【イベントレポート】聖し夜は“カミサマ”のBirth Day──“THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-” DAY2レポート

「アイドルマスター シャイニーカラーズ」のクリスマスイベント「THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-」DAY2が2021年12月19日、両国国技館とオンライン配信で開催された。

DAY2にはアンティーカより月岡恋鐘役の礒部花凜、田中摩美々役の菅沼千紗、白瀬咲耶役の八巻アンナ、幽谷霧子役の結名美月、放課後クライマックスガールズより小宮果穂役の河野ひより、園田智代子役の白石晴香、西城樹里役の永井真里子、杜野凛世役の丸岡和佳奈、有栖川夏葉役の涼本あきほ、シーズより七草にちか役の紫月杏朱彩、緋田美琴役の山根綺、ほかが出演した。

開演前には、283プロダクション事務員の七草はづきがクリスマス衣装で登場して前説と諸注意を担当。「ツリーのオーナメントのようなキラキラな時間を、思う存分楽しんでくださいね」と語りかけると、会場から拍手が起こった。

今回の会場は、中央に大型のスクエアステージを設定し、観客はそれを全周360度の客席から見守るという大胆な構成。雪の結晶と光の映像、レーザーがきらめくオープニング演出が終わると、ふたつの入場ゲートから連なる花道に赤と白を基調にしたクリスマス衣装・ホーリーナイトケープに身を包んだアイドルたちが元気いっぱいに登場。ステージ全体に広がってポーズを取ると、ステージに白いスモークが流れてオープニングライブがスタート。楽曲は「SNOW FLAKES MEMORIES」だ。

今回の公演では、西城樹里役の永井真里子が耳の不調により、“歌唱パートの生パフォーマンスは見合わせる”と発表されていた。ところが配信映像を見ると、永井がそこにいる!ように見える。ところがカメラが引きになるとステージにいるのは永井以外の10人だけ。どうやら開演前の会場で永井がイヤモニをつけず、耳に負担をかけない形でライブパフォーマンスを行なって寄りの映像を撮影し、本番のライブ映像の間に自然に挿入しているようだ。驚くほど自然なスイッチングで、11人一緒のライブを構成しようとする手間ひまと愛情には頭が下がる。曲明けのMCには、永井が魔法のように自然に現地ステージに合流。ユニット曲でも同様の演出だったが、以後はこの点については特にふれずに記述する。

イベント前半は朗読や映像を交え、バラエティに富んだパジャマパーティーパート。各ユニットごとに、メンバーがパジャマ姿で当日に向けた準備をする映像を上映し、それに沿った企画をステージ上で行なっていく趣向だ。

アンティーカは「クリスマスケーキを作ろう!」と題して、2チームに分かれて手作りケーキのデコレーションに挑戦。4人で仲良くケーキ台にクリームを塗り拡げてデコレーションしていくのだが、なぜか作業中にトークバトルがぼっ発する“仲良くケンカ”モードがブームの様子。礒部・菅沼チームが丁寧に作業してい店売りのようなクオリティなのに対し、結名・八巻チームは(主に八巻が)ワイルドかつ自由にデコレーション。どちらの出来が良かったかを会場の拍手で投票を行なった。

会場投票前には、チームごとに「ケーキをおいしくする魔法」にもチャレンジ。礒部・菅沼チームは「ユニコーンの惑星の特製のおまじない!」「ぴろぴろり~ん、ららららる~、土ケーキになんて、負けないぞ~」「「ぴゅ~!」」とキュートにおまじない。土ケーキ、は主に悪口だ。結名・八巻チームはデコレーションテーマがイルミネーションスターズをイメージしたケーキだったこともあり、「HEY HEY! It’s like like Popcorn!」と「We can go now!」の一節を照れながらダンス付きで歌唱してみせた。投票結果は、イルミネパワーを生かした結名・八巻チームが勝利となった。

放課後クライマックスガールズは「サンタ福笑いを作ろう!」と題して、サンタの顔の福笑いを作成するクリスマス+新年直前らしい企画だ。顔パーツと帽子は全員が作ってメンバー内投票で決定。続いて立候補制で顔の各パーツや飾りを作っていく。金色の紙をトナカイ状に切り抜いていく丸岡のテクニックにメンバーから歓声が上がった。

クリスマスらしいデコレーション盛り盛りのサンタクロース福笑いが完成すると、会場ではユニットごとに福笑いに挑戦していくごとに。挑戦者が目をつぶってパーツを上下左右に動かし、客席の拍手と仲間の掛け声が誘導して位置を合わせていく。シーズは山根がかなり下半分に配置してしまった目元のパーツを、紫月がひげパーツでずりずりっと上にずらして修正する頭脳プレイ。アンティーカも前半微妙にパーツが下に寄ってしまったが、結名が鼻をぴたりとバランス良く収めると、菅沼がヒゲと口を見事に設置して仕上げてみせた。制作者として負けられない放クラは、白石が両眉を等間隔に持ってクレーンゲームのように動かす頭脳プレイで幸先の良いスタート。各パーツを自分の顔に当ててイメージをふくらませながら、的確にパーツを合わせていく。アンカーの永井が“わかんねーよ!”という感じにバン! とおいた口元が、サンタが楽しく笑っているようになった。投票結果は文句なく放課後クライマックスの勝利!

シーズは「Xmasメッセージカードを作ろう!」と題して、紫月と山根がメッセージカードを作成。会場ではアンティーカ、放課後クライマックス所属のアイドルたちと会場のプロデューサーたちに向けて、感謝と想いを込めたメッセージを読み上げた。

メッセージでは山根が礒部と友達になれたことを感謝しながらデートを申しこんだり、紫月が永井のことを「パフォーマンスがすごく大きくて花火みたい」と表現したり。紫月が丸岡にバラエティの弟子入り志願をするくだりも印象的だ。メッセージの言葉の合間に、受け取る側のアイドルが返事をしたりリアクションをしていくのが楽しい。やりとりから、山根がいろんなメンバーと食事をしたり、服を見に行く誘いをしたりとアクティブにつながりを広げている交流が見えた。涼本が真剣な顔で「メッセージカードの原本はもらえますか?」と聞いていたのが微笑ましかった。

そして最後はプロデューサーへのメッセージ。紫月は「シーズはまだまだはじまったばかりですが、これからプロデューサーさんと一緒にどんな物語を紡いでいけるのか、とても楽しみにしております。これから先もずっとプロデュースよろしくお願いします!」。山根は「プロデューサーさんに出会ってから半年、本当にたくさんのまぶしいステージ、あたたかいメッセージ、そして笑顔を見ることができました。素敵な景色を、いつもありがとう。寒いから、あったかくしてごはんもちゃんと食べてくださいね! メリークリスマス!! 愛を込めて」とそれぞれに愛と感謝を伝えると、会場はあたたかい拍手に包まれた。

そしてイベント後半は、待望のユニットライブパートだ。シーズの2人が初々しくトークでステージをつなぐ間に、各ユニットが最初のユニット衣装にチェンジした。

放課後クライマックスガールズ(河野ひより、白石晴香、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)は「夢咲きAfter school」を披露。暗転した会場に、河野演じる果穂の「変わらないものがあるから、私たちは変わっていけるんです! 聞いてください!」という力強い声が響くとステージにメンバーが登場。こぼれるような笑顔の河野の「Everybody Let’s GO!」の声がいつも以上にはしゃいで弾けるようだ。大きなモンキーダンスから拳を突き上げる、5つの笑顔が眩しい。正方形のステージの角にメンバーが立ち、どセンターに河野が立つフォーメーションはエネルギーが爆発的に拡散していくイメージだ。放クラの原点というべき楽曲で、会場のプロデューサーの分までせいいっぱいの「なんばーわん!!」の声が国技館にこだました。

「拝啓タイムカプセル」は多くのプロデューサーが大会場での披露を待ち望んでいただろうエモーショナルな楽曲。前曲の立ち位置からすっと立ち上がり、円陣を組んで打ち上げるようなイメージからスタート。河野が仲間を呼び集めるように合図して、直線にポジションを変えていく流れがスムーズだ。丸岡、永井の歌い出しから、感情のこもったソロが“いつか”の学校からの帰り道の光景と感傷を鮮やかに描き出していく。夕焼け色のバラードから、自然にミディアムなラップに、エモーショナルなサビに流れていく連なりはこの曲ならでは。全員が手を合わせた後、河野が感情を爆発させるように高らかに歌うロングトーンに、4人の歌が合わさっていく一体感が最高だ。アウトロのダンスパートは、手のひらを頬に添えた永井の最高のスマイルで締めくくられた。

アンティーカより礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、結名美月は「幻惑SILHOUETTE」を披露。礒部演じる恋鐘の「デコレーションの仕上げはうちらの歌やけん! クールに決めんと」という日常モードの台詞から、世界観の強い「幻惑SILHOUETTE」のパフォーマンスに入っていく落差が彼女たちならでは。慟哭のコーラスが響く中、薄闇のステージで4人がゆっくりと歩み出す。表情を影に隠した結名のシルエットを、背後のサイリウムの紫がぼんやりと浮かび上がらせた。結名や菅沼といったどちらかといえばキャラクター声が細く繊細なメンバーが、歌声の強さとキャラクター性を絶妙に両立させていて、チームとしてのバランスがさらに良くなったように感じる。だからこそ、礒部が全力で感情を爆発させるようなソロがさらに際立つ好循環だ。アウトロのキメポーズでの、闇に浮かぶ4人のシルエットを見せる光の加減が絶妙で、これも背景の抜けが良い全周会場ならではの見せ方に感じた。

「革命進化論」のハードなイントロが流れると、闇のカーテンに、明滅するライトとレーザーが攻撃的な色合いを加える。一瞬ピンスポットが表情を切り裂くように照らし出す瞬間の、八巻の恍惚の笑顔、結名の見下ろすような温度の低いまなざしが記憶に焼けつく。歌いだしのソロパートでそれぞれがズバッと振り向いての歌唱の抑えたトーンと不敵な表情。溜め込んだエネルギーが、サビの合唱で爆発する。各自のソロの成熟をひとつの矢に束ねて撃ち出すイメージだ。圧巻だったのは“Confusion World…”のあと。背中合わせの礒部と結名のサイドに菅沼と八巻がひざまずくようなフォーメーションをとると、全身で感情のうねりを表現。ダンスというよりは前衛的な無声演劇のようなイメージだ。曲中暗めの照明で通してきたからこそ、ラスサビの強いバックスポットの中での歌唱が閃光のように鮮やかに際立つ。闇と光を支配する、アンティーカならではのパフォーマンスだった。

暗転したステージに、紫月演じるにちかの「それじゃあ、えと……最初の曲ですね。ふぅ……「OH MY GOD」」の声が響く。シーズ(紫月杏朱彩、山根綺)の「OH MY GOD」だ。

治安悪めのサウンドと緑の妖しい照明がステージを彩る中で、紫月と山根が拳を打ち合わせるようにしてパフォーマンスをスタート。まず印象に残るのは、広大なステージを満たすふたりの存在感の強さ。MCではやや持て余し気味にも見えた空間を、完全に支配していることが伝わってくる。背後に光るのは赤と緑のペンライト。にちかと美琴のイメージカラーだが、奇しくもクリスマスライブのユニットのトリにふさわしい光景だ。だが、ステージ上でのパフォーマンスはどこかキケンで背徳的。ハイクオリティなダンスとパフォーマンス、そして衣装をまとって初めて彼女たちは本当のシーズとなる。密度の濃いダンスには、どの方向から見ても魅せきるだけの力があった。

キメのポーズから、そのまま「Fly and Fly」の感情を揺さぶりかきたてるようなイントロへ。昔とあるアニメで「このダンサブルな曲を続けては無理だぞ!」という台詞があったが、シーズほど常時これを体現しているユニットもない気がする。イントロでは余裕たっぷりに静止してポーズを取ると、「Hey, you!」でズバッとこちらを指す。シーズのダンスのポイントは下半身の動きの手数の多さとニュアンスの複雑さ。それだけに正面から、上から、俯瞰で、そしてあらゆる角度から見られるこの会場と配信でこそ伝わるものがある。一筋髪のかかった紫月の表情のつややかさが印象的で、山根と見つめあう間に漂う空気が濃密だ。ラストはステージの対面に立って、舞台をいっぱいに使ったパフォーマンスを披露。際立った個の力が合わさってのシーズであることを改めて見せつけた。

告知コーナーでは、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 4thLIVE 空は澄み、今を越えて。」の開催決定が告知された。日時は2022年4月23日~24日、会場は幕張メッセ国際展示場1~3ホール。また、イベント内で放送した「パジャマパーティー」の様子を収録したBlu-rayが受注生産販売されることが発表された。受注期間は2022年1月10日まで。

最後の挨拶には、ユニット衣装を着た3組が揃って登場。各ユニットの代表者から挨拶が行われた。シーズは紫月が会場の景色やプロデューサーへの感謝について語っている間、頷きながら会場を見渡し微笑む山根の表情が雄弁だ。放課後クライマックスガールズは小宮がデビューから歌い続けてきた「夢咲き」と最新の「拝啓タイムカプセル」を歌ったことを語り、放クラは変わらずに変わり続けていく意志を示した。アンティーカは礒部が「どこ見てもプロデューサーさんがいるんだもん! こんな幸せな空間ないよ~!」とくるくる回りながら喜びを爆発させていた。

楽しいパーティを締めくくる本編ラストナンバーは「Multicolored Sky」。個性豊かなユニット衣装を身に着けたメンバーたちが、万色の空を歌う。放課後クライマックスガールズが歌うパートの間、その後ろでアンティーカのメンバーがわちゃわちゃとはしゃぎ回っているのが新鮮な光景。立ち位置に戻ったアンティーカが歌う間は他の2組が会場全体に手を振って回る。全周から見つめる広いステージならではの遊び方だ。楽しい一日が終わってしまう寂しさや郷愁も感じられる楽曲だが、今日はクリスマスパーティーをハッピーに、一緒に楽しんで締めくくる色が強く感じられた。

ステージの周りに火花が上がり、満場の笑顔に向けて大きく手を降って、クリスマスパーティは幕となった。誰もがそう思った。

七草はづきの終演の挨拶が終わる。しかし客電はつかず、青い照明が小さく灯る会場を、不穏な静寂が満たす。何かが起こる。舞台の上に、そんな予感と熱が形をとったような影を、一筋の光条が描き出す。

かったるそうに表情を隠す影が、ため息とともに舌打ちを鳴らす。「最低な今日。救われもしないお前らに──Merry Christmas」。歌うは川口莉奈が化身した斑鳩ルカ、曲は初公開の新曲「神様は死んだ、って」だ。

斑鳩ルカはシーズ・緋田美琴のシナリオに登場するソロアイドル。美琴と深い縁があるようで、283プロを敵視している。未だ謎多き存在で、公式サイトの紹介には“悩める現代女子たちの『カミサマ』として一部でカルト的な人気を集めている。”とある。その初パフォーマンスをイベント終演後に不意打ちのライブで叩きつけるのは、「シャイニーカラーズ」の歴史に刻まれるであろうサプライズだ。

“嫌い”や“最低”を吐き捨てるようなフレーズとともに、髪をかきむしりながらカメラを見据え見開く瞳が完全にキマっている。黒を基調にした私服風の衣装はチョーカーが印象的で、心臓の上のバラだけが血のように鮮やかな赤。ステージをのし歩きながら放たれる歌声はどこまでもパワフルでハスキー。攻撃的なサウンドとともに叩きつけられる否定と呪いの言葉には、力づくで目を奪われて離せないような負の引力がある。彼女が「もっと振れェェ!!」と客席に命じると、熱狂を宿したオレンジが激しく応える。音のない興奮の中に、魔女の哄笑が木霊した。

歌詞に“OH MY GOD”を散りばめ、紛い物と断じる姿からはシーズと美琴、そして283プロを否定する明確な意志が感じられる。聖夜の祝祭の余韻を破壊し尽くした少女は、こめかみを撃ち抜くように指すと、

「神様は死んだ、って」

と呟くように歌った。

アウトロのダンスと眼差しまでが、黒い閃光のように鮮烈で。圧巻の乱入者が全てを強奪して、「シャイニーカラーズ」初めてのクリスマスパーティは終了した。

Text by 中里キリ

THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-」DAY2
2021.12.19.両国国技館+オンライン配信
<セットリスト>

M01:SNOW FLAKES MEMORIES(シャイニ―カラーズ)
M02:夢咲きAfter school(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、白石晴香、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M03:拝啓タイムカプセル(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、白石晴香、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M04:幻惑SILHOUETTE(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、結名美月)
M05:革命進化論(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、結名美月)
M06:OH MY GOD(シーズ/紫月杏朱彩、山根綺)
M07:Fly and Fly(シーズ/紫月杏朱彩、山根綺)
M08:Multicolored Sky シャイニ―カラーズ
-終演後-
M09:神様は死んだ、って(斑鳩ルカ(川口莉奈))

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

関連リンク

「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト
https://shinycolors.idolmaster.jp/

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