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INTERVIEW

2021.10.16

【インタビュー】自身も出演するTVアニメ『先輩がうざい後輩の話』EDテーマ「虹が架かるまでの話」を配信リリース!堀江由衣に楽曲と作品の魅力を聞く

【インタビュー】自身も出演するTVアニメ『先輩がうざい後輩の話』EDテーマ「虹が架かるまでの話」を配信リリース!堀江由衣に楽曲と作品の魅力を聞く

今年7月に約2年ぶりの新曲「Adieu」(TVアニメ『SHAMAN KING』第2弾EDテーマ)を発表した堀江由衣が、早くも続く新曲「虹が架かるまでの話」を、10月16日に配信リリースした。堀江自身も桜井優人役として出演しているTVアニメ『先輩がうざい後輩の話』のEDテーマとなる本楽曲。会社の同僚たちが繰り広げるもどかしくも微笑ましいラブコメディを見守るような、優しく爽やかなナンバーに仕上がっている。作品とリンクするこだわりがたっぷり詰まった本作について、彼女に話を聞いた。

作品で描かれる“もどかしさ”を表現した「虹が架かるまでの話」

――今回の新曲「虹が架かるまでの話」は、TVアニメ『先輩がうざい後輩の話』のEDテーマです。楽曲制作はどのように進めたのでしょうか?

堀江由衣 まずはディレクターさんのご意見と私の意見、それとアニメの監督さんがこの作品でどんなエンディングを作りたいのかをヒアリングしたうえで、デモ曲を集めていただきました。監督さんは、ミディアムテンポで、ちょっとノスタルジックな雰囲気もありつつ、前向きになれる明るいイメージの楽曲がいいというお話で。そこから自分が感じる作品のイメージや好みも踏まえて、最終的に2曲ぐらいに絞ったうち、皆さんに聴いていただいて全員の意見が一致したのがこの楽曲になります。

――堀江さんとしては、この楽曲で作品のどんな部分を表現しようと思いましたか?

堀江 作品自体の雰囲気としては、いわゆる日常の中で起こる出来事や心の機微をコミカルに描くことで、我々の目にわかりやすく事件として映る面白さがあるので、その素朴なドキドキ感を楽曲の中に入れられたらと思いました。私がアニメの楽曲を担当させていただくときは、その作品にリンクしていたら素敵だなと思っているので、今回も作品の全体的な雰囲気やキャラクターの関係性をできる限りリンクさせて、エンディングまで観終わったあとに「ああ、そういうことだったんだ」って納得できるような楽曲を意識しながら作らせていただきました。

――たしかに歌詞に目を向けると、『先輩がうざい後輩の話』の劇中で描かれるキャラクターたちの微妙に揺れる心情が上手く落とし込まれています。

堀江 もどかしい歌詞ですよね。作品で描かれる関係性も、周りの人から見たら「いや、もう好きじゃん!」というのがわかるけど、本人たちは気持ちを隠しきれているつもりだったり、自分の気持ちを認めようとしなかったりで、なかなか関係が進まないじゃないですか。なので、この楽曲の歌詞ではあえて直接的な言葉を使わないようにしていて、あくまでも「そう見える」「そう聞こえる」というもどかしさを重視しています。

――なるほど。そのお話を聞くと「虹が架かるまでの話」という曲名も、「虹が架かる」という結論に焦点を当てるのではなく、そこに至るまでの過程、いわば付かず離れずの曖昧な関係性を象徴しているように感じます。

堀江 まさにそうですね。「の話」という部分も、この作品の素朴な雰囲気、我々の日常と近い距離感のお話であることと上手くリンクできればと思って付けたもので。というのも、しっくりくるタイトルがなかなか決まらなかったんです。例えば「虹」だと、綺麗になりすぎる印象ですし、「〇〇の虹」にするとファンタジー感が強くなるなと思って。「虹」という言葉を使わない方向性を含め、作詞家の方に色んなタイトル案を出していただいたなかで、ちょっと文章っぽいタイトルにしたかったこともあって、「の話」を付ければこの作品の独特な雰囲気に近づけるかな?と思って、提案させていただきました。

――そこも作品とリンクするための工夫だったわけですね。プラスしてこの楽曲の歌詞は、日常の大切さやありがたみが描かれているようにも感じました。例えば、Dメロの“当たり前の帰り道、当たり前の連絡も突然なくなるかもしれない”というフレーズは、昨今の状況とも重ねられますし。

堀江 たしかにこのDメロの部分は、歌詞のほかの部分と温度感が結構違うんですよね。できるだけ直接的には書かないもどかしい気持ち、ほんわかした距離感を表現しているなかで、ここだけ妙に具体的と言いますか、ちょっとピリッとした感じなので、私も少し気になったんですが、その分、次の“ねぇ、気付いて大事な人は誰”という一文が立つなと思って。この部分は、作品とは関係なくこの楽曲を聴いてくださる方にとっても、アニメの内容的にも「ああ」と納得できると思ったので、その前文もそのまま活かす形にしました。

次ページ:『先輩がうざい後輩の話』の楽しみどころ、“ふたり”の関係性が繋ぐ魅力

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