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INTERVIEW

2021.04.13

夢を叶えた近藤玲奈、アーティスト活動の始まりを飾るTVアニメ『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』EDテーマ「桜舞い散る夜に」リリースインタビュー

夢を叶えた近藤玲奈、アーティスト活動の始まりを飾るTVアニメ『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』EDテーマ「桜舞い散る夜に」リリースインタビュー

――そんなワンマンライブで初披露されたのが、今回のデビューシングルの表題曲「桜舞い散る夜に」。ミディアムテンポの柔らかなポップソングに仕上がっていますが、受け取ったときの印象はいかがでしたか?

近藤 最初に聴いたときは温かくて優しいメロディが印象に残ったのですが、歌詞をしっかりと読ませていただくと、切ない描写が結構盛り込まれていて。しかも楽曲が進むごとにどんどん切なくなっていって、二度と会えない相手のことを歌っていることがわかった瞬間に、この曲の奥深さに気付くことができました。私の中で“桜”は華やかなイメージが強かったのですが、この曲では“夜桜”として描かれているので、“桜”は切ない描写にもなることに気付いて。それと同時に“桜”は春に咲くものなので、デビューや始まりという意味で、私に相応しいコンセプトを選んでくださったことを感じました。

――ちなみに近藤さん自身は、アーティスト活動を始めるにあたって、どんな楽曲を歌いたいと考えていたのですか?

近藤 私は昔からボーカロイドの楽曲が好きで。特に私の厨二病を目覚めさせてくれたちょっと病んでる感じのハードな曲が大好きなので(笑)、スタッフの方々と打ち合わせをさせていただいたときも、「ロックを歌いたいです!」とお話していたんです。でも、流石にデビューシングルでいきなり強めな表現をしてしまうと皆さんビックリされると思いますし(苦笑)、今回はタイアップもある楽曲だったので、アニメの物語に寄り添うものにしていただきました。

――ボカロだと具体的にどんな方の楽曲が好きなのですか?

近藤 DECO*27さんやNeruさんが好きです。Neruさんの楽曲は表現が強めなところが大好きで、DECO*27さんも恋愛曲なんだけどちょっと病んでる感じがすごく好きです(笑)。これは夢のまた夢なんですけど、いつかボカロPの方に書いていただいた楽曲を歌ってみたい願望があります。

――いいですね。特にDECO*27さんは最近、声優さんに楽曲を提供する機会が多いですし。

近藤 そうなんですよ。悠木 碧さんも以前、DECO*27さんの作品に参加されていましたけど(2012年の楽曲「帰想本能 feat. 悠木碧」)、その曲も本当に大好きなので、「いつか私も……!」と思っています。

――「桜舞い散る夜に」のお話に戻りますね。この楽曲は『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』のEDテーマでもありますが、作品にどのように寄り添っていると感じますか?

近藤 レコーディングのときに、アニメの監督さん(佐々木勅嘉)にも来ていただいたのですが、歌詞に出てくる“桜”や“月”といった言葉が作品に通じるキーポイントなっているとのお話だったので、そのフレーズは大事に歌うようにしました。それとOPテーマ(諏訪ななか「コバルトの鼓動」)は走るような雰囲気の楽曲になると聞いていたので、逆にエンディングは歩いている感じを表現したいということで、今の緩やかな曲調になったそうです。その分、歌詞がよりオケに寄り添うようになって、しっくりくるものになったと思います。

――なるほど。

近藤 それとアニメの内容的にはスポ根で、女の子たちの絆を中心に描かれるのですが、女の子同士の人間くさいやり取りや少し悲しくなるシーンもあるので、その意味では、温かくありながらも切なさがある部分は作品に通じると思います。レコーディングでは、歩きながらふと二度と会えない相手のことを考えるイメージで歌ったのですが、そういう部分はアニメにも繋がっていくと思います。

――逆に自分自身と重ねられる部分はありましたか?

近藤 カップリングの「Listen~真夜中の虹」は自分自身と重ねて歌ったところがありますけど、「桜舞い散る夜に」は自分に通じる部分はありつつ、私が歌詞に登場する主人公に近づく方向で歌いました。レコーディングの時点では、自分の中で明確なイメージが出来ず、ちょっともやもやしながら現場に入ってしまったのですが、スタッフさんから「二度と会えない相手だけど、それでも会えると自分に思わせようとしている切ない気持ちで」というアイデアをいただきまして。そこからお芝居をするような感じで、歌詞の主人公の感情を優先して歌いました。

――切なさも感じさせつつ、誰かに優しく語りかけるような歌い方ですが、例えば歌うときに誰か特定の対象を思い浮かべたりしたのでは?

近藤 私のおばあちゃんが去年に亡くなったのですが、身近な存在が亡くなってしまう経験が初めてだったので、自然とおばあちゃんのことを思い浮かべていました。会えないけれど、心で想っていればきっと会える。この曲のそういう部分が、自分と重なったんだと思います。

――歌詞に“会えない時間と距離を超えて”とありますが、この「会いたいけど会えない」というシチュエーションは、今のコロナ禍の状況とも重ねられるように感じました。

近藤 たしかに。私も今は本当にもどかしい時期だと感じていて。ファンの皆さんと直接お話できる機会も減りましたし、イベントも色々中止になってしまって、私自身を含めたくさんの人が悲しい気分になったと思うんです。でも、だからこそ、お互いを思いやる気持ちをより大事にできるようになったと思いますし、世界中がコロナの終息という同じ目標を持ちながら、1つになって頑張っていく気持ちは、この歌でも感じることができると思います。

――MVについてもお伺いさせてください。楽曲のモチーフである桜が、色々な形で登場する映像になっていますね。

近藤 まだ花が咲いていない桜の木に寄り添って、木に語りかけるシーンもありますし、シルエットで桜を表現しているシーンは、ちょっと悲しげにも見えるのですが、サビの部分でそこに光が差し込んで、満開の桜の花びらが散る場面になったりして。河川敷のシーンでは、俯いていたけど、光を浴びて、もう一度歩いて行こうと決意する気持ちを表現しているのですが、花も光を浴びて咲くので、自分と桜を重ねているのかなと思いながら撮影しました。

――河川敷のシーンは、夕陽をバックに歌っているカットが美しくて、特に印象的でした。

近藤 そうなんです……! 当日は天気が良くて、遠くのほうに富士山も見えていたんですけど、そこに夕陽がワーって射してくる景色に本当に感動してしまって。「自然ってこんなにも美しいんだ!」と感じた瞬間でした(笑)。河川敷のシーンでは表情作りにもこだわって、昔に少しだけ映像のお仕事をしていた時期のことを思い出しながら、「この感覚、懐かしいなあ」なんて思いながら撮影していました。

「Listen~真夜中の虹」に込められた、夢を抱く人へのメッセージ

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