リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2021.08.11

亜咲花2ndアルバム『Pontoon』リリース記念、亜咲花×TAKE(FLOW)スペシャル対談!アルバムリード曲制作秘話とTAKEによる全曲解説も!

まもなく21歳の誕生日を迎える亜咲花が、待望の2ndフルアルバム『Pontoon』をリリースする。トランプ(カード)のマークから想起したイメージの新曲を4曲書き下ろし、さらに既存曲のライブバージョンも収録された盛りだくさんな作品。今回はリード曲の「Make a BIG WAVE!!」を作曲したTAKE(FLOW)との対談で同曲の制作模様をうかがった。TAKEによるアルバム全曲解説も飛び出すなどボリュームたっぷりでお届けする。

亜咲花の新しい一面を引き出した青春賛歌

――今回のコラボが実現するまでの経緯を教えていただきたいと思います。まずはお2人の出会いはどんな形で?

亜咲花 “Anime Boston 2018”というイベントに私がオープニングアクトとして出演したときが初めての出会いでした。

TAKE 亜咲花ちゃんは海外経験もあるので、英語の通訳とかでもとても頼りになりました(笑)。現地では主催者の方が我々ゲストのおもてなしをしてくださって、その際にいろいろ観光したり食事の席を設けてくださったりするなかで、亜咲花ちゃんのスタッフさんと我々FLOWが意気投合して。

亜咲花 そこですごく仲良くしていただいて、帰りの飛行機に乗る直前までご一緒させていただきました。私としてはとても刺激的な時間で、いつか共演できたらとずっと思っていたんです。その食事のときTAKEさんが、「曲を積極的に書いていきたい」とおっしゃっていたことを覚えていて、その場では言えなかったのですが、実は曲を書いてほしいなと思っていたんです。その後、私があるときTwitterで「VTuberとアニソン歌手のコラボをやってみたいな」とつぶやいたところ、TAKEさんが「曲を書くよ」とお返事をくださって。この機会に2ndアルバムの曲をぜひにと正式にお願いをして、今回実現したという形です。

――TAKEさんは楽曲提供するにあたって相手の歌い方をご覧になるかと思いますが、アーティストとしての亜咲花さんはどのように映っていましたか?

TAKE 当時の話でいうと、『ゆるキャン△』を観ていたので、「SHINY DAYS」ももちろん聴いていました。18歳だとはとても思えないほど出来上がっていて、そのときからポテンシャルの高さを感じましたね。

――亜咲花さんにとっては、FLOWさんはどんな存在でしたか?

亜咲花 アニソン界の大先輩ですね。私はアニサマには自分が出演する以前から観に行っていましたので、そこで熱く盛り上げてくれる姿がとても印象的で、お客さんが一つになれるステージを毎回届けてくださるので、最高だなと思って観ていました。

――今回のコラボは相思相愛の形になったわけですね。TAKEさん作曲の「Make a BIG WAVE!!」をお願いするにあたって、どのようなオーダーをされましたか?

亜咲花 今回のアルバムの『Pontoon』はトランプのブラックジャックの親戚にあたるゲームから名前を採っていまして、アルバム新曲のコンセプトもトランプのマークになぞらえています。「Make a BIG WAVE!!」は、まだ私のことをご存じない方に、亜咲花ってこういう歌手なんだなと知ってもらえるようなアルバムの看板曲にしたかったので、まさにダイヤモンドのようなキラキラしたイメージで書いていただきたいとお願いしました。

TAKE 亜咲花ちゃんのアルバムって、19歳のときは『19BOX』で、20歳になったら『HEART TOUCH』と、自分の年齢の数字に合わせてコンセプトを作っているのが面白くて、今回も21歳だからブラックジャックの数字から発想されているわけです。トランプのマークにすることで、それぞれの楽曲のカラーも出てくるし、聴く側もそこからのイメージを膨らませて聴くことができます。リリースが8月になるとのことだったので、夏っぽいテイストで3曲ほど書いて、そのなかで亜咲花ちゃんに選んでもらった曲をブラッシュアップさせていきました。

――亜咲花さんのどんな部分を引き出そうと意識されましたか?

TAKE やっぱり彼女の伸びやかな歌声や、もともと持っている力強さがありつつも、年齢的なキュートな部分も同時に表現できればと思っていたんですけど、ディレクションのときに闘いがあって(笑)。

亜咲花 2番のAメロで“ゼロがNOって誰が決めたの”という部分があるのですが、TAKEさんが、「ここは新しい亜咲花を出していこう」とおっしゃって、キャラソンみたいにメチャクチャ可愛く歌ってみたのですが、さすがにこれはリスナーが困惑するのではないかと思って自分でボツにしました(笑)。

TAKE 僕はファンが新しい亜咲花だって喜ぶよ、って言ったんですけど(笑)

亜咲花 いや~、そこで新しい亜咲花を見せつつ、ファンの方がビックリせずに「こういう表現をしてくるのか」という関心に繋がる歌い方にするのはとても難しかったです。結果、収録されたものが一番フィットした形になったのかなと思います。すごく時間をかけて録りましたよね。

TAKE 全部録り終わった後にもう1回聴いて、やっぱりもう1回録り直したいって。1曲の中でいろんな人格が出てくる感じに聴こえちゃうと、またそれも違う。最後に録ったテイクを聴くと、1人称の自分がちゃんと存在しつつ、新しい表現をしていこうというイメージを彼女自身が明確に持っているんだなと思いました。客観的に自分を見る力を持っているというか。

亜咲花 振り切ったらキャラソンになりすぎたので、亜咲花を残しつつ、どこまでかわいさを入れていくかのバランスは今まで経験がないほどの難しさがありました。我々としてもこだわった部分なので、ぜひ耳を澄まして聴いてほしいですね。

――TAKEさんのお話の中で、客観的に自分を見るとありましたが、亜咲花さんはその自覚はありますか?

亜咲花 音楽に関してはあります。前のシングルがこうだったから、次はこうした方がお客さんも喜ぶかなとか。というのも、私自身がオタクなので、お客さんが求めていることはおそらく近い距離で把握ができていると思います。ライブもそうですし、今回の楽曲制作に関しても、TAKEさんと亜咲花だったらすごい盛り上がるだろうなと思っています。EDMとかR&B調はこれまで歌ってきたのですが、可愛いスタイルを出していくことは初めてなので、ドキドキはありますね。

――歌詞についてはどのように書いてきましたか?

亜咲花 曲をいただくまでは、キラキラした学生っぽい恋愛要素も入れようかなと考えていたのですが、聴いてみたら、これは“恋愛”じゃなくて“友情”だなと思ったんです。キラキラでもこれは友達とバカ騒ぎして楽しむ夏。それで友情讃歌しようと思って歌詞を書いていきました。

TAKE すごく景色が見える歌詞だなと思ったし、季節感も含めて楽しめる曲になったと思います。僕からは1つだけ言わせていただいて。

亜咲花 落ちサビの“今ここにいるキミへ 「共に過ごしたこの時間(とき)は忘れない」”は、当初その前の繰り返しの予定だったんです。そこをTAKEさんが「ここはライブに来ている人が自分に向けて歌ってくれていると感じるように特別感を出したい」とおっしゃって。たしかにここは音楽もレゲエ調になって印象が変わるので、ライブに来ている人に向けてエモーショナルな雰囲気でラスサビを迎えるように替えていきました。おかげで曲がグッと深まりました。

TAKE 亜咲花ちゃんはファンの人達に熱心に向き合っているので、そこで楽曲が一番輝くのはやはりライブの現場だと思うので、そこを想起しながらという意味合いでの提案でした。歌録りのときも、目の前にお客さんがいるようすを想起して、落ちサビでお客さんが横振りになっている感じでとディレクションしました。

亜咲花 本当にお客さんが目の前にいて、こうやって(手を横に振る動作)いるかのような気持ちで、歌うと自分はライブをしているような体になって、そこで声もついてきてくれるんです。

TAKE そのままラスサビ入ってくださいって言ったら、予想しなかったフェイクが来てね。

亜咲花 ただもう楽しくて。歌っちゃえって、とっさに出たフェイクだったんです。やっぱりライブを想像しながら歌ったからこそ出てきた生のものだったので。

TAKE 録音されたものだけど、すごくライブ感があったよね。すばらしかった。

亜咲花 2人で「今の採用!」って。普段であればもう少しレコーディングであることを意識した歌い方をするのですが、これはやっぱりTAKEさんのディレクションだったからこそ出た声。この関係性が生んでくれたフレーズだったと思います。

――ミュージックビデオも夏らしいパーティーのようすですね。

亜咲花 九十九里で撮ってきました。なんとTAKEさんが見に来てくださったんです!

TAKE 配信ライブのロケハンで、偶然同じ日に近くまで来ていたんです。なんか聞き覚えあるメロディだな~と思ったら、「これ俺が作った曲じゃん」って(笑)。それで亜咲花ちゃんのTwitterを見たら、今日MVを撮るって書いてあったのでちょっと内緒で見に行っちゃおうって。

亜咲花 完全にサプライズでした。まさかいると思わなかったから、もうすごい素のリアクションして、そのときMVのメイキング用のカメラも回っていたのですが……、TAKEさんのサプライズシーンが撮れてなくて…。

――ええー。もったいない。

亜咲花 メイキング映像では「撮れてないの!?」っていうリアクションから撮れています(笑)。

TAKE ドッキリ成功!だけど残ってないですーって(笑)。でも、勝手に運命を感じました。

亜咲花 日本は広いのに、あのタイミングで曲が聴こえる距離に偶然2人ともいるって奇跡ですよね!そんな出来事もありつつ、風が強い海辺だからこそ出る疾走感とか爽やかさを狙いながら映像を撮っていきました。他のキャストさんとははじめましてだったのですが、合間合間に世間話をして距離が縮まっていたので、和気あいあいとした雰囲気で、本当に距離の近い友達同士がシェアハウスで夏を一緒に過ごしているような映像を残すことができました。

TAKE 現場の空気を作るって、座長の役目もきちんとこなしている。

亜咲花 これまでのMVではあまりストーリー仕立てで作ることがあまりないので、今回のように年の近い役者さんと一緒に撮るのは新鮮でした。MVではキメた表情が多いですが、今回は水鉄砲を撃って楽しんだりと、私の素の表情が出ているMVになっています。

次ページ:TAKE(FLOW)がアルバム『Pontoon』を解説!

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP