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INTERVIEW

2021.07.28

新たな挑戦が詰まった両A面シングル「101/夜光」をリリース!三月のパンタシア インタビュー

新たな挑戦が詰まった両A面シングル「101/夜光」をリリース!三月のパンタシア インタビュー

終わりと始まりの物語を空想するボーカリスト「みあ」による音楽ユニット・三月のパンタシアが、両A面シングル「101/夜光」を7月21日にリリース!現在放送中のTVアニメ『魔法科高校の優等生』のOPテーマと、みあ初の長編小説「さよならの空はあの青い花の輝きとよく似ていた」の主題歌となっている表題2曲に加え、カップリングの「パインドロップ」まで、アツい楽曲がそろった1枚について、みあにたっぷり語ってもらった。

――前回インタビューさせていただいたのが、“三月のパンタシア 5th Anniversary Live 「もう一度、物語ははじまる」”直前のタイミングでした。改めてライブを振りかえっていただいて、いかがでしたか?

みあ アニバーサリーライブはオンラインで無観客の配信ライブだったんですけど、純粋に、久しぶりにバンドの中で歌えたのが楽しかったし、目の前にお客さんはいないんですけど、いなくても見えるんだなということを改めて感じたというか。

――いなくても見える?

みあ 例えば、今回お客さんがSNSでつぶやいてくれたコメントを拾って、4面LEDに投影したりしたんですけど、顔は見えなくても絆がすごく感じられて。オンラインならではの繋がりを改めて感じることのできたライブで、当日はものすごく感動しながら家に帰ったのを覚えています。それと、5周年のアニバーサリーライブということで、インディーズ時代の曲から新しい曲まで、いろんな曲をやった中で、過去のライブで見た風景など、そこでよみがえってくるものもたくさんあったんです。そういうことを感じながら歌えたのも、エモーショナルなライブだったなって思いますね。

――5年間の足跡というか、重み、みたいなものも感じることができたライブだったんですね。そんなライブを経て、三月のパンタシアは、7月21日に両A面シングル「101 / 夜光」をリリースされました。早速聴かせていただきましたが、「101」「夜光」の2曲ともとんでもなくアツい曲でしたし、カップリングの「パインドロップ」も含めて3曲とも非常に個性的な楽曲がそろったなと。とても攻めた1枚になっているなと思いました。

みあ まさに、3曲とも全く毛色の違う楽曲になったなと思っていて。どの曲も情熱やエモーショナルさが感じられる、すごく強い1枚になりました。「101」と「夜光」が出来上がった時点で、正反対だけど背中合わせのエモーショナルさをもつ、すごく満足度の高いシングルになると思いましたね。表題の2曲が新しいアプローチをしているので、カップリングの「パインドロップ」は、これまでの三月のパンタシアらしく、ポップで明るさがある楽曲をつくろうというところから制作していったんですけど、こちらも新しい激しさを見せられた楽曲になったなと思っています。

――まさにおっしゃられているように、どの曲もこれまでの三月のパンタシアにはなかったような個性を持ちながらも、みあさんという柱があるからこそ、三パシの作品になりえているというところが、今回のシングルのポイントなんじゃないかなと思いました。それでは1曲ずつ伺っていきたいのですが、まず「101」は、じんさんの提供曲ですね。

みあ 『魔法科』シリーズのOPテーマということで、魔法を使うバトルシーンに映えるような、かっこよくてちょっと攻撃性のある楽曲にしたいなと思ってじんさんにお声がけさせていただきました。三パシとしてこれまでもアニメの主題歌を担当させていただきましたが、ここまでバトルアニメの、しかもOPテーマに携わらせてもらうのが初めてだったので、これまでの三パシにはなかったかっこよさが見せられる曲にしたいとじんさんにお話しして、制作を始めていきました。

――はじめから、これまでとは違う路線で行こうという思いがあったんですね。

みあ でもどういうアプローチで見せていくかは、自分の中でちょっと探ってた部分もあったんです。なので『魔法科』の物語があって生まれえたというか、すごくいい機会をいただけたなって思います。しかも私はじんさんが手掛ける「カゲロウプロジェクト」が大好きだったので、一緒にお仕事させてもらって、ファンとしてもものすごく嬉しかったです(笑)。

――『魔法科高校の優等生』のOPテーマを担当する、という部分が背中を押してくれたのかもしれませんね。

みあ そうですね。まず原作となる漫画を読んだのですが、今回は(司波)深雪が主人公になっていて、読んでいくうちに深雪のことがより好きになっていって。「どうしても自分がお兄様を守りたい」という熱い気持ちだったり、「私が絶対に救ってあげたい」とか「守ってあげたい」「支えてあげたい」というブレない信念のような熱い気持ちと、そういう想いを抱えながらもそれを素直に伝えられないもどかしさだったり、ほんとはもっと甘えてみたいのに素直にできない天邪鬼さとか、そういうところは三パシが描いてきた思春期の女の子のとまどいとかと通じるものがあるのかなと思って。「熱さや情熱的な部分と、それをうまく伝えられない葛藤みたいなところが曲になると嬉しいです」ということをじんさんにお伝えしたんです。それがあんな複雑なサウンドになるとは想像してなったんですけど、それがめちゃくちゃかっこよくて!これまでになかった三パシが見せられたんじゃないかなって思います。

――まさに、乙女心の複雑さが激化したような、熱い熱量を感じる曲なんですけど、みあさんがおっしゃるように複雑な楽曲構成を持っていて。1曲の中でものすごく多彩な歌唱表現が詰まっているなと感じました。

みあ この曲、私たちは「全部乗せ」って呼んでるんですけど(笑)、そのくらい1曲の中でいろんな展開があって、それを歌でもサウンドでも表現しているんです。あの手この手でいろんなストーリーが詰まってる楽曲にもなっているので、ぜひフルサイズで聴いてもらいたいです。

――Aメロ、Bメロ、サビとパートごとに歌声がガラリと変化していって。みあさんの表現力もかつてないくらい濃密だと感じましたが、あらためてレコーティングはいかがでしたか?

みあ めっちゃくちゃ大変でした。実はうまく歌えなくて、レコーディングを一度飛ばしているんです。自分が気負いすぎてたのもあったかもしれないんですけど、「こういうふうに歌いたい」という気持ちだけが空回りして、なかなか思った表現ができずにどんどん自分の中で煮詰まっていってしまって。ディレクターとも話をして、このままだと自分が納得いくものにはならないと思うから、仕切り直して改めて録ったほうがいいかもしれないという判断をしてもらって。めちゃくちゃ落ち込みましたね。

――たしかにこの曲は、1曲の中に4~5曲分くらいの情報量があるなと思っていて。この曲をしっかりとかみ砕きつつ、意識をせずに歌うという境地になるまで、レコーディングに2日要したというのは納得ですね。

みあ 難産だったぶん、自分でもすごく気に入ってるし、かっこいい曲になったと思っています。2Aにはラップっぽいところもあって、これまでにないチャレンジもしているんです。この曲はじんさん自身が仮歌を入れてくださっていて。やっぱりご本人が歌ってくださったものには「こういうふうに歌ってもらいたい」というニュアンスがこもっている気がするので、それもかなり参考にさせてもらいました。

――改めて楽曲が出来上がってからじんさんと曲についてなにかやり取りはありましたか?

みあ この曲はイントロも印象的なんですけど、デモではもっとエッジが効いていて、バキバキのひずんだギターが鳴り響いているような感じだったんです。でもアニメサイドから、今回は深雪が主人公なので、もうちょっとさわやかなほうがいいかもしれないですとリクエストがあって。最終的に今の形になっているんですけど、最初のバージョンもめちゃくちゃ好きだったというのはお伝えしておきたいです。あとは、マスタリングが終わったあとで、改めてじんさんに「めちゃくちゃかっこいい曲ができてほんとに嬉しいです」とメッセージを送ったら、「自分も完パケた楽曲毎日聴いてます」ってお返事をいただけて。「すごく歌の力を感じます」ってじんさんに言っていただけたのが、ほんとにうれしかったです。

――たしかに「歌の力」をすごく感じる曲だなというのはありますね。とてつもない疾走感にあふれている曲の中で、ここまで歌詞の表現とかニュアンスの付け方とか声のトーンに違いがはっきり出せるもんなんだなって。あらためて『魔法科』の主題歌として皆さんに届けられるということでこの作品についてもお聞きしたいのですが、みあさんは『魔法科高校の優等生』という作品にどのような印象を持たれてますか?

みあ 『魔法科』シリーズの中でも、『優等生』ではガールズサイドが描かれているんですけど、やっぱり深雪って熱くてまっすぐな、信念が全くぶれない女の子で。15歳にしてその信念を貫けるっていうのがまずすごいなと思うし、私はそういう強い女の子への憧れがあるんですよね。でも、そんな強い意志を持ってるけど、素直になれない部分だったり、言いたいことを素直に伝えられなかったりっていうのはものすごく共感できるというか。あそこまで自分の兄に心酔してるというのも物語の中で際立っている特殊な結びつきだと思うし、一見深雪と達也の関係性ってちょっと空想的というか、現実味がないように思うんですけど、「あのお兄さんだったらそこまで尊敬する気持ちもわかる」って納得する気持ちだったり、「こういう妹がいたら絶対に守ってあげないといけない」と思う気持ちとか、共感できる部分がたくさんあって、知れば知るほど『魔法科』シリーズにのめり込んでいく自分がいて。1ファンとしてアニメも楽しみにしています。

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