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INTERVIEW

2020.01.13

KOTOKO 15th Anniversary SPECIAL SITE~FIFTEEN TALES~ #14

KOTOKO 15th Anniversary SPECIAL SITE~FIFTEEN TALES~ #14

2020年への思いを語る!KOTOKOスペシャルロングインタビュー後編

この特設サイトではKOTOKOのメジャーデビュー15周年という切り口で、彼女の声をおよそ1年間にわたって届けてきた。その締めくくりのインタビューとして2019年末に札幌で彼女にロングインタビューを敢行した。2019年を振り返ったロングインタビュー前編に続く後編では、ゲーソンBOXのリリースなどをフックに、来たる2020年および16周年以降のKOTOKOというテーマで話を聞いた。そこには15年以上という長いキャリアを越えてもなお前に向けて挑戦を続けようとするアーティストの強い意志があった。

――さて、ここからはKOTOKOさんの2020年の活動についてお伺いします。2020年4月には15周年イヤーが終わると同時に、ゲームソングを集めたコンプリート CD BOXがリリースとなります。これまでKOTOKOさんが歌ってきたゲーソンのほとんどが収録されるということで、その数実に130曲を超える10枚組BOX!

KOTOKO そうなんです!これまでのゲームのタイアップがついている、ユニット曲やリミックス曲以外のものはほぼほぼ入っていますね。

――以前のインタビューでもおっしゃっていましたが、ライブのアンケートなどでもゲーソンのCD化の要望はずっとあったわけですよね。

KOTOKO そうですね。ライブをやればやるほど、SNSやラジオ、お手紙などで「昔の楽曲で、今ではなかなか手に入らないのもあるからCD化してほしい」という要望をよくいただくんですよ。私もいつかは出したいと思っていたんですけど、作家さんなども多岐に渡るのでなかなか大変なんですね。このたび出せることになって私にとってもすごくうれしいことです。

――たしかに15周年という今年は顕著ですが、KOTOKOさんのセットリストで重要な位置にあるゲーソンは多いですからね。

KOTOKO ライブに来てくださるファンの方が言っていたんですけど、「KOTOKOのライブはガチャだ」と。

――楽曲ガチャですか(笑)。

KOTOKO 当選率の低いガチャなんですよ(笑)。自分の好きな曲をやってくれるかどうか、なんならCDを持ってない曲もやる可能性もある。そう言われて私も、どうにか手軽に聴けるようになればいいなって思っていたので、今回のCD化というのはそうしたお客さまへのひとつの回答でもあり、特に新しいファンの方にも気軽にライブに来ていただけるような一歩になるのかなと考えると、すごく大きいことなんです。

――最近のファンの方は馴染みが薄いかもしれませんが、それこそKOTOKOさんが所属していたI’veが台頭した2000年代初頭はPCゲームソフトの特典にゲーム主題歌のCDがついていたんですよね。ある意味I’veファンはそれ欲しさもあって1曲か2曲に1万円ぐらい払っていた時代がありました。

KOTOKO そういう人にはちょっと申し訳ないですけどね(笑)。ただ当時でも手に入れずらく、現在では既に入手困難な楽曲も多いから、長年支えてくださった方への感謝の気持ちというのもあります。

――収録内容は現時点では未定ですが、アニメを中心としたKOTOKOさんの15年だけではなく、ある意味キャリアを網羅できるアイテムのひとつになりそうですね。

KOTOKO 15周年ライブのときにも話したんですけど、メジャーデビューする前の2000年〜2003年という早い段階から応援してくださっていた方たちがいて、デビューすることができたんですね。4月の”Fifteen Tales”のライブに、”Oブロック”というメジャーデビュー以前の楽曲も組み込んだパートも作ったのはそれで、この15周年というものはゲーソンから入ってくださった方の支えなくしてはやっぱり語れないんですよね。なのである意味15周年に紐づいて、またこれからもゲーソンはライブでたくさんやっていくので、そのときはこのBOXで辞書を引くかのごとく(笑)、聴いて楽しんでいただければと思います。

――これでKOTOKOさんのライブでやる曲はほぼCD化されることになりますね。

KOTOKO そうなんですよ。ライブをやったときに「いいと思った方は物販で」って言うじゃないですか。CDになっているものは言えるんですけど、ゲーソンに関してはそれが言えなかったので……。

――ライブ終わりに大きなBOXを買っていただいて(笑)。

KOTOKO ……なんか、アヤシイ壺売ってる人みたいだけど(笑)。

――話題を変えましょう(笑)。そうしたリリースを経て2020年の新しいフェーズに向けてのお話ですが、KOTOKOさんのなかで今、15周年を終えたあとの自分って想像できますか?

KOTOKO そうですね……2019年4月に、小樽で”Fifteen Tales”の前日にファンクラブイベントがあったんですよ。そこで”生涯現役”という言葉を、ずっと心の中にあったけど初めて公の場で宣言したんですね。宣言してしまったからには本気でそこに取り組んでいく1年にしたいと思っています。そのために、まだまだ足りないところを強化していくのがいちばんかなって思っています。

――ライブのアンコールでも”生涯現役”と書かれたTシャツを着ていましたが、その計画を本格化させるための一歩が2020年だと。

KOTOKO そうですね。……実は今、来年の秋までに腹筋を割る計画があって。

――腹筋ですか!

KOTOKO 2020年はオリンピックイヤーということで、夏にツアーができないんですよ。だから次の夏は体を鍛える夏にしようと。でも夏だけやって達成できるものでもないので、2019年の今からすでに始めています。ここ1週間断酒をしていて、トレーナーの作ったメニューで運動していて。

――断酒というワードから逆に本気度が伺えますが(笑)、自身を鍛え直すという考えに至ったのは、その生涯現役計画から生まれたものなんですか?

KOTOKO きっかけは飲みの席でスタッフさんとの話の流れでそんなことになったんですけど、自分でも思うのは、15周年を越えて「かっこいい先輩にならなきゃな」っていうところがひとつあります。年を追うごとに見た目って衰えていきがちですけど、そこに抗うということをちゃんと胸を張ってやっていこうと。

――なるほど。

KOTOKO 2019年に”ANIMAX MUSIX 2019 KOBE”で、小倉 唯ちゃんと「SHOOT!」をコラボさせていただいたんですけど、唯ちゃん超細くて、ヘソ出しの衣装だったんですよ。だけどよく考えてみたら私も昔、1stツアーのときにお腹を出した衣装を着ていたんですよね。「Re-sublimity」を歌うときの衣装がそうで、あれぐらいまで自分を追い込んで、そこで「あの先輩かっこいいね」って思われるという目標も面白いかもね、っていう話をスタッフさんとしていたんです。

――フィジカルな目標でもありますが、キャリアにあぐらをかくわけでもなくそこで改めて自分を追い込もうというわけですね。

KOTOKO やっぱり”生涯現役”って遠い目標ではあるし、そこでちょっとした近い目標を立てれば気持ちが上がるというか、楽しんですよね。10周年まではずっと挑戦というテーマでやっていて、47都道府県ライブもそうだしいろんなことを達成させていただいた。それが次からは全部2回目になっちゃうんですよ。

――キャリアを重ねるごとに、初めての挑戦というワードがどんどん塗りつぶされていく。

KOTOKO そうなんです。こうやってインタビューとかで「次の目標は?」って聞かれるんですけど、新しいテーマを探すのが難しくなってくるんですよね。15周年も後半に差し掛かると「次は何をやったらいいんだろう?」と少し悩んでいました。そこでひょんなことから”シェイプアップ”というキーワードが出てきて、セットリストもシェイプアップして、体も甘えていたところから自分を律して、かっこいい先輩になっていくことをひとつ目標としてはいいんじゃないかなって思って、鍛え始めています。

――腹筋を割ることが目標というよりかは、そこに本気で取り組むというマインドが、今後のキャリアにおいて大切なわけですね。

KOTOKO そう、”本気でなんでもやってみる”というのが大事なんですよ。さっきライブの後半のブロックについて褒めていただきましたけど(インタビュー前編参照)、でも本番が終わったあとに録音していたライブ音源を冷静に聴くと、盛り上がり過ぎて息も上がってピッチも乱れているんですよ。でもそうしたトレーニングを始めて家で歌の練習をするじゃないですか。そうしたら跳ねても全然疲れないんですよ。

――見た目やそこに向かうマインドが鍛えられる一方で、ちゃんとそれが歌に還元されていっているわけですね。

KOTOKO 体幹を鍛えることでステージングにもいい傾向が生まれるんじゃないかなって。その兆しがもうすでに見え始めているんですよね。体幹がしっかりすればパフォーマンスのキレも良くなると思うし、今までも拙いダンスを取り入れたりしていますけど、ステージ上でやれる幅も広がっていくと思います。

――やれる幅が広がるということはすなわち、ご自身の音楽性というものにも影響がありそうですね。ライブだけではなく、今後のKOTOKOさんのソングライティング、ズバリ2020年の新曲にも期待が集まります。

KOTOKO これまでいろんな作家さんとご一緒させていただきましたけど、出会いというのも作品あってのものだと思うんですよね。そこはやっぱりタイアップでつなげていただいてきたものでもあるので、そういう意味でも今は出会いが欲しいですね。

――この15周年イヤーはキャリアを網羅した見せ方になっていましたが、ここ2年間でやってこなかったことといえば、新しいアニメ作品との出会いになります。

KOTOKO 15周年イヤーって、過去の作品や作家さんたちといい出会いがあって、たくさんのいい曲を作ることができましたっていうコンセプトがあって、そういう作家さんとのつながりも見せることができたのが4月の豊洲だったんですね。

――豊洲でのライブは高瀬一矢さんや中沢伴行さんをはじめとした作家陣もゲストさんかして、これまでのキャリアを総括できる構成でしたね。

KOTOKO そうやって今までのことを振り返ることができたんですよね。ただ、これはちょっとネガティブな聞こえ方になるかもしれませんけど、実は2018年に高瀬さんとアルバム作ろうというときに、原点回帰というコンセプトでいくのが怖かったんですよ。この15年間、前に進むことを大事にしてやってきたのに、ここで原点回帰するのかという戸惑いが私のなかにはすごくあったんです。

――たしかにKOTOKOさんのキャリアは挑戦というテーマがつねにありますよね。だからこその葛藤はあったわけですか。

KOTOKO もちろん実際に高瀬さんとやってみて改めて相性の良さも感じたし、振り返ることで感謝もできました。中沢さんと作ったアルバムもそうで、私はありがたいことに、「デビューしたタイミングであんなに素晴らしい作家さんたちと出会えていたんだ」っていうのをこの2作で振り返ることができたんじゃないかなって思っています。でも私のなかでは振り返ることも大事なんですけど、前に進みたいという気持ちがやっぱり大事なんですよ。だから新しいタイアップも欲しいし、新しい作家さんとの出会いも欲しいんですよね。I’veから独立したときに、新しい作家さんとやるというテーマでやらせていただいたんですけど、この2、3年で過去の作品と近づいたコンセプトでやっていたので、これからはまた新しいアニソン、アニメ作品との出会いも狙っていきたいですね。

――そういう姿勢がKOTOKOさんらしいというか、大御所でありながら貪欲であるという。

KOTOKO 2019年で大御所と呼ばれることを受け入れましたけど(笑)、かっこいい大御所というか、フレッシュさが大事なのかなと。

――やはり大御所というイメージは、キャリアを重ねているだけにクオリティを維持こそすれ、そこからのアップって正直あまり考えられていないですよね。

KOTOKO そう。だからアップさせなくちゃいけない。生涯現役でいるには、そのときその時の見せどころを探さなきゃ新規のファンもついてきてくれないと思うんですよ。私は本当の意味で生涯現役をめざしているので、そのためにはアップしていくためには何が必要なのかなって模索していくことが大事なんじゃないかなって。

――これまでとは違った、進化した姿を見せるというのが活動の根幹にあると。

KOTOKO そういう意味では、普段のアーティスト活動とは違ったプロデュース業というものもちょっと頭の中にはあります。プロデュースに専念するようなスタイルにはなりたくないんですけど、最近は男性に歌詞を書くのが楽しいなって思っているんです。

――男性アーティストのプロデュースということですか。

KOTOKO 最近も同じレーベルの浦島坂田船のセンラさんに2曲書かせていただいたほかにも、別のアニメやゲームのタイアップで歌詞を書いたりしているんですよ。今まで後輩の女の子に歌詞を書いていてそれも楽しかったんですけど、それが男性に対して書くとどうなるのかなっていう作業がすごく楽しかったんですよね。そういう経験もあって、男性アーティストのプロデュースというのも面白くやっていけるんじゃないかなって、具体的にはまだ何もないですけど、今後の展望のひとつとして自分の中で芽が出ている気持ちですね。

――なるほど、プロデュースというのは意外でした。

KOTOKO だから本当に15周年というのはすごく大きかったと思うんですよ。これまでベテラン、大御所って言われるのが本当に嫌だったんですけど、そこに対して変な気持ちを持つことがなくなりました。プロデュース業も今までは嫌だって言っていたんです。でもちょっと二足のわらじもいいんじゃないかっていう気持ちにもなってきたんですね。もうちょっと殻を破っていけばそんな日も、もしからしたらそう遠からずのところにあるかもしれないっていうのは、この一年で思うようになりました。

――これまでのキャリアを総括することで未来への視界が開けたというのは大きいですよね。そこにはKOTOKOさんの心境の変化というものがあったと。

KOTOKO 私はね、そういう意味では我が強いところもあるんですけど、後輩に対していまだにライバル視してしまうところがあって、それって自分のなかで弱いところでもあると思うんですよね。なんというか、どんと構えていられないというか、先輩としてもうちょっと余裕を持つとか自信を持つって事が出来ない自分の弱さ。それを克服していくこともこれからの課題になっていくと思うし、それが克服できた時にはもっと気持ちよくいろんな活動ができるのかなって思います。

――KOTOKOさんは昔から誰にでも分け隔てのないフランクな性格で、それもまた素敵なところだと思うんですよ。

KOTOKO そう言って頂けるとありがたいのですが、上手な先輩面というか、先輩になる覚悟がなかったんですよね。でも「かっこいい先輩になる」という目標も出来たし。

――そこに腹筋を割るという目標もついてきますから。またそこから広がっていく活動というものもありそうですね。

KOTOKO やれることが変わってくると音楽性も変わってくるし、そこは希望しかないですね。

――しかし、この特設サイトでのインタビューも今回でひと区切りと聞いていましたが、どうやら続行したほうがよさそうですね、2020年のKOTOKOさんの腹筋がどうなっているのかを検証するために(笑)。

KOTOKO そうですよ!(笑)。今後も追いかけてください!

――ただそのぶん、結果を報告しなくてはならないというプレッシャーが追加されますけどね(笑)。

KOTOKO もう言っちゃったからね。やばーい!(笑)。

Interview & Text By 澄川龍一
※写真は「KOTOKO カウントダウンライブ2019→2020 ~Thank you Anniversary!!~」より


●リリース情報
KOTOKO’s GAME SONG COMPLETE BOX 【The Bible】
4月21日発売

【Blu-ray付限定盤 (CD 10枚+Blu-ray)】
価格:¥17,000+税

【通常盤(CD 10枚)】
価格:¥15,000+税

<CD>
内容総収録曲数 138曲程度

<Blu-ray>
2020年1月に台湾で行われるライブ(ゲームソングパート)を収録

発売元:NBCユニバーサルエンターテインメントジャパン

●ライブ情報-
「KOTOKO LIVE TOUR 2020 -The Bible-」(仮)
2020年
5/5(火・祝) 仙台 JUNKBOX
5/6(水・祝) 新潟 studio NEXS
5/9(土) 金沢 AZ
5/16(土) 広島 SECOND CRUTCH
5/17(日) 松山 SALONKITTY
5/23(土) 米子 AZTiC laughs
5/24(日) 京都 FANJ
6/6(土) 横浜 Bay Hall

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