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2020.09.16

「BanG Dream!」発のボーイズバンド・GYROAXIAによる、初のワンマンライブのオフィシャルレポートが到着!

「BanG Dream!」発のボーイズバンド・GYROAXIAによる、初のワンマンライブのオフィシャルレポートが到着!

9月12日に、様々なメディアミックスを展開する「BanG Dream!(バンドリ!)」発のボーイズバンド・GYROAXIAによる、初のワンマンライブ「GYROAXIA ONLINE LIVE -IGNITION-」が無観客で開催された。

GYROAXIAのライブは、2019年12月に開催した『BanG Dream! Argonavis 2nd LIVE「VOICE -星空の下の約束-」』以来となる。新曲3曲やカバー曲を含む計16曲の演奏で熱狂的なステージを披露し、オンラインならではのライブ映像にリアルタイムで映像演出を重ねるAR演出も行われた。本稿ではその模様をレポートする。

GYROAXIAは、圧倒的な歌唱力とカリスマ性を持つ旭 那由多(CV.小笠原 仁)によって支配されたロックバンドだ。那由多を支えるリーダー里塚賢汰(CV.橋本真一)、真面目で頑固な美園礼音(CV.真野拓実 )、自称・宇宙から来た男の曙 涼(CV.秋谷啓斗)、ストイックな色男の界川深幸(CV.宮内告典)がメンバーとなる。キャラクターを演じる声優自身がキャラクターとしてリアルライブを行うのが、プロジェクト最大の特徴だ。

ライブは、YouTube「ARGONAVIS ch.」にある前日譚に続くボイスドラマからスタート。本拠地である札幌と東京を行き来し活動していたGYROAXIAは、次回のライブで札幌での活動を一区切りとすることになった。せっかくの機会だからライブに家族も呼んでくれというリーダーの賢汰に対し、複雑な想いを抱くメンバーもいるようだ。ライブ当日、会場はファンで溢れかえり、メンバーは「今までで最高のライブを見せたい」と意気込む。那由多もまた「何のライブだろうが関係ねえ。俺の⾳楽でねじ伏せる」と宣言するのだった。

そしてボイスドラマパートが終わり、ついにライブが幕を開ける。激しいサウンドのなか登場した旭 那由多役の小笠原 仁が、鋭い視線で会場を睨みつけ「MANIFESTO」からスタート。お立ち台に足をかけ「GYROの出番だ」と強烈に歌い上げる。美園礼音役の真野拓実は華麗にターンをし、曙 涼役の秋谷啓斗はベースでカメラをBanG!と撃ち抜く。最初からテンションはマックスまで高まった。

そこからカバーが2曲続き、1曲目は「現状ディストラクション」へ。里塚賢汰役の橋本真一がギターソロで魅せるのを、界川深幸役の宮内告典が軽やかなドラムさばきで支える。そしてカバー2曲目にお馴染みとなった「曇天」を終えると、メンバーはカメラの向こうへ挨拶した。

橋本「俺たちから自己紹介をさせてくれ。配信ライブでも、GYROAXIAの音楽が損なわれることはない。存分に楽しんでほしい」
真野「今日は配信って形だけど、ライブに来てくれてありがとう! 俺たちの演奏から目を離さないでくれよな」
秋谷「姿は見えないけど、みんなが見ててくれるのがわかるよ。今日もジャイロの音楽で沢山の地球人を幸せにできるね」
宮内「画面の前のみんな、ライブ楽しんでる? みんなの声、しっかり届いてるよ。俺のドラムで全員惚れさせてやるからな」
小笠原「配信だろうと関係ねぇ、俺のライブだ。GYROAXIAの音楽を全身で感じろ」

次は「EGOIST」。爆発的なバンドインに冴えわたる橋本のメロディアスなタッピングの土台を築くのはリズムギターの真野とベースの秋谷のサウンド。その上に切りつけるような鋭利さで小笠原の声が響く。そして「まだまだいけるだろ?」と挑発するようにドラムの宮内へと歌いかけると力強い音で応えた。そこから重厚な楽器隊のイントロからスタートする『HOWLING(カバー)』へ。小笠原の顔から首筋にかけては夥しい汗が滴り、全力で走り抜けるような妥協の無いの歌唱が見てとれる。オンラインながら、まるでライブを間近で見ているかのような臨場感だった。

続いたのは新曲となる「GET MYSELF」。息を継ぐ間もなくパワー楽曲が続いたところに、惜しみなく新曲が披露され、あっと驚かされる。途中、真野演じる美園礼音と小笠原演じる旭 那由多が睨み合うシーンも見受けられ、キャラクターの確執も感じられた。小笠原はこのライブ会場こそが自分の存在証明だ、と言うように切実に歌い上げた。

そして再びボイスドラマパートに。ライブのためにスタジオで準備を進める那由多は、母親をライブに招待していないようだ。賢汰は「俺はお前が万全の状態でライブができるように⼒を尽くす」と語り、ライブで行うアコースティックギターの練習をしたいと提案する。

ボイスドラマの展開に合わせ、ライブではアコースティックの「IN MY WORLD(カバー)」が演奏された。小笠原は白いダメージシャツに黒いロングパーカーを羽織り、橋本はベージュのジャケットという衣装で、落ち着いた雰囲気だ。小笠原はアコースティックギターのリズムに乗せて「運命なんてくそくらえ」と歌いあげ、ステージでの激しさとは異なった切ないビブラートを響かせた。

再びボイスドラマへ。練習スタジオにやってきた深幸は、男手ひとつで自分を育てた歯科医の父が、東京への門出を喜んでくれたと語る。対して母一人子一人で暮らしてきた賢汰の母は、息子が上京することに涙を流したようだ。そこに礼音もやってきて、ギター2人がアコギ、深幸はカホンで練習を行うことになる。

ボイスドラマにシンクロして、ライブではカバー楽曲「裏切りの夕焼け」のアコースティックバージョンが披露された。カホンを叩く宮内の顔には笑顔が咲き、こちらまでつられて笑顔になる。ちなみにカホンでの演奏が行われるのはGYROAXIAでは初めてのことだ。軽やかなリズムによりエスニックな雰囲気が生まれ、新しいジャイロの魅力に気づくことができた。

そしてボイスドラマへ。アコースティックの演奏はなかなかの出来で、ライブのセトリにも追加されることに。那由多の覚悟と才能を再確認したメンバーは上京への覚悟を決める。そこから離れたところで、那由多は札幌に残るマネージャーの摩周に対し「ステージで⾒せつけてやる。時代を変える、俺の⾳楽を」と宣言した。

ライブへと切り替わり、時代を変えるという台詞に呼応するように「REVOLUTION」へ。真野の正確なギターの刻みを感じながら、赤いレザージャケットに着替えた小笠原は、鮮烈なレーザー演出の中、命を刻むようにシャウトする。

そこから続いたのはドラムのフィルとベースのスラップによるイントロが光るカバー曲「CORE PRIDE」。長身の秋谷がお立ち台に上がり繰り出したスラップに目を奪われる。小笠原は軽やかに回転するパフォーマンスを交えながら、やがて歌い終えると、歌にしか興味がない那由多を体現するように去っていったのだった。

ステージ上に残ったメンバーは、ライブグッズの紹介へ。涼役の秋谷がライブタオルを掲げながら「ケンケンが言ってたんだけど、グッズ販売はライブで一番収益性が高いんだって」と暴露し、賢汰役の橋本が「りょ、涼。ありがとう! ありがとう」と慌てて止めに入るというコミカルなシーンも見られた。

グッズ紹介で一息ついたところで、次の曲への準備は万端だ。秋谷は「内緒の新兵器の準備はOK」と何やら悪戯っぽい表情をしている。出て行ってしまった那由多もステージに戻ってきて、新曲となる「GETTING HIGH」が演奏された。一気にぶちあがるダンスミュージックだ。すぐに判明した『新兵器』は秋谷によるシンセサイザーだった。秋谷はベースを演奏しつつ、同時にシンセサイザーも奏でるという離れ業を見せた。

次も同じくアップテンポでいやが上にもテンションが高まる「LIAR」。ジャケットを脱いだ宮内は、自らが演じる深幸を思わせるような筋肉美を魅せた。続く「SCATTER」では、ライブ映像に合わせて巻き起こる炎のAR演出に目を奪われた。これまでのサウンドオンリーライブではキャラクターが炎に包まれるような演出も見られたが、リアルライブでこのような演出があるのは初めてだ。オンラインライブでしか見られないリッチな1曲となった。

再びボイスドラマへ。無事にライブを成功させたGYROAXIA。那由多はライブに自らの母親と、Argonavisのボーカル七星 蓮が来ていることに気づいた。どちらも那由多にとって無視できない存在だ。「……お前が⾼みにのぼるために刺激が必要なら、俺はそれを厭わない」と語る賢汰が呼んだのだった。

それが影響したのか、していないのか。ライブで「感情を燃やせ! 意思を貫け! それができる奴はついてこい」と会場に呼びかけた小笠原は、ライブタイトルでもある新曲「IGNITION」を披露。クリーンとクランチの狭間くらいの、綺麗なだけでない少し歪んだ切ないギターのアルペジオから始まる本楽曲はただ激しいだけでなく、闇を超え道を拓き、果てしない未来に羽ばたいていくような楽曲だ。まるで札幌を離れ、東京でライブ・ロワイヤル・フェスに挑戦するGYROAXIAを象徴するかのようだった。

そしてボイスドラマへ。楽屋にやってきた蓮はライブの感動を熱く語る。涼の発案で誕生日を迎えた那由多を祝おうとするが、那由多はうざったそうな様子を隠さない。そのまま出て行ってしまった那由多を追いかけた蓮は「……Argonavisで、ステージに⽴つ。那由多くんと同じステージに」と、ライブ・ロワイヤル・フェスへの意気込みを語った。彼が去ったあと、那由多も「東京も、ライブ・ロワイヤル・フェスも、通過点にすぎない。俺はあの男を超えて、世界を奪う」と宣言するのだった。

アンコールで再びステージに登場したのは、キャラクターを背負わない素のままのGYROAXIAメンバーだ。実力主義で常に緊張感漂うキャラクター達とは違い、声優陣は賑やかで仲良しだ。特にステージ上では那由多そのもので刃物のような佇まいの小笠原がツッコミを入れているという温度差が面白く、そのギャップも魅力のひとつだろう。メンバーはそれぞれライブを振り返り「カメラの向こうで、皆さんにお会いできるということに勇気をもらった」と語った。

ギターの橋本は「(アコースティックでは)緊張しすぎて顔が引きつった! でもおがじん(小笠原)が美しかったからOK!」とプレッシャーを笑い混じりに告白した。また、これまでとは違った魅力を持つ新曲の「IGNITION」についてメンバーは「那由多の心境の変化や、アニメでGYROAXIAがArgonavisと交流したこともあって、ひと味違った曲になったのかな」と語った。また橋本は「好きな曲なので、最初のアルペジオは責任と嬉しさを感じました」と述べた。

次にサプライズで現れたのは、那由多の誕生日を祝うデコレーションケーキだ。この企画を知らされていなかった那由多役の小笠原は「こんな女子力高いデコられ方してる旭 那由多、世界初じゃない?!」と笑わせた。

そして緊急企画『おかわりアクシア』と題して、Twitterのアンケート機能を利用してアンコールに選ばれたのは、新曲の「GETTING HIGH」だった。これはストイックなキャラクターとして演奏していた1回目と違い、演者本人としての演奏となる。打って変わって明るくリラックスした様子で、小笠原はシンセサイザーをいじり、両サイドのギター隊に絡みに行く。メンバーもそれに笑顔で応えた。ラストの曲を前に、各メンバーは今日の感想や今後の抱負を語った。

橋本「GYROAXIAは去年の12月のシークレットゲスト以降、ステージに立つことができず、GYROAXIAとして何も成し遂げられていないと感じていました。メンバーと絆を深められた大切な時間ではありましたが、ピースが欠けていたような感覚でした。ですが、このライブを通して、ようやくピースが揃い、スタートラインに立てたと思います」
真野「僕たちはライブに向けてずっと努力してきたので、リアルライブの延期に悔しい思いもありました。今日までやってこれたのは、皆さんの協力があったからです。これからもっともっといいライブを届けていきます」
秋谷「ベースを握って1年ちょっとになりますが、こんなに沢山の曲を弾くことになるなんてびっくりしています。この情勢の中、スタッフさんと一緒に皆さんを楽しませたいという気持ちで頑張ってきました。応援してくださる皆様に感謝しています」
宮内「このメンバーに出会えたことや、一緒に演奏できることが本当に素晴らしいなと思います。スタッフさんも含め、みんなで作り上げたものが皆さんの日々を過ごす力になっていたら嬉しいです。来月のライブも頑張ります!」
小笠原「至らない点や悔しさを沢山感じています。なので、これから自分たちが追いかけるのは”ARGONAVIS”という作品におけるGYROAXIAの背中になるんだろうなと思っています。彼らに追いつけるよう努力します。皆さんも、そんな自分への”宣誓”を大切にしてください」

と語り、最後はGYROAXIAの宣誓を歌い上げる「MANIFESTO」。どのメンバーもステージをめいっぱいに動き回り、ライブの楽しさを全身で語る。そしてメンバーはカメラを囲み、オンラインでしかできない躍動感のあるカメラワークを魅せた。最後に宮内を囲んで全員でドラムを叩いている仲の良い姿は微笑ましく、最後まで見どころいっぱいのライブとなった。

サウンドオンリーライブや、トークでの活動など幅広い魅力でファンを惹きつけていたGYROAXIA。しかしリアルなライブは、登場時の強烈なインパクトをはっきりと思い出させただろう。本公演の視聴チケット受付は9月15日(火)21:00まで、アーカイブ配信は9月15日(火)23:59までとなっている。

次回10月10日(土)の有観客&有料配信ライブは、昨年の12月以来となるリアルライブだ。どんな衝撃を体験できるのか、今から期待して待とう。

 

TEXT BY 鷹羽 知 PHOTOGRAPHY BY 西槇太一

「GYROAXIA ONLINE LIVE -IGNITION-」
2020年9月12日(土)19:00

出演:Vo.旭 那由多/小笠原 仁、Gt.里塚賢汰/橋本真一、Gt.美園礼音/真野拓実、Ba.曙 涼/秋谷啓斗、Dr.界川深幸:/宮内告典
配信媒体:イマチケ、Streaming+(期間限定アーカイブ配信有り)※映像内容は同一になります。
※アーカイブ配信は2020年9月15日(火)23:59まで

<セットリスト>
01.MANIFESTO
02.現状ディストラクション(カバー)
03.曇天(カバー)
04.EGOIST
05.HOWLING(カバー)
06.GET MYSELF(新曲)
07.IN MY WORLD Acoustic Ver.(カバー)
08.裏切りの夕焼け Acoustic Ver.(カバー)
09.REVOLUTION
10.CORE PRIDE(カバー)
11.GETTING HIGH(新曲)
12.LIAR
13.SCATTER
14.IGNITION(新曲)
En01.GETTING HIGH(新曲)
En02.MANIFESTO


●ライブ情報
「ARGONAVIS AAside ライブ・ロワイヤル・フェス2020」

日時:2020年10月10日(土)開場:16:30 開演:18:00(予定)
会場:東京ガーデンシアター
チケット:会場チケット、有料配信チケット

出演:
Argonavis(七星 蓮/伊藤昌弘、五稜結人/日向大輔、的場航海/前田誠二、桔梗凛生/森嶋秀太、白石万浬/橋本祥平)
GYROAXIA(旭 那由多/小笠原 仁、里塚賢汰/橋本真一、美園礼音/真野拓実、曙 涼/秋谷啓斗、界川深幸/宮内告典)
Fantôme Iris(FELIX/ランズベリー・アーサー)
風神RIZING!(神ノ島風太/中島ヨシキ、若草あおい/酒井広大)
εpsilonΦ(宇治川紫夕/榊原優希)

ライブ・チケット詳細はこちらから

©ARGONAVIS project.

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