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INTERVIEW

2022.10.13

【インタビュー】皆さんへ恩返しを――5年間の軌跡と成長が詰まった映像作品「ITO MIKU Live Tour 2022『What a Sauce!』」とともに、同ライブのこだわりや自身の楽曲を振り返る

【インタビュー】皆さんへ恩返しを――5年間の軌跡と成長が詰まった映像作品「ITO MIKU Live Tour 2022『What a Sauce!』」とともに、同ライブのこだわりや自身の楽曲を振り返る

伊藤美来のライブ映像作品「ITO MIKU Live Tour 2022『What a Sauce!』」とMV集「ITO MIKU Music Video Clips」が、彼女の26歳の誕生日となる2022年10月12日(水)にBlu-rayで同時リリースされる。前者には同名のライブツアーより、4月16日に行われた東京国際フォーラム ホールA公演の模様を収録。後者にはこれまでに発表されたすべてのMVがまとめられており、彼女のアーティスト活動の軌跡と成長を映像でしっかりと確認できる2作品だ。ソロデビュー5周年イヤーを経て、ますます輝きを増す彼女に、同ライブでのこだわりや見どころを中心に話を聞いた。

■“伊藤美来 Live Tour 2022 『What a Sauce!』”東京公演レポートはこちら

ライブはファンとコミュニケーションが取れる大事な場所

――今回Blu-ray化される「ITO MIKU Live Tour 2022『What a Sauce!』」は、ソロアーティスト活動5周年を迎えた伊藤さんの5年分の成長が感じられるライブでした。ソロデビュー当初と今を比べて、ライブに対する向き合い方はどのように変わりましたか?

伊藤美来 デビューしたての頃は、とにかく「楽曲をちゃんと届けなくちゃ」という気持ちが強くて、CDの歌声を再現できるようになるまで練習する、という向き合い方でした。セットリストも全部お任せで、周りの人たちが考えてくれたものに対して応えていくだけで精一杯だったので、緊張はすごくあったけど、自信はまったくなくて……「なんで私は下手なのにステージで歌わなくちゃいけないんだ!」くらいに思っていました(苦笑)。「卵、投げられないかな」とか考えてしまって。

――誰もそんなことしないですよ(笑)。

伊藤 でも、実際にライブで歌うと、ファンの皆さんがすごく受け入れてくださって、優しさを感じましたし、ありがとう!という気持ちが大きかったです。そこから活動を続けていくなかで、ライブはファンの方とコミュニケーションが取れる大事な場所だと思うようになりました。ソロで活動していると、レコーディングやリハーサルでドツボにハマったり、大変に感じることもあるんですけど、その頑張って作り上げたものをライブで皆さんに見てもらうことで完成する。自分にとってライブはそんな場所になっています。

――緊張することはなくなった?

伊藤 緊張は今でも昔と同じくらいします。でも、今はスタッフの方としっかりコミュニケーションが取れるようになって、自分の考えややってみたいことを伝えられるようになったぶん、それが少しずつ自信にもなっていて。自分のできることや安心材料が増えたことで、ライブ自体を楽しむ気持ちもどんどん上昇しています。

――今回映像化されたライブツアー“What a Sauce!”でも、伊藤さんの意見が取り入れられているのでしょうか。

伊藤 (「傘の中でキスして」の)傘を差す演出や、5周年に合わせて舞台セットに過去の思い出深いグッズや要素を取り入れるアイデアは、私から提案しました。もちろん色んな方の意見があったうえでなのですが、私も1つ1つの楽曲に対して「こういう演出がいいかも」というのが思い浮かぶようになりました。

――“What a Sauce!”というライブタイトル自体もユニークですよね。直訳すると「なんてソースだ!」という意味ですが。

伊藤 今回は直近のシングル「パスタ」と、その次のシングル「青100色」の2曲がメインになるライブだったので、そのうち「パスタ」の方に合わせて、このタイトルにしました。ライブで披露する楽曲を色んなフレーバーのパスタに見立てて、色んな味を楽しんでもらえるライブにするよ、ということです。ちょっとこじつけみたいな感じですけど(笑)。

驚きの演出が続々!?工夫と成長が詰まったステージ

――ここからはライブを1曲目から順に振り返っていただきます。まずは冒頭、まさかステージの上空から登場するとは思いもよらず、現地で観ていてびっくりしました。

伊藤 演出の打ち合わせをしているときに、監督さんから「飛んでみる?」と言われて、私は「うーん」って言っていたんですけど……いつの間にか話がどんどん進んでいたみたいで、本番では飛ぶことになっていました(苦笑)。

マネージャー 「うん」って言うから。

――「うーん」がOKの「うん」と捉えられたわけですね(笑)。

伊藤 高いところやアトラクション系が苦手とかはなかったので、「まあいけるかもなあ」とは思っていたんですけど、上から降りていくのはちょっと恥ずかしくてドキドキしました(笑)。でも、観てくれた皆さんの印象に残ったみたいで良かったです。

――上空から颯爽と登場して、1曲目の「No.6」を披露する流れもかっこ良かったです。

伊藤 1曲目が「No.6」ではなかったら多分上から降りてきていないです(笑)。あの曲だからこそ合う演出だと思ったので。そこから「Shocking Blue」「閃きハートビート」を続けて歌ったのですが、それもインパクトを狙いました。この3曲は知名度が高くてライブでも盛り上がる人気曲なので、まさか出だしから連続でくるとは思わないだろう、と。

――なるほど。続いてのブロックも、ステージ上のターンテーブルが回転してカフェ風のセットにするなど、趣向が凝らされていましたね。

伊藤 このブロックは、飲み物や食べ物がタイトルに入っている楽曲(「Morning Coffee」「Pistachio」「パスタ」)を並べて、朝にコーヒーを飲んで、ちょっと散歩をして、「お腹すいたなー」と思って見つけたパスタ屋さんに入る、みたいな流れを、ダンサーさんと一緒にお芝居風の演出で見せました。

――しかも「パスタ」では、伊藤さんが歌い終わったあとにパスタを実食して締め括るという。

伊藤 美味しかったです(笑)。実は本物のパスタを食べることが決まったのは大阪公演の当日で、リハのときは(パスタの)レプリカを使って食べたふりをしていたんです。だから本番では、どんなパスタが出てくるのかも知らず、「何味だろう?」みたいな(笑)。

――そういえばMCで「大阪(公演)では頬張りすぎた」とおっしゃっていました。

伊藤 (パスタを)勢いよく巻きすぎて一口がすごく大きくなってしまって、次のMCで全然しゃべれなかったんです(笑)。なので東京ではちゃんとしゃべれるように少量を綺麗に巻こうと思ったんですけど、オイル系のパスタだったので滑って巻けなくて(苦笑)。「まずい、このままじゃ曲が終わっちゃう!」と思って、巻けてないのに無理やり口に放り込みました。

――たしかに少しあたふたしていました(笑)。で、次のブロックでは、大人っぽさを感じさせる楽曲を連続で披露しましたね。

伊藤 ライブ初披露だった「気づかない?気づきたくない?」の流れに合う楽曲を考えた結果、どちらも久しぶりに歌う「土曜のルール」と「ルージュバック」を選んで、「今の私が歌うとこうなるよ」みたいな感じで成長を見てもらう、“大人になりましたよ”を披露するブロックになりました。

――「気づかない?気づきたくない?」のラップパートもスタイリッシュにこなしていて、見せ場の1つになっていました。

伊藤 (「気づかない?気づきたくない?」を楽曲提供した)竹内アンナちゃんにレコーディング現場でもらったアドバイスを思い出しながら頑張りました。映像ではカメラワークやカット割りもかっこ良くしていただいているので、さらに見応えがある1曲になったと思います。

――そのあとの衣装チェンジ中に流れたインタールード映像では、洋服屋で色んな服を試着して楽しむ伊藤さんの姿が印象的でした。

伊藤 今までのライブでも毎回色んな映像を作っていただいてきたなか、今回はどうしようか悩んだ結果、“別の衣装に着替える”ということをそのまま表現する映像にしました。BEAMSさんで色んな洋服を着させてもらって。鋲入りの革ジャンとか、普段着ないような服も着たりして、新鮮で楽しかったですし、すごくお洒落な映像に仕上がって嬉しかったです。

次ページ:活動のモチベーションは「皆さんに向けて恩返しをする」

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