――続いて、9ヶ月連続シングルリリースの第4弾かつ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』(以下、B★★RS)のオープニングテーマとなる「ASEED」についても教えていただけますか?
ZAQ スタッフさんから携帯電話に、「決まりました」「なんと『B★★RS』です」というメッセージが入って「えーーーっ!」となったのが最初で。
――「ブラック★ロックシューター」に関する知識は持っていたんですね。
ZAQ でも、今回の『DAWN FALL』は世界観がまったく違うんですよ。だからマインドを新しくして、(supercellの)ryoさんが作った名曲の記憶は1回消そうと思いました。引っ張られないように。アニメ制作側からいただいたオーダーは「ギターロックなバンドサウンド」「あとは自由にかっこよく」というものだったので、アニソン然とするよりは洋楽っぽい大きい譜割りを目指しました。だから、サビの頭でリズムがハーフになってから展開していくとか、でもラウドロック的なところもあるとかしています。あとは、2ブロック目からはさらに勢いがガーッて上がる曲になっていますね。
――皆が描いて期待するZAQ、という曲になっている印象を持ちました。
ZAQ そうありたかったんですよね。2020年はほとんどリリースがなくて、自分の中に「やりたいかっこいいこと」が溜まっていたんですよ。だから、作ったのは2021年の3、4月くらいで、ZAQの持ってるかっこいいをすべて4分間に詰めこむつもりでした。サビの展開が3回あったりBメロが多かったり。ラップに加えて、落ち着いたクワイアのようなコーラスラインもあるし、ZAQが盛り盛りな曲になりましたね。
――そんなにも、こういうラウドロックに対する想いが強かったんですか?
ZAQ ずっとレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンみたいな曲をやりたくて(笑)。ラップのところで2バスがドコドコ入っているとか。でも、常識的な速さのパンクロックで、というオーダーもあったので、(オープニングで流れる)1コーラスは常識の範囲内で、でもフルコーラスを聴くと私のやりたかったビート感が導入されている曲になっているんです。最後は転調するという、アニソンっぽくて一番気持ち良いところも用意しています。
――では、あまり苦労した部分はないですか?
ZAQ そうですね。リテイクは1回いただきました。サビが少しシンプルなのでもう一展開欲しいということで。それでサビの後半が増えましたけど、それくらいです。『B★★RS』って意外と物語が勧善懲悪でわかりやすく、主人公が主人公らしく、悪役も悪役らしい王道、というのもあって作りやすかったですね。
――歌詞についても制作上のポイントを教えてもらえますか?
ZAQ 歌詞も制作サイドから、希望や絶望をキーワードにするといいと思います、というメッセージがありまして。絶望に陥った地球がエンプレスという希望を得て、そこから冒険が始まる物語なので、エンプレスの存在を希望の種ととらえて、「ASEED」――1つの種、というタイトルにしました。歌詞では、エンプレスが何のために戦うのか、何のために地球を守らなくてはならないのか、といった使命やそれに対する葛藤を書いています。
――歌についてはどのようなイメージでレコーディングされましたか?
ZAQ はい、ZAQはこれまで21枚のシングルを出してきました。大体、寝不足なんですけど、「ASEED」のレコーディング日が一番体調が良かったです(笑)。だから、声がめちゃめちゃノッていて、ニュアンスもバチバチに入れていますね。実はこういう曲って、疲れている方が良いところはあって……例えば「ア゛ーッ」っていう、ガラガラな声とか。でも、体調が良かったのと、何より曲に対する手応えで感情がノッていたので、すごく良いレコーディングにはなりましたね。バンドで「せーのっ」でレコーディングしたあとの歌入れでしたし、かっこいい歌を録ってやろうとすごく燃えていました。
――一方、c/w曲の「Coward」もパワーを感じる楽曲ですね。
ZAQ これはもう、メンヘラ曲です(笑)。恋の歌を最近書いていないという話を皆でしていて書きたくなったんですけど、どういう曲を皆が聴きたいのかと思い、Instagramで募集したんです。その意見を「ギュン!」って押し潰した曲がこれです(笑)。
――(笑)。意見をどうまとめたらこうなるのか、もう少し詳しく教えてもらえませんか?
ZAQ ZAQが2016年にリリースしたシングル「hopeness」のc/w曲で、「ヒロインは嘘」という曲があるんです。自分が浮気相手になってしまった女の悲しいミドルロックソングなんですけど、これがコアなファン達にすごく刺さっているんです。で、そういう、女のドロドロした感情を聴きたいという意見も何通かあったんですよ。一方で、ライブで盛り上がれるバチバチにかっこいい曲、という意見もあり、A面の「ASEED」もそういう曲なので、続けて聴いたときに馴染めるところを狙ってもいます。だから歌詞は、悲しい恋をしている人の別れの歌で。でも曲調はマイナーロックですごくかっこ良く仕上げているんです。
――歌詞から浮かぶ曲のイメージと実際の楽曲が真逆な感じがするのはそういうことなんですね。
ZAQ アンバランスなものを混ぜているんですよね。でも実は、女の子が共感しやすいシチュエーションラブソング。最初に、彼女になりたいというところから始まり、彼女がいることに気づいて「世界一ムダな朝帰り」で終わる、という状況説明をしているんですよ。これだけでドラマを見ているような気分になるので女の子の心を掴めちゃうんですね。「何これ、どういう状況?」みたいに。だから、この曲もストーリーテラーなんですよ。未練がある女の、言葉にできない感情を叫んでいる歌。ぜひ、浮気するクズな男なのにどうにも離れられない女の子たちに聴いてほしい。
――聴いて、「目を覚ませ」と。
ZAQ そう。「ありがと、さよなら」と言え、と。
――「ヒロインは嘘」といい、実はこういう歌詞が得意ですよね。
ZAQ 得意ですね。人間のドロドロした部分がめっちゃ好きなので。どんなアイドルにも黒い部分はあると信じているから、私はそこを書きたいです。いや、ひたすら「陽」な子もいますよ。でも、家では膝を抱えてお風呂に入っていてほしいんですよ。
――まさに、ZAQのシンガーソングライターな部分から生まれた歌なんですね。
ZAQ あ、そうなんですよ。シンガーソングライターっぽいことがしたかったんです。女の子の揺れ動く機微を描くというか。女性のずる賢い部分を描きたくて。なんて言うとジェンダーの問題になってきますけど。
――むしろ「ずる賢さ」を持たずにいられない社会状況がまだ存在しますよね。そこから生まれた女性性を書いている、と。
ZAQ だから、悲劇ではあるんですけどそうは見せていない歌、ですね。最近、c/w曲でも作品に寄り添うような曲が多かったので、どこか俯瞰でZAQを見続けている感覚でした。「ZIGZAG」とか。だけど、心の奥底にあるドロドロした部分を出すと皆の心に響く、ということも知っているので。あ、別に私の経験を歌ったわけじゃないですよ(笑)。ただ、ギター1本で自分の気持ちをかき鳴らす女ってかっこいいじゃないですか?歌っている人が書いたと思わせる歌詞が説得力のあるライブを生むところがあるので。
――では、ライブで「Coward」を歌うときはピアノの弾き語りでねっとりと。深い共感というか、答え合わせが得られそうですね。
ZAQ 泣きながら歌ってみるとか!でも、ピアノだけにするとねっとり度が過ぎちゃいそうな曲ですね(笑)。
Q.3 ZAQの好きな色はなんでしょうか?
▼正解は第4回インタビューで!
連載企画第2回:ZAQUIZ!の答えは……
Alteration(2013/01/23)
Addiction(「NO RULE MY RULE」2016/07/13)
Against The Abyss(2019/02/27)
でした!
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司
●リリース情報
22nd シングル
TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ
「ASEED」
2022年4月20日(水)発売
品番:LACM-24239
価格:¥1,320(税込)
<収録曲>
M1. ASEED
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M2. Coward
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
●9ヵ月連続リリース情報
■第一弾
「ZIGZAG」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
配信リンクはこちら
■第二弾
TVアニメ『薔薇王の葬列』第1クールエンディングテーマ
21st シングル
「悪夢」

発売中
品番:LACM-24243
価格:¥2,530(税込)
<収録曲>
M1「悪夢」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:石川智久
M2「耺」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録
配信リンクはこちら
■第三弾
「ANTHEM」

作詞・作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・RINZO
配信リンクはこちら
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