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2021.06.08

中島愛 自身の誕生日前日にZepp DiverCityで開催されたバースデーイブスペシャルライブのオフィシャルレポートが到着!

2021年6月4日にZepp DiverCityで開催され、有観客とインターネットによる生配信によって、多くのファンのまなざしの中で行われた「中島愛 Birthday Eve Special Live ~green diary~」。自身もバンドとの生のセッションを楽しみながら、2月にリリースされた5thアルバム「green diary」を中心に意外な選曲を交えた全18曲を披露し〝宝物〟となった特別な一夜の模様をレポートする。

感染予防対策ガイドラインを遵守して発声の禁じられた会場には、静寂の中にも熱い期待が満ちる。バンドメンバーがオープニングを奏で、湧き上がる拍手とグリーンのスポットライトが中島を出迎えた。幕開けとなったのは「Over & Over」。内に秘めた葛藤が変則的なリズムの中で引き出され、また引っ込んでは引き出されていき、歌声とともに、今、たしかにステージに立つことへの喜びに昇華されていく。「ライブ『green diary』へようこそ! 最後までよろしく!」。そして、最新アルバムを冠したライブながらも、なんと2曲目から、活動休止前のラストアルバムより「愛の重力」、中島愛としてのデビューアルバムより「Raspberry Kiss」へと続き、驚きとともに彼女の歌声が導く世界へと一気に引き込んでいった。ミラーボールがカラフルなジェリービーンズをこぼしたような大人のメルヘンとでもいうべき光景を作る「窓際のジェラシー」から、もどかしさを超え、自身をさらけ出す「サタデー・ナイト・クエスチョン」へと生バンドの醍醐味もたっぷりに聴かせる。ただ最新アルバムに象徴されるものだけでなく、そこに至るまでに見つけてきた「いろんな〝色〟の曲を聞いてもらいたい」という思いは、グリーンをベースにピンクやイエローなどさまざまな色の欠片が鮮やかなドレスにもあらわれていた。

「ここに来てくれたこと、そして、お家やそれぞれの場所で見てくれていること。その気持ちの熱さに変わりはないと……私が言って良いかわからないけど、私はそう思っています。この〝伝わっているよ〟というのは、理屈じゃないと思う。みんなでひとつになるぞっていう気持ちがあれば、ひとつになれると思います!」

バラエティ豊かな中島の持つレパートリーにとびきりのキュート曲として加わった「ハイブリッド♡スターチス」から、同じ清竜人提供曲の「髪飾りの天使」へ。中島が両手のひらでマイクをぎゅっと握り胸の前に掲げたとき、そこに花束が生まれるから不思議だ。さらにここで「緑といえば……ランカ・リー先輩でしょう!」と「ねこ日記」が歌われたのは、やさしい衝撃だった。中島とランカの交換日記を覗いてしまったような瞬間に心くすぐられる。「好きなので普段から良く聞いている曲ですが、久しぶりに歌えてうれしかったです」。

「夏の思い出にそっと旅するゾーン」だと語る楽曲群では、かわいさとせつなさの弾ける「メロンソーダ・フロート」、Negiccoへ歌詞を提供した「硝子色の夏」、さらに中島のルーツにあるフィリピンのタガログ語による「Kailan」を涙をぬぐいながら熱唱する。もともと海外で単独ライブを行う際にカバーしていた楽曲で、「髪飾りの天使/水槽」(本好き盤)に自身のバージョンとして収録した際の家族に聞いてもらえた喜び、フィリピンで映像を収録した3年前の出来事などがよみがえってぐっと来てしまったのだと語る。

そして、遠くに聞こえる花火の音や祭り囃子のにぎやかさが懐かしい「夏の記憶」へと、むせ返る夏の気配は、終わりに向けてより色濃くなっていく。続く「ドライブ」から「水槽」へと意識の深い部分へと潜っていく様には、今の時代性ともリンクした息苦しさがあり、もがきながらも、その歌声の先にある光へと手を伸ばすような共鳴を覚えた。本ライブでは背景に配されたライン状のLEDが、シンプルながら効果的な演出を果たしていたが、外側からの確かな光が漏れ差すかのステージは、天を仰ぎ見る希望を描いたアートのようだった。

「今日、この時間が私にとって宝物になりました」――。1曲、1曲、大切なものへの愛おしさを綴るように歌われた本編のラストナンバーは、熟してきた月日を歌った「GREEN DIARY」。ステージの真ん中に立つ「この物語」を抱きしめるかに腕を広げ、微笑む姿が印象的だった。

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