Prima Portaが開く新たなトビラ――。ワンマンライブ<Prima Porta LIVE 2020 “Open The 1st Door”>レポート!

大西亜玖璃、相良茉優、内田 秀、高柳知葉、首藤志奈の5人からなるガールズボイスアクトレスユニットのPrima Portaが、11月14日、ワンマンライブ<Prima Porta LIVE 2020 “Open The 1st Door”>を開催した。昨年12月にCDデビュー、今年7月には2ndシングルをリリースした彼女たちだが、新型コロナウイルスの影響により、今回が単独としては初のライブに。なおかつ、本公演をもって大西亜玖璃がユニットを卒業するため、この5人でライブを行うのはこれが最初で最後かもしれない。イタリア語で“最初の扉”を意味するユニット名を持つ彼女たちが、5人で初めて開いた扉の先にはどんな光景が待っていたのか。昼・夜の2公演が行われた本ライブのうち、ここでは夜公演の模様を中心にレポートする。

東京・渋谷にあるコンサートホール、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで、ソーシャルディスタンスを保った環境で観客を入れて行われた今回の公演(同時にオンライン生配信も実施)。ステージには“The 1st Door”をイメージしたのであろう大きな門のセットと、各メンバーのイメージカラーに合わせたバルーンの飾りが置かれている。照明が暗転し、まずは彼女たちのデビューシングルの表題曲「CALL&GOAL!」でライブがスタート。イントロが流れるなか、ポージングをキメた5人がバックライトに照らされて浮かび上がり、その後、ステージ中央に集まって円陣を組むと、“Say!Shun!Let’s Go!”の掛け声とともに揃ってジャンプし、元気いっぱいにパフォーマンスを開始する。

昼の部では2ndシングル「キャット・ザ・シーフ!」の大人っぽい衣装を着ていた彼女たちだが、夜の部では「CALL&GOAL!」の衣装であるオレンジ色のチアリーディング風のコスチュームを着用。髪型も昼の部とは変えていたりと、また違った魅力が楽しめる。ラストは再び中央に集まってにこやかに締め括ると、最初のMCへ。各メンバーが自己紹介したほか、相良は配信用のカメラに向けてイヤモニをアピール。各メンバーカラーに合わせつつ、表面はユニットのロゴ入りのオレンジの素材で揃えた、オリジナルデザインのイヤモニとのことだ。

続いては「朝焼けアプロ―チ」と「☆トリルで始まっちゃう!」を2曲連続で披露。大西の透明感あるソロから始まる前者は、5人それぞれの繊細なソロパートとハーモニーが堪能できる、美声揃いの彼女たちだからこそのピュアなミディアムナンバー。手の指を使った細かな表現も印象的だった。NHKの音楽番組「アニソン!プレミアム!」の番組主題歌でもある後者は、ステージから飛び出さんばかりのダイナミックな振り付けが特徴。間奏で縦一直線に並んでグルグル回る「Choo Choo TRAIN」風のダンスを見せたり、指で形を作る“きらりんポーズ”をファンにも呼び掛けて、見た目でも魅せるパフォーマンスを披露した。

続くMCでは“休日のモーニングルーティン”というテーマでトーク。首藤は起きたらまず「おはよう」のツイートをするのが普段の日課だが、休みの日はつぶやいたあとにソファーでゴロゴロしていたら夕方になっていることが多いとのこと。インドア派で「基本的に外には出ない」らしい。相良は目覚ましをかけず、自然に起きるまで寝るのが休日の過ごし方。ときには夜21時くらいに寝て翌日に起きたらすでに空が暗くなっていることがあるらしく、あまりの睡眠時間の長さにほかのメンバーは驚いていた。大西も休日はたっぷり寝るところは相良と一緒だが、必ず自分でご飯を作るようにしていることをアピール。内田は早起きしてその日に何をやるかを書き出すようにしていたが、最近は昼過ぎまで寝てしっかり休むようになったという。高柳は以前までは昼過ぎまで寝ていることが多かったが、最近は早寝早起きを実行しているとのことだった。

そんな休日ルーティン(というか休日の睡眠事情?)にまつわるトークに続いては、プロバスケットボールチームの埼玉ブロンコスの応援ソング「GO! BRONCOS GO!」をエネルギッシュに披露。会場に集ったオーディエンスも、ブロンコスのチーム名の由来である「暴れ馬」に合わせて考えられた、蹄をイメージした暴れ馬のポーズを手で掲げて盛り上がる。それに続いてオーストラリア育ちの内田が流暢な英語で「CALL&GOAL!(Yell for SAITAMA BRONCOS ver.)」の楽曲タイトルをコール。この曲は「CALL&GOAL!」をアレンジした埼玉ブロンコスのテーマソングで、歌詞にも“走れ暴れ馬!”といったフレーズが加わっている。5人も先ほどよりさらに力強く、聴く人を鼓舞するようなステージングを見せていた。

ここまでのライブで体が温まってきた5人は、続いて“冬に食べたい体が温まる食べ物”についてMCで語り合う。大西は、自分が体調を崩してしまったときに、内田が作ってくれた具だくさんで愛情たっぷりのおじやという、こちらの心も温まるようなエピソードを披露。首藤はコンビニのピザまん、高柳は自販機のコーンスープ、相良はチルド鍋焼タイプの天ぷらそばと、それぞれ納得の食べ物を挙げる。そして料理が得意な内田は、冬はスープ系の料理を作ることが増えるとのことで、母親がよく作っていたかぼちゃのスープの思い出を語り、メンバーからは「味わいたい」との声が上がっていた。

そしてここからは、カバー曲メドレーがスタート。古今東西のアイドルソングを、彼女たちが二人ずつペアになって歌う、ライブ限定の試みだ。まずは大西と高柳のコンビが、松田聖子「青い珊瑚礁」を歌唱。同じぐらいの身長の二人が左右対称で同じ振り付けをして歌う姿は、まるで双子のように見える。甘い歌い口、キュートなポージングも往年のアイドルっぽい。続いて登場した相良と内田が歌ったのは、さらに懐かしの名曲であるキャンディーズ「春一番」。シンプルな動きゆえに愛らしい振り付けも良かったが、相良が歌詞を忘れて笑ってごまかしながら歌うところも、逆に愛嬌たっぷりで彼女らしい魅力が伝わる場面だったように思う。

そこから大西と首藤が、広末涼子「MajiでKoiする5秒前」を披露。最初に二人が相良と内田の背中を机代わりにラブレターを書くような振りがあったり、曲中でもお互いに向き合って指を指してライバル心をむき出しにしたり、共通の好きな人にラブレターを渡したり、相手を妨害したりと、歌や歌詞だけでなく、1曲の振り付けのなかでまた別のストーリーが展開される、見ごたえのあるステージだった。そして相良と高柳のハロプロ好きコンビが歌ったのは、Juice=Juice「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」。二人はあらかじめハロプロでおすすめの曲を聞かれ、そこで挙げた候補曲のなかから選ばれたものだという。原曲とは異なる情熱的な振りが付けられていて、二人はその後のMCで「人生で一番激しい気がする」(相良)、「振り入れの日の翌日、筋肉痛で起き上がれなかった」(高柳)と語っていた。メドレーの最後は、内田と首藤がクールな歌声と仕草で迫った中森明菜「DESIRE-情熱-」で締め括られた。

そしてライブは早くも後半戦に突入。2ndシングルの表題曲「キャット・ザ・シーフ!」は、スカのリズムを取り入れたシャープかつ艶めかしいナンバー。この曲のセンターを務める高柳をはじめ、メンバー全員がほかの曲よりもグッと大人っぽい歌声を聴かせるほか、間奏ではお宝を狙う怪盗たちの少しユーモラスな振る舞いを表現した小芝居風の振り付けもあったりと、見どころがたっぷり。最後は全員膝をついて“猫はそう懐かないわよ!”とニャンポーズを取り、見事観客のハートを盗んでいった。そこからオルゴール風のイントロが流れ出すと、5匹の猫たちは気持ちよさそうにゴロゴロと就寝。そこから一転、ポップなシンセサウンドと共に「ねこ中」へとなだれ込む。「キャット・ザ・シーフ!」が猫のツンとした部分を表現した楽曲だとすれば、「ねこ中」はデレの部分=可愛さに振り切ったような猫ソング。先ほどとはまた別のベクトルで、オーディエンスの心を鷲掴みにする。

その後、MCを挿み、ライブ本編の最後の楽曲となる「負けないミライ」へ。デビューシングルのカップリングに収められたこの楽曲は、未来を目指して一緒に歩んでいく絆を爽やかに描き出した、畑 亜貴の作詞によるエモーショナルなナンバー。“最初の扉から 知らない場所に向かって行こう”というフレーズは、まさに“The 1st Door”と名付けられたこの日のライブを象徴するような言葉だ。Dメロの冒頭、内田がソロで“約束するよ あきらめない”と歌いながら右手の小指を掲げ、そこから各メンバーがソロで歌を繋ぎ、Dメロの最後を5人で横並びになって“みんな繋がってるよ”と歌う箇所は、これまで準備期間を含め長く活動を共にしてきた彼女たちの絆そのものを表しているようで、胸を打つ。その直後、間奏で輪になって手を合わせた5人は、最後まで笑顔で歌い切ってみせた。

暗転後、客席からはアンコールの拍手が鳴りやまず、やがてライブTシャツに着替えた5人が再びステージに登場する。「久しぶりにセットがあるステージで歌やダンスを披露できて、懐かしい気持ちもありつつ、やっぱりライブっていいなあっていう幸せな気持ちでいっぱいでした」(内田)、「皆さんに直接お礼を言う機会がなかなかないので、その意味でも、こうしてライブを開催できて本当に良かったです」(首藤)、「ライブという空間自体が本当に久しぶりだったので、緊張とワクワクがあったんですけど、終わってみたら本当に楽しくて、ライブっていいなあって思いました」(高柳)、「皆さんのぷりぽを見たいという気持ちがあったからこそ、1stライブを開催できたと思うので、少しでも興味を持って観てくださった皆さん、本当にありがとうございます」(相良)と、それぞれ感想を口にするメンバーたち。

本公演で卒業となる大西も、「Prima Portaとしての初めてのライブで、めちゃくちゃ緊張していたんですけど、皆さんの温かさのおかげで、私らしくいられました。ありがとうございます」と、感謝の気持ちを伝える。彼女はPrima Portaの活動のなかで、これまでの芸能生活で最大級のミスをしたことがあり、そのときに彼女たちの振り付けを担当している石川ゆみから「やっぱりライブって魔物がいるよね。でも、それはたくさん練習して皆さんにお返しするしか、取り戻す方法はないから、これからもっと頑張らなくちゃね」と言葉をかけてもらったことが、自分自身の成長に繋がったという。そして「この卒業の場で返すことができたのかな?というのが、ちょっと不安でもあり……」と口にしたところで、会場からは拍手が上がる。安心した表情の大西は、「いつも支えてくれたり、一緒に泣いてくれるメンバーもいて、本当に私は恵まれた環境の中で、すごく素敵な場所をいただけました」と、Prima Portaへの想いを改めて言葉にした。

そしてついにこの日の最後の曲へ。「やだー!ずっとここにいようよ」(相良)、「(ステージに座って)ここに居座る?」(大西)と、メンバー全員が名残惜しそうな姿を見せる。だが、物事には必ず限りがあるように、ライブにはコールとゴールが付きもの。5人での最初で最後のライブのゴールを飾るのは、やはりこの曲しかない。そう、彼女たちのデビュー曲「CALL&GOAL!」だ。みんなで一丸となって青春を駆け抜けているような、溌溂としたパフォーマンスが眩しい。コロナ禍の状況のため、会場のファンは声を上げてコールすることは出来ないが、その心の中の声援は、きっと彼女たちに届いていたはず。これまでも、これからも、それぞれの夢を掴み取るため全力で走る決意を改めて「CALL&GOAL!」で示した5人は、こうして特別な1stライブを完走した。

終演後、メンバーからサプライズで花束をプレゼントされた大西は、目を潤ませながら、最後に挨拶。「負けないミライ」の大西がソロで歌うパートの歌詞“語りたい 夢を明日を いっぱいのキラキラ見たい”を取り上げ、「私もそれを思って芸能界に入って、一生懸命頑張ってきて。これからもその気持ちを忘れずに頑張っていきたいですし、全力で頑張れた日々を、そういう場所を与えていただけたことを、すごく皆さんに感謝しています」と感慨深げに語る。とはいえ、それぞれ声優として活動している5人。「いつかプリポの5人でアニメに一緒に出られたらいいねなんて言ってたけど、別にプリポの枠がなくたって、全員が同じ作品に出るというのは叶わない夢じゃないと思うので」(高柳)と、5人は新しくできた夢について口々に語り合う。“最初の扉”を開き、ここからそれぞれ次のステージへと進む彼女たちが、またどこかで5人揃って“世界揺らがすチームプレー”を見せてくれるときがくるかもしれない。Prima Portaと大西亜玖璃のミライは、誰にも止められないのだから。

TEXT BY 北野 創(リスアニ!)

<セットリスト/2回目公演>
01. CALL&GOAL!
02. 朝焼けアプローチ
03. ☆トリルで始まっちゃう!
04. GO! BRONCOS GO!
05. CALL&GOAL!(Yell for SAITAMA BRONCOS ver.)
06. 青い珊瑚礁
07. 春一番
08. MajiでKoiする5秒前
09. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?
10. DESIRE -情熱-
11. キャット・ザ・シーフ!
12. ねこ中
13. 負けないミライ
EN1. CALL&GOAL!


●配信情報
11月21日(土)21:00まで本公演の配信チケットを発売中!
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