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2022.08.26

【ライブレポート】「これからもみんなで最高の夢を追いかけていきましょう!」――。水樹奈々、約3年ぶりとなるライブツアー“NANA MIZUKI LIVE HOME 2022” さいたまスーパーアリーナ公演をレポート

【ライブレポート】「これからもみんなで最高の夢を追いかけていきましょう!」――。水樹奈々、約3年ぶりとなるライブツアー“NANA MIZUKI LIVE HOME 2022” さいたまスーパーアリーナ公演をレポート

水樹奈々が、ついに自身の音楽活動のホームというべき“ライブ”の現場に本格的に帰ってきた。実に約3年ぶりとなるライブツアー“NANA MIZUKI LIVE HOME 2022”が、この夏に開催されたのだ。兵庫を皮切りに、ワンマン初上陸となる茨城(しかもこれで47都道府県完全制覇!)、埼玉、宮城、愛知を巡った計10公演。そのうち、8月7日に行われたさいたまスーパーアリーナ公演のレポートを、ここにお届けする。

レアな楽曲も披露!一大エンタメショウが繰り広げられた前半戦

7月にリリースされたばかりのニューアルバム『DELIGHTED REVIVER』を引っ提げて行われた今回のツアー。新作には、水樹自身の「ホームグラウンドであるエンターテインメントの現場を復興させていきたい」という想いが込められていたわけだが、今回の公演ではその意志を改めて強く感じ取ることができた。水樹のステージはいつでも超一流のエンターテインメントであり、今回もまた、その例に漏れることはなかったからだ。

OP映像では、バックパッカーに扮した水樹が登場。砂漠のような荒野にどこまでも伸び続けるハイウェイ。アメリカのロードムービーに登場しそうなその道を歩く彼女の目指す先は、当然ファンが待っている会場だ。映像がフェードアウトし、水樹のバックバンドであるCherry Boysの前奏に導かれ、いよいよ水樹がステージに登壇。カウガール風の服装に身を包んだ彼女は「今夜は最高の一日にしようぜー!」と檄を飛ばし、ファンに愛され続けている名曲「New Sensation」で力強くライブの幕を開ける。ステージセットも、西部劇に登場する街並みや荒野を彷彿とさせるもので、曲の終盤、ファイヤーこと藤陵雅裕のサックスと水樹のパワフルなフェイクが絡み合う場面は、アメリカンロックな雰囲気が一層強まっていた。

そこからこれまたライブの鉄板曲「POWER GATE」を投入。水樹はいつものようにステージの端から端までダッシュしながら、“一人じゃないから”と歌いかけ、会場のみんなと力を合わせて新しい時代への扉、エンターテイメントの新時代を切り拓いていく。Cherry Boysとバックダンサーのteam YO-DAの面々が横一列に並んでパフォーマンスする姿も壮観のひと言。さらに最新アルバム『DELIGHTED REVIVER』のリードトラック「Go Live!」に繋げ、カラフルな照明演出も相まって一大エンターテイメントショウといった趣きに。

出だしからパワフルな3曲を立て続けたが、これはまだまだ序の口に過ぎない。水樹もMCで「夏なので容赦しないセットリストになっていますけど、皆さん、最後までついてきてくれますか?」と呼びかけ、上松範康(Elements Garden)のペンによるパッション溢れるメロディも印象的な「ROMANCERS’ NEO」、そしてスマートフォンゲーム「鋼の錬金術師 MOBILE」主題歌となる神秘的な雰囲気を纏ったロックチューン「スパイラル」と、対照的なアップナンバーを連続で畳みかけてオーディエンスを揺さぶる。

ここで水樹のライブでは恒例のCherry Boysコーナーを挿み(今回はカントリー風のオリジナルソングが披露され、イタルビッチことギターの渡辺 格はバンジョーも弾いていた)、ブルーとピンクを基調とした華麗なワンピース衣装に着替えた水樹がステージ上段に登場。ニューアルバム収録の新曲「HOLY TALE」を、美しい映像を背にしながら、包容力たっぷりの歌声で届ける。さらにライブで歌われるのは珍しい「LOOKING ON THE MOON」を、花道を練り歩きながら披露。歌詞の“明日はきっと晴れるよ”というフレーズが、やけに胸に響く。

そのまま花道で恒例の「回って」タイムを設け、新衣装をバッチリとアピールした水樹は、続いて本ツアーのためのお楽しみ企画「水樹奈々 初めての○○」について説明する。元々は歌手デビュー20周年に合わせて開催予定だったツアー“NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020”に向けて用意していたというこの企画。水樹にとっての「初めての○○」をテーマにしたレアな楽曲を各公演ごとに披露するというもので、前日の8月6日のさいたまスーパーアリーナ公演では、「初めてのカバーソング」というお題で森川美穂の名曲「おんなになあれ」を歌唱した(5thシングル「POWER GATE」のカップリングに収録)。

そしてこの日のお題は「初めての作詞曲」。今や自分の作品で多くの楽曲の作詞を行っている水樹だが、初めて作詞したのは一体どの曲なのか?最初期の本人作詞曲といえば「恋してる…」(2003年)が思い浮かぶが、実はキングレコードからデビューする以前の時代、彼女がまだ10代の頃に自ら作詞したオリジナル曲があったのだという。それがこの日に披露された「つばさをひろげて」。WEBラジオ「ななチャンネル」のために制作された楽曲だ(作詞:水樹奈々 作曲・編曲:廣樹輝一)。これからの未来への希望を感じさせる歌詞はフレッシュそのもので、Cherry Boysの演奏による爽やかなアレンジ、水樹の晴れやかな歌声が清涼剤のように心を解きほぐしてくれる。「初めての○○」企画ならではのマニアックな選曲に、コアなファンも唸らされたのではないだろうか。

懐かしい楽曲に続いては最新の水樹奈々を、ということで、続いてはTVアニメ『トモダチゲーム』のOPテーマでもあるジャジーなナンバー「ダブルシャッフル」。2番から曲調がガラリと変化する構成を含め、水樹の新たな一面が感じられる楽曲で、特に後半のラテン要素が強まるアレンジはライブだとさらに映えるものになっていた。そこからゴージャスなジャズファンク「MARIA&JOKER」に繋げるセトリの流れも絶妙。艶味の効いた歌声ばかりでなく、レーザーライトが飛び交う盛大な照明も見もので、アメリカンなステージセットやトランプをモチーフにした映像演出も相まって、ラスベガスでショウを見ているような感覚に陥る。

次ページ:アメ車でステージに!?ダンス曲からバラードまで多彩に魅せた後半戦

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