NOW ON AIR 3周年記念「1st FULL LIVE 〜RIDE ON!〜」ライブレポート

2016年に開催された「キミコエ・オーディション」で選ばれた、飯野美紗子、岩淵桃音、片平美那、神戸光歩、鈴木陽斗実、田中有紀の6人によって結成された声優ユニット・NOW ON AIR。あれから3年、待望の1stアルバム『RAINBOW’S BOX』を経て、ついに彼女たちの1stフルライブが吉祥寺CLUB SEATAにて行われた。グループ初となる、「全曲NOW ON AIRだけのライブ」は、彼女たち6人の声が織り成すNOAのフレッシュな魅力に溢れた、まさにNOAの集大成といえるステージとなった。

アルバム『RAINBOW’S BOX』の冒頭を飾る「Overture」が流れるなか、白い衣装に統一された6人のメンバーが入場し、それぞれのステージに立つ。少々の緊張感が溢れる雰囲気のなか、「Overture」の最後の「NOW ON AIR」という6人のハーモニーが流れて一瞬の静寂が訪れたあとにフロアに響いたのは、彼女たちのデビューシングルである「この声が届きますように」のイントロだった。次の瞬間、清涼感あふれるサウンドとともに6人は、一斉にステージ上で躍動しだす。シンプルなステージ上で見た彼女たちの立ち姿や表情、そして声は、フレッシュである一方でこの3年間積み重ねてきた自信に裏打ちされた、実に堂々としたもの。フォーメーションも横一列に並んだかと思えば前後を使うなど、ステージを目一杯使ってエネルギッシュなパフォーマンスを展開していった。そして最後にはアカペラで「NOW ON AIR」と、6人での重厚なハーモニーを聴かせるなど、早速彼女たちの歌声の魅力が伝わる幕開けとなった。

直後のMCでは神戸光歩、岩淵桃音、鈴木陽斗実、飯野美紗子、片平美那、田中有紀の順でまずはファンに挨拶。その誰もが、今回初となる「NOW ON AIRの楽曲を最初から最後まで思う存分楽しんでいただける時間」(飯野)にワクワクしているようだった。続いて始まった曲は2ndシングルから、ハツラツとしたキャッチーなサウンドがこの季節にぴったりな「恋する夏ワンピ」。彼女たちが着る衣装も相まって、キュートな振り付けが映える一曲だ。そのあとも切ないメロディが印象的な「風が吹いた」、エレガントなストリングスも心地良い「キボウノカケラ」と初期の楽曲が続く。そこで印象に残ったのは彼女たちのステージングで、それぞれが自身が歌わないパートでも終始笑顔を見せてダンスする姿が眩しく見えた。

神戸が「まだ序盤なはずなのに」と言うほどにステージ上もフロアも熱気に包まれた序盤のあとは、今回が初披露となる3人曲のパートへ。飯野、神戸、岩淵の3人による「Light escape」では、ジャジーなサウンドに乗せて少し大人びた歌唱とダンスを見せる。続く片平、鈴木、田中による「ツヅクココロハ」では一転してノリのいいスカパンク調のサウンドに、客席からも「オイ! オイ!」と歓声が飛んだ。そんな3人曲でこれまでとはまた違う表情を見せたあとは、2人曲のパートが続く。田中と岩淵による「純情Phantom thief」ではハードなロックサウンドに、これまた大人っぽいクールな歌唱を聴かせ、途中でもダイナミックなダンスパートでもフロアを盛り上げていった。「出発進行!」の掛け声とともに、飯野と片平が鉄道駅員をイメージした帽子をかぶっての「Starting Station」は、サビでパワフルな歌唱を聴かせる一方で、直後にはかわいらしい振り付けを観客とともに踊る。そして神戸と鈴木のバラード「星影の在り処」ではふたりのハーモニーがすっと耳に入り込んでいく素晴らしいパフォーマンスを見せる。3人、2人といった変則的なスタイルで、またあらたなNOAの魅力を発見でしたパートとなった。

そして6人が再びステージに揃って鳴らされたのは「君が好きで好きでダメだよ」。6人のソロパートから成る静かな導入から、サビでは分厚い6人のハーモニーを聴かせたりと、ここでもしっかりNOAの歌唱を堪能できる一曲となった。

MCを挟み、飯野が「この曲をみなさんに届けたいと思います」(飯野)と言って始まったのは、彼女たちの主演作『きみの声をとどけたい』の挿入歌である「Wishes Come True」だ。しかも今回は鈴木のピアノ伴奏によるスペシャルバージョンで、鈴木のピアノを5人が囲むような立ち位置の導入から、ゆっくりと客席に体を向けてエモーショナルなハーモニーが広げていく。その光景は実に感動的で、歌い終わったあとには客席から大きな拍手が長く続いていった。

そして、「言葉は違っても伝わるものがあるし、NOW ON AIRの歌がそういう架け橋になればいいなと思います。そんな歌をこれから6人で届けていきたいと思います」(飯野)という言葉のあと、ライブはいよいよクライマックスへ。そこで鳴らされたのは、彼女たちの「歌うよ」という歌い出しから始まる「わたし的Progress」だ。ロッキンなサウンドをバックに、ダイナミックな振り付けとともに力強い歌唱を聴かせると、会場はふたたびものすごい熱気に包まれる。その熱量のまま、ハードなサウンドの「瞳の勇気」へと続き、最後は「シートベルトは閉めたかー!」という神戸の絶叫とともに、アッパーな「RAINBOW’S HIGHWAY」と続いていく。曲中ではメンバーと観客が一緒に、右に左にと揺れるドライブを見せ、大きな盛り上がりとともに本編を終えた。

メンバーがステージを去ったあと、観客の大きな「NOW ON AIR!」のコールに包まれる。それを受けてスタートしたアンコールでは、今回のライブの配信やイベント開催、楽曲リリースなどさまざまな告知がなされたあと、メンバーが一人ひとりが最後にコメントを残した。なかには言葉を詰まらせながらも自分の言葉で、3周年を迎え、またこれから先の4年目に向けて、NOW ON AIRとして音楽を届けていける喜びを口にした。彼女たちの希望に満ちたコメントに、会場も温かな感動に包まれるなか、「今日ここに来てよかったと言えるように4年目走っていきますので、よろしくお願いします!」という飯野の言葉とともに、この日最後の曲「restart my resolution」が披露された。2018年末にリリースされた、彼女たちの再出発を告げたシングルから、ロッキンなこの楽曲を最後に持ってきたことは大きな意味を持つ。3周年の集大成に、そして4年目に向けて走り出すに相応しい一曲に、ステージ上も客席も多幸感に包まれたなか、アニバーサリーライブは終演を迎えた。
さまざまな出来事ーーひとことで言えば紆余曲折のあった3年、その月日すべてを打ち出したような、NOW ON AIR初のフルライブ。そこには歌唱やダンスといった彼女たちのポテンシャルの高さはもちろんのこと、加えて彼女たちが歌うことへの意味、あるいは使命感にも似た強固な意志が感じられたように感じた。MCでもメンバーが多く口にしていた、自分たちが歌えるという喜びがある一方で、聴いてくれる誰かのために歌おうという意志は、フロアに詰めかけた観客にも伝播したはずだし、そんな彼らの表情を見て、彼女たちもその想いを強くしたはずだ。3年前に歌ったあの声は、たしかに届いた。そして、その物語はこれからも続いてゆくのだ。

Text By 澄川龍一

NOW ON AIR 3周年記念「1st FULL LIVE 〜RIDE ON!〜」
2019年8月4日(日)吉祥寺CLUB SEATA
セットリスト
1,この声が届きますように
2.恋する夏ワンピ
3.風が吹いた
4.キボウノカケラ
5.Light escape
6.ツヅクココロハ
7.純情Phantom thief
8.Starting Station
9.星影の在り処
10.君が好きで好きでダメだよ
11.Wishes Come True
12.わたし的Progress
13.瞳の勇気
14.RAINBOW’S HIGHWAY
En.1.restart my resolution

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