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INTERVIEW

2020.01.17

KOTOKO 15th Anniversary SPECIAL SITE~FIFTEEN TALES~ #15

KOTOKO 15th Anniversary SPECIAL SITE~FIFTEEN TALES~ #15

“KOTOKO カウントダウンライブ2019→2020 ~Thank you Anniversary!!~” ライブレポート

2019年はメジャーデビュー15周年を迎え、自身のキャリアを総括するライブ”Fifteen Tales”を北海道と東京で開催し、盟友・中沢伴行とタッグを組んだオリジナルアルバム『tears cyclone -醒-』をリリースしたあとは本作を伴うツアーを行い、ほかにも海外でのワンマンやフェス出演を果たすなど、アニバーサリーイヤーにふさわしい精力的な活動をしてきたKOTOKO。そんな一年の締め括りとなったカウントダウンライブ””が、大晦日のパシフィコ横浜にて行われた。2019年の充実ぶりを象徴するようなパフォーマンスを見せた一方、カウントダウン後には驚きの発表も。そんな2019年から2020年を跨いだ熱狂のステージをリポートしよう。

2019年も残すところあと2時間を切ろうかという12月31日午後22時。開場時間ぴったりに会場が暗転し、スペーシーなインストとともにこの日のステージはスタートした。お馴染みのバンドメンバー、そしてKOTOKOがステージに登場したあとに鳴らされたのは、「agony-Dark of crystal arrange-」の旋律だった。これはKOTOKOと中沢伴行のタッグによる名曲を、2019年に高瀬一矢がリミックスしたバージョンで、印象的な美しいピアノの旋律に合わせて客席も青いペンライトで埋め尽くされる。叙情的なメロディに歌うKOTOKOの歌唱も素晴らしく、今年の彼女の充実ぶりが凝縮されたような幕開けとなった。

そんな冒頭から、「みなさん、この年の瀬にようこそお越しくださいました」と最初の挨拶へ。この日のステージは、ファン投票上位の楽曲をプレイした4月に開催された”Fifteen Tales”のセットリストから漏れた楽曲もプレイするという、KOTOKO曰く「15周年の延長戦」とのこと。続く曲はその宣言どおり、マイクスタンドを持って「Asura」へ。その後もマシーナリーな「Suppuration-core-」、シャーマニックな歌唱も聴かれる「リアル鬼ごっこ」とヘヴィな楽曲が続く。そこから「盛り上がっていくぞー!」と叫んでからの「空中パズル」ではエネルギッシュな歌唱を聴かせた。比較的ヘヴィなパートとなった序盤数曲だけでもボーカルのアプローチはバラエティー豊かで、改めて15年の彼女の引き出しの豊富さを見せつけられた格好だ。

続いてのMCではKOTOKOにとって大切な、あるふたりの人物との別れについて語りはじめた。ひとりは『tears cyclone -醒-』にも参加していたドラマーの山内”masshoi”優さん、そしてKOTOKOの活動初期の写真を撮っていたというカメラマンさん。そんな、惜しまれながら旅立っていったふたりとの思い出を語ったあとに彼女が歌ったのは「硝子の靡風」だった。アコースティックギターの優しいストロークに乗せて聴かれたその歌声は、心なしかいつも以上にまっすぐ伸びやかに響く、実に感動的なパフォーマンスとなった。その後はセンティメンタルなポップナンバー「秋爽」、中沢伴行らしいメロディが素晴らしい「IMMORAL~TRIBAL LINK~」と隠れた名曲が続く。さらには”Fifteen Tales”で披露された「原罪のレクイエム」、歌い出しでわあっと歓声があがった「allegretto~そらときみ~」と出し惜しみがない。

15年のキャリアのなかで数々の楽曲をリリースしてきたKOTOKO。そのなかに星や宇宙にまつわる楽曲が多いことにMCで触れたあとは、「ここからはみんなを星空に連れてっちゃうよー!」と「☆-未来-列車-☆」「Fusion star」をポップに聴かせる。そして「ε~イプシロン~」「廻-Ro-tation」とソリッドな高瀬一矢楽曲が続く。コズミックでダンサブルなブロックでも時にポップに時にクールにと、さまざまな表情を見せた。

この時点で会場のボルテージはぐんぐん上昇するなか、しかし2019年は残すところ30分あまり。ここからが本番とばかりに「みんなが大好きなバトル系の曲いくぞー!」と「Rastoration~沈黙の空~」を皮切りに、「sociometry」「碧羅の空へ誘えど」とバトル系作品のアンセムをアグレッシブにプレイ。会場も一気にヒートアップ、まさにクライマックスに相応しい流れだ……と思いきや、直後に「思いっきり明るく2020年を迎えるために、アゲアゲの曲でいくよー!」と宣言。キュートな「Floting up!」のあとには、「hold me baby…」のフレーズとともに「ねぇ…しようよ!」へ。ラップパートも観客と一緒にバッチリ決めて、今年残り10分を切ったところですぐさま「Loop-the-Loop」へ突入した。「これが2019年最後の曲か……」と思いきや、残り5分で「まだまだいくぞー!」と「覚えてていいよ」を打ち鳴らした。観客もすべてのエネルギーを2019年に置いていくかのように、大きな歓声をステージにぶつける。そして曲が終わったタイミングで残りが……なんと20秒! そのまま観客とともカウントダウンを始め、無事2020年を迎えたのだった。余白が一切ない、アニバーサリーの祝祭を2019年にすべてを出し尽くしたかのような、圧巻のステージとなった。……という感慨に浸らせる間もなく、そのまま「醒-metallic tears-」へ。2020年のKOTOKOはメタリックな幕開けとなった。

ここでようやく「あけおめ〜」と、まったりと新年初のMCへ。メンバーに今年の抱負を伺いつつ、自身の抱負へ。2019年に各所で今後の目標を「生涯現役」を公言していた彼女だったが、 「遠い目標に少しでも近づくために、2020年は、体づくりをする一年にしたいと思います」と発表した。「もっともっとパワフルにステージをこなし、果ては生涯現役を実現すべく、その第一歩となる一年したいと思います」と力強い宣言のあとには、「そろそろね、アニソンのタイアップのついたシングルCDを出したいと思うから、ちょっと偉い人〜!」と新曲への期待も覗かせた。

そのあとは「年明けに相応しい前向きな一曲」ということで、昨年リリースされたゲーム楽曲「アオナツライン」を爽やかに聴かせ、最後に「私のなかでは始まりの歌」と紹介した「being」を披露。「みんなのこの一年が素晴らしい年になるように、そして今思い描く夢がこの先まっすぐに続きますように」と彼女が語っていたが、その言葉そのままに、どこまでも伸びていくようなロングトーンが印象的だった。およそ本編2時間あまりのなかで24曲をギュウギュウに詰め込んだあとにこのパフォーマンスは改めてすごいと思わせる一方で、そこからのパワーアップを宣言した彼女がどうなっていくのか今からワクワクさせる、そんな本編となった。

アンコールに入り、「もうひと盛り上がりいっちゃうぞー!」と叫んだあとの「七転八起☆至上主義」では客席に降り、なんと観客に向けて餅を投げるという正月に相応しいパフォーマンスを敢行。賑々しい雰囲気のなか今回のライブのタイトルにかけた「Thank you Birthday!!」を披露、ポジティブな雰囲気とともに熱狂のカウントダウンライブを終えた。

メンバーとともにステージに残ったKOTOKOが名残惜しそうな観客に向けて、「この発表をしたくて何年も夢見ていました」と語り出した。そこで発表されたのは、これまで彼女が歌ってきたゲーム楽曲をコンパイルしたゲーソンBOXが4月21日にリリースされるというものだった。待望の一報に、これにはファンも歓喜のKOTOKOコールを送る。そしてそれを伴う全国ツアーも併せて発表されると、会場はさらなるハッピーなムードに包まれた。

充実した2019年を経て、それを凌ぐかのような盛り上がりを予感させるKOTOKOの2020年。キャリア15年を超えてさらなる進化を見せようとするその姿勢に感服するばかりだし、そんな彼女だったら、生涯現役という目標もまた夢ではない、そう思わせてしまうエネルギーとポジティブなマインドが会場を包み込んだ、そんな新年のステージとなった。

「KOTOKO カウントダウンライブ2019→2020 ~Thank you Anniversary!!~」
2019年12月31日(日)神奈川・パシフィコ横浜会議センターメインホール

<セットリスト>
01.agony-Dark of crystal arrange-
02.Asura
03.Suppuration-core-
04.リアル鬼ごっこ
05.空中パズル
06.硝子の靡風
07.秋爽
08.IMMORAL~TRIBAL LINK~
09.原罪のレクイエム
10.allegretto~そらときみ~
11.☆-未来-列車-☆
12.Fusion star
13.ε~イプシロン~
14.廻-Ro-tation
15.Rastoration~沈黙の空~
16.sociometry
17.碧羅の空へ誘えど
18.Floting up!
19.ねぇ…しようよ!
20.Loop-the-Loop
21.覚えてていいよ
22.醒-metallic tears-
23.アオナツライン
24.being

EN-1 七転八起☆至上主義
EN-2 Thank you Birthday!!

Text By 澄川龍一


●リリース情報
KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 【The Bible】
4月21日発売

【Blu-ray付限定盤 (CD 10枚+Blu-ray)】
価格:¥17,000+税

【通常盤(CD 10枚)】
価格:¥15,000+税

<CD>
内容総収録曲数 138曲程度

<Blu-ray>
2020年1月に台湾で行われるライブ(ゲームソングパート)を収録

発売元:NBCユニバーサルエンターテインメントジャパン

●ライブ情報-
「KOTOKO LIVE TOUR 2020 -The Bible-」(仮)
2020年
5/5(火・祝) 仙台 JUNKBOX
5/6(水・祝) 新潟 studio NEXS
5/9(土) 金沢 AZ
5/16(土) 広島 SECOND CRUTCH
5/17(日) 松山 SALONKITTY
5/23(土) 米子 AZTiC laughs
5/24(日) 京都 FANJ
6/6(土) 横浜 Bay Hall

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