【ライブレポート】愛美、特別な一歩を踏み出した<愛美 ONEMAN LIVE “AI Mean It!!”>の模様をレポート!

2021年12月26日、Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された<愛美 ONEMAN LIVE “AI Mean It!!” >は、きっと愛美にとって生涯忘れることのない思い出のステージになったはずだ。これまで声優として様々な大舞台を経験してきた愛美ではあるが、この日のライブは、彼女が今年4月にソロアーティスト活動を再開させてから初めての単独公演であり、ファンの前で直接自身の楽曲を届ける久々の機会だったのだから。しかもクリスマス生まれの彼女は、その前日に30歳のバースデーを迎えたばかり。あらゆる節目が重なった特別な一歩。たくさんの想いが詰まったそのライブのレポートをお届けする。

昼夜2公演が行われたこの日のライブ、チケットはどちらも即日ソールドアウト。筆者が観覧した夜公演も満員御礼で、思い思いのライブグッズを身につけたファンが開演を心待ちにしている。会場BGMとして流れていたのは、愛美が日頃からファンを公言しているBUMP OF CHICKENの楽曲など、邦楽ロックの名曲たち。ステージにはバックバンドの楽器や機材がセッティングされており、BGMとともにロックな気分を高めてくれる。

やがて照明が暗転し、まずはバンドのメンバーが各自のポジションにスタンバイ。SE代わりのゆったりとした前奏が奏でられるなか、白のレスポールを手に愛美がステージに登場し、「皆さんこんばんは、愛美です。“AI Mean It!!”、楽しんでいきましょう!」と呼びかけて「ReSTARTING!!」でライブをスタートする。キングレコードに移籍し、アーティスト活動を再開してから最初に発表されたこの楽曲。作詞は愛美本人によるもので、リスタートにあたっての所信表明とも取れるメッセージが込められていたり、本ライブのタイトルである“AI Mean It!!”というフレーズが入っている。この日のライブの開幕一発目を飾るのにこれ以上相応しいナンバーはないだろう。

ときにギターを掻き鳴らしたり、クラップを煽ったりしながら、勢い溢れるパフォーマンスで再出発の第一歩を踏み出した彼女。そこから間髪入れずに披露したのは「Link」。TVアニメ『織田信奈の野望』のOPテーマとしても知られる2012年発表のシングル曲だ。以前のレーベル在籍時に歌っていた懐かしい楽曲、そして愛美のレパートリーのなかでも屈指の熱いロックチューンが投入されたことで会場の熱気は急上昇。激しく明滅する照明と客席の真っ赤に染まったペンライトが、さらなる高揚感を誘う。

MCでは1曲目「ReSTARTING!!」のときにファンの多くがペンライトを紫色にしていたことに触れ、「皆さんもしや昼公演の情報を手に入れて、色々と察してくださっている?」と喜ぶ。そう、彼女は昼公演で自身のアーティスト活動におけるイメージカラーを「紫」に定めたことを発表していたのだ。その理由について、彼女は今までの活動で赤を背負うことが多く、その一方で最近は声優三姉妹【チームY】(佐々木未来・愛美・伊藤彩沙によるYouTubeチャンネルなどで青の衣装を着る機会が増えたので、青と赤のどちらもいいなと考えていたのだが、キングレコードにはすでに青(水樹奈々、水瀬いのり)と赤(上坂すみれ)の先輩がいるということで、その両方を混ぜることにしたと語る。「情熱の赤の成分もありつつ、クールな青の成分もありつつ、合わさると闇色の紫になって(笑)、これは愛美にぴったりなカラーなんじゃないかなと思って」と、闇ポエムが得意な彼女らしい納得の理由を明かした。

愛美としてのワンマンライブは実に6年10ヵ月ぶり。彼女は「正直めっちゃ緊張してます」と今の心境を吐露しながらも、「せっかくなので今日は色んな曲を歌おうと思っています」と期待を高める。「次はギターを降ろして、私が作詞した曲を2曲続けてお送りします」との言葉に続いて披露されたのは、「MAYDAY」と「アナグラハイウェイ」。どちらも夜の雰囲気を纏ったグルーヴィーかつ疾走感のある楽曲で、グッと大人っぽさを増した歌声で、楽曲の主人公たちの焦燥感や複雑な感情を表現する。前者では前傾姿勢で肩を揺するようなクールな振付、後者では手を左右に振る動きで会場の一体感を演出したのも印象的だった。

続くMCで、ソロ活動再開後、作詞を積極的に行っていることについて「愛美が歌をうたう理由がほしかった」と語る彼女。「歌が好き」「聴いてくれる人がいるから歌う」といった理由だけでなく、「自分の伝えたいことを自分で歌にして紡ぎたい」という気持ちが今は強くなっているのだという。曲を聴いてくれた人がワンワードでもいいから共感を覚えて、少しでも救われたり、幸せな気持ちになってほしい。そんな願いを込めて、自分が落ち込んだときのことを思い返したりしながら歌詞を書いているのだそうだ。

そんな話からの流れで、次も愛美本人が作詞した楽曲。過ぎ去ってしまった恋を振り返るようなミディアムバラード「ラブレター」を、アコギをつま弾きながらエモーショナルに歌い紡ぐ。その力強い歌声は、寂しいけど前を向こうと強がっている気持ちが投影されているようで、フォーキーな曲調も相まって心に染み入る名唱だった。

ここでバンドメンバーは一旦退場、愛美は「ここからはみんなと一緒に踊りたいと思います!」とにこやかに呼びかけ、次に歌う愛美先生(CV:愛美)「いやよいやよもすきのうち」の振付のレクチャーへ。愛美が監督・脚本などを担当したショートフィルム「かんぺきなおんな」の主題歌として、愛美本人の作詞で制作されたこの楽曲。事前に彼女のYouTube公式チャンネルに振付レクチャー動画がアップされていたこともあり、観客はすぐに振付をマスターし、ライブではみんなで一緒にダンシング!愛美先生名義のキャラソン(?)ということで、愛美も先ほどまでとは全然違うかわいらしい声音で盛り上げる。さらに八王子P feat.愛美名義のアッパーなエレクトロハウスチューン「Twinkle Starry Night」を続けて歌唱し、ミラーボールが煌めくなか、優雅な美声でZepp DiverCityをダンスフロアに塗り替えた。

その後のMCで愛美は改めて30歳になったことを報告すると、11年前、この業界に入った頃のことを振り返る。アニソン歌手になることを志し、2010年に声優デビュー、2011年にポニーキャニオンからアーティストデビューした彼女。その頃の楽曲は、いわば愛美のシンガーとしてのルーツにあたるものだ。ファンもその大切さを知っているからこそ、彼女が「せっかくなので、私が初めて世に出したメジャーデビューシングルから「天使のCLOVER」を歌わせていただこうと思います!」と宣言したとき、会場は大きな拍手に包まれた。

「デビュー時の初心に返って歌わせていただきます」と気を引き締めるように前置きし、彼女は自身にとっての始まりの楽曲「天使のCLOVER」を歌い始める。デビュー曲ならではの瑞々しさも残しつつ、これまでの10年分の経験がしっかりと乗った歌声。リスタート後初めてのステージでこのデビュー曲を披露する意味。ほかでもない今の彼女だからこそ紡げる“素敵なMy Story”が、そこには息づいていたように思う。

歌い終えてホッとした表情を見せる愛美。「はー、やっと緊張が解けてきたかも」と笑みをこぼしつつ、「次に披露するのは打って変わって最新曲でございます!」と語る。その楽曲とは、2022年1月より放送開始されるTVアニメ『現実主義勇者の王国再建記』第二部のEDテーマ「LIGHTS」。愛美にとって初めて自身で作詞したアニメタイアップ曲となる。「今までの作詞のなかで一番大変だったけど、作品のことを深く考えることができて嬉しかったですし、自分からこんな言葉が出てくるんだ!っていう発見ができたのも嬉しかった」とのことで、また1つ成長を刻んだ楽曲になったようだ。

そして「LIGHTS」を初披露。しっとりとしたピアノの音色に切々としたハイトーンボイスが絡む導入を経て、ブレスをたっぷり含んだ歌声が繊細な感情を描写するA・Bメロ、煌々と灯る赤い照明演出とともに情熱的なボーカルを爆発させるサビと、ドラマチックに場面転換していく構成が印象的なバラードで、アーティスト・愛美にとっても新たな1ページを開いた楽曲と言えるだろう。この楽曲はアニメの放送に先駆け、デジタルシングルとして配信がスタートしているので、気になる人はぜひチェックしてほしい。

再び白のギブソンを手にした愛美は、「私はこの11年間、ギターのおかげでやってこれたと思っていまして」と語り始める。「アイドルマスター ミリオンライブ!」のジュリア役、「BanG Dream!(バンドリ!)」の戸山香澄役およびPoppin’Partyとして、ギターとともに数々のステージに立ってきた彼女。「だからこそソロ活動でも絶対にギターを持ちたい」「ギターと一緒にどこまでも行けたらいいなあと思っていて」と想いを口にする。さらに今回の公演のチケットがソールドアウトしたことに触れ、今回ライブに来られなかった人のためにもより大きな会場でライブができるようになりたい、そして「願わくばソロでギターを持って武道館に立ちたいなと思っています!」と大きな夢を語る。

「実はジュリアとしても香澄としても武道館にはギターを持って立っていて。そんな人生あるのか?っていう感じなんですけど、やっぱりソロでも諦められない夢があるので、皆さん応援してくれたら嬉しいです!」と満面の愛美スマイルでファンに呼びかけた彼女は、ここからラストスパートに突入。まずはTVアニメ『ベン・トー』のOPテーマとして人気の高い「LIVE for LIFE ~狼たちの夜~」のワイルドなパフォーマンスで会場のボルテージを一気に引き上げると、立て続けに季節外れでも盛り上がり必至のパーティーロックチューン「瞬間SummerDay!」を披露。途中でバンドメンバーの紹介&ソロ回しも挿みつつ、手拍子でオーディエンスと気持ちを通わせ合いながら熱狂的な空気を生み出していく。

そしてライブ本編の最後の曲として彼女が選んだのは、TVアニメ『現実主義勇者の王国再建記』のEDテーマとしてお馴染みの「カザニア」。吹き抜ける風のように心地良く、どこまでも伸びやかに広がる歌声。“いつか見た夢よりも 想像した未来以上”という歌詞のフレーズが、かつての夢を胸に再び新たな一歩を踏み出した愛美の今の境遇と重なり、希望となって膨らんでいく。彼女は楽曲の途中で「皆さん、今日は本当にありがとうございました!」「会えて嬉しかったです。また絶対いつかお会いしましょう!」と未来の約束を交わし、永遠を願ってライブを締め括った。

その後、鳴りやまぬアンコールの拍手に応え、愛美とバンドメンバーが再びステージに。愛美にスポットライトが当たったかと思うと、「新曲聴いてください」と言い放ち、本邦初公開の「ドレス」をパフォーマンス。激しく鳴動するバンドサウンドが強烈なインパクトを放つロックチューンで、愛美もときに叫びにも似た激情的なボーカルで楽曲の世界観を体現する。鋭い眼光とクールな中にも熱を湛えた振る舞いには、愛美の新たな一面とさらなる可能性が感じられた。なお「ドレス」は、愛美とはマルチメディアプロジェクト「MILGRAM-ミルグラム-」で縁のあるDECO*27が作詞・作曲を担当。現在リリックビデオを制作中とのことで、続報を楽しみに待ちたい。

そして愛美が、年明け1月5日に行われるYouTube Live「愛美 2022年新春スペシャル生配信」などの情報告知を行っていると、いきなりバンドによってハッピーバースデーの歌が奏でられ、ここでチームYパーカーを着た佐々木未来と伊藤彩沙がケーキを持ってサプライズで登場!なんでも二人は「LIVE for LIFE ~狼たちの夜~」あたりまで客席側でライブを楽しんでいたとのことで、佐々木は黄色、伊藤はピンクと、チームYでのそれぞれのイメージカラーのペンライトを振ってアピールしていたという。

仲良しな二人の来訪に、愛美は素に戻って関西弁でトーク。「二人に言わなあかんことがあるねん」と切り出し、「えっ、逆サプライズ?」(佐々木)と戸惑う二人に、「私、紫になってん」と報告して会場を笑わせる(愛美のチームYでのイメージカラーは青)。だが、先ほどまでライブを観覧し、紫になった理由を聞いていた二人はすでに納得済み。伊藤は「やっぱりフェザーズとして紫を選んでくれたんやろうなと思って」と返してさらに笑いを誘う(愛美と伊藤が出演していた「ミルキィホームズ」内のユニット・フェザーズでは、愛美のイメージカラーは紫だった)。いつもの三人通りの愉快なトークで場を盛り上げ、愛美も「安心する。最後の曲も一緒にいて(笑)」と心から楽しんでいる様子だった。

そんな和みタイムも挿みつつ、ついに最後の1曲に。前日は誕生日ということで家族と一緒に食事をしたそうだが、そのさらに前日のクリスマスイブは緊張のあまり食べ物が喉を通らず、焼きいもしか食べることができなかったという愛美(妹の千春のツイッターにそのときの写真がアップされている)。「そんなわけで、今日は絶対に美味しいものを食べてやる!という気持ちで「ReSTARTING!!」を歌いたいと思います(笑)」と、ラストは再び「ReSTARTING!!」で締め括る。

ここまでのライブを経たことで会場の一体感もさらに深まっているなか、愛美はステージいっぱいに動き回りながら、リラックスした雰囲気で伸び伸びと歌声を届ける。ときに自分の弱い部分を見せながらも、仲間、友人、ファン、スタッフ、キャラクター、色んな人に支えられながら真っ直ぐに走り続けてきた愛美の夢は、ここからまた始まるのだろう。次はもっと大きなステージ、もっと広い世界に向けて。彼女が“これからいくつの未来を描こう?”と歌うその先には無限の可能性が広がっているし、彼女自身が“ホントノキモチ”を信じて“Going my way! AI Mean It!”と歌い続ける限り、“素敵なMy Story”はどこまでも続いていくはずだ。

PHOTOGRAPHY BY 結城さやか
TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

<セットリスト>
M1. ReSTARTING!!
M2. Link
M3. MAYDAY
M4. アナグラハイウェイ
M5. ラブレター
M6. いやよいやよもすきのうち
M7. Twinkle Starry Night
M8. 天使のCLOVER
M9. LIGHTS
M10. LIVE for LIFE 〜狼たちの夜〜
M11. 瞬間SummerDay!
M12. カザニア
<ENCORE>
M13. ドレス(新曲)
M14. ReSTARTING!!


●リリース情報
デジタルシングル
「LIGHTS」
配信中

配信一覧はこちら

2022年1月5日(水)20:45よりプレミア公開!
https://www.youtube.com/watch?v=aK8gkQ-4eCw

関連リンク

愛美 オフィシャルサイト
https://aimi.info/

愛美 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/aimi_sound

愛美 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCmgiVTON–n28U6yO7WHs9Q

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