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2021.05.06

降幡 愛とめぐる宇宙旅行、キミはもう月に立ったかい? 80’sでコズミックな初のツアー、そのファイナルの模様をレポート!

降幡 愛とめぐる宇宙旅行、キミはもう月に立ったかい? 80’sでコズミックな初のツアー、そのファイナルの模様をレポート!

その後NAOTOやバンドメンバーと楽しくトークを交わしたあとは、センティメンタルなメロディが印象的な「ルバートには気をつけて!」へ。ここからはNAOTOが二胡からヴァイオリンに持ち替え、サウンドもよりドラマチックなものへと変化していく。NAOTOのヴァイオリンソロを挟んでの「シンデレラタイム」では、降幡もダンサブルなビートに乗せて小気味よくステップを踏みながら、スウィートなボーカルを聴かせていった。続くMCでは「場所がどこであれ、私は応援してくださっている皆さん一人一人に愛を届けるために、精一杯歌を届けたいと思っています」とこの日のステージが無観客となったことに触れ、「今日は生配信ですけど、ステージにいるバンドメンバーさんと、Purple One Starレーベルのスタッフさんと、ライブのスタッフさんたちみんなと最高のものを届けたいと思います」と改めて力強く宣言した。

そして「いつも支えてくださっている皆さんにこの曲を届けたいと思います」と告げたあとに、彼女によるリリックがまた沁みる「OUT OF BLUE」へ。美しいヴァイオリンのフレージングや木島靖夫による泣きのギターソロも相まって彼女のエモーショナルな歌唱が冴え渡る感動的なバラードとなった。そこから一転して「SIDE B」ではパワフルなバンドサウンドにヴァイオリンが加わって、よりメロディアスな魅力が際立つパフォーマンスをみせる。そうしたスリリングなバンド陣に触発されたのか、降幡のボーカルも熱を帯び、中盤には爆発的なシャウトも聴かせるなど、ステージ上のボルテージも一気に上昇する。特にエンディングは、たにおのドラムなどバンド陣の強烈なパフォーマンスで締め括った。

直後のMCでは会心のパフォーマンスに、降幡も観客に向かって「楽しんでますか! 出し切れよお家で!」とテンションが上がりきった様子。「お家で、家族で兄弟でこれやっちゃおう!」と胸の前で手をクロスさせる“YADA・YADA”のポーズをレクチャーしてからスカ調の「Yの悲劇」へ。コーラスの会原実希によるサックスのプレイも相まってチェッカーズ的クールなサウンドを聴かせる。そこからたにおのビートに乗って「DiverCity盛り上がっていくぞー!」とシャウトしたあと、名曲「CITY」が鳴り響く。終盤には会原によるフェイクも飛び出し、ライブならではのパワフルなステージが展開された。

本編の締め括りには「またライブやツアーやイベントで皆さんに直接会えるのを楽しみにしています」と語りかけ、センチメンタルなメロディが印象的な「うしろ髪引かれて」へ。2コーラス目からは配信画面に歌詞が映し出され、アーティスト・降幡 愛の世界観により没入できる演出がなされる。“月旅行”というコンセプトと彼女のイマジネーションが存分に展開された、濃密な1時間あまりのステージとなった。

宇宙人たちによる「アンコール!」の声が聴かれたあと、アンコールは新曲「シークレット・シュガー」からスタート。宇宙人の一人と客席から登場した降幡の手にブーケがあったり、中盤にはメンデルスゾーン「結婚行進曲」風のフレーズが聴かれ、軽快なリズムに乗った、ポップかつハッピーな雰囲気がステージ上に満ちていた。なお、この曲はPurple One Starのスタッフが結婚するのを祝うために作られたウェディングソングとのこと。そこからサビでのハンドクラップも印象的な、キラキラとしたサウンドの「真冬のシアーマインド」を経て、最後に「AXIOM」を再び披露。ここではNAOTOのヴァイオリンも加わり、降幡もギターを持ってイントロのハーモニクスを演奏するなど、ライブ冒頭のバージョンとは異なったスペシャルなバージョンとなった。最後には「今まで歩んできた月旅行はかけがえのない思い出です」とツアーを駆け抜けた充実感を覗かせた降幡。「また皆さんに直接会えるときを楽しみに、降幡 愛、アーティストとしても頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!」と最後に力強いメッセージを残して“1st Live Tour APOLLO”は幕を下ろした。

初のツアーとなった今回のステージは、昨年のアーティストデビューから進めていた降幡 愛の音楽に対する創造性が、衣装からステージング、そしてサウンドまで、音盤と同様に徹底的にこだわり抜かれたものとなった。この日のステージを受けて、彼女のイマジネーションがどのように拡大・拡散されていくのか。アーティスト活動1年目ですでに多くの楽曲をドロップしてきた彼女の次の一手が楽しみであるし、そうした作品がステージ上から、今度こそ観客を前に鳴らされるのか、次のトリップが今から待ち遠しい。

PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな ( SHERPA+ )
TEXT BY 澄川龍一

<セットリスト>
1. AXIOM
2. プールサイドカクテル
3. ラブソングをかけて
4. パープルアイシャドウ
5. RUMIKO
6. 桃源郷白書
7. ルバートには気をつけて!
8. シンデレラタイム
9. OUT OF BLUE
10. SIDE B
11. Yの悲劇
12. CITY
13. うしろ髪引かれて
EN1. シークレット・シュガー
EN2. 真冬のシアーマインド
EN3. AXIOM

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