リスアニ!10周年イヤープロジェクト第一弾!!“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”濃密レポート!

今年4月に10年目に突入し、それを記念した“10周年イヤープロジェクト”を展開しているリスアニ!が、プロジェクト第1弾となるライブイベント“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”を、8月3日(土)と4日(日)の2日間、Zepp Tokyoにて開催した。毎冬恒例となっている日本武道館でのライブイベント“リスアニ!LIVE”の興奮を体感できるように、全曲生バンドによる演奏というコンセプトはそのままに、全9組のアーティストがそれぞれの持ち味を発揮した今回のライブ。ここでは、寿 美菜子、戸松 遥、西田望見、早見沙織、halcaが登場した1日目“SATURDAY STAGE”の模様をレポートする。

★2日目“SUNDAY STAGE”の模様はこちら

“リスアニ!LIVE”のスペシャルエディションと銘打ち、ライブハウス規模の会場でそれを行うという、リスアニ!にとっても初の試みだったにも関わらず、フロアいっぱいのオーディエンスが詰めかけた本イベント。夏ということで期待に胸焦がす人々の熱気はいつも以上だったかもしれない。そんな“ナツヤスミ”の幕開けをロッキッシュなパフォーマンスで飾ってくれたのが、寿 美菜子。堂々とした足取りでステージ中央に姿を現すと、「リスアニ!ナツヤスミ、いけるかー!」と檄を飛ばして、のっけからヘビーに唸るギターが特徴的なシングルチューン「black hole」をワイルドな歌い口でブチかまして、会場のボルテージをいきなり最高潮にまで引き上げる。

そこからピアノの連弾が響きわたり、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が作詞・作曲したドライビングなロックチューン「girly highester!」に突入。ブリッジでの英語によるセリフ風のパートもバッチリと決めて、「もっともっと」と煽りながら観客から大合唱を引き出す寿。途中でこの日のバックバンドを務めたリスアニ!バンドの黒須克彦(b/バンドマスター)と山本陽介(g)もステージ前方へと歩を進め、ロックバンドさながらのステージングを展開する。そこからテンポを落としてパワフルなロック「ウレイボシ」に繋げ、寿はサビでヘドバン風の前傾姿勢を取りながら熱っぽい歌声を聴かせる。音源以上に荒々しく体当たり感のあるパフォーマンスに、きっと驚いた人もいるのではないだろうか。

MCで「なかなかの緊張のなか、トップバッターを務めさせていただいてます!」と挨拶した彼女は、続いて「バンドさんとは初めてです」と前置きして、今年1月に発表した現時点での最新シングル曲「save my world」を披露。キラキラとしたシンセサウンドと躍動感のあるリズムをバックに、キレッキレのダンスを交えながら、芯が強くてブレることのない歌声を会場いっぱいに行き渡らせる。そのようにパフォーマーとしての最新の彼女の姿を鮮烈に印象づけると、最後は4人組ピアノロックバンドのI-RabBitsが提供した「ミュージックスター」で幸せ感たっぷりに締め。サビではオーディエンスが“Wow Wow”と声を合わせながら手を左右に振り、終盤の“ハロー ディア― ミュージックスター”をリフレインする箇所でみなが手拍子しながら大合唱するシーンは、感動的ですらあった。

<寿 美菜子 セットリスト>
01. black hole
02. girly highester!
03. ウレイボシ
04. save my world
05. ミュージックスター

続いてステージに上がったのは、この7月にデビューミニアルバム『女の子Dejlig(ダイリー)』を発表してソロ活動を始めたばかりの声優・西田望見。そのジャケットやアーティスト写真でも着ていた、全身が花飾りに包まれたコケティッシュな衣装で「皆さん盛り上がっていきましょー!」と元気いっぱいに登場した彼女は、ミニアルバムの1曲目(朗読トラックは除く)を飾っていた華やかなガーリーポップ「Bubble Balloon Museum」を歌唱。ソロでの外部イベント出演は今回が初となる彼女だが、持ち前の人を明るくする笑顔と甘い歌声で観客の心を掴んでいく。

「歌は好きですか!」「ナツヤスミは好きですか!」と声をかけて客席から熱気を引き出した彼女は、『女の子Dejlig(ダイリー)』のタイトルの由来について、自身がデンマークに留学経験があることから、デンマーク語の「Dejlig(=素敵、かわいい)」を使ったと説明。また、西田はデンマークに留学した理由のひとつとして、グリム童話やアンデルセンが好きだったことを語り、次はそんな世界観を表現したくて分島花音に楽曲提供してもらったという「doll」を披露することに。可憐な身振りを交えながら少し不思議な曲世界を表現する彼女は、花に包まれた衣装の見た目もあってか妖精のよう。ラストはスカートの裾をつまんで優雅に締めくくった。

続くMCで「次の曲はノリがウワーッという感じの曲」と語り、曲中に複数あるコール&レスポンスのパートをお客さんと一緒にみっちり練習した彼女は、その楽曲「想像守護神キメキトイア」をパフォーマンス。「ハーイ!」「ワハハハハ!」といった風変わりな合いの手が飛び交いながら、キュートかつスピーディに展開していくこのナンバー。曲間にはセリフ調のパートも組み込まれており賑やかな雰囲気なのだが、事前の練習の甲斐もあってオーディエンスと一体になって楽しさマックスで盛り上がる。ラストは「みんなで一緒に踊ってくださーい!」とミニアルバムからのリード曲「フルスロットルで行こうぜ!」を歌い、ファンキーなギターカッティングに乗せて、最後まで会場をフルスロットルで沸かせた。

<西田望見 セットリスト>
01. Bubble Balloon Museum
02. doll
03. 想像守護神キメキトイア
04. フルスロットルで行こうぜ!

この日の3組目は、1月の“リスアニ!LIVE 2019”、2月の“リスアニ!CIRCUIT Vol.08”に続き、今年3度目の「リスアニ!」主催ライブイベント出演となる、期待の新人アニソンシンガー、halca。ゆっくりとステージ中央に進み出た彼女は、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』のEDテーマ「センチメンタルクライシス」でライブをスタート。サビ頭のしっとりとした歌い出しを聴かせると、続けてにこやかな表情で元気いっぱいに挨拶し、清涼感のある歌声で恋心の切なさやワクワクを表現する。花柄のワンピースも曲の可憐な世界観にぴったりだ。

初々しくも目が離せなくなるMCで楽曲紹介をすると、続いては自身のデビュー曲となる『ヲタクに恋は難しい』のEDテーマ「キミの隣」を披露。普段はオケをバックにライブを行うことの多い彼女だが、この日はリスアニ!バンドによる腰の入った演奏に後押しされてか、いつも以上に力の入った気持ちの良い歌いっぷりを見せる。その後の休憩タイムでは水を飲んで、礼儀正しく「ごちそうさまでした」と言ったり、歌っているときとしゃっべているときのギャップ感もまた彼女の魅力になっている。

ここで、インディーズ時代の音源に新曲をプラスした新作ミニアルバム『white disc +++』を8月28日にリリースすることを報告したhalcaは、同作にも収録されるkz(livetune)提供のインディーズ時代から歌っているナンバー「Hail to the world!!」を、初めてバンドの演奏をバックに披露。爽快感溢れるダンスビートと胸をときめかせるメロディに、彼女の開放的なボーカルがこの上なく素晴らしい魔法をかけ、一面ブルーに染まったペンライトが大海原を駆け抜けるような景色を描き出す。そこから青色が似合うロッキンなシングル曲「スターティングブルー」へと繋げる展開も見事だ。

MCで「「Hail to the world!!」でペンライトが青に光ってて、次の曲が「スターティングブルー」だからやったー!と思いました(笑)」と素直に喜びの感想を伝えるhalca。11月30日(土)に自身4回目となるワンマンライブが控えていることを告知しつつ、次で最後の曲ということで、客席からの「えー!」という声に「私もずっと歌いたいです!」と応えて名残惜しそうな表情を見せる。だが、最後の曲「HORiZON」ではリスアニ!バンドによる重心低め&パワフルな演奏を率いるように、自身も力強い歌唱と「ヘイ!ヘイ!」という煽りで熱のこもったパフォーマンスを見せ、客席に熱狂を生み出す。生バンドにこだわる“リスアニ!LIVE”だからこそ実現した、halcaのこの1年の成長をしっかりと印象づけるステージだった。

<halca セットリスト>
01. センチメンタルクライシス
02. キミの隣
03. Hail to the world!!
04. スターティングブルー
05. HORiZON

そのように熱く盛り上がる“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”に、一服の清涼剤のような時間をもたらしてくれたのが早見沙織。純白のワンピース型の衣装を身に纏い、ゆっくりと登場した彼女は、まず『カードキャプターさくら クリアカード編』のEDテーマとしてもおなじみのシングル曲「Jewelry」を歌唱。後ノリのゆったりとしたリズムに乗せて、朗々としながらも滋味深い歌声を響かせる早見。後半ではオーディエンスもクラップしながら横揺れでリズムを取り、まるでゴスペルのように包容力のあるそのボーカルを身に浴びて歓びの表情を浮かべる。

「こんばんはー」と上品に挨拶した彼女は、「一説によると今日8月3日は“早見の日”とも言われたりするみたいなので」とお茶目なアピールをして客席を沸かせつつ、「タイトルに“夏”が入ってる私の曲をお送りしたいと思います」と、2ndアルバム『JUNCTION』よりどこか陰のあるギターロック「夏目と寂寥」を歌う。エッジの立ったギターに艶めいたメロディが陽炎の立ち昇るような熱気を生み出し、早見も徐々に熱っぽい歌を聴かせるが、その身のこなしはあくまでも優雅。そこからサマーバカンス気分を盛り立てるアーバンミッド「メトロナイト」へと流れ込み、ミラーボールが回転するなか、ファンキー&メロウな世界を描き出す。ちなみにここまでの3曲はすべて早見本人が作詞・作曲したナンバー。彼女の底知れない才能に驚かされる。

再びMCをはさんでクールダウンした彼女は、「私は4番手ということで、一瞬だけですが、ここに避暑地を作ろうと思います」と語り、ハイチェアに腰かける。夏っぽいアレンジで1曲を持ってきたという彼女は、「涼んでいただければ」と前置きして、自身のデビューシングルより「やさしい希望」をボサノバアレンジで披露。山本陽介が柔らかくリズミカルにつま弾くアコギに寄り添うように、しっとりかつ伸びやかな美声を届ける早見。やがてリズム隊やピアノも参加して、まさに避暑地もかくやな涼しくも優しい景色が広がっていく。それに続けて岩瀬聡志(key)にスポットライトがあたり、哀愁漂うイントロを奏でると、早見のレパートリーのなかでもとりわけジャジーな「ESCORT」へ。ジャズボーカリストばりの深いニュアンスを湛えたその歌声にオーディエンスは酔いしれ、クールなフェイクと共に曲が締めくくられると、会場からは割れんばかりの歓声が上がった。

その後、「夏は一瞬で過ぎ去りますよね」「過去とか未来ではなく今のこの一瞬、素敵なナツヤスミを過ごしてください」と語った彼女は、1stアルバム『Live Love Laugh』収録のナンバー「NOTE」を最後に披露。開け放った窓とその先に広がる青空のように解放感に満ちたサウンドに、早見のときにファルセットを交えた晴れやかな歌唱が清々しく吹き抜けていく。最後はしっかりと正面を見据えて凛々しい姿を見せ、「ありがとうございました」と上品に挨拶してステージを終えた。

<早見沙織 セットリスト>
01. Jewelry
02. 夏目と寂寥
03. メトロナイト
04. やさしい希望(Bossa Arr)
05. ESCORT
06. NOTE

そして“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”の1日目に最高の思い出を描き添えてくれたのが、この日のトリを飾った戸松 遥だ。残りのアーティストは1組ということで、観客もペンライトを彼女のイメージカラーであるオレンジに変えてスタンバイ。心の準備はバッチリOKだったわけだが、彼女が登場早々「行くよ!」と呼びかけて「Q&A リサイタル!」を歌い出した瞬間に、会場は瞬く間に大熱狂に包まれる。シルバーとブルーのミニスカワンピに白のロングブーツという出で立ちの彼女は、もはやアニソン界のアンセムとなっている同曲を、どこまでも晴れやか表情で歌う。三三七拍子のコール&レスポンスからの終盤への畳み掛けでは、この日最高とも言える一体感が生まれたのではないだろうか。

「皆さーん、戸松 遥です! レースクイーンでも〇〇(某缶入りチューハイ)でもありません!」と、自身の衣装のカラーリングに合わせた冗談で笑いを取った戸松は、ここで自身と“リスアニ!LIVE”との縁について語る。スフィアでの出演は数多くある彼女だが、実はソロとして「リスアニ!」関連のライブに出演するのは、2010年に行われた“リスアニ! LIVE 2010”以来のことだと言う。そんな縁に喜びを感じつつ、10年経って「グイグイ感はどんどんアップしている」という彼女は、「今日はアッパーで、ゴリゴリな、みんなが盛り上がれる曲を用意しております」と語って期待を高める。

そして彼女はここで突然「愛知県から来た方ー?」と客席に向けて問いかける。そう、お次のナンバーは、愛知出身の彼女が主演を務めるご当地アニメ『八十亀ちゃんかんさつにっき』のOPテーマ「DELUXE DELUXE HAPPY」。地元の人なら思わずうなずいてしまう名古屋ネタを満載した賑やかなポップチューンを、楽しい振り付きで披露する。最後は頭にツノ(しゃちほこ?)を立てたようなポーズで締めると、続いては彼女の2ndシングルにして『かんなぎ』のOPテーマ「motto☆派手にね!」を披露。神前 暁が作編曲した往年のアイドル歌謡チックな曲調に合わせた振り付けやコールは、懐かしさを感じさせるもの。その伝統的なスタイルが逆に一体感を高め、戸松も長い手足の映える華麗なムーブとともに、永遠に失われることのない輝きをステージに再現する。きっとその光景は、ファンの心に夏の甘い記憶として残ったことだろう。

そして先ほどのキャッチーな曲調から一転、エモーショナルなイントロから大きな歓声が起こった「courage」。戸松の歌声もどこか切実さを帯び、バンドによる情熱的な演奏とのスパイラルを形成しながらどこまでも熱い世界観を作り出す。彼女は間奏で「Zepp! もっと声を聴かせて!」と勇ましく煽り、会場のボルテージをさらに引き上げる。同曲をクールな身のこなしでフィニッシュすると、「早いもので次がラストになります!」と最後のMCに。あらためてライブの空気感が大好きだと語った彼女は、この日の最後の曲として「私の中でもすごく大切にしている曲」をセレクトしたと語る。その楽曲とは、4thアルバム『COLORFUL GIFT』のリードトラックだった「オレンジレボリューション」。合唱パートをたっぷりと含んだこの楽曲は、初めて聴いた人でも理屈抜きで盛り上がれるような明るいポップチューン。オレンジのペンライトが夏の太陽のようにキラキラと輝くなか、戸松は一点の曇りなき笑顔と歌声で一体感を作り上げ、我々に夏休みの最高の思い出をプレゼントしてくれた。

<戸松 遥 セットリスト>
01. Q&A リサイタル!
02. DELUXE DELUXE HAPPY
03. motto☆派手にね!
04. courage
05. オレンジレボリューション

1日目から、生バンドによるパフォーマンスというこだわりを貫きつつ、アニメのテーマソングや主題歌に限定しないセットリスト、各自の個性を引き立たせるステージ演出によって、5組のアーティストが思い思いの夏らしさを表現した“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”。彼女たちは我々に夏の忘れがたきひと時を与えてくれたわけだが、もちろん夏休みが1日で終わるはずがない。ステージに残った余熱は、綾野ましろ、岸田教団&THE明星ロケッツ、田所あずさ、May’nの4組が集結した2日目へと引き継がれ、また新しい夏を呼んだのであった。

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