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INTERVIEW

2022.08.26

【インタビュー】『ダンまちIV 新章 迷宮篇』でついにOPテーマ担当! sajou no hana、渾身の王道ナンバー「天灯」に封じ込めた“熱”を語る。

【インタビュー】『ダンまちIV 新章 迷宮篇』でついにOPテーマ担当! sajou no hana、渾身の王道ナンバー「天灯」に封じ込めた“熱”を語る。

ヒットメーカー・渡辺 翔が、キタニタツヤ、sanaという新たな才能とタッグを組んで結成したsajou no hanaが、TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮篇』のOPテーマ「天灯」を歌う。同シリーズ第3期EDテーマ「Evergreen」に引き続いての主題歌担当となるが、今回はメンバーも念願だったというOPテーマということで、その意気込みや曲に込めた想いなどを聞いた。

サビの最高音は地声で張ってほしかった

――TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮篇』のOPテーマを担当することになった時の気持ちを教えてください。

キタニタツヤ すごく嬉しかったのですが、長く続いている作品で、ファンベースも確固たるものがあったのでプレッシャーはありました。オープニングをやりたいと思っていたので、作曲家としてのワクワクはあったんですけど、まずはバンド内コンペで渡辺 翔に勝たなければ!と思っていましたね(笑)。

渡辺 翔 僕も嬉しかったです。長く業界でやらせていただいていますけど、これまでアニメのEDテーマを担当したアーティストがOPテーマを担当できる条件というのはわかっていなくて。ただ、作品の世界観を曲でしっかり出せていたら任せてもらえるのかなと思っていたので、今回OPテーマを担当できるということは、僕らの曲が、制作陣やファンの方に認めてもらえたということなのだろうなと思います。

sana sajou no hanaでいつかOPテーマが歌えたらという夢があったので、私は単純にとても嬉しかったです!プレッシャーはありましたけど、sajou no hanaとして今までにできなかったタイプの曲ができるワクワク感もあったし、何より『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(以下『ダンまち』)ファンの方に喜んでもらえる曲が届けられたらいいなと思っていました。

――楽曲は基本的に渡辺さん、キタニさんによるバンド内コンペで決めているそうですが、どういう形で行われるのですか?

キタニ お互い1曲ずつデモを出し合うんです。その時に「こういう曲を作るよ」っていう手の内はそんなに言わないんです。

渡辺 でも、「ハイテンポで明るくて爽やかな曲」というだいたいのオーダーはあるので、ざっくりいうと近い曲を作っているんですけどね。でも今回キタニくんの曲を聴いて、「青嵐のあとで」と同じ感情を抱いたんです。これはキタニタツヤのホームランが出たなと。

キタニ ホントに?やったー!

渡辺 サビの2~3小節目のめっちゃ盛り上がる歌唱部分を聴いたら、すごいな!って。

キタニ sanaさんのポテンシャルをギリギリいっぱいまで使っていますからね。

渡辺 sajouは、2人それぞれで曲を作ると、僕がsanaちゃんとデモを録るんです。それをアニメの制作チームに渡して選んでもらうんですけど、今回はキタニくんの曲が選ばれて。

sana 翔さんの曲のほうは、『ダンまち』のキラキラ感が出ている感じだった気がする。

渡辺 たしかにね。シンセの音とかも入っていたし。

sana だからアニメの制作サイドさんがどちらを選ぶのかなと、ニヤニヤしながら待っていました(笑)。キラキラ感か、キタニさんのかっこいい感じかっていう。

sana

――結果、キタニさんが作詞・作曲・編曲を手がけた王道ギターロックの「天灯」が選ばれました。この曲の歌詞はヘスティア目線を感じさせて、聴いていてとても感動したんですよね。

キタニ 制作サイドからは「原点回帰」というテーマを提示されていたんです。つまり、「第4期」ということではなく、『ダンまち』全体を俯瞰するような曲をオープニングに据えたいと。なので、ベル・クラネルという人間と、ヘスティアという神様のことを思い浮かべつつ、僕らの生活の中のことにも例えられたらいいなと思って歌詞を書いていました。もちろんヘスティア目線と取っていただいても、それはそれでいいんですけど。

――作品を離れたところでも、ちゃんと聴き手に寄り添えるようにしていたのですね。

キタニ そうですね。あとやりたかったこととして、2番のサビのあとの“たなびく夢が逸れないよう”で、前回のEDテーマである「Evergreen」のオマージュを入れているんです。どこかでモチーフを使いたいと思っていたので、1コーラス分がアニメで使われることが決まってから、2番を作るときに入れさせてもらいました。気づいてくれている人もいて、嬉しかったです。

渡辺 気づかれなかったら寂しいよね(笑)。

キタニ きっと『ダンまち』ファンは、「Evergreen」も聴いてくれているはずだと思ったので。

渡辺 僕もフルになって初めて知ったんですよ。なるほど、こういうアイデアもあるんだ!と。続けて担当すると、こういうこともできるんだなと感心しました。

渡辺 翔

――曲のタイトルにはどんな想いが込められているのですか?

キタニ 「天灯」って、薄い紙の内側に火が灯っていて、火の浮力で空に飛んでいく灯籠みたいなものなんです。ベルに限らず、少年時代に憧れを抱いて、その想いを燃やして上へ進んでいく人っていると思うんですけど、その様がぴったりだと思ったんです。最初は「飛行船」というのも考えたんですけど、天灯のほうがかっこいいですし、心の中で炎が燃えているみたいな感じを、クサくなく表すことができるのかなって思いました。

渡辺 ダンジョンには(下に向かって)深く潜っていくけど、天灯は登っていく。作品でも深く潜るほど気持ち的にもレベルも上がっていくので、良いタイトルだなぁと思いました。

――歌は、どんなことを意識してうたいましたか?

sana 曲を受け取った時、私は単純にベル・クラネルとヘスティアの曲だと思ったんです。でも、内容は応援歌だと思っていて。応援歌だけど、いわゆる「頑張れ!」ではなく、一歩後ろから見守るような感じ。「信じているよ!」っていう包み込むような温かさを歌詞から感じたので、勢いもあるけど、温かさも込めながら歌っていました。

キタニ sajouのボーカルディレクションは、いつも翔さんがやっているんです。僕はあまりそれに対して意見を言わないんですけど、今回1つだけ言ったのは、最初のサビの“いびつに燃えている”の“る”ところを裏声にしないでほしいということで。そこは地声で乗り切って、ライブのことは後で考えようと伝えました(笑)。

――キーが高いですよね。

キタニ サビの最高音は、いつもsanaさんが使っているところの半音上なんです。そこをあえて狙っていて、無理矢理張って歌ったらかっこ良くなるだろうなって。で、実際に聴いたら実にパワフルに歌ってくれていて、「やるじゃん!」と思いました(笑)。

sana そりゃあ、やるしかないですよ!

渡辺 母音を“u”にしているのは、より苦しく見せるため?

キタニ そうですね。気持ち良く高音を出している感じにはしたくなかったので、母音が(高音を出しやすい)“a”にならないようにはしました。

渡辺 そうですよね。だからドSだなと思って(笑)。

sana でも、それで聴いている人の印象に残ってくれるのならいいですよね!

キタニ 2番からは裏声でも良かったんですけど、最初のところは絶対に張ってほしかった。この曲にはやっぱり少年マンガ的なアニメーションが付いてほしいと勝手に思っていたから、そこは譲れなかったんですよね。ここは絶対にかっこいい戦闘シーンが合うはずだからと。

sana 私もレコーディングの段階で、サビはアクションシーンがくるだろうなと想像していたから。

キタニ だから第1話の映像を見たときはガッツポーズが出ました(笑)。

キタニタツヤ

――第2話からは正式なOPアニメーションが付きましたけど、そこでもサビでは戦闘シーンが描かれていました。実際ご覧になっていかがでしたか?

sana 私はヘスティア目線で書かれた曲だと思っていたので、Aメロのところで、ベルくんの後ろ姿が描かれているのは、曲と合っていてすごく嬉しかったです。

キタニ そういう解釈で、背中だったのか!

渡辺 エンディングのアニメーションは、逆にヘスティアがフィーチャーされた映像になっているんですよね。

――オープニングはヘスティア目線で、エンディングはベル目線だと思っていました。

渡辺 EDテーマの「Guide」(早見沙織)は僕が書いた曲なので、嬉しかったですね。

キタニ もうバーチャルデート体験だったもんなぁ(笑)。

次ページ:原作の大森藤ノ先生が喜んでくれていたら、それが一番です

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