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INTERVIEW

2022.07.07

【インタビュー】水樹奈々、約2年ぶりのニューアルバム『DELIGHTED REVIVER』に込めた“復興”への想いを語る。

【インタビュー】水樹奈々、約2年ぶりのニューアルバム『DELIGHTED REVIVER』に込めた“復興”への想いを語る。

様々な形の応援ソングと、ライブという“HOME”に対する想い

――12曲目の「Stand by you」は本アルバムのなかでもひと際優しい歌い口が沁みるバラード。水樹さんと言えば応援ソングですが、この曲は相手に「頑張れ!」と呼びかけるのではなく、静かに寄り添うような曲になっていますね。

水樹 まさにそのイメージで制作しました。今のような目に見えないものとの長い戦いでは、みんな心が疲弊して、頑張ろうと思っていてもなかなかモチベーションを上げられないときもあると思うんです。そういったときに寄り添えるような1曲を作りたくて。「私はそばにいるから、好きなときに話しかけてくれていいし、話さなくてもいいよ」みたいなさりげなさというか。大事な人が落ち込んでいるときは、何も言わず側にいるだけで伝わるものがあると思うし、逆に自分がそうされたら嬉しいなと思うので、そういう温度感の曲にしたくて。歌詞も“親愛なる友よ”から始まる、大切な人に向けた曲です。

――「君は君のままでいい」というメッセ―ジも感じられて、これこそ今の時代に必要とされている歌だと感じます。

水樹 応援ソングと聞くと、底抜けにポジティブで明るいイメージがありますけど、私はそれだけではないと思っていて。相手に寄り添い、本当にあなたのペースで、ゆっくり行こう、という曲も応援ソングになるんじゃないかと思うんです。岩里さんの歌詞も本当に素晴らしくて、私もこの曲を歌いながら心癒されました。

――サビ前のフレーズ“飾りなんていらない”のところは、音が抜けるところを含めてグッときました。

水樹 “飾りなんていらない”というフレーズは、岩里さんの表している言葉の世界そのままですよね。本当にすべてを削ぎ落してストレートに伝わるもので。それがこの直球なメロディラインのバラードに素晴らしくマッチしていて。手紙というか、相手との日常会話がそのまま歌詞になったような内容なので、歌うときも「ここはこういうふうに歌おう」と考えなくても、情景が自然と浮かんで言葉がそのまま乗っていく感覚で……すごく自然体で歌えました。

――一方の次曲「全力DREAMER」は、水樹さんらしさ全開のパワフルに背中を押す応援ソング。

水樹 はい(笑)。これは曲を聴いたとき直感で「私が歌詞を書きたい!」と思いましたし、メロディ自体にポジティブなエネルギーが詰まっていて、とても私の性格に近い曲だと思います。NHK松山で放送されている愛媛の情報番組「ひめDON!」のテーマソングになっていて。番組のディレクターさんから「ぜひ水樹さんの作詞で応援ソングを!」ということで、「POP MASTER」や「SUPER GENERATION」のような楽曲というオファーをいただき、直球な応援ソングで、ライブでみんなで思い切り盛り上がれる楽曲をイメージして書きました。

――歌詞の内容を含め、水樹さんの人柄そのものみたいな曲ですよね。

水樹 ありがとうございます!応援ソングではあるけど、そこに情報番組の要素も絡めたかったので、“好奇心”“知りたい”といったキーワードも入れていて。好奇心を掻き立てられて新しいことに興味を持ったり一歩踏み出すのは、夢を追いかけるときとも似ていると思うんです。さらに「夢を追いかけているときは、初恋のときみたいなガムシャラ感があるな」と思ったので、サビの“まるで初恋のよう”というフレーズが生まれて。恋をすると相手のことをもっと知りたくなるし、情報番組も観ていると色んなことを知りたくなって行動に移したくなる「夢」「恋」「情報番組」がシンクロするように歌詞を書いていきました。

――そして14曲目の「HOME」は、水樹さんが作詞・作曲を手がけた、ブラス入りで温かな雰囲気のミディアムナンバー。

水樹 これはライブのアンコールをイメージして作った曲です。自分で曲を作る「お奈々曲」に関しては、テーマが自由ではなくて、自分もアルバム制作に関わる作家として、プロデューサーの三嶋(章夫)さんからのお題に沿ったものを作らなければいけません。本人優遇は一切なしです(笑)。しかもアルバムの全貌が見えてくるまで私にお題が降りてこないので、「今回の“お奈々曲”のテーマはどうしようかなあ」「私は作るのに時間がかかるので、早くテーマをください!」みたいなやり取りが毎回あって、結局は制作後半で追い込むことに(笑)。

――大変ですね(笑)。

水樹 今回もアルバムの楽曲がだいぶ出揃った頃にようやく「ミディアムテンポで、明るくて、だけど切なくて泣けて、なおかつ夏を感じる曲」とお題がきて、え!?それってめっちゃ難しいやつじゃないですか、と(笑)。

――たしかに具体的にイメージするのが難しいオーダーですね。

水樹 過去の水樹曲で例えると「夏恋模様」や「恋想花火」のような立ち位置の曲ということだったんですが、今回のアルバムのコンセプト的に自作曲のテーマを恋愛にするのはちょっと違うなと思って。それで1ヵ月くらい悩んで、ピアノの前に座って色々弾いたりしていたときに、「夏恋模様」や「恋想花火」のイメージから一旦離れて考えてみようと。そこでふとライブだ!と思ったんです。ライブのアンコールって、みんなに会えた喜びが爆発して幸せだけど、もう終わってしまう寂しい気持ちも入り混じって、何とも言えない時間なんです。自分の夏の思い出と言えばライブだし、その大切な人たちと過ごした思い出は、明るくて泣けて感動がいっぱいなので、「それだ!」と思って。そのテーマが定まってからは早かったです。

――歌詞に“地球-そら-より熱く青い海は”とありますが、客席のみんなが青いペンライトを振っている、水樹さんのライブの景色が浮かぶんですよね。

水樹 そうなんです!「地球より熱く青い」とかなり壮大なことを書いちゃいましたが(笑)、でもステージから見える景色は、本当にそうなんです。みんなへの感謝の想いを綴りたいと思ったし、またあの景色が見られると思うだけで胸がいっぱいになる、特別な想いを言葉にしたいなと。先日の “LIVE RUNNER”では、初日の1曲目で感極まって泣いてしまったくらい、「この景色が私のホームなんだな」と改めて感じて……。今だからこそその想いを曲にできるんじゃないかと思ったんです。みんなで“地球-そら-より熱く青い海”を一緒に作りながらこの曲を歌うのが、今から楽しみでたまらないです。

――そしてアルバムの最後を飾るのが、本作のリードトラックでもある「Go Live!」。加藤裕介さんが作編曲したギターロックで、作詞はヨシダタクミさん。夢に向かってガムシャラに突っ走る、晴れやかなナンバーです。

水樹 『DELIGHTED REVIVER』のリード曲には笑顔が相応しいと思ったので、この曲を選びました。そしてアルバムでは、前作の「Knock U down」のようにシングル曲ではチャレンジできないようなMVを撮ることができるので、「飾らない自分」をテーマに、一面ピンクのミニマムな空間の中で、ガールズバンド風に大はしゃぎする、ちょっとコミカルな遊び要素も入れた手作り感のあるMVを撮影してきました。監督からはもう一案、競技場でフラッグを持ったダンサーさんたちと一緒に応援ソングらしく撮る、というアイデアも提案していただいたのですが、今回は「自分らしくありのままで、自分のペースで一歩ずつ進んでいこう」というコンセプトだったので、迷わずピンクの部屋で大はしゃぎすることを選びました(笑)。「スパイラル」のMVはかなりクールな世界観だったので、それとは対照的にずっと笑顔の私が大暴れしています(笑)。

――そのポジティブさがアルバム全体のコンセプトに繋がりますし、希望で終わるところが素敵ですね。

水樹 曲順はライブのセットリストを組むように決めました。この2年半の想いを全力で込められたと思います!

――そんなアルバムを引っ提げて7月からは待望のライブツアー“NANA MIZUKI LIVE HOME 2022”が全10公演で開催されます。

水樹 ついにツアーが帰ってきました! 3年ぶりです!この日をどれだけ夢見たことか……!しかも今回は初の茨城公演もあるので、ついに47都道府県すべてでライブを行ったことになります!『DELIGHTED REVIVER』の新曲を披露するのはもちろん、ライブの定番曲、そして今回もツアーだからこそのお楽しみ企画も考えていて。実は“LIVE RUNNER”のツアー(2020年に開催予定だったがコロナ禍の影響で全公演中止になった)のために用意していたスペシャルコーナーをブラッシュアップしたものをお届けしようと思っています。皆さんぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
『DELITED REVIVER』
発売中

■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:KICS-94071
価格:¥4,400 (税込)
初回限定盤特典:特製BOX+スペシャルフォトブック+シトラスライムデジパック仕様

【通常盤(CD)】

品番:KICS-4071
価格:定価¥3,080 (税込)

<CD>
01. MY ENTERTAINMENT
作詞・作曲:ヨシダタクミ(saji) 編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
02. Red Breeze (新世代リッチアニメRPG「COUNTER: SIDE」(カウンターサイド)主題歌)
作詞:藤林聖子 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
03. スパイラル(スマートフォンゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』主題歌)
作詞:ヨシダタクミ(saji) 作曲・編曲:山下洋介
04. Reboot!
作詞:藤林聖子 作曲:岡澤知輝 編曲:小山 寿
05. HOLY TALE (TOKYO FM「水樹奈々のMの世界」EDテーマ)
作詞:岩里祐穂 作曲:h-wonder 編曲:h-wonder 弦編曲:山下洋介
06. ダブルシャッフル (TVアニメ「トモダチゲーム」OPテーマ)
作詞:しほり 作曲:サカノウエヨースケ 編曲:渡辺 徹×日比野裕史
07. Get up! Shout! (TVアニメ「SHAMAN KING」第2弾OPテーマ)
作詞:水樹奈々 作曲:山本玲史 編曲:加藤裕介
08. ストラトスフィア
作詞:松井五郎 作曲:BOUNCEBACK 編曲:ats-
09. Link or Chains (TVアニメ「Levius レビウス」OPテーマ)
作詞:しほり 作曲・編曲:南田健吾
10. DNA -Dance‘n’Amuse-
作詞:しほり 作曲:平間 光 編曲:藤間 仁(Elements Garden)
11. FIRE SCREAM (スマートフォンゲーム「戦姫絶唱シンフォギア XD UNLIMITED」新主題歌)
作詞:水樹奈々 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:菊田大介(Elements Garden)
12. Stand by you
作詞:岩里祐穂 作曲:Toshikazu.K 編曲:藤間 仁(Elements Garden)
13. 全力DREAMER (NHK松山「ひめDON!」テーマソング)
作詞:水樹奈々 作曲・編曲:南田健吾
14. HOME
作詞・作曲:水樹奈々 編曲:藤間 仁(Elements Garden)
15. Go Live!
作詞:ヨシダタクミ(saji) 作曲・編曲:加藤裕介

<Blu-ray>
NANA REVIVER FESTA 2022 特別編
・リプレイマシン-custom-
・残光のガイア
・Don’t be long
・STORIES
・NEXT ARCADIA
・Crystal Letter
・恋想花火

「DELIGHTED REVIVER」 MAKING MOVIE

●配信情報
「水樹奈々 14thアルバム「DELIGHTED REVIVER」リリース記念特番 supported by animelo mix」
放送日時:2022年7月7日(木)17:30~ライブ映像パート / 21:00~本人出演パート
出演:水樹奈々、MC 鷲崎健

番組ページ
【ライブ映像パート】
https://live.nicovideo.jp/watch/lv337448331

【本人出演パート】
ニコ生
https://live.nicovideo.jp/watch/lv337431418

水樹奈々 Official YouTube
https://youtu.be/aCfGA4COQGw

●ライブ情報
ライブツアー「NANA MIZUKI LIVE HOME 2022」
7月16日(土)【兵庫】ワールド記念ホール
7月17日(日)【兵庫】ワールド記念ホール
7月30日(土)【茨城】日立市池の川さくらアリーナ
7月31日(日)【茨城】日立市池の川さくらアリーナ
8月6日(土)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
8月7日(日)【埼玉】さいたまスーパーアリーナ
8月13日(土)【宮城】仙台サンプラザホール
8月14日(日)【宮城】仙台サンプラザホール
8月20日(土)【愛知】日本ガイシホール
8月21日(日)【愛知】日本ガイシホール

関連リンク

水樹奈々 オフィシャルサイト
https://www.mizukinana.jp/

水樹奈々オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/user/mizukinanaKING

水樹奈々オフィシャルTwitter
https://twitter.com/NM_NANAPARTY

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