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INTERVIEW

2021.06.01

初のドラマ主題歌「幸福なわがまま」が配信リリース中!メジャーデビュー5周年ライブ直前 三月のパンタシアインタビュー

初のドラマ主題歌「幸福なわがまま」が配信リリース中!メジャーデビュー5周年ライブ直前 三月のパンタシアインタビュー

ポップな曲調に滲む切ない予感――新曲「幸福なわがまま」

――改めて新曲のお話を。「幸福なわがまま」はTVドラマ「あのときキスしておけば」のオープニングテーマですが、どんな楽曲になったと思いますか?

みあ 三月のパンタシアの楽曲の中でも突き抜けてポップな楽曲になったと思います。ドラマ側からも「ラブコメディのオープニングなので、アップテンポで、明るくてポップな楽曲」というお話をいただいたので、(作曲・編曲を担当した)堀江晶太さんには、そういうふうな印象がありつつ切なさが滲むような曲にしたいというお話をして。ものすごくポップで明るいけど、どこか別れの予感が滲む、切なさにも寄り添ってくれる楽曲にしてくださって、デモを聴いた瞬間に「これだ!」ってなりました。ドラマの内容にも寄り添いつつ、素直になれない女の子の物語としても聴いてもらえる楽曲になったと思います。

――「あのときキスしておけば」は、毎話泣けるし笑える展開が待っている素晴らしいドラマですよね。主人公とヒロインの秘密を共有しつつ一緒に生活を送る関係性、そのヒロインがいきなり死んでしまって、見知らぬおじさんと人格が入れ替わる……っていう予想がつかない要素をうまく1つにしていて。みあさんは「あのときキスしておけば」という作品をどのように捉えていますか?

みあ 「この手があったか!」って思いました。私はお互い惹かれあっているのにどうしても結ばれない物語にすごく惹かれるところがあるんですけど、そういう関係性って色んな作品で描かれているので今回の楽曲を制作するにあたって台本を読ませていただいたのですが、先の展開が全然予想できないし、すごく面白くて。結末がわからないと歌詞が書けないので、ヒロインの女性の結末を一足先に聞かせていただいたのですが、切なくて、でもどうしても触れられないというエモーショナルさがあって、すごく好きな物語。これが映像でどう展開していくのか、一ファンとしても楽しみにしています。

――「幸福なわがまま」を聴いたときに、いわゆる少女漫画を原作としたようなストレートな純愛を描いた歌詞だなと思ったのですが、ドラマの物語の核心に迫るほど印象が変わってくるようにも感じました。改めてどんなことを尊重して作詞しましたか?

みあ 私は歌詞を書くときに、いつも主人公像を決めるんですけど、ドラマの制作チームからは「ヒロインの(唯月)巴の気持ちを書いてほしい」「頼りない男の人に対してちょっと文句を言ったりもするけれど、それも愛情表現の1つで、そういう天邪鬼さがあるけれど本当はものすごく大切に思ってる気持ちが歌詞になるとありがたいです」というお話をいただいて。そういう歌詞ってこれまでの三月のパンタシアの楽曲にはなかったかもと思ったんです。天邪鬼な女の子はたくさんいましたけど。

――たしかに(笑)。

みあ だから「いくじなし」とか、かわいい文句が言える女の子を主人公にしてみようと思いました。それとドラマの回が重なるにつれて捉え方が変わっていくような歌詞にもしたかったので、別れの予感みたいなものも滲ませていて。例えば、すごく大切に思っている人と別れなくてはいけない状況になったとき、自分だったら、相手には別れたあとも幸せになってほしい気持ちもありつつ、でも私のことも忘れないでいてほしいって思うんですよね。それって結構なわがままだと思っていて。「忘れないでね」という言葉は相手を縛ることにもなるので。気持ちとしては、毎日でも思い出してほしいけれど、でもそうは言えない。だからこの曲の歌詞の最後は“なんて、わがままかな”で締めているんですけど、そのくらいポップにしないと言えないというか。そういう素直になれない女心みたいなものを歌詞にしました。

――この曲がもし悲しいメロディだったら、また全然印象が違ったと思うのですが、こういうポップなメロディとキャッチーなアレンジだから、切ないところは余計に切なく響くし、ストレートなところはストレートに届く曲なんだろうなと思いました。

みあ 堀江(晶太)さんはそういう曲が得意な印象があるんですよね。「三月がずっと続けばいい」も曲調はすごく明るいけど、歌詞はものすごく切なくて。明るくさよならって言うほうが、逆に切ないというか。この曲もそういう切なさが滲む曲になったと思います。

――歌は明るくポップにうたわれていて、歌詞や作品の物語とのイメージのギャップを考えると余計にグッときますが、レコーティングはいかがでしたか?

みあ 基本的には努めて明るく歌おうっていう気持ちがありました。切ない気持ちだけど、頑張って作り笑いをして、さよならって言ってるみたいな。強がりな女の子の気持ちで歌いつつ、でもどこか一行だけ切ないっていう。最後の“なんて、わがままかな”は、強がりきれていない、頑張って明るくふるまってる女の子のつもりで歌いました。

――だからこそ作品にも合うし、楽曲としてのポップさを損なうことなく物語のシーンが伝わる曲になっているんだと感じました。この曲を聴きながらドラマも楽しみたいなと思います。

みあ 一見ありえない設定のお話ですけど、演技派の俳優の皆さんが演じることですごく説得力が生まれていて、ドラマとしてもすごく面白いので、自分も毎週楽しみにしています。

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