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INTERVIEW

2021.03.23

AKINO from bless4 デビュー15周年記念アニバーサリーアルバム『your ears, our years』リリース記念インタビュー

AKINO from bless4 デビュー15周年記念アニバーサリーアルバム『your ears, our years』リリース記念インタビュー

「創聖のアクエリオン」で知られるAKINOがソロデビュー15周年を記念し、アニバーサリーアルバムをリリースする。代表作である『アクエリオン』シリーズのテーマソングや数々のアニメタイアップソングが集められ、AKINO with bless4のスタートでもあった「The End begins」といった初収録楽曲もいくつか。また、初回限定盤のBlu-ray Discには15年の月日を経て初めて制作された「創聖のアクエリオン」のPVが収録され、パワフルかつクールなシンガーというイメージが強い彼女のさまざまな側面を感じさせる、豪華かつ貴重なアルバムとなっている。そんな軌跡を前に、AKINOから15年という年月がもたらした成長を振り返ってもらった。

世界中の皆が愛してくれたから自分がある

――15年間の歩みを聞く前に、AKINOさんは小さい頃、どのような歌手を目指していたのかを教えてもらえますか?

AKINO 小さい頃はChristina Aguilera さんやBeyonceさんをよく聴いていて。あとはとにかく、Gospelとか、(歌いながら)「Yeahhhh!!!」といったSoulfulな感じの曲がすごく好きで、そういう歌手を目指していましたね。

――ソロデビューが決まったときはどんな気持ちでしたか?

AKINO 13歳のとき、これから人生がどうなるか全然わからないまま、沖縄から東京にやってきてbless4でデビューしました。ソロデビューのお話はその2年後だったんですよね。よくお話しするんですけど、自分はすごくshyで、お姉ちゃんの後ろにずっと隠れているようなタイプだったので、まさかこういうチャンスが自分に来るとは思ってなかったです。家族や兄弟たちからの「がんばってね」という後押しや応援があってスタートすることができたんですけど、不安でした。しかも、「創聖のアクエリオン」のauditionは本当にガッカリだったので。

――その理由は?

AKINO 自分と(弟の)AIKIと(KANASA)お姉ちゃんで行ったんですけど、自分は物覚えが悪い方なので、もらった音源を必死に覚えようとレコーディング当日の朝までずっと一所懸命にやっていました。でも、レコーディングブースに入った瞬間、全部パッ! 頭の中から消えたんです。本当に真っ白になって、ブースの中で自分が何を歌っているか、全然分からない状態でした。唯一覚えているのが“一万年と二千年前から愛してる”のところだけ。そこは歌えたと思うんですけど、でもだから、自分の番が終わっときは自分にガッカリしたんです。「このくらいも歌えない自分なんだな」「このレベルなのか」って。ブースを出てもエンジニアさんや皆さんに会いたくない、穴があったら隠れたいという思いでした。絶望しました。なので(歌唱の)お話をいただいたとき、最初は「無理無理」と思いました。でも、菅野よう子さんが自分の高音を好きでいてくれて。音源を聴いても普通なら絶対選ばないと思うんですけど、自分の可能性を見てくれたんですよね。それから成長する機会をたくさんもらいました。自分の人生を変えてくれた、本当に大きい出来事だったと思います。

――成長と仰いましたが、自分ではどのような成長を感じますか?

AKINO 今考えると14歳のときは真面目すぎました。例えば、レコーディングの前はレコーディングのことだけ。何時間も練習していました。狭い考えでしたね。やっぱり、いろいろな音楽に触れることで自分の心をもっと広げないといけないし、必死に頑張るのはいいことだけど、楽しみながら頑張るのが最高だと思います。余裕を持って心から楽しんで歌う方が気持ちが伝わるんですよね。そのことが経験を重ねてわかりました。それに、いろいろな人たちからのサポートがたくさんあったこともわかります。このアルバム『your ears, our years』のリリースも、「創聖のアクエリオン」のPVを15年越しに制作することも奇蹟だと思います。世界中の皆さんが大好きになってくれて、今でも一緒に歌ってくれるから今の自分がいる、そう思うと感謝の気持ちでいっぱいです。『your ears, our years』というタイトルも私のそういう気持ちを思って、プロデューサーの方が考えてくださいました。自分の感謝の気持ちがすごく伝わるタイトルだと思います。

――反省点が浮かぶ14歳ということですが、今聴いてみて、長所や魅力を感じるところはありますか?

AKINO 14歳頃の声を聴いたとき、やっぱりfreshな感じがしますね。初々しい。でも、ちょっと「すごいな」って思いましたね。14歳でもこういう声を出せていたんだと思うと、やってよかったという気持ちになります。いろいろな人からもあんまり声が変わっていないと言われます。それはすごく嬉しいですね、はい。でも、聴いていると苦労も思い出して、懐かしい気持ちにもなります(笑)。

――「君の神話~アクエリオン第二章」を歌ったときはどんな気持ちでしたか? まだ不安も?

AKINO 「創聖のアクエリオン」から少し間が空いていたので、皆の期待以上のものを提供できるか、大人になった自分を見せられるのか、多分、そこは少し心配だったと思います。でも、bless4の活動をしていたし、いろいろな国でも歌っていたので、「創聖のアクエリオン」のときほど不安はなかったですね。菅野さんと久しぶりに会ったときも2人で盛り上がりました。「ワァー♪」って。それから菅野さんがピアノの前で、「AKINOちゃん来て。このキー出せる?」って言って。「ハァー♪」って歌ったら「じゃあ、このキーは?」って言うんです。それも「ハァー♪」って歌ったら、「よし、決まった。このキーで歌いましょう」ってなったんですよね。「今回はちょっと高めに設定したから頑張ってね。でもAKINOちゃんなら出来る」みたいに言ってもらえました。それで「君の神話」はキーが上がっていたんですよね。やっぱり、いろいろと学ぶことが多かったです。でも、自分が歌いたかったGospel風に歌いたいと思って、それをちょっと強めに入れてみましたね。「畏れ!」でバーンと来て、“Living your life don’t give up now keep moving on”、うん、楽しかったのを覚えています。最初の「明日僕は君に出会うだろう」はちょっと優しく、可愛く歌っていて、そこはメリハリをつけているんですよ。フェイクもいろいろあったし、最後の「Aah!♪」もそうですし、今聴くと自分の新たな挑戦が始まった曲という気がしますね。

――Disc1はすべて『アクエリオン』シリーズからであり、すべて菅野よう子さん作編曲の楽曲となりました。あらためて、菅野よう子さんの曲に対する印象を教えてください。

AKINO Oh!(笑)。そうですね、私からすれば壮大な感じがします。それからキラキラ光っているイメージ。自分もどこかに連れていってもらえるような……、やっぱり一緒に成長できる感じがしますね。菅野よう子さんの曲ではハーモニーも全部自分で歌ったんですよ。そこで言われたのは、ハーモニーもメインのように歌いなさい、ということでした。そのときは気づかなかったんですけど、この15年間で思ったのは、確かにハーモニーも決してサブではないということですね。メインのボーカルは輝いています。でもそれはハーモニーがあって、バンドメンバーがいて、いろいろな人がいるからこそ輝けるんです。特に菅野よう子さんの曲では、メインのように歌わないと合わないと思うんですよね。「月光シンフォニア」もハーモニーがいっぱいありました。一つひとつのハーモニーが効いていて、心を込めて歌うからこそ神秘的な曲になるんだと思います。

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