アルバム『FM AXIA from Galaxy Radio Station』リリース記念 野田愛実×井口裕香スペシャル対談!

架空のFMステーションから、AIのDJYUU(CV.井口裕香)がお届けするラジオ番組。そこから流れるのはすべて野田愛実の楽曲――というコンセプトで作られたアルバム『FM AXIA from Galaxy Radio Station』が12月4日にリリースされた。今回は、それを記念して野田愛実と井口裕香の対談が実現!以前、野田が井口に提供し、今作でもセルフカバーしている「奇跡」についてもたっぷり語ってもらった。

お気に入りのラジオ番組の神回を録音し、それを聞いている気持ちになるアルバム(野田)

――この面白い企画は野田さんが考えたそうですね?

野田愛実 私がアーティストデビューして5年目になるんですけど、デビューのきっかけになったオーディションがラジオ局主催のもので、デビュー当時からラジオ番組を持たせていただいていたんです。なので、私を育ててくれたのはラジオだと思っているんですけど、インディーズとしての集大成の作品を出すとなったとき、それにラジオというコンセプトを取り入れたいなと思って、このコンセプトアルバムを出してみようと思いました。

――パーソナリティをやられていたので、自分でやる選択肢もあったわけですよね?

井口裕香 たしかに!

野田 いやいや!自分の曲を紹介しないといけなくなるので、全然違う人とか架空の人物が紹介してくれたほうが、より自分の曲を聴いてもらえるかなと思ったんです。2年くらい前に「奇跡」という楽曲を井口さんに初めて提供させていただいたんですけど、そのときから、ラジオだったりライブで井口さんのトークを聞いていて、本当に大好きで面白くて、元気にしてくれる声が魅力だと思っていたので、オファーさせていただきました。

井口 もう光栄であり恐縮であり……。私自身が野田愛実ちゃんの曲が大好きなので、それに携わることができることが大変光栄でした。ですが、野田ちゃんのファンからしたらずっと野田ちゃんの声が聞きたいはずなのに、ちょいちょい「どーも~」みたいな感じで出てくるから、井口さんうるさいな~ってならないといいなと思いつつ(笑)。でも、せっかく野田ちゃんから声をかけてくれましたし、台本も野田ちゃんが考えててすごいと思ったので、私にできることがあればと。「奇跡」という、本当に大好きな歌に出会えたので、そのお返しが少しでもできたらと思って、ドキドキしながら収録現場に向かいました。

――FMラジオって、結構クールでカッコいいみたいな印象があったんですけど、聴いたらほぼ『井口裕香のむ~~~ん ⊂( ^ω^)⊃』(井口裕香のラジオレギュラー番組)で……(笑)。

井口 そう!(笑)。そうなんです!私もお話を聞いて台本をいただく前まではそういう方向なのかな?落ち着いたトーンで「皆さんこんばんは」みたいな感じは、やったことないけど大丈夫かな?って思っていたんです(笑)。

野田 たしかにFMラジオって、洋楽とかが流れてそうなイメージですもんね(笑)。

井口 でも台本を読んだら、意外と『む~~~ん』に近いというか。野田ちゃんが私のことも想像して、DJYUUを作ってくれたんだなと思いました。でも一応現場では聞きましたけど……。「スタンスとしては、“明るく”で合っていますか?」と。

野田 台本を書いてるときから、井口さんがしゃべるのを想定してたので『む~~ん』の感じをやってほしいし、素が出るような台本を書こうと思ったんです。

井口 もう、促し上手!良いところで、ここはアドリブでとか、フリートークでとかが入るんです。台本のところと素が出せるところの塩梅が心地よかったです。

野田 フリートークになった部分が一番面白いので、ぜひ皆さんにはそこを聴いてほしいです!

――番組に寄せられたメールは野田さんが考えて?

野田 全部私が妄想で考えました(笑)。

――設定はどのくらい考えたんですか?

野田 最初は地球上にしたんですけど、架空感を出すために、ありえなそうな所がいいなと思って宇宙にして、AIも流行ってるしAIのDJがいいなと思ったりして。ギャラクシーネームとか、番組のジングルとかもオリジナルでスペーシーな感じで作りました。

――ちょいちょいツッコミどころのある設定だったんですよ。DJYUUなんですけど、最後は井口裕香と言ってしまってたし。

井口 設定はブレブレでやっております(笑)。

――でも、そのユルさが逆にすごく面白かったです。

野田 収録時間も3時間くらい取ってたんですけど、1時間くらいで終わってしまったんです。なので、本当に1時間のラジオ番組を聴いている感覚だと思うんです。お気に入りのラジオ番組の神回を録音して、カセットのラベルに書く、みたいな懐かしい気持ちになるアルバムだと思います!

――お二人はラジオというメディアに対してはどんな思い出がありますか?

野田 よく聴くようになったのは仕事を始めてからなんですけど、音楽を知る場としてラジオを使っていたので、新たな発見があるというか。今回もいろんなテイストの楽曲を入れて、野田愛実の楽曲なんだけどちょっと違う人の曲を聴いてるような感じになるよう、1曲1曲の色が強い曲を入れようとしたんです。

井口 たしかに、いろんなアーティストの曲が流れてるラジオを聴いてるみたいだった!

――井口さんはラジオを録音したりしてました?

井口 していました!それこそカセットで録音をしたり、MDの時代もありましたよ!(笑)。子供の頃はすぐにお小遣いでCDを買えないから、私も同じように音楽を知るところとしてラジオがあったし、ランキング番組を録音して1コーラス歌うとか、好きなアーティストさんのラジオを聴いて、お便りを送って名前を呼ばれて、ふふふとなるとか。ラジオを聴くのは元々好きだったから、このアイディアは面白いと思いました。

――録音したラジオ番組のカセットというコンセプトはすごくしっくり来ました。最初は、今はPCに曲を落として聴く人がほとんどだから、プレイリストを作れば曲だけのアルバムにもなるのかな?と思ってたんです。でも普通にイントロとかアウトロに声がかかってて。

野田 そうなんです!

井口 うううって思う人もいるかもしれない……。

野田 いやいやいや!

井口 でも、エピソードがあって曲があるみたいな。誰しも思い出の曲って、そのとき聴いてた感情も詰まっていますし、音楽っていろいろ繋がっていくものだから。それに野田ちゃんの楽曲って誰かに寄り添っていく感じがします。

――今回は台本が野田さんなので、野田さんの思いも曲の前振りとして聴くことができるから、より思い出に残る曲になる感じがしますし。

野田 曲にはいろいろな捉え方があると思うので、言ってることは私の実体験であったり、こういう妄想で聴いてくれたらうれしいなっていうのもあったりするんですけど、一つの例として書いていたし、みんなも似たような経験があるかもしれないので、曲に関するメッセージ部分も聴いてもらえたらなと思います。

――そうやってDJのトークを聞きながら流れる曲を聴くことで、何か違った捉え方になった曲などはありましたか?

野田 今回デビュー当時の楽曲も入れているんですけど、「全力ガール」はずっと歌ってきたし、自分でも耳は慣れている曲なんですけど、こうやって井口さんに紹介してもらうことで、井口さんの明るい声と「全力ガール」っていう曲がマッチして、すごく幅広い世代の方が元気になれる楽曲になったのかなと思いました。

井口 どの曲も好きなんですけど、あらためて野田ちゃんの歌う「奇跡」はいいなぁと思いました。あと個人的には「パパとボク」はお父さんに聴かせたい。私の話したエピソードも含めて。

――井口さんのお父さんエピソードも語ってましたからね。

井口 はい。私のパパエピソードはホントの話です(笑)。

野田 そこは私もお気に入りです。

――それと、個人的にラジオパートで気になったところなんですけど、途中から井口さんがメールを読んでるとき、その人を演じ始めたんですよ。あれは何でですか?

井口 ホントですか!?(笑)。

――学校の先生とかやってましたよ。

井口 あ――……!

野田 教頭先生になってました。

井口 たしかにたしかに……。

野田 あと「泣くなライバル」の紹介のときの少年は私も好きなキャラクターです。

井口 やってましたね……。あれって、私からだっけ?

野田 そうです。何も言わなくてもやってくれるーって思ってました(笑)。

――途中から井口さんがメールを読んでいる体ではなくなったんですよ。

井口 無意識……!

――それが驚きです(笑)。

井口 悪い癖が出てますね……(笑)。

野田 いやいや、ブースの外では感動してました。すごかった。

井口 途中から、なりきっちゃってましたね……言われてもないのに(笑)。

自分の中でも気づいているけど、認められなかった弱い部分を肯定してくれた「奇跡」(井口)

――そして最後は野田さんの歌ではない声も少し聴けたので、そこもグッと来ました。最後に、せっかくお二人の対談なので「奇跡」の話をしたいのですが。

井口 『Love』(17年11月15日リリース)というミニアルバムのとき、曲を書いていただいたんですが、それは直接お会いする前で。

野田 デモを渡すときはまだお会いしていなかったです。

井口 直接会って話して私を見抜くのではなく、何となくディレクターを介して伝わったであろう情報とか、私の楽曲を聴いてくれて生まれたのが「奇跡」で、あまりにもその当時の私の思いが詰まり過ぎていて、最初は直視できなかったんですよ。そのくらいドキッとした出会いの曲だったんです。こんな切なさと、でも未来を見ている感じが作れる野田愛実ちゃん(大学院生)って一体!? となりました。歌声も素敵だし、これを私はどう歌えばいいんだろうって思うくらい衝撃でした。

――強い思い入れがありますよね。

井口 実際にライブで歌って、またさらに愛おしくなったというか。私の涙腺を刺激する何かが詰まってるんです!『Love』を引っさげてのファンミーティングツアーの初日に歌って号泣してMCができなくなったくらいなので(笑)。そのくらい私の心の柔らかい部分を刺激する宝物です。自分の中でも気づいているけど認められなかった弱い部分を肯定してくれた曲なので、すごく好きだし、それを今回は野田ちゃんがセルフカヴァーをしてくれているのでより好きです。いい曲だし、天才だなと。

野田 作らせていただいたとき、井口さんのそれまでの楽曲をたくさん聴いて書いたんです。声優さんなのでいろんなキャラクターになられていたので、ちょっと井口さん自身の声で歌える曲を作れないかなと、会ったこともないのに思って。私はシンガーソングライターなので、作家さんとは違うシンガーソングライターらしい曲が書けるかもしれないと思ったので、ド直球で狙わずに自然体な楽曲を提案したいと思って歌詞を出したんです。でも最初は歌詞を変えるかもという話になってて。

井口 そう!あまりにズンと来過ぎたから、これは歌えないだろうと。

野田 どうしようと思ってたんですけど、結局そのままになったんです。歌ってもらったのを聴いたり、一緒にライブで歌ったりして、すごく大切にしてくださっているのを感じて、自分の中でもどんどん意味のあるものになっていきました。

――それをセルフカヴァーしようと思ったのはどうしてですか?

野田 このアルバムを作ることになって、私の作家としての初めての楽曲でもあるし、井口さんが参加してくださるので、やっぱりセルフカバーはしたいと思いました。井口さんの「奇跡」は軽快なサウンドで本当に癒やしの曲になってるんです。なので、それとは対照的にしたくて、私は語りかけるような歌にしたいと思ってピアノとヴァイオリンというシンプルな構成にしました。Dメロの『感じている気持ちがそうなんだろう』のあとに『そうなんだよ』っていう言葉をレコーディングで新たに足したんですけど、それは井口裕香さんの「奇跡」へのアンサー的な意味で聴いてほしいという思いで付け足しました。

井口 肯定してくれた!って思いました。でもこれはファンの方々もすでに気づいてましたよね。

野田 気づいてましたね。

井口 すっごくいい曲です!

――どんどん二人の思い出も曲に積重なっている感じですね。では最後にファンへメッセージをお願いします。

野田 この4年間の集大成になるインディーズベストで井口裕香さんが参加してくださってう嬉しく思ってます。井口さんの声と私の歌声をたくさん聴いてほしいなと思っています。

井口 本当に野田ちゃんの歌声がかわいいので楽しんでください。でもCDではなく生歌も野田ちゃんは素晴らしいので、ライブで聴いたら心を撃ち抜かれると思いますよ! あとブックレットもかわいくて、カワウソレコードっていうのが個人的に気になっています!

野田 レーベル名は決められるみたいだったので、私がカワウソに似てるので、カワウソレコードにしました(笑)。

Interview & Text & Photography by 塚越淳一


●リリース情報
「FM AXIA from Galaxy Radio Station」
12月4日発売

価格:¥3,000(税込)

<収録曲>
オープニング
Happy Smile
片想い
僕の彼女はシンガーソングライター
シンデレラは転ばない
うらがえし
パパとボク
全力ガール
泣くなライバル
天使のささやき
夏のせい
キャンバス(熊本駅前看護リハビリテーション学院TVCMソング)
あまくてにがい
奇跡(井口裕香 提供曲セルフカバー)

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