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2022.05.15

【ライブレポート】南條愛乃からの「さよなら」は、笑顔とともに――。第2期fripSide、狂熱と感動のファイナルライブ!

【ライブレポート】南條愛乃からの「さよなら」は、笑顔とともに――。第2期fripSide、狂熱と感動のファイナルライブ!

2009年11月にアニソンシーンを代表するアンセム「only my railgun」とともにデビューを果たした、八木沼悟志と南條愛乃から成る第2期fripSide。以降も数々の楽曲とともに2010~2020年代のシーンを代表するアーティストへと昇り詰めた彼らが、このたび南條の卒業をもって第2期13年の歴史に幕を閉じた。
昨年10月に南條の卒業を発表して以降、今年に入ってからはラストシングル「Leap of faith」とラストアルバム『infinite synthesis 6』をリリースし、4月には第2期最後のツアーとなる“fripSide Phase2 Final Arena Tour 2022 -infinite synthesis:endless voyage-”を開催してきた。愛知、神戸のステージを経て、最後に彼らが辿り着いた第2期最後の地はさいたまスーパーアリーナ。
彼らの13年の歴史を振り返るような壮大なセットとなったこの2日間。オレンジ色に彩られた狂熱の、そして感動の2デイズをレポートする。

2022.04.23――伝説の終わりが幕を開ける

第2期fripSide最後の地は、史上最大のキャパシティとなったさいたまスーパーアリーナのスタジアムモード。さいたま公演初日となった4月23日の時点で、その巨大空間に多くのオーディエンスが詰めかけていたが、そこには開演を待ち望む感情の一方で、fripSide最後のステージが“始まってしまう”ことへの緊張のような、様々な感情が会場を支配していた。そんななか会場が暗転し、ステージ脇の巨大モニターからは2010年にリリースされた1stアルバム『infinite synthesis』収録の「stay with you」とともに、過去のfripSideのMVから切り抜いた南條のいくつもの表情がフラッシュバックする映像が流れていく。そして曲がそのまま最新作『infinite synthesis 6』収録の「stay with you -ver.2022-」へと繋がっていき、曲が終わったところで万雷の拍手が会場を包んだ。いよいよ、第2期fripSideラストライブの初日が幕を開ける――。

そのイントロダクションは、この会場の誰もが知っているであろう、第2期fripSide最初の楽曲にしてアニソンシーンを代表する名曲中の名曲「only my railgun」だった。これまでのライブでは主に本編最後やアンコールの最後に披露されてきた必殺の1曲が冒頭に訪れるという衝撃に度肝を抜かれながら、ステージ後方上段から南條が登場し、「オイ!オイ!」と会場を煽る。ツアーを経てバンドのコンディションも最高潮、そしてライブ1曲目というスタミナたっぷりの状態で披露される「only my railgun」という、実に新鮮な体験をラストライブにできてしまうというのも不思議な話だが、以降の楽曲を聴くと「この曲から始めるしかなかった」というのがわかってくる。

fripSideのライブ史上最も強烈なオープニングを終えたあとに鳴らされた八木沼のシンセに、再び会場がどよめく。続いて披露されたのは、2010年リリースの2ndシングル「LEVEL5-judgelight-」だ。「only my railgun」から「LEVEL5-judgelight-」という、TVアニメ『とある科学の超電磁砲』OPテーマを連発するという贅沢な走り出しから、そこから続けざまにOVA『とある科学の超電磁砲』OPテーマの「future gazer」へと続く。冒頭から『超電磁砲』楽曲が並ぶという驚きとともに、この日のライブが2009年から時系列順に楽曲を披露していく、というのが見えてくる。今回のツアーの、愛知と神戸の公演では『infinite synthesis 6』の楽曲たちを軸に新旧織り交ぜたセットリストとなっていたが、八木沼が神戸のステージで「さいたまスーパーアリーナは“fripSideスーパーベスト”」と明言していたように、この2日間のステージは、ファンが愛してきたfripSideの第2期13年間を2009年から振り返っていくという構成になっていたのだ。

そうした衝撃的かつ濃厚な序盤を経て南條から「こんばんは!fripSideです!」と第一声が。「ついにこの日が来てしまった……本当に来るんだ。私の卒業式ということで、急に緊張してきました」という南條に続き、八木沼が「僕もみんなと一緒で、今日と明日で終わってしまうんだという寂しさでグッときてしまいましたが、最後まで泣かないように頑張ります」と語る。そんなMCのあとは、「everlasting」「trusty snow」とfripSideのもう1つの魅力である切ないメロディが際立つ楽曲が続いていく。しっとりとしたサウンドのなかでの南條のエモーショナルな歌唱はやはり絶品で、そんな歌声に酔いしれていると、「Heaven is a Place on Earth」の穏やかな導入へと続いていく。時系列順といいつつ、流れるような構成はさすがの一言だ。続くMCで「これも久々かもしれないね」と八木沼が語り披露された「way to answer」からは再び攻撃的なセットへと突入。観客は声が出せずとも、以降も「last fortune」「fortissimo -from insanity affection-」とイントロが鳴るたびに得も言われぬ感情が発せられる。観客一人ひとりの思い出がフラッシュバックするような体験ができるのはこうした時系列型セットリストならではの魅力だろう。

そして再度MCを挟んでからのパートは、「whitebird」から始まるエモーショナルな楽曲が続く。直後の「colorless fate」「sky」と第1期の曲も含めて、煌びやかなシンセが舞うなか南條の歌唱も冴え渡るという、あまりに素晴らしいパフォーマンスに酔いしれていると、突然「Dear All」が鳴らされる。『infinite synthesis 6』の最後に収録された、南條からファンへの最後のメッセージが封じ込められたこの曲が中盤に突如登場したことで、ある種歴史を追体験していたオーディエンスは現実に引き戻されたに違いない。あまりに美しいメロディとリリック、そして八木沼を含む演奏も素晴らしい、まさしく“さよならツアー”にふさわしい名曲なのだけど、だけど今この瞬間は切ない……という、最高ながら複雑な感情を抱えたままで前半のセットを終えた。

“原点”に始まり“最新”で終わったさいたまDay1

南條と八木沼が一旦ステージを去ったあとは、バンドによるインストパートがスタート。ここは愛知・神戸両公演でもみられたセットだが、さいたまスーパーアリーナでの2日間ではそこに、fripSide初期から携わるクリエイター/DJ、そして八木沼の右腕ともいえる川﨑 海が滞在先のトルコから映像で参加するというサプライズ演出も。バンドによるエネルギッシュなプレイに、八木沼が参加してこのパートがエンディングを迎えるのだが、そのノイズが余韻として残るなかで後半戦の号砲として「sister’s noise」がスタートする。このシームレスな演出も素晴らしく、こちらも「only my railgun」と並んでライブ終盤にドロップされる名曲だけに、会場のボルテージも再びピークを振り切ったような盛り上がりをみせた。しかもそのまま「eternal reality」「black bullet」というアンセムを時系列順に切っていく構成は、この日の冒頭と同じ流れだ。「black bullet」で会場が真っ赤に染まったあとは、美しいバラード「Secret of my heart」で一転して会場が青に彩られる光景が見られた。

直後のMCでは、この日誕生日を迎えたドラマーの八木一美をはじめとしたバンドメンバーを紹介し、南條の力強いタイトルコールとともに「Luminize」がスタート。そこから「Two souls -toward the truth-」「white forces」「1983-shwarzesmarken-」と、攻撃的かつ人気の楽曲たちが続いていく。その攻勢は、この日のクライマックスが近いことを示唆しているようでもあったが、そんな底をついたという予感を吹き飛ばすかのように、MCを挟んでからは「magicaride -version2016-」「Hesitation Snow」「fortuna on the Sixteenth night」とさらなる底を見せてきた。そして本編最後には「Leap of faith」を披露。このツアーから登場した楽曲であり、第2期fripSide最後のシングルであるこの曲のパフォーマンスは、いわばfripSideのライブにおける最新型でもある。原点の「only my railgun」に始まり、最新の「Leap of faith」で終わるという、さいたまスーパーアリーナ2Daysの初日だけを切り取っても、実に美しい構成となっていた。

圧倒的な本編を終えたあとのアンコールは、「We Rise」「final phase」と、こちらも比較的“現在のfripSide”を示す熱っぽいパフォーマンスだった。南條も「私はまだ明日歌うので、『歌いきれ!頑張れ南條さん!』と応援してもらえたら、そのエネルギーが届いて歌い切れると思うので、最後まで応援してやってください!」と語っていたが、ここはまだ第2期fripSideの歴史の折り返し。翌日はその後半、同時に運命の南條愛乃のfripSideとして最後のステージが待っている。

次ページ:2022.04.24――運命の“卒業式”へ

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