【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:vol.10『#10』

今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回は『#10』!

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■LIVE REPORT

スペシフィックな音が響く。ゆっくりと緞帳があがるような感覚あるSEがライブの幕開けを告げるなか、アルバム『#10』収録曲のMVのコラージュ映像によるメンバー紹介に続いて、登場したFLOWのメンバーたち。今回の会場は「エンタメをタクラム、ハコ」をコンセプトに東京・新宿に誕生したスタジオ・BLACKBOX³。IWASAKIのドラムが鳴り響き、同時にLEDによるまばゆいばかりの演出が部屋を埋めると重厚なサウンドの上を軽やかに駆けるKOHSHIの声が重なり、1曲目の「Oblivion」で幕を開ける。レーザーが壁いっぱいに走るなか、TAKEのギターソロもエッジの鋭さを増していく。稲光、プラズマ、隕石など彼らの背後の景色が目まぐるしく変化していくことで楽曲の持つ勢いが加速していくようだ。

「皆さん、元気にしていましたか?FLOWです!“炎の12ヶ月”、いよいよ大台に乗りました!10ヵ月目!後半戦ですよ!」とKEIGOが気合いを入れるように声を放つと、LEDに囲まれた会場についての説明へ。「どんな映像をみんなに届けられるか、楽しみですね」とKOHSHIも背後の画面を見渡す。バンド史上最も多くのクリエイターとコラボレーションをしたアルバム『#10』の世界を聴かせるからこそ、クリエイターの才能を輝かせることに特化したこのスタジオというライブ会場。5年前のツアーとは違った表現で楽しませたい、と語った。

層の厚い音とボーカルが溢れ出すような「DARK SHADOW」ではフレーズによって色彩を変化させていくLEDの光の演出が楽曲の“色”を強く印象付けた。暗くなった会場に津軽三味線の音と歓声が響く。疾風の演奏シーンが映し出されたのだ。エモーショナルなこの旋律が鳴り出したのなら楽曲はこれだ。津軽三味線とのコラボレーションで聴かせる「魑魅魍魎」。さらにおどろおどろしい映像がメンバーを取り囲む。映像、疾風の津軽三味線、三位一体の「魑魅魍魎」の和のグルーヴが画面越しに迫りくるようだった。そんな1曲に続いた「DECATHLON」ではAFRAが登場!5年ぶりのコラボという彼のキレあるヒューマンビートボックスと“ビートの速さを変える男”ことKOHSHIとのセッションに“ビートキッド”KEIGOも加わると、ご機嫌のフロウにバンドの音が呼び込まれて、ライブは熱を帯びる。彼らを取り囲む映像はサッカーフィールドからディスコ、そして絢爛豪華な光のスプラッシュでFLOWの歴史を見せつけた。

OP映像でも流れたSEからのIWASAKI、GOT’S、TAKEのセッションによるインストナンバー「#10band Inst」から、TVアニメ『デュラララ!!×2 結』OPテーマである「Steppin’out」へ。いつものライブと変わらず、足をあげてのステップと軽やかなビートとで心も跳ねるナンバーだ。高く手をあげたKEIGOの手の中にはタオル。「回せーっ!」とKOHSHIのシャウトでサビを響かせれば、画面の向こうのオーディエンスもタオルを回して応えていたはず。息づかいまでも熱を放つ1曲がFLOWのライブの臨場感をMAX!!!に感じさせた。

MCではコラボアーティストについて語るKEIGOとKOHSHI。会場に駆けつけてくれたAFRA、5年前のツアーの映像でのコラボとなった疾風のことを楽し気に話す。「(疾風は)まさにここで演奏しているかのようだった」と大絶賛。「もうなんだったら(コラボした)全員をここ(LED)に。HISASHIさんとかも!」とKOHSHIも笑顔を見せる。そして次の曲へ、と口を開くKEIGO。

「“炎の12ヶ月”もこうして10枚目まで来られましたけど、ずっと辿ってやってきたなかでFLOWの歴史を振り返ると1つの大きな出来事としてアニメ作品との出会いは絶対にあって。アニメ作品とコラボレーションしたからこそ世界が広がったし、海外にも行かせてもらえて。もちろん日本もそうだし、FLOWというバンドを広く知っていただくきっかけになったんじゃないかなと思います。そのアニメ作品の中でも最初に担当させてもらったのが『NARUTO-ナルト-』で。数多くの楽曲を歌わせてもらってきました。それがFLOWというバンドの世界をより広げてくれたコラボレーションだったんじゃないかなと思っています。この10枚目のアルバムで、まさにその『NARUTO-ナルト-』という作品への想いと10枚目を迎えた自分たちの、これが終着点ではないという気持ちを込めた楽曲をここで聴いてください」。

IWASAKIのカウントと共にKOHSHIが歌声を奏でて「光追いかけて」が響く。「NARUTO-ナルト-」の舞台公演であるライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」のイメージソングでもあるこの曲を、まるでナルトや我愛羅を思わせるような砂に言葉が描れながらFLOWの背後のLEDスクリーンに歌詞が綴られていく様は胸が熱くなる。

次回はアルバムとしてはラストである、と告知をすると「いよいよラスト1枚の告知を」と笑うKEIGO。「あっという間でしたね」とKOHSHIも苦笑する。すごいことをやりだすなと思っていたのに、気づけばもう終盤だ、と語らいながら、『#10』のライブはまだまだ続く!とアクセルを踏み直す二人。『#10』を楽しみつくそう!と勢いをつけたところでJOY神降臨を知らせるアラートが響く。重々しいイントロに赤く染まるフロア。メキシカンスカルのようなお面をつけたKEIGOのデスボイスのシャウトが画面の向こうから切り込む。ラウドなミクスチャーロックの躍動感を聴かせた「JOY TO THE WORLD」に続いたのは、再び『NARUTO-ナルト』とのタッグ曲。物語終盤のEDテーマ「虹の空」では紡がれた言葉を1つ1つ確かめるように、差し出すように歌い上げる二人。まるで本当に雨が降っているかのような映像の空はいつしか晴れ、虹が掛かっていた。最後は音楽で世界を1つにする「World Symphony」。世界中を巡ってきたFLOWが感じた“世界”。様々な場所での彼らの様子が映像で流れ、世界の言葉での挨拶で歌い上げられ、生のライブで会えない今も彼らの音楽で世界が繋がっていることを感じさせた。たくさんの感謝の想いを言葉にしたKEIGOが「最後の曲です」と告げ、柔らかに包み込むように音を紡いでいく「Good Days ~君を忘れない~」が『#10』のライブを締め括る。雪のような静かな優しさが滲む琴線に触れるメロディが届けるのは、オーディエンスに寄り添う彼らの想い。また会えると信じる、という歌詞が灯した火は、次に彼らと会うまで燃え続けることだろう。

5年前のツアーの記憶蘇るライブ。そしてFLOWとオーディエンスとが配信で繋がるライブが幕を閉じると、アンコール代わりのエクストラトラックとして最新シングル曲「United Sparrows」を届けたFLOW。来月はアルバムのライブとしてはラスト。11thアルバム『TRIBALYTHM』だ。彼らの魂燃える12ヵ月の終盤戦もしかと準備を整えて、彼らの音楽と繋がりたい。

<セットリスト>
01. Oblivion
02. DarkShadow
03. 魑魅魍魎
04. DECATHLON
05. #10band Inst
06. Steppim’out
07. 光追いかけて
08. JOY TO THE WORLD
09. 虹の空
10. World Symphony
11. Food Days-君を忘れない-

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