをレポートする。

PHOTOGRAPHY BY ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)
TEXT BY 日詰明嘉

有明アリーナは最新の会場とあって、オープニングの段階から巨大なスクリーンでオーディエンスの気持ちを昂ぶらせてくれる。そんなスクリーン上に荘厳なSEとともに、志崎樺音(Key./白金燐子役)、櫻川めぐ(Dr./宇田川あこ役)、中島由貴(Ba./今井リサ役)、工藤晴香(Gt./氷川紗夜役)、相羽あいな(Vo./湊友希那役)が次々と映し出され、バンドリーマーたちはそれぞれに大きな拍手を送る。最初の曲は5月にリリースしたミニアルバム『ROZEN HORIZON』に収録された「THE HISTORIC…」をライブで初披露する。さらなる高みを目指し次のステップを見据えたこの曲をオープニングナンバーに持ってきたことにメッセージ性を感じずにはいられない。アリーナのクラスに相応しい圧があり、リフの1つ1つも鮮明に聴こえる見事なサウンドメイクだ。大型のLEDビジョンも縦に5分割され、それぞれの演奏を細やかに映し出したりリリックをエモーショナルに見せたりと、冒頭からこの会場の音と映像を堪能できるパフォーマンスを見せつけてくれる。

メンバー紹介をクールにキメたあと、『BanG Dream!2nd Season』OPテーマ「BRAVE JEWEL」へ。画面にはアニメーションMVが映し出され、出だしのエモーショナルな歌唱から高速リフで一気に駆け上がると、クラップが沸き起こり、会場は大きな盛り上がりを見せる。エネルギッシュな歌唱で会場を引っ張るなか、パフォーマンスでは相羽と工藤が背中合わせをしたり、櫻川や志崎をカメラが真上から映し大画面で見せたりと、メンバーで魅せる演出でも沸かせる。

MCに入り、往時であればここで熱い思いの丈を発するバンドリーマーの叫びが聞こえてきたが、まだまだマスクと声出し不可の現状を鑑み、拍手でそれを伝える。大会場全体から1万人規模の熱い拍手が巻き起こると、その音量から改めてこの会場の規模感を実感させられる。メンバーがキャラクターボイスでの注意事項を述べたあと、「Opera of the wasteland」のタイトルを相羽がコールするとオーディエンスの間から軽くどよめきが湧く。この曲はリリースから3年を経過した2021年12月にライブ初披露された楽曲だ。今回はその時以来2回目の披露となる。進軍するかのようなスネアからツーバスの連打、キーボードのハイスピードなメロディに乗せ、相羽は芯の強さをボーカルでシャウトしていく。曲中にはパイロが立ち上りリリックが表示されるなどオーディエンスの昂りを後押しし、細やかなピッキングが冴え渡るギターソロへ。相羽のシャウトとコーラスが次々と展開するラストにも酔いしれた。続く「PASSIONATE ANTHEM」は冒頭からメンバーのコーラスと相羽のシャウトが交差し、ドラムに合わせ一際高いクラップが沸き起こる。相羽が休みなくハイトーンを叩き込むなか、コーラスが加速しキーボードソロ中にはスモークも焚かれ、最後まで緊張感を保ったまま歌い上げた。

相羽あいな

相羽あいな

MCでライブタイトル「Sonnenschein」(太陽の光)を解説すると、ライティングは相羽に集中し、「友希那さんが”Sonnenschein”」と言われ笑いを取る一幕も。それに対して相羽は「私たちにとって太陽の光は、みんなのブレード1つ1つの光なのかもしれない」と話すと大きな喝采を浴び、そこから「Ringing Bloom」のイントロのドラムとシンセサウンドに再びクラップが湧く。次々とアタックするボーカルに志崎の柔らかな声質が寄り添う。キーボードソロで彼女の見せ場を作ったあと、工藤のたしかなギターソロが続き、冷静かつ情熱も込もった歌声でパフォーマンスしていった。そのまま温かな光りに包まれミドルテンポの「“UNIONS” Road」を歌う。間奏前には相羽が「私たちと1つになりましょう」と話し手を掲げると、そこからメンバーのエモーショナルなコーラスが響き渡り、ラストのサビから櫻川と志崎が目を合わせアウトロを5人で合唱し締め括った。

工藤晴香

工藤晴香

中島由貴

中島由貴

幕間の「キャラ設定をくずしちゃいけない!!」の新作映像でステージとはまた一味違った笑いを提供したあと、ライブは後半戦へ。「Determination Symphony」は氷川紗夜をフィーチャーした曲ということで会場は青の光に染まり画面にはアニメーションライブが流れる。相羽はアグレッシブさを持ちつつ伸びやかな声で緩急をつけ、工藤は高速のカッティングをキメたギターソロを叩きつけ、ラストもキレよくキメた。ここまでカップリングを積極的に採り入れつつテンションの高いセットリストを構築してきたRoseliaはここで10月26日発売の新曲「Swear ~Night & Day~」をフルで初披露。ミドルテンポでメッセージ性の高い楽曲をじっくりと聴かせていく。本楽曲も氷川紗夜にスポットを当てた楽曲で、工藤と相羽の向き合う姿が印象的だった。最後に相羽はステージに背を向けるとスクリーンには彼女を捉えバンドリーマーたちを背負う構図が映し出された。今後のセットリストでもエモーショナルな位置づけの楽曲になることだろう。

櫻川めぐ

櫻川めぐ

志崎樺音

志崎樺音

MCでは新衣装について言及し、上半身はRoseliaのバンドカラーと彼女たちらしい装飾で揃え、下半身はスカートやハーフパンツなどそれぞれの個性で魅せ喝采を浴びていた。相羽が「私たちはさらに突き進む」と「Sprechchor」を5月のライブに続いて披露する。ドラムの音に存在感がありドラマチックに展開していく楽曲に相羽の見事なシャウトが朗々とこだまする。2番のAメロに入るとクラップが入りさらに熱を増し、ギターソロでは工藤が緻密に奏で最後のボーカルワークまでアリーナの音響を壮大に使い切った。

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