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INTERVIEW

2022.06.20

関わってくれるすべての人が自分にとっての「孔明」――『パリピ孔明』ヒロイン・英子の歌声を担当するボーカリスト・96猫が新たなチャレンジのなかで感じたものとは?

関わってくれるすべての人が自分にとっての「孔明」――『パリピ孔明』ヒロイン・英子の歌声を担当するボーカリスト・96猫が新たなチャレンジのなかで感じたものとは?

2人で1つのキャラクターを完成させる経験

――特に思い出深い曲はありますか?

96猫 「I’m still alive today」ですね。歌っていて、色んな英子ちゃんを感じられた。アニメで使われるシーンごとに違った感情があって、同じ真っ直ぐさ、不器用さを意識していても、違う気持を込めて歌ったつもりなんです。例えば、七海ちゃん(久遠七海)と一緒に歌うところでは、歌が上手く聞こえるかどうかとか、ニュアンスとか、全部投げ捨てて、「今、隣にいる人と一緒に歌える喜びと、音楽の楽しさ」を前に出す。歌で感情を吐き出す……じゃないですけど、そういうことができたのが、思い出深いです。

――8話の銭湯も、9話のラストもエモかったです。映像も素晴らしいですけど、歌声で感情を持っていかれました。物語で描かれる感情とシンクロした歌声となると、英子役の声優の本渡 楓さんの芝居との兼ね合いも難しそうですね。

96猫 2人で1つのキャラクターを完成させるようなものですからね。本渡さんの演技で表現されている英子ちゃんの「心」を、歌でどう表現するのが正解なんだろう、逆に歌に対してどういう演技が当て込まれるんだろう、というワクワク感は、自分の普段の音楽では体験できないことだなと思っていました。

――そこのすり合わせはどう行われていたんですか?

96猫 そこは監督さんがしっかりと、私にも、本渡さんにも英子ちゃんのイメージを伝えてくださっていたんだと思います。感謝しかないです。

――ちなみに監督とのやり取りで印象に残っているものはありますか?

96猫 歌うときに、そのシーンの流れやニュアンスを絵コンテを見せながら説明してくださっていたんです。そのなかでも、3話の曲前に叫ぶシーンは、「こういう表情で叫びます」と見せていただいて、それにあった叫び方を何パターンか収録したんですね。歌だけじゃなくて、叫ぶところだけでも結構な回数を繰り返して、ニュアンスを調整したのが印象深いです。絵コンテの時点で、もう、表現されている感情がすごかったんですよ。

――屋外ライブのところの。

96猫 そうです。「ワーッ!」って。

――実はこのアニメのそういうシーンがちょっと気になっていて。はっきりと歌っているところは当然96猫さんの声なんですけど、叫ぶところや発声練習、軽く歌を口ずさむときも、基本的に96猫さんの声ですよね?

96猫 はい、そうです。

――本当に細かいシーンまでありますけど、どうやって収録されたんですか?フルサイズの曲をレコーディングするときに、あわせてシーン合わせのちょっとした歌も録音を?

96猫 そういうところもありますし、例えば英子ちゃんがランニングしてて発声したり、ステージの裏で「あー」って声を調整してたり、お風呂場で歌ってるようなシーンみたいなところは、アフレコ現場にちょっとお邪魔させていただいて、映像を見ながら声を当てたりもしていました。

――なんと。96猫さんのこの作品での作業量、すごいですね。ちなみにアフレコスタジオはどうでした?

96猫 緊張しました!(笑)でも、貴重な経験をさせていただきましたね。実は元々、小学生くらいのときから声優さんを目指していたんです。

――それはまた、感慨深いですね。

96猫 しかも目指すきっかけになった声優さんのお1人が、置鮎龍太郎さんで。

――孔明役の。

96猫 そうなんです!そういった方と、声優同士とは別のポジションではあるんですけれどもご一緒できたことが、とにかく嬉しかったですね。エンディングの「気分上々↑↑」のカバーでもご一緒できて、完成した音源で置鮎さんが一緒に歌ってくださっているのを聴くと、「うわー、ここでもまた1つ、夢が叶ってしまった!」と思いました。「気分上々↑↑」はまさに世代というか、青春時代によく触れた曲でもあるので、その意味でも楽しんで歌わせていただきました。

――置鮎さんをお好きになったきっかけはなんなんですか?

96猫 『テニスの王子様』です。

――ああ、手塚部長!

96猫 それから『BLEACH』の朽木白哉。もう、ド世代なんですよ(笑)。

――それはたまらないですね。素敵な経験をたくさんされた作品だったことが伝わってきました。

96猫 そうですね。作品の内容というか、ストーリーに関しても、英子ちゃんはもちろん、KABE(太人)くんや七海ちゃんの姿も、私にはものすごく刺さったんです。特に七海ちゃんが、「音楽で人気になれるから」といって始めたバンドが、自分のやりたいことができない状態で人気が出てしまう。あの状況は、過去に自分も同じような経験をしたことがあるので、とても気持ちが入りました。七海ちゃんは英子ちゃんと出会って自分らしさを解放するんですけど、昔の私にはそれができなかったんです。どうしても流れに流されて。だからアニメを観ていて、「うわ、七海ちゃん、かっこいい!」と思いましたね。

――そんなところでも作品にシンクロを。

96猫 今は全然、好き勝手にやらせていただいてるんですけどね。当時は未成年だったのもあって、何も正解がわからない状態で、違和感があっても言えなかったんです。

――英子ちゃんとして歌いながら、ななみんの気持ちもわかる。

96猫 そうなんですよ。だからこそ英子ちゃんが七海ちゃんにかける言葉1つ1つがすごい、グサグサと刺さりました。そうだよな、それでいいんだよなって。この作品には背中を押されるというか、励まされた部分がありますね。

――今のお話もそうかもしれませんが、『パリピ孔明』という作品に参加されたことを通じて、アーティストとして新しく手に入れられたと感じていることはありますか?

96猫 そうですね……新しく手に入れたものはきっとたくさんあるんですけど、この作品を通して得たもので一番大きいのは、「自分が自分でいていいんだ」と思えたことかもしれません。曲によって声色や歌い方を変えているので、「96猫といえばこの歌い方だよね」というのが、正直、自分の中にはないんです。そのことが気になった時期もあったんですけど、今は「それが96猫なのかな」と思えている。歌の上手さをはじめ、アーティストとしても、人としても、もっともっと精進していかなきゃいけない部分はあるんですけど、活動の仕方というか、やりたいことは今のままで、ブレずにやっていこうと、この作品に関わることを通じて思いましたね。

――作品とのシンクロ率が本当に高かったんですね。

96猫 音楽が題材なのも大きかったかもしれません。音楽をやっている人なら誰にでも響く内容だと思いますし、音楽と関係がなくても、人生で迷ってる人、くじけそうな人は、みんな「頑張ろう」と思える作品じゃないかなと感じました。なので、ぜひまだ「観たことない」という方は、まず1話だけでもどうか、触れてみてほしいです。そうしたら、きっと気付けば、あっという間に最終話まで見てると思います。

――ちなみに、96猫さんはもし叶うなら、英子のように、孔明に横にいてほしいと思いますか?

96猫 思います!いてほしい!(笑)……でも、今お世話になっている企業さんだったり、こうして取材に来てくださる皆さんだったり、それ以外にも、私の活動に関わってくださるすべての人が、きっと自分にとっての「孔明」的な存在だと思うんです。導いて、支えてくれて、後悔させたくはないので、自分も頑張らねばという気持ちになれる。だからもう、私にとっての「孔明」はそこにいる……んですけど、やっぱり、もし可能だったら側にいてほしいですね。何も私自身はわからない状態で、なんだかとんでもないことが次々と周りで起きる。素敵ですよね。

INTERVIEW & TEXT BY 前田 久


●リリース情報
TVアニメ「パリピ孔明」VOCAL COLLECTION MEGAMORI!!

7月27日(水)発売

<収録曲>
・Be Crazy For Me
・I’m still alive today acoustic ver.
・Shooting Star
・Make it real
・六本木うどん屋(仮)
・Find the way
・I’m still alive today
他、全13曲収録予定。
※収録楽曲は放送に併せて随時公開予定

TVアニメ「パリピ孔明」EDテーマ
「気分上々↑↑」
歌:EIKO starring 96猫、諸葛孔明(CV:置鮎龍太郎)、KABE太人(CV:千葉翔也)、久遠七海 starring Lezel

発売中

価格:¥1,430(税込)

TVアニメ「パリピ孔明」オリジナルサウンドトラック

6月29日(水)発売

価格:¥3,300(税込)

<収録内容>
1.チキチキバンバン (TV Ver.)
2.軍師
3.再来の前
4.合戦
5.悲劇
6.団欒
7.Enjoy it!
8.Elegant and Dainty
9.GIRL TALK
10.Helloween Party!
11.I love to RAVE
12.EVERYBODY xxxx V3
13.Color BADBOY BASS
14.WAVE
15.TROPICAL FRUIT
16.Stealthy Steps
17.分析
18.Espionage
19.対峙
20.Crisis Psy
21.The Requiem.
22.Coercion
23.Brain
24.ASSEMBLE
25.凱旋
26.スラッシュスラッシュスラッシュ
27.困惑
28.Tears
29.休息
30.Affection
31.溢れ出す想い
32.夕暮れの空
33.憂いのノクターン
34.Dream.
35.Passing each other.
36.回想
37.転生
38.頂点
39.憐憫
40.Epilogue
41.気分上々↑↑ TV size.
※収録内容は変更になる可能性がございます。

●作品情報
TVアニメ『パリピ孔明』
毎週(火)放送中 & 毎週(木)先行配信中

【キャスト】
月見英子:本渡楓/歌唱.96猫
諸葛孔明:置鮎龍太郎
KABE太人:千葉翔也
久遠七海:山村響/歌唱.Lezel
オーナー小林:福島潤

【スタッフ】
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:本間 修
シリーズ構成:米内山陽子
キャラクターデザイン:関口可奈味
プロップ設定:宮岡真弓、牧野博美
美術監督:東 潤一
美術設定:藤井祐太
色彩設計:江口亜紗美
3D監督:市川元成
撮影監督:富田喜允
編集:髙橋 歩
特殊効果:村上正博
音響監督:飯田里樹
音楽:彦田元気(Hifumi,inc.)
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:P.A.WORKS
製作:「パリピ孔明」製作委員会

<イントロダクション>
あの諸葛孔明が!なぜか渋谷に!!まさかの転生!!!
渋谷で出会った月見英子の歌に心を奪われた諸葛孔明は、英子の軍師として仕える。そして・・・。
天才軍師の圧倒的無双を誇る知略計略が音楽シーンに新たな伝説を誕生させる。
原作はヤングマガジンまで勢力拡大中の「パリピ孔明」を、まさかのP.A.WORKSがアニメ化
諸葛孔明役は、三国志のキャラクターを数々と演じてきた置鮎龍太郎。
月見英子役は、本渡楓と歌唱パートはネットで絶大なカリスマ性を誇る歌い手96猫によるダブルキャスト。
予測不能の畳み掛ける驚きの知略計略。
圧倒的な心揺さぶる音楽と歌。
溢れる爽快感と止まらない疾走感で贈る、笑えて!エモい!メンタル復活系エナジーエネルギッシュTVアニメが爆誕!Let‘s Party Time.

オープニング主題歌
「チキチキバンバン」
歌:QUEENDOM
作詞・作曲:Tarcsi Zoltan
編曲:M.O.R(Eurobeat Union)
日本語詞:RUCCA

エンディング主題歌
「気分上々↑↑」
歌:EIKO starring 96猫、諸葛孔明(CV:置鮎龍太郎)、KABE太人(CV:千葉翔也)、久遠七海 starring Lezel
作詞:hiroko、mitsuyuki miyake
作曲:mitsuyuki miyake、日比野元気、Shifo
編曲:彦田元気

挿入歌情報
「Be Crazy For Me」
歌:EIKO starring 96猫
作詞:Kenn Kato
作曲:大西克巳
編曲:日比野裕史

「Shooting Star」
歌:EIKO starring 96猫
作詞:leonn
作曲:BOUNCEBACK
編曲:日比野裕史

「UNDERWORLD」
歌 :AZALEA(久遠七海 starring Lezel)
作詞:kenko-p
作曲:ats-
編曲:ats-

©四葉夕卜・小川亮・講談社/「パリピ孔明」製作委員会

関連リンク

96猫 公式サイト
https://96neko.jp/

TVアニメ「パリピ孔明」公式サイト
https://paripikoumei-anime.com

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