【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:Vol.3『Golden Coast』

2020.12.11

今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できる配信ライブ“炎の12ヶ月”。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回は『Golden Coast』!

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■LIVE REPORT

そこはどこまでも水平線広がる海。そこは寄せては返す波打ち際の砂のビーチ。これから冬本番を迎える外気とはまるで違い、夏の景色を思わせるOP映像に誘われて飛び込むのはアルバム『Golden Coast』の世界。2005年にリリースされた本作を堪能させるライブは、なんと海を望む夕暮れの特設ステージから送ることに。6thシングル「Rookie」で幕を開けた“炎の12ヶ月”の3番目のライブは、日本でありながらアメリカ西海岸を思わせるステージから軽快に鳴り響くギターと軽やかな2色のボーカルでライブを観る人間の心を踊らせた。配信ならではの“魅せる”ライブでは会場にこだわり、カメラワークにこだわりを見せ視覚的に楽しませ、さらにフィーチャーされたアルバムを“今”の彼らの音で聴かせることで聴覚的にも楽しませていくのが“炎の12ヶ月”のテーマ。コロナ禍を逆手にとってのエンターテインメントはさすがFLOW!と声を上げてしまう。そんなライブの2曲目はエレクトロなサウンドとFLOWの骨太ロックンロールとが軽妙に響く「Change Up!!!」。KOHSHIとともにギターを掻き鳴らすTAKEが満面の笑みを浮かべ、IWASAKIのドラムとGOT’Sのベースも歌うようにビートを紡いだ。

「皆さん、“Golden Coast”へようこそ!」とKEIGOが声を上げれば「どうですか!この解放感、ハンパないでしょ!」とKOHSHIも続ける。夏を意識したアルバムなだけに、今回は海岸でのライブをやることにしたという彼ら。アルバム発売当初は「俺たちの夏は終わらない!」と敢行していたツアーが冬に向かっていた話をはじめとした当時の思い出を振り返る。解放感ある野外ステージでMCに続いたのは、爽やかな「Party Crazy」。ステージに陽が差し込み、穏やかな冬の陽光が楽曲を彩ると、そのまま加速をつけながら、ベースのフレーズが歌うように響く「Blue Bird」へ。夕暮れに染まり始めた広い空に響く伸びやかな歌声はとても印象的。

「ちょっと今……『Party Crazy』が始まった瞬間に……!!!」と表情をほころばせるKEIGO。「陽の光が入って来るとやっぱりテンションがアガるね。そういうアルバムに仕上がっているよね。イントロで光がばぁー!って」とKOHSHIの声も弾む。“持っている”FLOW。こういったタイミングは不思議と外さないのだ。夕暮れへと向けて刻々と変化していくステージを見守りながらも空を眺め、風を感じられるライブは、普段とは違った彼らの表情を見られるよう。

「(20代で作った)『Golden Coast』というアルバムですけれども、時を経てこういった感じ(海とは言えビーチパーティ的ではなくちょっと大人なステージセット)でね、40代、50代の『Golden Coast』を見せていければなと思っています。だから海には入りませんよ?ビーチでただ酒を飲む、というこのおじさんのスタイル。イカを食いながらビールでの(ライブです)」とKOHSHIも普段より饒舌だ。

それぞれの場所でそれぞれの楽しみ方で一緒にライブを作る、そんな想いを込めて唸るギターがイントロからパッション漲る爽快パーティチューン「Monster」、グルーヴする音が躍動する中で軽快なラップが交差して熱を帯びていく「Funk-a-style」とアッパーな楽曲が続き、さらにピアノの音が軽やかにステップを踏むような軽妙さある「No Limit」では、楽曲を作った当時の等身大の彼らが浮かぶようなハッピーな空気感に包まれる。夕日はゆっくりと水平線に近づいていき、オレンジ色をより色濃くしていく。そんななか披露された「夕日の坂道」のハートフルなスカサウンドは、あまりにも景色とシンクロしていて実に叙情的。バンドメンバーのいる場所からプールサイドへと移動したボーカル二人の表情が、橙色に染められていく様子も楽曲の雰囲気と相俟って楽曲を彩る。大自然が天然の演出効果を生み、画面越しなのに潮風までも感じられるような気がした。

夕闇が夜へと向かっていくように変わっていく空の色。その中で鳴り響いたのはライブでもお馴染みの「Days」だ。ゆっくりと歩を進めながらバンドの元へと戻っていく二人はまるで噛み締めるように言葉を紡ぎ、音は軽やかに空へと昇っていった。

そしてステージは夜に包まれ、ライブは『Golden Coast』夜バージョンへ。重厚なバンドの音と共にステップを踏むKEIGOが歌い始めたのは「Stay Gold」。KOHSHIもギターを手にして熱いグルーヴを聴かせると、続くラウドでヘビーな「Realize」は唸りを上げる音が潮風を巻き上げていくように熱風となって放たれていく。IWASAKIのドラムが畳み掛けると星へと届かせるように歌い上げられる「Dear」へ。もしもじゃない。未来を夢見ることはできる!と強い意志を響かせるようなメッセージソングだ。

「今、俺たちが過ごしている時間は絶対に無駄なんかじゃないよ。また会える、それぞれの時間大事に生きよう。また絶対に、元気で会おうね!」とKEIGOの言葉を経て始まったのは「Life is beautiful」。どんな状況であっても希望へと手を伸ばし続ける強い想いが宿る1曲にFLOWの、時を経ても褪せない真っ直ぐな力を感じた。

KEIGOの怪我があり、バンドとして立ち止まってしまったこともあった『Golden Coast』のツアー時期のこと。ライブが出来なかったことが苦しかった、バンドとしての日常がなくなったそのときの想い。今は世界中がそんな状況だけれど、だからこそ今できることもあるのだ、と言葉にしていくKEIGO。未来への楽しみへと向かっていこうと力強い約束をして、このアルバムのライブを締め括る、みんなと繋がってきた大切な1曲「Garden」を奏でた。

『Golden Coast』のすべての曲のあとには、この“炎の12ヶ月”を掛けて育てていくという新曲「衝動」へ。毎回KOHSHIのパートに変化があることで楽曲が完成していく経過をファンも感じられるこの曲。今夜も熱さとアグレッシブさとで世界を覆う靄に牙を剥き、FLOWの“今”が息づいており、この夜の配信ライブをファンの改めて胸に刻み付けたのだった。

<セットリスト>
01. Rookie
02. Change Up!!!
03. Party Crazy
04. Blue Bird
05. Monster
06. Funk-a-style
07. No Limit
08. Days
09. Stay Gold
10. Realize
11. Dear
12. Life is beautiful
13. 衝動

■DISC REVIEW

『Golden Coast』

「Life is beautiful」「Rookie」「Stay Gold」「Garden」、そしてスマッシュヒットシングルにして彼らの新たな代名詞となった「Days」というシングル収録曲を含む全14曲入り。2005年の真夏にリリースされた3rdアルバムだ。アルバムのテーマが“夏”とあって、アッパーなサマーチューンが多い。夏ロックと言ってもこれだけの幅があるのか、とそのジャンルレスなサウンド感に圧倒される1枚ながら、彼らの音楽に画期的な変革を及ぼした「Days」から波及した振り幅のある楽曲群であることを感じる。

やはりTVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』第1期のOPテーマであった7thシングル「Days」のストリングスをフィーチャーしたうえでの4つ打ちダンスロックという新境地は、彼らの音楽に於いて大きな転機となったことを感じる。アルバムではこの「Days」がAlbum Versionとして大きな叙事詩の如き世界観を堪能させている。個性の強いシングル曲に対して、アルバム収録曲は本作の幕開けとなった勢いとともに熱を放つ「Dear」、ギラギラの太陽を思わせるギターリフが印象的な「Monster」、多彩な音で音像厚く聴かせるパーティロック「Party Crazy」、イントロの踊るようなピアノの音色とリズミカルなビートが印象的でコーラスワークが心踊らせる「No Limit」、ダンサブルな音が轟く「Change Up!!!」、レゲエビートとスティールパンの音が緩やかに響く、どこかノスタルジックな「夕日の坂道」、轟音が押し寄せるようなビートロック感の強い「Blue Bird」に、グルーヴするサウンドと躍動感溢れるビートとに体が揺れるソウルフルな楽曲で畳み掛けるようなラップが交差していく「Funk-a-style」、とブレのない軽快ロックとこれまでにないカラーとを融合させてハイブリッドなFLOWを聴かせたアルバムになっている。

“これまでにない”音への挑戦をも楽しんでいるように、すべての音が躍っている様が印象的な1枚である。そして何よりも感じるのは、2020年を生きる今の彼らとな何も変わらぬメッセージ。“まだ見ぬ未来で戦い続けてる”君へと歌った「Dear」で幕を開ける本作は、“信じた道をさぁ行こう”と「Life is beautiful」で歌って締め括られるのだ――“たとえ遠回りだとしてもその世界は素晴らしい”と。

15年前に彼らが全力で紡いだ楽曲は、その後の15年を経てもまだ尚、彼らの根底でゆらゆらと強い炎となって燃え続けていることを、改めて感じさせる。FLOWがFLOWらしく在る1枚である。

TEXT BY えびさわなち

『Golden Coast』
2005年7月20日発売

品番:KSCL-5848
価格:¥2,913+税

<CD>
01. Dear
02. Rookie
03. Monster
04. Days (Album Version)
05. Garden (Album Version)
06. Party Crazy
07. No Limit
08. Change Up!!!
09. 夕日の坂道
10. Stay Gold
11. Blue Bird
12. Funk-a-style
13. Realize
14. Life is beautiful


●公演情報
FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
Vol.3「Golden Coast」
11月26日(木)配信

FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
2020年9月26日(土)配信:SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~
2020年10月26日(月)配信:GAME
2020年11月26日(木)配信:Golden Coast
2020年12月26日(土)配信:アイル
2021年1月26日(火)配信:#5
2021年2月26日(金)配信:MICROCOSM
2021年3月26日(金)配信:BLACK&WHITE
2021年4月26日(月)配信:FLOW THE MAX!!!
2021年5月26日(水)配信:26 a Go Go!!!
2021年6月26日(土)配信:#10
2021年7月26日(月)配信:TRBALYTHM
2021年8月26日(木)配信:???

●リリース情報
FLOWニューシングル
「新世界」
1月13日発売

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1679
価格:¥1,200+税

【初回生産限定盤(CD+Blu-ray+グッズ)】
品番:VVCL-1676~1678
価格:¥3,000+税

TVアニメ『シャドウバース』OPテーマ
「新世界」
先行配信中
配信はこちら

●ライブ情報
FLOW THE CARNIVAL 2021 ~新世界~
2021年1月16日(土)
会場:LINE CUBE SHIBUYA
OPEN/START:17:00/18:00
チケット代・券種:指定席チケット:前売り6,600円 当日7,100円
配信チケット:3,300円

<指定席チケット>
受付日時:2020年12月5日(土)10:00 〜 2021年1月5日(火)22:00
受付はこちら

<配信チケットスケジュール>
受付日時:2020年11月26日(木)10:00 〜 2021年1月17日(日)18:00
受付はこちら

※イベント詳細はFLOW 公式サイトにてご確認ください

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