約2年ぶりの開催!angela“ミュージック・ワンダー★大サーカス 2019”濃密レポート!<初日:12月30日>

2020.03.18

アニソン界でカリスマ的人気を誇るangela。彼らのライブの柱のうちの1つ、年末恒例の“ミュージック・ワンダー★大サーカス”のシーズンがまたもやってきた。クラウン(道化師)やダンサーを呼んでのショウ仕立ての豪華なこのライブシリーズ、2017年の日本武道館にて“特大サーカス”として開催されたものの、年末の“大サーカス”としての公演は4年ぶり。しかも会場は旧渋谷公会堂がリニューアル開設してからまだ2ヵ月あまりの真新しいLINE CUBE SHIBUYA。いったいどんな公演が繰り広げられたのか、2daysで行われた公演をレポートする。

※2日目のレポートはこちら

まずは初日。“ミュージック・ワンダー★大サーカス”のエンターテイメントは開演時間前から始まっている。クラウンたちは様々なパフォーマンスを行ってオーディエンスを和ませたり、atsukoは影アナで宣伝を行なったりと客席を沸かせる。やがて、開演時間になるとクラウンが幕を開けるためのスイッチを手に登場する。だが、レバーが動かない。そのとき、かつてクラウンとして活躍し今は星に帰ったダイアナの人形をKOTAが手にするとレバーがオンになり、開幕となった。最初の曲はそんなダイアナに一節を捧げた「LOVE★CIRCUS」。最初からクラウン、超踊り子隊(ダンサー)、超金管隊(ホーンセクション)と総登場で、まさに“大サーカス”のテーマソングといった趣だが、この楽曲は2017年12月発売のアルバム『Beyond』に収録され、こうして「大サーカス」のトップに持ってきたのは今回が初めて。それが意外に感じさせるほどのベストポジションだ。「やってきましたミュージック・ワンダー★大サーカス2019! 元気出して行くよ!」と、「Yell for you」。イントロのヒロイックなメロディが鳴っている最中にオーディエンスはペンライトの色を変えつつ、2バス連打のビートに拳を突き上げ、掛け声はどんどん大きくなっていく。この曲の泣きメロは特に切なく、イントロのアグレッシブさとのギャップでライブ終盤にファンを「泣かせにくる」楽曲というイメージだったが、こうして序盤にドロップしてきたのは驚きだった。この日のステージに立つホーンはサビでポーズを付けながら吹いたり、ダンサーによるしなやかな踊りなど、シアトリカルな演出が印象的だった。

最初のMCでKATSUは「帰ってきたぞ大サーカス!」と絶叫する。「控えめに言って人生最高の大サーカスにしたいと思います」と煽るatsukoは「懐かしい曲を」と、『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』イメージソング「DEAD SET」を歌う。ステージを左右に情熱的なパフォーマンスだ。ブリッジの連続するロングトーンから熱が高いサビを叩き込んで、オーディエンスのコールを呼び、早くもこの日トップクラスのボルテージへと持っていく。間奏ではメタルなソロが展開され、ヘッドバンギングをキメるオーディエンスも多く見られた。そしてキレキレのDメロからラストサビへ持っていってこのライブチューンをアピール。おなじみ「明日への brilliant road」のイントロが聞こえるとオーディエンスから驚きの声が。この序盤に投入することも珍しく、6人のダンサーがすぐに登場し前から後ろに煽っていく。前曲を引っ張っての熱いボルテージなのはもちろん、拍手の手も大きく、コールアンドレスポンスもすでに絶叫気味。ホーンセクションはまたも振り付けに合わせクルクルと楽器を回し、担当箇所ではキレの良い音を響かせていく。間奏ではバキバキのベースからギターソロへのバトンが見事で、落ちサビでは全員で合唱し、アウトロまで熱く盛り上げた。続く「シドニア」のイントロが聴こえてくると、またもどよめきが。今日のセットリストは予想通りにはいかないと確信したようなオーディエンスの声だ。騎士のような振り付けで「まだまだ声出せるよね? 拳振り上げられるよね?」と煽るatsukoの声に元気に応えるぢぇらっ子。サビのロングトーンに熱い対し、熱い声で返していく。曲の間奏でメンバー紹介と各人のソロ回しを行ない、さらにKATSUおなじみの「ジーク・ジオン」コールを行い最後まで盛り上げて終えると、瞬時の静寂の後に大きな拍手が湧いた。

「おもしろMC」の新作を披露したatsukoは「今年もカリスマ感出せてないよ。なぜおもしろいほうにいっちゃうんだろう。なぜかしら。それでは聴いてください。何故に..」と、ダジャレめいた振りで始めたものの、一転してドラマチックに歌い上げる「何故に..」に、オーディエンスは一気に引き込まれた。次の「KIZUNA」では腕を振り上げ、ザラついたギターリフと轟音を受け止め、トランシーなロングトーンを聴き入った。このメリハリと展開がangelaのライブの醍醐味だ。ダンスナンバー「Beautiful day」のイントロが聴こえてくると、たちまち手拍子がホールを包み込む。6人のダンサーが代わる代わるソロ技を繰り出し、それにつづいて衣装チェンジしたatuskoとDJスタイルのKATSUが登場。ダンサーとatsukoが手を取って並び揃ったダンスにもチーム感が感じられる。派手なライティング演出、そしてこのダンスミュージックのディープな響きは新しいLINE CUBE SHIBUYAの設備を存分に使ったものだった。続けてブラスの生音が響きわたる「年下未知数脳内HD」。これは2006年の3rdアルバム『PRHYTHM』収録のオリジナル曲で、ライブでの披露もかなり久々。4人の女子ダンサーがモールを付けて艷やかに踊るナンバーで、オーディエンスはノリよく手拍子を打ち盛り上がっていた。

大サーカス名物「絶対に笑ってはいけない写真」のコーナーではangelaのツアー中の写真からアマチュア時代の秘蔵写真を使ってまた爆笑を誘うと、atsukoは「こういうことやるからカリスマ感が出せない」と嘆いたと思うと、KATSUはシリアスに「総員抜刀!」と「Different colors」を爆音でアタック。オーディエンスはまたもハイテンションで盛り上がる。次も同じくアニメ『K』シリーズからの「Nameless Song」で、atuskoはしっとりと泣きメロを歌う。生ブラスによってキラキラなサウンドが、この日のスペシャル感を増していた。ここでatsukoが『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』挿入歌「果て無きモノローグ」を歌うなか、舞台袖からスクリーンが登場し、続いて『蒼穹のファフナー THE BEYOND』第5話、第6話EDテーマ「君を許すように」をライブ初披露。そこでは曲に合わせてシャドウパフォーマンス(影絵)が生で展開するという演出も行われた。アニソン世界はおろか、ポピュラー音楽世界でもこうした表現と音楽を合わせるのはおそらくあまりないことだろう。これらパフォーマンスを行ったのは劇団かかし座で、ホール中から大きな拍手を浴びていた。

次のMCコーナーでは「LINE CUBE SHIBUYA」の隣のホールで行われている年末有名イベントの話題で盛り上がり、後半戦へ。エスニックなイントロの「THE BEYOND」は、パワフルなドラミングとホーンセクションの音色が派手に響き、ダンサーの踊りも相まって非常に派手な仕上がり。サビのコールアンドレスポンスも全力で行われていく。2番ではそのパワーを受けatsukoの叫びがさらに熱くエモーショナルになる。間奏ではatsukoがダンサーの男性によって持ち上げられ拍手を浴びる一幕も。「FORTUNES」のメタリックなイントロは原曲よりも十分に時間をとってリフで相互に腕を振り上げて熱く盛り上げてから歌い出す。緩急をつける箇所ではキレキレの演奏で、atsukoは体を反らしてステージで連続回転するなどのパフォーマンスを交えつつも、ボーカルは最初から最後までハイトーンで歌い上げた。そして終盤、「大サーカス」の盛り上がりを象徴する楽曲が「cheers!」だ。ホーンは前に出てきてダンサーとクラウンが全員登場し入り乱れてパーティ感溢れる展開に。atsukoとKATSUが中段に座り、手拍子を煽り左右に大きく手を振るハッピーな構図が目に写った。ドラムソロ、そしてクラウンたちの紹介のあと、atsukoとKATSUがけん玉にチャレンジ。ふたりが同時に成功させるミッションで、一度は失敗したものの、泣きのもう1回で見事cheers!その盛り上がりのままラストまで駆け抜け、本編最後の「Shangri-La」へ。ここまで2時間弱があっという間だ。ステージ上では楽器プレイヤー以外は全員がタオルを回し、客席も全力で応え、ホイッスルパートも互いの遣り取りを行い、落ちサビは全員がアカペラで合唱し、最後はこの会場におけるこの観客初のジャンプで締めくくった。

アンコールの声がホールにしばらく響くとスクリーンに映し出されたのは“家族愛”の文字。そう、「後輩のパンクバンド」とされるドメスティック♥ラヴバンドの登場だ。2019年の時事ネタも盛り込み笑いを呼びつつ、「令和元年ラストイヴに、とっておきのギグをキメてやるぜ」と名乗りを上げた。「Shangri-La」のイントロピアノを溜めに溜め、彼らなりのスカパンクアレンジで歌う。ホーン隊も黒ツナギを着て溶け込んでいるため、普段よりも大所帯だ。Z-GATZのボイスパーカッションのあと、落ちサビではこのアレンジでオーディエンスに合唱を振り、またも盛り上げた。MCでは「新曲を聴かせてやってもいいんだぜ」と沸かせると、「何故に..」を同様のアレンジで歌い始め、Z-GATZがツッコミを入れ笑いを取る。「なぜに」の言葉からネタを交えつつも最後には締め、3曲目のオリジナルナンバー「お前を傷つける奴にここでサヨナラを」でかっこよくキメる。2コーラス目からは歌いながらステージの下に降りてきて客席を練り歩いたり、脚立に昇って煽るロックなパフォーマンス。最後に愛子が「生きろ、生きてくれ」と連呼していたのが印象的で「また会おうぜ」とクールにステージを去る彼らであった。

そしてもう1回のアンコールに応えて登場したのは今度こそangelaのふたり。中央横扉からクラウンとともに登場し、出だしに「アンコールだよ、全員集合」と言ったのは、旧渋谷公会堂が昭和の人気番組「8時だョ!全員集合」の公開収録によく使われていたことを踏まえたもの。それはさておき「SURVIVE!」のイントロにオーディエンスからは大きな歓声が湧き、ヒートアップのモードで掛け合いの声を全力で入れてくる。この日の『K』関連はとりわけ轟音が派手に鳴り響くように聴こえたのは会場の音響ゆえだろうか。ホーンによる派手さやスモークによる視覚効果でさらに盛り上がる曲に仕上がった。Dメロのシンガロングでは分厚いコーラスによる一体感を得て曲を終えた。

最後にこの日の出演者をすべてステージに集め、全員を背負い、atsukoは話し出した。このライブは非常に短い制作期間であったこと、それに対し「やらないという選択肢よりもやるという選択肢の向こうにある未来を生きているから」「生きている限り、ぢぇらっ子と会える時間を設けたい」と決断したこと――涙声でatsukoは語る。先の「生きろ」も、この発言も、ダイアナ(の人形)と、12月に入ってからangelaのライブでドラマーも務めた山内“masshoi”優の急逝が話させた言葉だろう。それを受け取ったオーディエンスは温かい拍手で応える。そしてピアノに乗せて「Peace of mind」を感動的な声でしっとりと歌う。終盤には会場全員がアカペラ合唱する部分が用意され、オーラスは改めてatsukoが歌い大きく一礼した。最後にKATSUは「僕は大サーカスがangelaだと思っていて、angelaが大サーカスだと思っていて、発表したときに泣いて喜んでくれた瞬間を見られたことがうれしかった」と感慨深げ。「みんなのことが大好きです。だからお前ら絶対死ぬな!」と絶叫。atsukoは先の言葉に続けて「どうかまた会いに来てくれるとうれしいです」と話し、最後の挨拶後は年末らしくベートーベンの第9を流し緞帳が降りるギリギリまで「また会いましょう」とメッセージを送り、1日目のステージを終えた。

TEXT BY 日詰明嘉

※2日目のレポートはこちら

 angela ミュージック・ワンダー★大サーカス2019
2019年12月30日セットリスト

01. LOVE★CIRCUS
02. Yell for you
03. DEAD SET
04. 明日への brilliant road
05. シドニア
06. 何故に..
07. KIZUNA
08. Beautiful day
09. 年下未知数脳内HD
10. Different colors
11. Nameless Song
影絵転換 「果て無きモノローグ」
12. 君を許すように
13. THE BEYOND
14. FORTUNES
15. cheers!
16. Shangri-La
EN1.
ドメスティック♥ラヴバンド
17. Shangri-La(ドメスティック♥ラヴバンド ver.)
18. 何故に..(ドメスティック♥ラヴバンド ver.)
19. お前を傷つける奴にここでサヨナラを
EN2
20. SURVIVE!
21. Peace of mind

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