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INTERVIEW

2022.02.28

【10周年記念連載】第1回:ZAQ「ZIGZAG」「悪夢/耺」―ー9ヵ月連続リリースとともに10年間を振り返る!

【10周年記念連載】第1回:ZAQ「ZIGZAG」「悪夢/耺」―ー9ヵ月連続リリースとともに10年間を振り返る!

自分を振り返り、音楽に憧れを抱いていた頃の気持ちを

――デビューから10年が経ち、初のノンタイアップシングルというのも想像していなかった未来かと思いますが、その記念すべき1曲、9ヵ月連続リリース第1弾である「ZIGZAG」はどのように生まれたか、教えていただけますか? ZAQ 実は、9ヵ月連続リリースの中の配信シングルに関しては全部タイトルが決まっていまして。最初に決めたタイトルに曲を寄せていくというスタイルで作っていくつもりなんです。で、タイトルには少しギミックを入れてあるんですよ。 ――配信シングル曲のタイトルの頭文字で。 ZAQ はい。実は私、わざわざ電子辞書を買ったんですよね(笑)。「ZIGZAG」については、Zから始まる、かっこ良さそうな単語を候補としてディレクターさんに出していきました。(メモを見ながら)Zest、Zeal、Zelophovia、Zarking、Zero Cool、Zerogravity、Zeft、Zigzag、Zeal、って。でも、響き的にも、歌詞がパッと想像できるところから一番良いと思ったのが「ZIGZAG」でしたね。ジグザグした道を進んでいても光を掴むような、前向きな曲にしようというのが浮かびました。最初の1枚にふさわしいシングルになると思いましたね。 ――青春ロックというのは? ZAQ 「ZIGZAG」は9ヵ月連続リリースの第1弾ということで、自分を改めて振り返る楽曲にしたかったんですよね。だから、音楽に憧れを持っていたときの自分を想像して作りましたし、バンドを始めたばかりのフレッシュな感じというのが私の頭の中での「ZIGZAG」のコンセプトですね。それに、先ほどのキャリアの話にも繋がるんですけど、私は誰かと曲を作ったりバンド活動をしたりという経験がなくて、とても憧れがあるんですよね。最近出てきた若手のロックバンドを見ていても「青春しているなぁ」と思うし、「メンバー同士で一所懸命セッションして作っているんだろうな」って想像するんですよ!きっとブレインが1人いて、そのメンバーに楽器たちが合わせたり、そのなかから「今の良いね」っていう演奏を切り取ったりするとか……そういう、自分が通ってこなかった道みたいな構成にしたかったんです。だから極力楽器の数は少なく、イメージは「出れんの!?サマソニ!?」に応募する学生バンドですね。 ――だから、各パートの演奏が担当に任せたような感じになっているんですね。 ZAQ そうです、そうです。パートが独立しているというか。 ――ZAQさんがやり残した青春を取り戻すソングだ、と。 ZAQ その通りです(笑)。あと、楽曲だけではなく歌詞でも音楽に向き合っていますね。やっぱり、デビューから数えて10年経ちましたけど、音楽の本当の姿も限界もわからない、そういう想いが歌詞に込められています。 ――“まだ僕は君の本質を知らない”というのは音楽に対しての言葉なんですね。 ZAQ だけど、ずっとそばにいてくれる存在ではあるので、“あぁ僕は 君のことが好きだよ”と歌っているんです。 ――先ほど、今は10年前以上に作品と向き合って楽曲を作っているというお話でした。第2弾となるシングルの「悪夢」は『薔薇王の葬列』からどのように生まれたか、教えていただけますか? ZAQ 原作であるマンガはシェイクスピアの「リチャード三世」を題材にしていて、非常に救いのない物語なんですよね。作品の背景となる「薔薇戦争」(1455~1485、1487年にイングランドで起きた王家同士の争い)の流れを知ってはいたんですけど、今回初めて詳しい歴史を知って、すごく「食らってしまった」というか、「うわ、もうやだ。こんな辛い漫画がこの世に存在するなんて」という気持ちになりました。ただ、そういう作品に携わったことは今までなかったので、落ち込んでいる自分すらも歌にしたいというワクワク感がすごかったです。 ――そういった作品ではありながら、ZAQさんとしては美しい曲に仕上げられた印象があります。 ZAQ 美しさという点で言いますと、恐らく視聴者層は大人の女性であるというところに着目したという部分はありますね。ドロドロした曲を書きたいし、歌詞はそういう表現でもいいかもしれないけど、やっぱり中世の美しさというか、絵本のような世界観にしたかったんです。 ――ファンが作品に求めているところはそこだろう、と。 ZAQ だから私としては、美しさというよりは「ファンタジー」。ミステリアスなところに落とし込んだつもりでした。作品とガッチリ合わせるならもっとサイケデリックな、プログレのような狂った楽曲でも良かったかもしれないんですけど、やっぱり5分以内に成立させる必要もあるので、きちんとしたコードで構成しています。でも、発注内容自体は、とにかく暗くて女性らしくはなく、ゆっくりしたテンポの曲というものでした。 ――アレンジに石川智久さんを起用した理由は? ZAQ ZAQが作るとどうしても女性的になってしまうんですよ。これまで、明るい曲、かっこいい曲、厨二っぽい曲、と「わかりやすい」楽曲しか作ってこなかったので、アレンジをどう頑張ってもどす黒さみたいな部分が出せなくて。コードもクラシック音楽のようにはっきりしてしまうし。だから、「こういうのじゃない!」とずっと悩んでいましたけど、「やっぱ無理!」ということで、酸いも甘いも知りつくした大人の男性にかき混ぜてもらうことにしました。 ――石川さんにはどういったオーダーを出されたんですか? ZAQ もっとおどろおどろしくしてほしいとか、飛び道具として変なSEが入っていてほしいとか、でもストリングスは繊細で切なく歌う感じを前面に出してほしい、とかですね。 ――c/w曲の「耺」についてはどういうコンセプトで作られた楽曲ですか? ZAQ 「悪夢」のc/wになるということで、『薔薇王』のキャラクターと心情がリンクするような部分を混ぜ込みつつ、自分が作品世界に入ったときに流れてくるような楽曲にしました。 ――ZAQさんが『薔薇王』のキャラクターになったら? ZAQ はい。私も貴族の争いに巻き込まれて凄惨な最期を遂げたいです(笑)。 歴史を彩る1人になるというか。それはそれで夢女子みたいですけど(笑)。 ――でも、非常にZAQさんらしい楽曲ですよね。 ZAQ そうなんです。実は、「悪夢」は4番目に提出した楽曲で、「耺」は2番目に出した曲だったんですよ。テンポが速いということで採用されなかったんですけど、曲が好きすぎてどこかで使いたいと思っていたのでc/wに入れさせてもらいました。 ――自身としてはどの辺りがお気に入りなんですか? ZAQ 頭のサビ部分ですね。これは私の持論なんですけど、作ったあとに一晩寝て、朝起きたときにそのメロディが繰り返される曲は「良い曲」なんですよ。「耺」も、頭サビの部分がずっと離れなかったので、きっと良いメロディなんだろう、と。そんなに自分の感性をあてにはしていないんですけど、でも、良いと思ったものしか外に出さないようにはしています。 ――改めて、10周年に向かって突き進む今の気持ちを教えてください。 ZAQ 10周年には大きいライブをしたいとずっと思ってはいたんです。でも、こういうご時世なのでなかなかそれは難しくて。でも、サブスクやYouTubeといった、SNSで色々な挑戦ができるのでは、とも思っています。ただ、自分には音楽を作る才能しかないとも思っているので、9ヵ月連続リリースにこだわらず、音楽家である部分をみんなにアピールする場を作っていきたいですね。

【連載企画第1回:ZAQUIZ!】

Q.1 2012年のデビュー当時から愛用していて、今も部屋に置いているグッズ(機材、食器など)とは何でしょう? ▼正解は第2回インタビューで!

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司


●配信情報 配信シングル 「ZIGZAG」 作詞・作曲・編曲:ZAQ 配信リンクはこちら ●リリース情報 21st シングル TVアニメ『薔薇王の葬列』第1クールエンディングテーマ 「悪夢」 発売中 品番:LACM-24243 価格:¥1,320(税込) <収録曲> M1「悪夢」 作詞・作曲:ZAQ 編曲:石川智久 M2「耺」 作詞・作曲・編曲:ZAQ 各インストも収録の計4 曲収録 配信リンクはこちら 22nd シングル TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ 「ASEED」 2022年4月20日(水)発売 品番:LACM-24239 価格:¥1,320(税込)

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