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INTERVIEW

2022.03.16

【インタビュー】眩しい光であり、革命であるように――Cö shu Nie、2ndアルバム『Flos Ex Machina』リリース。「今が美しいだろう」と謳う本作に込めた想いやこだわりとは?

【インタビュー】眩しい光であり、革命であるように――Cö shu Nie、2ndアルバム『Flos Ex Machina』リリース。「今が美しいだろう」と謳う本作に込めた想いやこだわりとは?

「生きてる理由」は「生まれたからで十分」

――「miracle」( WOWOW『ドラマW インフルエンス』主題歌)のあとに「夏の深雪」がきますね。良い意味で、この曲は予想を裏切られる明るいサウンドというか。

中村 ああ、わかります。「Cö shu Nie、こんなことするんだ」みたいな。喪失の曲ではあるんですけど……私たちって失っても生きていかなければいけないじゃないですか。物語は終わりがあるけど、私たちの人生は結構長い。でも自主的に終わらせるっていうことは、私はしたくなくて。生きていく理由は「生まれたから」くらいの単純な理由で十分なはずなのにって、そう思っているんです。そう思えなくなるような環境が存在することが本当に残念なのですが。この曲では失った穴を埋められないまま、どうやってこの先も生きていくか、というところを書いていて。だからこそ明るい曲にしたかったんですよね。今までをちゃんと誇りに思いたいって。

松本 歌っている表情が見えるメロディで、遠くを見ながらなんとなく寂しい顔をしているイメージ。構成的にストレートにいったら伝わるかなと思ったんですけど、全員がそうしたら染まりすぎるなと思ったので、ベースはちょっとはじけてワイワイしようと。だから騒いでいる感じを出しましたね。

中村 強いサウンドにしたかったというのはあるんですよね。爽やかな曲だからといっておっとりしちゃうとCö shu Nieとしてのバランスが崩れちゃって私の思うところに到達しないなって。だからやっぱりギターは歪ませるし、ベースは遊ばせるしっていう(笑)。実はこの曲は、Cö shu Nieが昔発表した「ö=simple is!」のオマージュなんです。

松本 セルフオマージュだね。

中村 そう。ただ、すごく昔の曲なので、多分盤を持っている人がほぼいない曲なんですけど。昔から聴いてる人や聴いたことのある人はすぐに気づく仕様にはなってますね。

松本 あのアウトロの感じとかがね。

――先ほど未来さんがおっしゃっていた、「私の思うところに到達しない」というのは、Cö shu Nie全体のイメージが、ということなのでしょうか。それともこの曲に対してでしょうか。

中村 前者ですね。Cö shu Nieというものに私が持つイメージやキャラクター像のようなものがあって、それのぎりぎりを攻めながらやっているからこそ、「私たちが私たちのまま」聴いてくださる方の耳に届いているという部分があるので微調整しています。色々なことをするからこそ、芯がブレないように作っておこうと。ただ、ある日突然何もかも変えちゃってもそれはそれで面白いなとは思っています。限界突破というか、そうやって幅を広げてきたので。

――Cö shu Nieらしさって言葉にするとどんなものになると思いますか?

中村 結構色々あるのですが、それって全部がないとダメなわけではなく、絶妙なニュアンスで。言ってしまえば私がメロを書き、歌って、ベースが松本であれば、Cö shu Nieにはなるんですけどね。松本のベースはかなり大きいと思っているので、その存在感をどう持っていくかはかなり考えています。だから弾き方も毎回工夫してもらっていて。大人しく聴こえる曲でも色々試してやってもらってますね。

松本 今回は特に弾き方が大変だったなぁ。親指で弾いたり、指の角度を変えたりして、ニュアンスを微調整して探りながら弾きました。

中村 フレーズの出方が変わるんですよね。本人がスラップ予定じゃなかったところをスラップにしてもらったり。「よくできるなぁ」と思いながら、その場で色々変えてもらいました。

松本 録音してみたらピックで自分のイメージに近い音が出せたので、「これはこれで良いんじゃない?」って。でもやっぱりスラップのニュアンスが良いということでスラップで録ってみたら「やっぱりスラップのほうがいいな」ってなったり……それは「病は花から」なんですけど、大変でしたね。でもやるしかないよなと(笑)。

中村 (笑)。

――結果的にコーラスとの相性もすごく良いですよね。「夏の深雪」のベースは、松本さんの好きなパンクロックバンドのランシドも思い出しました。

中村 あ、そうですね!

松本 ああ、嬉しいです。ランシドのベースって陽気な要素も入ってるんですよね。そういう意味では「夏の深雪」のベースの立ち位置はそれかも。

ついに音源化に至った「迷路」

――「SAKURA BURST」、インストの「nightmare feathers_ 」を挟んだクライマックスに「迷路 ~序章~」「迷路 ~本編~」が収録されています。この2曲はすごく楽しみにされていた方が多かったと思います。

松本 「いよいよ」って感じですよね、そんな感じはする(笑)。ライブでずっとやってたから。

中村 すごいですよね、やっと今、というか(笑)。

――ライブで最後を飾る曲のイメージだったんですが、このタイミングで正式に音源化した理由はなんだったのでしょうか。

中村 単純に今しかないなって気持ちがあって。ライブも減っていて、ようやく4月からこのアルバムを出してツアーを周るということで、音源化して、リスナーにとっての自分の曲としてみんなの心に浸透してほしいなと思ったのでこのタイミングで収録しようと思ったんです。ライブ会場限定盤では出してるんですけど、今はライブだけで聴ける幻の曲になっちゃってるから(笑)。

――以前音源化したときと歌詞が変わっています。割と早い段階で変えられたそうですが、いつくらいだったんでしょう?

中村 自然と変わったので覚えていないんですよね。インディーズの頃は歌詞をその場で変えたり、アレンジを変えたりと自由にやっていて。そこからの流れで口をついて出てきたんですよね。戻しつつ色々やってたんですけど、(今作で)自分の中で決着がついたというか。元の歌詞では“忘れてしまいたいよ”と言っていますが、忘れてしまいたいと言っているうちは忘れられないだろ、と思って。

――それで“やり直せない過去に想いを馳せたっていい”という言葉が出てきたんですね。以前は“もう要らない”とも言ってましたよね。

中村 そうです。“もう要らない”を“一緒に連れていくよ 決めたの もうわたしは迷わない”に。もちろん人間なので間違いを犯さないことはないけれど、自分なりに筋を通して生きてきたので、そういう証として。

松本 「迷路」って最後にやらないパターンも昔はあって。最後にやらないとき用(セットリストの中盤に持ってきた場合)の歌詞もありました。

――そうだったんですか。

松本 そう、アレンジ違いもあるっていう。だから変化が大きい曲ではありますね。本来は最後に開いていくのですが、最後にやらない場合は無限ループバージョンといって、また最初に立ち戻るんですよね。で、冒頭のギターリフに戻って終わるっていう、まさに迷路のような感じだったんです。

中村 そうだった、懐かしいなぁ。人ってやっぱり変わっていくから。

――今回は「迷路」2022年Ver.というか(笑)。

松本 そんな感じですね(笑)。でも客観的に見て思うのが、今このタイミングで収録するからこそこの歌詞になったんだろうなと。今の監督の「迷路」の正解というか、そういう歌詞になってると思います。あのギターソロはかっこいいなぁ、監督魂のギターソロ。鳴いてますよね。

中村 (笑)。

――全曲にいえることなんですが、ストリングスで参加されている皆さんの音もすごく素敵ですよね。

中村 良いプレイですよね。心を込めてアレンジしました。

――“もうわたしは迷わない”で終わる「迷路」から戻って、“いくつもなくした それでも進み続けると決めたんだ”で始まる「red strand」を聴くとまた違った深みがありますよね。

松本 そうなったら嬉しいですね。やっぱりアルバムを聴き終わって、また1曲目から聴こうって思ってもらえるのは制作冥利につきるなと。

――最後に、4月から始まる「Cö shu Nie TOUR 2022 ”Flos Ex Machina”」についてもお伺いしたいなと思います。

松本 行った事のない場所にも行けるのが嬉しいですね。
例えば北海道に行くのはキャリア初なんです。インディーズ時代にも行ったことがなかったのですが、“どさんコシュラー”に会いに行きたくて(笑)。去年は大阪、名古屋辺りまでしか行けなかったので、ようやくみんなに会えるのがすごく楽しみです。

中村 今回作ったアルバムも特別な作品になったので、その曲たちを引っ提げた、絶対的に美しい時間にします。皆さま、ぜひ来てください。

INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ


●リリース情報
Cö shu Nie 2nd アルバム
『Flos Ex Machina』

3月16日(水)発売

配信リンクはこちら

【初回生産限定盤】
品番:AICL-4188
価格:¥6,000(税込)

※ボックス&アートカード豪華仕様 /未公開ライブ映像がWEBで見れるアクセスコード封入

【通常盤】
品番:AICL-4189
価格:¥3,300(税込)

<CD>
1. red strand ※「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」EDテーマ
2. BED CHUTE!!
3. undress me ※テレビ東京 ”サタドラ” 「女の戦争~バチェラー殺人事件~」主題歌
4. fujI
5. 病は花から
6. 青春にして已む ※NHK夜ドラ「卒業タイムリミット」挿入歌
7. miracle ※WOWOW『ドラマW インフルエンス』主題歌
8. 夏の深雪
9. give it back ※TVアニメ『呪術廻戦』第2クール エンディング主題歌
10. SAKURA BURST ※TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』第2クールEDテーマ
11. nightmare feathers_ ※Instrumental
12. 迷路 ~序章~
13. 迷路 ~本編~

Cö shu Nie シングル
「SAKURA BURST」

発売中

配信リンクはこちら

【期間生産限定盤 (CD)】
品番:AICL-4178
価格:¥1,600+税
※アニメイラストジャケット・デジパック仕様 / 5月末まで期間生産
全国ツアーチケット・シングル購入者先行URL封入

<CD>
1.SAKURA BURST
2.ö=レテヘの行進
3.ö=私とペットと電話線
4.SAKURA BURST (TV edit)
5.SAKURA BURST (Instrumental)

●ライブ情報
Cö shu Nie TOUR 2022
4月1日(金) 大阪・Zepp Bayside
4月3日(日) 愛知・Zepp Nagoya
4月9日 (土) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
4月10日(日) 香川・高松 festhalle
4月17日(日) 兵庫・神戸 Harbor Studio
4月22日(金) 宮城・仙台 Rensa
4月30日(土) 北海道・札幌 PENNY LANE 24
5月14日(土) 熊本・B.9 V1
5月15日(日) 福岡・DRUM LOGOS
5月21日(土) 石川・金沢 EIGHT HALL
6月2日 (木) 東京・Zepp Diver City

スタンディング:¥4,400(消費税込・別途ドリンク代別途必要)

東京・大阪・名古屋・仙台公演のみ
全席指定:¥4,400(税込み・ドリンク代別途必要)
※7歳以上有料

関連リンク

Cö shu Nie オフィシャルサイト
https://coshunie.com

Cö shu Nie オフィシャルTwitter
https://mobile.twitter.com/co_shu_nie

Cö shu Nie Official Channel
https://www.youtube.com/channel/UCWIfHAlwe1kELZDqUmD8oRg

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