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REPORT

2021.09.03

【ライブレポ連載:最終回】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:vol.12 THE FINAL『BEST SELECTION LIVE』

【ライブレポ連載:最終回】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:vol.12 THE FINAL『BEST SELECTION LIVE』

今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!ファイナルとなる今回は『BEST SELECTION LIVE』と題したスペシャルな内容に!

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■LIVE REPORT

コロナ禍に覆われた日々の中、それでもライブをしたい、前へ進みたい、とFLOWが選択した「毎月26日にアルバムまるまる1枚をセットリストにした配信ライブを敢行する」という“炎の12ヶ月”がついにその12ヶ月目=ファイナルを迎えた。これまで彼らがリリースしたオリジナルアルバムは11枚。毎月ライブをするなかで、アルバムを引っ提げてのツアー時以来の演奏となった楽曲あり、アルバムのタイトルに掛けたライブ会場あり、配信ならではの演出あり、と1本1本に彼らのライブへの熱と想いが込められていた。そんな配信ライブシリーズのラストは、彼らの楽曲の中からオーディエンスの投票によって選ばれた珠玉のナンバーによって構成された“BEST SELECTION LIVE”と銘打たれたスペシャルライブ!会場はKOHSHI、TAKEのASAKAWA兄弟を育んだ埼玉県の彩の国さいたま芸術劇場から有観客で開催するスペシャルな内容となった。

エフェクトを掛けられた「炎の12ヶ月 THE FINAL BEST SELECTION LIVE」の声が時報のように響くなか、ステージにメンバーが登場。大きな拍手と鳴子の音に迎えられ、客席に囲まれたステージに轟くイントロの「ブラスター」からライブはスタート。拳をあげてビートを味わうオーディエンスの熱が伝わる。吹きすさぶ疾風のようなギターの音にジャンプする観客。そのまま軽快なサウンドに彩られた「Party Crazy」へ。踊る音に大きく体を揺らす会場のファン。もちろん配信ライブ会場のオーディエンスはそれぞれの場所で、叫んでいるに違いない、と思えるほどにライブの熱は上昇していく。

「早いものでもう1年が経ちました。謝らなきゃいけないというか、最初は(これまでのような)フラッグじゃなく(チケットを買ってくれた)みんなを背負ってライブをしようってことだったんです。ただこの間“FLOW THE CARNIVAL”をやってみて、みんなの顔を見てライブをしたいなって思っちゃって(笑)。ごめんなさい!急遽、変えました!みんなのほうを向いて、しっかり“炎の12ヶ月 THE FINAL”をやっていきたいなと思っています」とKEIGO。そして続いた曲はアルバム『MICROCOSM』から「SOUL RED」だ。全身全霊で放たれるナンバーに続き、三味線の音が鳴り響いての「魑魅魍魎」。止まることのない吹き荒れる激情の風が轟きながら会場を席捲していけば、拳をあげて楽曲に熱を加えるオーディエンスと共に続く「ワンダーラスト」のラウドに轟くグルーヴで一体の熱を放った。

ASAKAWA兄弟の地元であり、FLOW結成の地でもある土地でのライブとあってテンションもアガるKOHSHIとKEIGO。「まさかそんなところでライブができるとは!ありがとうございます」とKOHSHIの声も弾む。「“炎の12ヶ月”、いよいよ“THE FINAL”。去年の9月から始めまして、本当に1年間!」とKEIGOが告げると「全アルバムを網羅してきましたね」とKOHSHIもしみじみと声を重ねる。この1年を振り返りながら話す二人。場所をこだわってやってきたこのライブシリーズ、それぞれの収録場所についてや企画について時系列で語っていく。なんとこの“炎の12ヶ月”では143曲を演奏したのだとか。この19年のバンドの歴史のすべてを見せてきたことを伝えた。

アルバムの曲のみならず、“炎の12ヶ月”ではやらなかったミニアルバムやカップリング曲の中からファンが1曲ずつ選んだセットリスト。続いた曲はシングル「Remember」のカップリング曲だった「Your song」。2006年にリリースされ、KEIGOが作詞をしたこの1曲は、「本当に久しぶりです」とKEIGOが告げたように、なかなかライブで聴く機会のなかった朴訥なビートで優しく響かせるハートフルなナンバー。そんな1曲にオーディエンスもヒートアップ!IWASAKI、GOT’S、TAKEのソロプレイに歌声が重なり、KOHSHIのギターが高らかに響き、ハンディのエレキピアノを弾くKEIGOも楽しげな「アイオライト」、跳ねるビートに軽妙なボーカルが重なる「Smells like thirty spirit」には会場のオーディエンスが頭上でクラップして応える。

ツアーはできないけれどライブを止めたくない。なにかできないかと考え抜いたFLOWが出した答えが「配信ライブ」だった。ずっと前に作った曲なのに今の時代にマッチした、リンクした曲にも数多く出会ったと言う。なぜ共感できるのか。それはコロナ禍だろうと根本にある想いが変わらないから。音楽を止めたくない。ライブを止めたくない。そうして動いてきた12ヶ月を走り抜けられたことに感謝して、一言一言を大切に紡ぐように「Melody」が歌い上げられ、じっと聴き入るオーディエンスの姿が映る。きっと画面の向こうでも世界中のファンが想いを重ねていたに違いない。

後半戦は2002年にリリースされたテンション爆アゲなシングル曲「Like A Rolling Snow」で幕を開けた。“Wow Wow”とあがるTAKEとGOT’Sのコーラスに、共に歌えずとも高く拳をあげて熱を加えていくオーディエンス。『FLOW THE MAX!!!』を彩ったアグレッシブながら表情豊かでメロディックなエレクトロロック「Red Hot Riot」、さらにデビュー10周年で制作したアルバム『BLACK & WHITE』を象徴する「BLACK & WHITE」はパワフルなメッセージを内包したフロアユースなダンスロック。躍動する音がオーディエンスを軽やかに踊らせていくとライブは彼らの普遍の想いを宿す「ANTHEM」へ。「炎の12ヶ月、ラスト!全員心の中で歌ってくれ!」とKEIGO。KOHSHIがギターを弾きながら歌い出すと大きく拳があがる。エモーショナルな旋律に、すべてのオーディエンスが声を重ねていたはず。辛い現実にも立ち向かっていこう、と。

「みんなのおかげで(開催した)“炎の12ヶ月”という企画でしたけれども、アルバムをずっと紐解いていって、また自分たちでも色んなことに気づいたり新鮮な気持ちになりましたが、休日だろうが平日だろうが、毎月26日縛りで送らせてもらいました。皆さん、本当にありがとうございます」とファンとスタッフへの感謝を口にするKEIGO。これから先も足を止めずに進んでいくよ、という気持ちを表すということで、新曲を披露。KOHSHIの切々とした歌い出しで幕をあけるこの曲は、ドラマチックで壮大、そしてカラフルでメロディアスなナンバー。12ヶ月のライブを敢行し、これまでの軌跡を改めて踏みしめてきた彼らが示すのは花のように咲き誇る未来への歌。

“炎の12ヶ月”の先に待つ彼らの時間への期待感を、彩の国から彩ったFLOW。

さぁ、またここから共に歩み始めよう。またいつか共に声をあげられる日へ想いを馳せながら。

<セットリスト>
M1. ブラスター
M2. Party Crazy
M3. SOUL RED
M4. 魑魅魍魎
M5. ワンダーラスト
M6. Your song
M7. アイオライト
M8. Smells like thirty spirit
M9. Melody
M10. Like A Rolling Snow
M11. Red Hot Riot
M12. BLACK&WHITE
M13. ANTHEM
M14. 新曲 ※後日情報解禁


★“炎の12ヶ月”を終えたメンバーからコメントが到着!

■12ヶ月間ライブを行った感想は?

KOHSHI ライブが難しい状況下で止まらずにオンラインという新しい形で1年にわたりできたことは良かったと。月1ファンの皆さんと繋がれたのは大事な時間でした。

KEIGO まずは色々と無理を聞いてくれて一緒に1年間ライブを作ってくれたスタッフの皆さんに感謝です。そして配信という形ですけど、ライブで繋がれたみんなにありがとう。きっとコロナ禍にならなければ全アルバム網羅なんてやってなかったと思います。改めて1枚1枚のアルバムを紐解けてすごく刺激的だったし、過去の曲なのに新鮮な気持ちになりました。これまでみんなで作ってきたライブは間違いなかったと思えたし、それがあったからこそ足を止めずにやってこれました。これからも止まらずやっていこうと力をもらえた1年間でした。

TAKE まずは並走してくれて様々なアイデアを実現させてくれたスタッフのみんなに感謝。そして何より初めての試みでどうなるかわからない状況の中観て楽しんでくれたファンのみんなに感謝。

GOT’S 普段ライブする場所じゃないところでライブしたり特殊な環境が多かったのでスタッフさんは大変そうでしたたが毎回面白かったです。曲もアルバムごとのライブってことだったからやりがいがありました。よく大変ですねって言われてたけど1ヶ月ごとで集中できたので余裕を持って挑めた感じです。

IWASAKI 最初は手探りやったけど楽しみながらできました。自分自身と向き合うとても大切な1年でした。

■“炎の12ヶ月”で発見したもの

KOHSHI カメラに向かってするライブの見せ方、丁寧に歌うことや、いつもと違う筋肉を鍛えられた気がします。あと過去の作品を振り返る事で改めて自分たちを知り、次作制作の参考になりました。

KEIGO 過去の曲の歌詞がコロナ禍のこの状況にぴったりくる曲が不思議と何曲もあって、何でだろうと思ってたんですが、確かに生活様式とか変わってしまったことはあるけど、自分達の伝えたいこととか思いの根本は何も変わってないんだなと。だからFLOWの音楽を止めることはしたくないし、変わってしまったではなくて変えていく自分たちでありたいです。

TAKE 映像作品としては無観客でクリエイティブできるところは多々ありましたがやっぱりライブはお客さんと一緒に相乗効果で作り上げられるものだなと。

GOT’S 普段しないイヤモニをすることが多くて慣れてきた。お客さんがいないほうが緊張する。

IWASAKI 見つけたものと言うか再認識したのは、どの曲も全部ええんです!

■今後のライブ活動への想い

KOHSHI きっとバンドもお客さんもみんなそうだと思うけど、早く現場で爆発したい気持ちでいっぱいです。

KEIGO 配信も含めてこれからのライブの手法というのは進化していくと思います。でも1年間配信ライブをやってみてやっぱり同じ空間でお客さんと作るライブに勝てるものはないと実感もしました。取り入れられるテクノロジーは取り入れて、でも日本全国、世界各国飛び回りたいなと思います。みんなでライブを進化させていきたいです。

TAKE またみんなと対面してライブができることを願っています。

GOT’S 有観客ライブも無観客もドンとこいです。収容制限とかでお客さんが少ないことに慣れてしまって危険なので早くたくさんの人も前で演奏できるように願います。

IWASAKI ライブがコロナ以前に戻るにはまだもうちょいかかるやろうけど音楽がある以上時代が変わってもライブはあり続けるでしょう。実はレコーディングもまだあるし色々楽しみにしといてください。

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