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2021.06.08

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:vol.9『26 a Go Go!!!』

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:vol.9『26 a Go Go!!!』

今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回は『26 a Go Go!!!』!

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■LIVE REPORT

配信を待つ画面に躍動するエレクトリックサウンドで紡ぐ「Introduction -collage-」が響くと、映像は『26 a Go Go!!!』収録曲のMVのコラージュへ。そしてメンバー紹介に入っていくが、その姿はスーツにネクタイでミットを構えるGOT’S、TAKE、IWASAKI、バッドのグリップ握るKEIGO、そしてKOHSHI。プレイボールを告げるサイレンの音に続いてバックスクリーンにタイトルが映し出され、開幕感あるアッパーで力強い「GLORY DAYS」が鳴り響き、いよいよ始まった今回の“炎の12ヶ月”。これまでもサンセットビーチ、プラネタリウムなど配信だからこそできる様々な会場から、普段とは趣を変えたライブを楽しませてきたFLOWが今回ライブを送るのは、なんと野球場! 「アルバム『26 a Go Go!!!』のジャケットが黒スーツに野球道具を持った姿だったから」という理由で再現と相成ったのだ。横浜ベイスターズの二軍本距地である横須賀スタジアムのマウンド上に、ドラムセットにアンプ、そして楽器を持ったメンバーにボーカル二人。全員が黒いスーツ姿でのライブだ。

野球場らしくウグイス嬢による先発メンバー5名の発表が行われ、「閃光の唄」でプレイボール。剛速のストレートを放るように渾身の一球で投げられる「Marionette」。FLOWの反骨精神が宿る1曲に続いたのは、「ワンダーラスト」。情熱的なギターリフ、そして南米の雰囲気のある音とコーラスワークが散りばめられたラテンミックスなロックンロールナンバーだ。間奏のオリエンタル感が、これまでFLOWが旅してきた南米の空気を感じさせるのは、さすが唯一無二のFLOWミクスチャー。そんな1曲のあとには“FLOWチキチキホームラン王決定戦”なるものが開催! FLOWの中で誰が一番のスラッガーかを対決するというもの。オーディエンスが勝者をTwitterで予想していくなか、バッドを握る手に力が入るFLOWの面々。最初のバッターはIWASAKI。3球目にしてセンターへと飛ばすと、続くGOT’Sは“令和のブンブン丸!”と名乗りながら振り抜きレフトとセンターの間に。そしてTAKEはセンターへなんとか飛ばす。KOHSHIもセンターへと飛ばすが、KEIGOは内野ゴロ。結果、FLOW初代ホームラン王(ホームランは打っていない……!!)はGOT’Sに決定。「引き続き、ライブを楽しんでね!」の声のあとにライブへとカメラは戻る。「フルに使いますからね。場を」とKOHSHI。「ツアーのときはTAKEがピンポン玉を打つコーナーもありましたが、いよいよ本物のボールとバットでできました」とKEIGOも楽しそう。

そんなバラエティコーナー(!?)に続いたのは「ラブ☆セラ」。リズミカルで軽快なビートに乗って響くポップチューンだ。KEIGOとKOHSHIの掛け合う声が躍る。そして「Smile Smile Smile」へ。KEIGOが透明感あるハイトーンで歌い上げれば、KOHSHIも柔らかに歌を響かせる。ドローンも使い、広いグラウンドならではの映像で存分に楽しませるのは配信ライブの楽しみでもあるだろう。二人のユニゾンもハートフルな音に。空を見上げて楽し気に笑むTAKE。顔を見合わせるGOT’SとIWASAKIも目元で笑う。ここからが楽器隊の見せ場。インスト曲の「Inst a GO GO!!!」へ。エレクトロな音に導かれながら、ギターが、ベースが、ドラムが、リズミカルに音の波動を起こしていく。ボーカルがマウンドに戻ると、壮大なサウンドからイントロが繋がっていき、「Someday」が始まる。きっとどれだけ時が経っても、彼らの歌は届く。メロディは響き続ける。真摯な想いが宿る真っ直ぐな1曲。これぞ“渾身のストレート”という一球なのかもしれない。

ナイターに突入した“26 a Go Go!!!”。デイゲームからナイトゲームまで、FLOWは網羅してしまうのである。「最後の最後まで楽しんでいこうぜ!」と声をあげると追加メンバーとしてパフォーマンスチーム・GinyuforcEがマウンドに上がり、「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」へ。TVアニメ『サムライフラメンコ』の第2クールOPテーマだったアッパーなナンバーに乗り、サイリウムを手にした彼らがヲタ芸ダンスで楽曲を盛り上げると、KOHSHIも一緒の振付で踊ってみせる。画面越しに観ていても踊りたくなるほどの躍動感! アニメとのコラボレーションを重ねてきたFLOWだからこそのテンション感だ。そして“推し曲”の証・スーパーロングのウルトラオレンジを大きく振ってみせると、そのまま「常夏エンドレス」へ。ギターのカッティングが夏の風を思わせるなか、海原を背景にしているかのようなグルーヴ感で聴かせた。

「みんなで(タオル)まわしちゃわない!?」と煽るKEIGO。響き出した軽快なイントロから鳴り出すのは「また逢う日まで」。ライブハウスではできないけれど、それぞれの場所からなのだから! と笑顔のKEIGOの声に応える各ライブ会場。思わず体が揺れ、ビートに合わせ息づく臨場感。これ、9回裏の攻撃でランナーがたまっていて、ワクワクするあの感じ!? 力強いIWASAKIのドラム、心が逸るようなGOT’Sのベース、そして大歓声を巻き起こすようなTAKEのギターフレーズがグラウンドに熱を刻み付けていくようだった。

「ライブができなくなり、みんなに伝える方法がなくなり、本当に迷っていたけれど、僕らにはみんなと作ってきた曲がある、ライブがある、関係がある。繋がってこられたことが僕らを動かす原動力だと思います。本当にいつもいつも力をもらっています。ありがとう。僕らがやれることは1つだけで。これからも全力で、みんなで作ってきたライブを届けに行きます。やり続けます。今、みんなが我慢をして辛い時間かもしれないけど、絶対に大丈夫だから。俺たちと信じて、進んでいきましょう。これからもよろしくお願いします! いつも傍にいてくれて、一緒に音楽を、ライブを、FLOWを作ってくれているみんなへ」とKEIGOの言葉に続いたのは「PRIDE」。強い想いの込められたポエトリーリーティング的なラップが刺さるように届く。仲間だ、と。FLOWの歌はオーディエンスに寄り添う曲。でもきっとこの曲はファンがいるからこそ生まれた1曲なんだろう。彼らの奥に、いつもフロアで腕を挙げて応えるオーディエンスが見えた気がした。

「また来月、笑顔で会いましょう!」とKEIGOが声をあげ、配信画面にエンドロールが流れて、ライブは幕を閉じた。………かに思われた。モノクロの映像で、マウンド上のメンバーが映し出され、新曲「United Spallows」が披露される。ピアノの音色とゆっくりと紡がれるビートが印象的なミディアムロックチューン。どこまでも伸び、広がっていくようなボーカルが響くと、歌詞にあるように、ここから飛び立つように鮮やかな色彩感で画面に色がついていく。木々の色までもセットの一部のようにドラマチックな1曲で“炎の12ヶ月”の9回目“26 a Go Go!!!”は閉幕した……この試合、三人の強打者に強肩ピッチャー二人、そして強固な守備とどこまでも攻めの姿勢のオーディエンス擁するFLOWが圧勝だったと、思われます!

<セットリスト>
01. GLORY DAYS
02. 閃光の唄
03. Marionette
04. ワンダーラスト_[countLIVEver]_210414
05. ラブ☆セラ
06. Smile Smile Smile_[AddIntro]_140324
07. Inst a GO GO!!!
08. Someday
09. 愛愛愛に撃たれてバイバイバイ
10. 常夏エンドレス
11. また逢う日まで
12. PRIDE
13. Conclusion-pride-

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