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2022.03.07

【ライブレポート】ハッピーでエキサイティングな、クライマックス連発の充実ライブ! 内田真礼ツアー“MA-YA-YAN Happy Cream MAX!!”神奈川公演レポート

【ライブレポート】ハッピーでエキサイティングな、クライマックス連発の充実ライブ! 内田真礼ツアー“MA-YA-YAN Happy Cream MAX!!”神奈川公演レポート

2月20日、パシフィコ横浜 国立大ホールにて、声優・内田真礼によるライブツアー“MA-YA-YAN Happy Cream MAX!!”の神奈川公演が開催。自身にとって2019年秋以来のライブツアーの幕開けを飾る公演となったこの日のライブは、昨年10月リリースの最新アルバム『HIKARI』の楽曲を盛り込みつつ、コンセプチュアルなショーのような要素も取り入れたハッピーかつ観客の心動かす濃い公演となった。

店内でそして店外へ、ハッピー届ける“看板娘”

この日の公演は“アイスクリーム屋の看板娘”という内田の設定になぞらえて、そのお店のCMや商品紹介をイメージした映像が開演前から上映されるなど、趣向を凝らした取り組みが盛りだくさん。コロナ禍に伴う時差入場を行なったり、入場後も会話を控えなければならないファンに対する嬉しいサービスだ。

そして開演時間直前になると、ステージが暗転。代わってメインスクリーンに映し出された柱時計が6時を指すと、前述のCMでも用いられたサウンドロゴが流れて1日がスタート。バンドメンバーが入場してそのサウンドロゴをベースにしたインストを演奏し、ダンサーがモップなどを用いたストンプを繰り広げると、時計の針が高速でぐるぐる回転してライブロゴが登場。内田によるタイトルコールが場内に響き渡り、2階ステージに内田が登場。弾むようなリズムのナンバー「フラッシュアイデア」を振付を交えつつ、キュートに歌ってライブをスタートさせる。ダンサーによる、側面にLEDを装着したキャリーケースも用いての非常に独創的なパフォーマンスも、ステージを効果的に彩っていく。

さらにもう1曲、続けて披露した「Girl is fun」も、ダンサブルなリズムをもったキュートなポップナンバー。開店準備中のようなダンサー陣と笑顔で見合ったり、テラス席に座って掛け合ったりとまさに“ショー”のようなステージを展開。それを受け取る観客側も楽曲に合わせたクラップを起こすことで、ステージ上だけでなく会場全体が一体感に包まれていく。そんななか、2サビ後にはステージ奥の扉の向こうへと内田が姿を消した……と思ったら、早替えでウエイトレス姿に!ラブリーさをさらに増した出で立ちで、“看板娘”としてキュートにこの曲を披露しきった。

歌唱後、看板娘らしく「ようこそ、いらっしゃいませー!」の言葉から始まったこの日最初のMCパートでは、改めて前述した設定を自身の口から説明しつつ、それに沿ったアメリカンダイナー風のセットに大満足の内田。「たくさんたくさん、楽しいこと詰め込んできました!」と宣言して、「お店も忙しくなりますよー!」との言葉に続いて開店……もとい、ライブが再開される。

ここから早くも必殺ナンバーを立て続けに披露し、スタートダッシュを決めるどころか前半のクライマックスまでも形作ってみせた内田。その最初の加速を担ったのが「+INTERSECT+」だ。この日は“看板娘”らしくアイスの乗ったお盆を右手に持ちつつ、ダンサーとともにパフォーマンスを繰り広げながらの歌唱。1サビ「好きだよ」のフレーズ後には、普段ならばファンがジャンプとともにコールをするタイミングで炭酸ガスが噴き出す。この演出と観客の振るペンライトの光がリンクすることで“いつものライブ”により近づいたものを感じたのか、内田の笑顔の輝きはさらに増していく。

そんな彼女の表情にピッタリだったのが、続く「Smiling Spiral」。さらに笑顔全開のステージを繰り広げていき、サビの後半では内田が押し出した手に合わせて客席前から後ろへとウェーブも発生。それは内田からスタートした笑顔の波を可視化したものだったのだろうか。ふと見渡すと、誰もがその表情に楽しさを溢れさせていた。また、2サビ明け間奏のコールは声出しNGの観客に代わって、前述のキャリーケースに文字を表示。さらに後半ではそれをウェルカムボードに見立て、内田が看板娘らしくアイスのイラストを描く……といったパフォーマンスも目にも楽しいもの。

さらには落ちサビ前にキックボードでステージを往復したり、ラストにモンキーダンスまで織り交ぜて楽しさをいっぱいに表現すると、ステージに登場したキッチンカーに乗り込む形で「Shiny drive, Moony dive」とともに出発!ステージ奥のLEDスクリーンが流れていく景色を描写し、ロードを走るキッチンカーの中でゴキゲンに歌唱する形をとっていく。2サビの途中でその歌詞になぞらえて「『PENKI』かけちゃおう!」と口にすると、カーステレオのコントロールパネルを模した画面がスクリーンに登場。1stアルバム『PENKI』の曲を次々“選曲”し、それに合わせてバンドが演奏していく。しかも驚くべきことに、楽曲指定は完全に内田のアドリブ。長い付き合いのMAAYA BANDならではの見せ場だったのではないだろうか。そして「『PENKI』サイコー!」のシャウトに続いて「Shiny drive, Moony dive」に戻り、ラストまで歌唱したところでキッチンカーを降りたのだった。

曲明けには「ここで気分を変えて……」と、熱く熱く盛り上がった会場に涼をもたらすスペシャルフレーバー・アコースティックコーナーがスタート。まずここまで5曲とガラリとカラーの違う楽曲「カナリア」では、アコースティックとはいえ心の機微をダイレクトに出す曲らしく、歌声の圧は若干強めのものに。高めの音域も弱くならずに真っ直ぐ想いを乗せて歌いきると、アコースティックの似合うナンバー「君のヒロインでいるために」のイントロでは、場内を包むクラップに内田も「良い感じ!」とご満悦。2サビ明けには自らを囲むバンドメンバーとも視線を交わすと、ラストのコーラスは観客の代わりを彼らが担う。一方内田はファンとともにリズムに合わせて腕を振り、場内の一体感はさらに上昇。その中心にいるヒロインとして、最後にニコッと笑顔でこの曲を締め括った。

この光景が胸を熱くさせたのか、わずかに声を詰まらせつつ「ライブ、できて良かったぁ……」と安堵の想いを口にする内田。だが、すぐに切り替え「横浜のハッピーを、大爆発させましょう」といたずらっぽく笑うと、夕暮れ時を思わせるオレンジの照明のなか「ストロボメモリー」を披露。少々テンポ遅めのアレンジもあってか、普段以上に深い感情をぐっと込めて歌っていく。特にサビでの激しい感情の発露はよりいっそう心を惹きつけるもので、いつの間にかその姿に見入ってしまっていたことに、ふと気づく。

次ページ:始まる“夜のライブハウス営業”、そして光差す新しい世界

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