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REPORT

2022.10.07

【ライブレポート】雨の野音に鋼の咆哮が鳴り響く!JAM Project初となる全編「スーパーロボット大戦」楽曲からなるスペシャルライブ!「HIGHWAY STAR PARTY 〜JAM Project STRONG LIVE feat.SRW OG〜」レポート

【ライブレポート】雨の野音に鋼の咆哮が鳴り響く!JAM Project初となる全編「スーパーロボット大戦」楽曲からなるスペシャルライブ!「HIGHWAY STAR PARTY 〜JAM Project STRONG LIVE feat.SRW OG〜」レポート

結成から20年を超えてなおシーンの最前線を切り拓いていくパイオニアであり、アニソンシーンのリビングレジェンドとしてその存在感を誇示する地上最強の五角形、JAM Project。およそ1年ぶりとなるワンマンライブは、彼らが所属するマネジメント・HIGHWAY STAR主催による9月17、18日の2日間に渡って開催されたもの。そのDAY1の17日には、GRANRODEOがBLUE ENCOUNTを迎えての”GRANRODEO VS LIVE Ramble Scramble”で会場の日比谷野外音楽堂を熱狂の渦に包み込んだ。そしてDAY2となる18日は、JAM Projectと「スーパーロボット対戦OG」とのコラボレーションということで、彼らがデビュー当時から長く歌い続けてきた「スパロボ」楽曲のみで構成されるというグループ初のスペシャルなプログラムとなった。荒天の野音に熱く激しいJAMのパフォーマンスが響き渡った、”THE STRONGEST”な一夜をレポートする。

雨雲を切り裂くようにーーGONG鳴らせ!!

会場となった日比谷野外音楽堂はこれまで数々のバンドがそのステージを踏んだ、いわばロックの聖地。一方で野外ということで天候にも左右されることが多く、時にはそれが伝説のライブとなって語られることもある。ライブ当日のこの日もまた、数日前から日本列島を襲った台風14号の影響で、開演前から雨がふるあいにくの空模様。そんななか、オープニングアクトには梶浦由記の劇伴などにも参加する沖縄出身のシンガー・shuriと、JAM Project「Max the Max」のアレンジや演奏などを手がけるギタリストのケンシロー(WHITEFISTS)が登場。エレキギターと歌のみという編成ながら、shuriのパワフルな歌唱とケンシローの柔らかなギターフレーズが実に印象的。JAMの「Little Wing」のカバーを含む3曲で観客の耳をグッと惹きつけ、オープニングアクトとしての役割を存分に果たしていた。

オープニングアクトが終わり、会場にはディープ・パープル「Highway Star」が流れると、いよいよJAMの出番を迎える。JAMと野音というと、思い起こされるのは2004年に開催された”JAM Project 4th LIVE VICTORY”と2005年の結成5周年記念LIVE”KING GONG”だろう。アニソンシーンとしてもライブにおいて大きな変革を迎えたこの時期に、JAMが野音で残した影響は大きい。特に”KING GONG”が開催された2005年は、JAMも出演した”Animelo Summer LIVE”の第1回をはじめ、アニソンライブが巨大化していった頃にアニソンライブのパワーを見せつけたライブとして語り草になっている。そういえばあの日も天気はあまりよくなかったような……と思い返していると、「Highway Star」がフェイドアウト、会場にはあの印象的なメロディがギターで鳴らされる。荘厳で胸を締めつけるような「GONG」のメロディをオーバーチュアにしてバンドメンバーが、そして遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、影山ヒロノブ、福山芳樹の順で、5人がステージに登場。そして彼らがステージの定位置に立った瞬間、まるで雷鳴のような「GONG」のイントロが鳴り響いた。ゲーム「第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ」主題歌として2005年にリリースされたこの楽曲、2003年にリリースされた「SKILL」以降、シンフォニックなメロディアスハードロックサウンドへと傾倒していったJAMにとって、その路線を突き詰め、プログレッシブな展開美までを見せた時期の名曲であるが、あれから17年経った現在も、分厚いバンドサウンドと5人のボーカルが合わさった壮大なスケールは圧巻のひとこと。サビまでの「Wow〜」という5人の地鳴りのようなシンガロングのあと、”「GONG鳴らせ!!」”という叫びが野音にこだまする。それにJAMのファン=ガーディアンズも拳を突き上げて呼応する。改めてJAMのライブの熱量の高さを冒頭から思い知らされた。そして、その熱に観客は次々と雨具を脱ぎ、Tシャツ姿で熱狂する。気がつけば、開演前から降っていた雨はあがっていた。

のっけから強烈なパフォーマンスを見せた直後、影山が「さあ、天気はどう転ぼうとも、最高の夜にするぜー!」と宣言、そこから奥井の美しいボーカルから「迷宮のプリズナー」へと続く。「スパロボ」縛りのセットと知っていながらも、この展開にエキサイトしないはずはない。また、影山と福山が肩を組んでハーモニーを聴かせるなど、緊迫したサウンドのなかでもステージ上の5人はリラックスしているようにも見え、改めてこの日限りのお祭りというものを観客と共に楽しんでいるようだった。そうした冒頭が過ぎ去ったかと思えば、そこから間髪入れずTVアニメ『スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ ウォーズ-』OPテーマ「Break Out」へ。サビの”Oh Oh Oh Oh Super Robot Wars”のシンガロングパートも、ガーディアンズは声が出せない代わりに拳で応える。そこから畳み掛けて「RISING FORCE」へ。切り裂くようなビートのなかで奥井の美しくも力強いボーカルが印象的な楽曲だ。そんな奥井のソロパートで「RISING FORCE」を締めくくったかと思えば、そこからさらに奥井のソロパートから始まる「Fight to the end〜聖戦〜」へ。バンドのスリリングなインタープレーも交えながら、冒頭5曲を圧巻のパフォーマンスで駆け抜けていった。

そして最初のMCへ。遠藤がまず「会いたかったぜー! Everybody!」と叫んだあと、雨男の多いとされるJAMらしく(?)、「絶好のJAM日和」と口にする。「今日も声に出して歌えませんけど俺のたちの歴史、『スパロボ』の歌をたっぷり楽しんで帰ってちょうだい!」と宣言。続いては、そんな遠藤の必殺シャウトが冴え渡る「MAXON」からセット再開。雄々しいクワイアのようなボーカルハーモニーを堪能できる「流星Lovers」、プログレッシブな展開も圧巻な「Wings of the legend」と続く。

これからも続く、JAM Projectと「スパロボ」の鋼の絆

「スパロボ」という作品のテーマソングでありながら、それぞれ抱えるテーマやアプローチも異なるバラエティに富んだセットが続いていく。そうした長い歴史と数多くの楽曲を有するJAMと「スパロボ」。それもあってMCでも遠藤が「本当は全曲やりたいんですけど、そうなると3Days欲しいな」ということで、続いては今日の日のために「スパロボ」楽曲をメドレー形式で披露するという”魅惑のスパロボヒットメドレー”(奥井命名)へ。「Tread on the Tiger’s Tail」によるドラマティックなオープニングから、ストロングなシンガロングがかっこいい「鋼のWarriors」、スリリングな展開を見せる「Rebelion〜反逆の戦士達〜」、きただにのスクリームから始まる「Crest of “Z’s”」、”Fire”のシャウトにテンションがあがる「THE EXCEEDER」、そして「鋼のレジスタンス」とアッパーな楽曲を立て続けに披露、改めて「スパロボ」楽曲の熱量の高さを感じさせるメドレーとなった。そこから間髪入れず5人の美しいボーカルを堪能できる「NEW BLUE」でしっとり聴かせる。MCを挟んでからJAMにとって現在最新の「スパロボ」楽曲である「Drei Kreuz~鋼のサバイバー~」、感動的なバラード「with love」へ。5人の美しいハーモニーを聴かせたあとにはグルーヴィーな「D.D 〜Dimension Driver〜」と、終盤に入ってもエネルギッシュなパフォーマンスを見せる。

そして本編最後のMCでは、影山が「思い起こせば2000年」と語り始める。「業界のなかでいちばん最初にJAM Projectを支持してくれたのは、寺田(貴信プロデューサー)さん率いる『スーパーロボット大戦のチームでした!」と改めてJAMと「スパロボ」の硬い絆を示す。そして「これからもJAM Projectが音楽を作り続け、真剣に音楽を考えてアニソンを考えて存在する限り、最高の『スパロボ』ソングを作っていくことをここに誓います!」と熱く絶叫。その熱量そのままに、「Shining Storm〜烈火の如く〜」へとなだれ込んでいき、そこから「Rocks」へと続いていく。”Super Robot”のシンガロングが地鳴りのように響き渡るなか、ライブは高いテンションのままクライマックスへと向かう。そしてJAM Projectと「スパロボ」とのタッグ、その原点となる楽曲「鋼の救世主」のサビのメロディが流れる瞬間、そのテンションは最高潮に達した。終盤での遠藤によるおなじみの超ロングトーンも含め、改めてこの楽曲はJAMのライブには欠かせない。そして本編ラスト、あのストリングスのフレーズが流れ、ステージ上のメンバーも観客も誰もが天高くビクトリーサインを掲げる。最後に披露されたのはもちろん大アンセム「VICTORY」だ。1コーラスを歌ったあとにメンバーがステージ中央に集まるという、幾度となく観たフォーメーションであるが、そこで叫ばれる”We’ll never die”のメッセージは、どんな苦境にも立ち向かおうとする今の時代、そしてこの日にはズシンと重く響く。およそ20年間、聴くものの困難を打破し、鼓舞していく、決して色褪せることのないストロングなサウンドとメッセージが、「スパロボ」楽曲には込められているのだ。

アンコールではガーディアンズにそっと寄り添い、しかし力強いボーカルを聴かせる「POWER」からスタート。MCでは影山がこの曲の当時在籍していた水木一郎に触れ、「アニキもめっちゃ頑張ってるんだから、俺たちが雨だのなんだのって言ってらんないっしょ!」と熱く語った。そして最後には「スパロボ」とJAMの歴史に、そしてアニソン史に燦然と輝く歴史的アンセム「SKILL」で締め括られた。途中、ライブの定番である”Motto! Motto!”のコール&レスポンスが幾度となく繰り返される。観客が発声できない現状ではあるが、それもなお繰り返されるたびにエネルギーが充填されるような高揚感が得られる。まさに無敵な状態というか、改めてJAM Projectと「スパロボ」によるタッグの無敵さを感じながら、ライブは幕を閉じた。

JAMとしてもツアーを控えるなかでのひさびさのステージということで、今なお彼らが”THE STRONGEST”なライブアクトであることを強く印象づけたこの日。そしておよそ20年間歌われてきた「スパロボ」楽曲の力強さというものも、「スパロボ」オンリーとなったこの日のセットによってより浮き彫りになった。MCでも語られていたが、現在彼らはスマホゲーム「スーパーロボット大戦DD」の主題歌を制作中であり、この最強タッグのその先というものも、間もなく聴かれるはずだ。そしてJAMとしてはニューアルバム『THE JUDGEMENT』をリリースし、それを伴う全国ツアーがスタートする。彼らが作り上げるこの熱狂は、2022年後半もまだまだ鳴り止みそうにない。

TEXT BY 澄川龍一

「HIGHWAY STAR PARTY 〜JAM Project STRONG LIVE feat.SRW OG〜」
日程:2022年9月18日(日) 日比谷野外音楽堂
出演アーティスト:JAM Project
Opening Act:shuri (performed by WHITEFISTS)

<DAY2>SET LIST
【shuri Performed by WHITFISTS(Opening Act)】
01 知らない明日
02 終わらない
03 Little Wing(Cover)

【JAM Project】
01 GONG
02 迷宮のプリズナー
03 Break Out
04 RISING FORCE
05 Fight to the end〜聖戦〜
06 MAXON
07 流星Lovers
08 Wings of the legend
09 メドレー<Tread on the Tiger’s Tail/鋼のWarriors/Rebelion〜反逆の戦士達〜/Crest of “Z’s”/THE EXCEEDER/鋼のレジスタンス>
10 NEW BLUE
11 Drei Kreuz~鋼のサバイバー~
12 with love
13 D.D 〜Dimension Driver〜
14 Shining Storm〜烈火の如く〜
15 Rocks
16 鋼の救世主
17 VICTORY

EN1 POWER
EN2 SKILL

関連リンク

JAM Projectオフィシャルサイト
https://jamjamsite.com/

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