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REPORT

2020.12.11

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:Vol.1『SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~』

【ライブレポ連載】FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月:Vol.1『SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~』

2012年に行われたFLOWの10周年記念SPECIAL LIVE“『突入THE MAX!!!』~全曲網羅 炎の5DAYS@渋谷O-nest~”から8年。5枚のアルバムを1日ずつ再現してきたこのライブがオンラインで復活!今までリリースしてきたアルバム1枚ずつをコンセプトに、毎月1回、全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できることに。リスアニ!WEBではそんな月イチオンラインライブをレポート!今回はVol.1「SPLASH!!! 〜遥かなる自主制作BEST〜」!

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■LIVE REPORT

2012年に行われたFLOW10周年記念SPECIAL LIVE“『突入THE MAX!!!』~全曲網羅 炎の5DAYS@渋谷O-nest~”から8年。5枚のアルバムを1日ずつ再現してきたこのライブがオンラインで復活! しかも8年前には渋谷でしか見られなかった伝説のライブ企画が、2020年から1年を掛け、毎月アルバム1枚ずつを全12回の配信ライブとして全国、全世界、どこにいても体感できることに。そんな第1回は2003年5月にリリースされた『SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~』に収録された楽曲によるライブ。さぁ、炎の12ヶ月の幕が開く!

『SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~』に収録されている「SUNSHINE 60」を録った東京・渋谷にあるSTUDIO SUNSHINEで決行のライブ。画面の中のFLOWは当時を彷彿とさせる姿だ。そんなライブはTAKEのギターとKOHSHIの歌声で「贈る言葉(single version)」から始まった。2003年当時の音楽シーンを彷彿とさせる軽快ビートが跳ねるアッパーチューンは、今でも時折ライブや音楽番組でも聴ける初期FLOWの代名詞的な名曲。そんな1曲に続いたのは、イントロからボーカル二人のジャンプの高さで圧倒させられる「Everything all right」。IWASAKIとGOT’Sのグルービーなビートと駆けるギターリフが紡ぐご機嫌なサウンドに、思わず体が揺れる。そのまま立て続けにIWASAKIのドラムが轟き「サニーサイドサーキット」へ。スタジオライブとは思えないほど画面からパワーが押し寄せる勢いのあるナンバーに、モニター前でオーディエンスはKEIGOとKOHSHIとともに拳を上げているに違いない!

「さぁ。始まりました!炎の12ヶ月!今日は『SPLASH!!!』ということで、まるまる18年前のアルバムですよ」とKEIGO。

「今日の我々の出で立ちも、当時の衣装を意識して。こういう感じでしたね(笑)。どうも。御年43歳。頑張っております」と笑みを浮かべるKOHSHI。SNS上で観客からの生のコメントを拾いながらノリと勢いで突っ走ったアルバムについての話も聞かせたMCを挟み、夏感でいっぱいの「海へ行こう」でアクセル全開に夏を取り戻す!「コロナなんかにビビらずにみんなで海へ行こーーー!」というIWASAKIの、「俺もそう思います。海へ行こうーーー!」というGOT’S、「インターネットは電波。波じゃないですか!そういう意味では皆さんのお家が海なんでね!海へ行こうーーー!」とTAKEの絶叫にテンション爆アゲとなったライブは海辺の雰囲気を継続したままオーセンティックなスカのビートで聴かせるミディアムチューン「Go Places」が紡ぐ夏へと繋がっていく。波の音は止まず。軽やかなギターリフと体の芯に響くビートとで幕を開ける「日々道々」は、決して派手な1曲ではないけれど、ポジティブなメッセージを真っ直ぐに届け、聴く者のハートを熱くする楽曲。KEIGOとKOHSHIのボーカルの掛け合いもリズミカルで、ビートとともにメロディも跳ねる。

「10何年ぶりにやった曲なんかもあるしね」とKEIGOが言うと「やばい!<Go Places>なんて!」とKOHSHI。そこからSNSのコメントを拾いながらにこやかなMCタイムへ。当時を知っている人は懐かしいと感じ、当時を知らないファンはあの頃を疑似体験できる今回の企画ライブ。家の中でライブを汗だくで、腕を上げながら楽しんでいるというコメントなども多く、その反応にメンバーも笑顔に。しかも2002年当時の5人の写真まで登場し、思い出話に花が咲く。

「(客が入らないライブやストリートライブなどを)積み重ねてきた18年間ですけれども、まだ今こうやってライブもできていて、変わらないメンバーでやっているということは自分たちでも嬉しいですし、こうやって18年ぶりに『SPLASH!!!』の全曲を皆さんに聴いていただけるのも、こんな状況だからこそできたライブなのかなと思っております」とKEIGOの語りから、当時初めて関東を出てのライブをした彼らの、旅をしながら想いを綴って完成させた「僕に捧げるバラード」へ。TAKEのつま弾くギターの旋律が響き出すと、時間はあの18年前へ。若き彼らの素直な気持ちが紡がれた1曲に「今の僕たちの気持ちに通じるものがあるなぁ」とKEIGO。KOHSHIも「こういう状況でそぎ落とされて、結果残るのはそういう(バンドとしての普遍の)想いなんじゃないかな」と想いを馳せる。

自分たちでも原点回帰の想いに気づかされたというライブの終盤は、インディーズ4thシングル「メロス」から怒涛のセットリストへ。最後までアガっていこうぜとばかりに重厚なビートが襲いくる「プラネットウォーク」、画面の向こうのオーディエンスと共に声を上げながら苔も生えないくらいに駆け巡り続けるアッパーチューン「Like a Rolling Show」、そして息つく暇を与えずにバンドのグルーヴする音の渦と共にステップを踏みたくなってしまう“おうちで踊ろうナンバー”の「Who Needs Baby」へと畳み掛けていく。そして今回のライブの会場となったSTUDIO SUNSHINEでレコーディングをした、抜ける様な晴天のロックンロール「SUNSHINE 60」。FLOWとともにバカ騒ぎするナンバーで、17年前のFLOWの原点を知るライブが終わる……と思いきや、ここでタイトルの決まっていない新曲が披露される! ライブでみんなと再会できたときに盛り上がりたい、という想いを込めた新曲で、炎の12ヶ月で育てていきたいとのこと。ヘビーなギターリフと重厚なベース、躍動感あるドラムが轟くナンバーで、ピンチはチャンスと歌い上げるKEIGOとKOHSHI。コロナ禍を吹っ飛ばす爆発力のある新曲をオーディエンスへと贈り、ライブは幕を閉じた。

<セットリスト>
01. 贈る言葉(single version)
02. Everything all right
03. サニーサイドサーキット
04. 海へ行こう
05. Go Places
06. 日々道々
07. 僕に捧げるバラード
08. メロス
09. プラネットウォーク
10. Like a Rolling Snow
11. Who Needs Baby
12. SUNSHINE 60
13. 衝動

■DISC REVIEW

『SPLASH!!! ~遙かなる自主制作BEST~』

渋谷で食事をしていたときに目に飛び込んできたポスターに書かれていた「SPLASH」の文字がアルバムタイトルになったという(!?)このアルバムは、インディーズ時代にFLOWが自主制作でリリースしてきた楽曲に加え、ここからメジャーシーンの荒波に漕ぎ出していくのだという意思を表明するような、まさに“等身大”の彼らが息づく1枚だ。

元気いっぱいなボーカルと軽快に掻き鳴らされるギターの「SUSHINE 60」から幕を開けると、弾けるライブ感とパーンッ!と張り上げられる歌声が彼らの勢いを感じさせ、そこから「Everything all right」、「メロス」とまるでライブのセットリストのように怒涛に軽妙ビートで進行していく。“これまでの彼らを見せる”よりも“彼らのライブとはこういうものだ”と刻んでいくような印象。

「日々道々」から「海へ行こう」、そしてオーセンティックで緩いスカ感のある「Go Places」の流れでは彼らの夏を思わせ、さらに「プラネットウォーク」や「サニーサイドサーキット」、そして「Like a Rolling Show」は当時の彼らのライブには欠かせない武器でもあったナンバー。インディーズとしてリリースしたシングル「贈る言葉」のカップリングとなっていた「俺に捧げるバラード」に至っては今の彼らもこの曲は作りそうだな、と思うほど17年前のFLOWの5人と2020年現在の彼らを遜色なく繋ぐ名曲でもある。

スチャスチャと軽快に刻まれるギターのリズミカルなフレーズと全員の声がコーラスで重なる「Who Needs Baby」についてはデビューして日本のみならず世界へとここから飛び出していく彼らの加速していくスピード感をそのまま綴っていったような1曲であり、2003年の音楽シーンを席捲していたスカコア、メロコアをありありと思い起こさせる。

そんな本作のラストを結ぶのは、やはり彼らの名と音を世に轟かせた最初の一歩でもある「贈る言葉」。言わずと知れた海援隊のレジェンドナンバーだが、実はFLOWのカバーは亀田誠治氏とタッグを組んでアレンジをしていることで、初期FLOWのポップ感が培われていく礎にもなっており、彼らのある意味での“原点”を感じさせる。この曲こそ、アルバムはやはり「その時を刻む」ものなのだと改めて感じるナンバー。

FLOWの新たな始まりとなった本作は、「ライブがやりたい」「ライブがすべて」という彼らの、今とまったく変わらない濁りなきソウルを堪能できるアルバムである。

TEXT BY えびさわなち

『SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~』
2003年5月21日発売

【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:KSCL-594~595
価格:¥2,700+税

【通常盤(CD)】
品番:KSCL-596
価格:¥2,500+税

<CD>
01. SUNSHINE 60
02. Everything all right
03. メロス
04. 日々道々
05. 海へ行こう
06. Go Places
07. プラネットウォーク
08. サニーサイドサーキット
09. Like a Rolling Snow
10. 僕に捧げるバラード
11. Who Needs Baby
12. 贈る言葉(album version)

<DVD>
01. Live Circuit 2002
02. 贈る言葉(メイキング)
03. 贈る言葉(Music Video)


●公演情報
FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
Vol.1「SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~」
9月26日(土)配信

FLOW SPECIAL ONLINE LIVE 全アルバム網羅 炎の12ヶ月
2020年9月26日(土)配信:SPLASH!!! ~遥かなる自主制作BEST~
2020年10月26日(月)配信:GAME
2020年11月26日(木)配信:Golden Coast
2020年12月26日(土)配信:アイル
2021年1月26日(火)配信:#5
2021年2月26日(金)配信:MICROCOSM
2021年3月26日(金)配信:BLACK&WHITE
2021年4月26日(月)配信:FLOW THE MAX!!!
2021年5月26日(水)配信:26 a Go Go!!!
2021年6月26日(土)配信:#10
2021年7月26日(月)配信:TRBALYTHM
2021年8月26日(木)配信:???

●リリース情報
FLOWニューシングル
「新世界」
1月13日発売

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1679
価格:¥1,200+税

【初回生産限定盤(CD+Blu-ray+グッズ)】
品番:VVCL-1676~1678
価格:¥3,000+税

TVアニメ『シャドウバース』OPテーマ
「新世界」
先行配信中
配信はこちら

●ライブ情報
FLOW THE CARNIVAL 2021 ~新世界~
2021年1月16日(土)
会場:LINE CUBE SHIBUYA
OPEN/START:17:00/18:00
チケット代・券種:指定席チケット:前売り6,600円 当日7,100円
配信チケット:3,300円

<指定席チケット>
受付日時:2020年12月5日(土)10:00 〜 2021年1月5日(火)22:00
受付はこちら

<配信チケットスケジュール>
受付日時:2020年11月26日(木)10:00 〜 2021年1月17日(日)18:00
受付はこちら

※イベント詳細はFLOW 公式サイトにてご確認ください

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