Linked Horizon 4thシングル「真実への進撃」をリリース!Revoインタビュー

2013年4月に第1期の放送がスタートし、現在Season.3 Part2が放送中のアニメ『進撃の巨人』。第1期のOPテーマ「紅蓮の弓矢」から各クールで主題歌を提供してきたLinked Horizonが、今回のSeason.3 Part2では再びOPテーマを担当。その主題歌「憧憬と屍の道」を収録したシングル『真実への進撃』をリリースする。「憧憬と屍の道」と、本作にミカサ役で出演する石川由依が歌唱を担当したカップリング曲「13の冬」について、Revoに話を聞いた。

――早速「憧憬と屍の道」のお話しからお伺いしますが、『進撃の巨人』と共に活動と続けてきたLinked Horizon(以下LH)でなければ生み出せない、しかも集大成的な意味のある1曲ですね。

Revo 僕にとっては、Season3 Part.2にもっとも相応しいと思えた主題歌の形がこの「憧憬と屍の道」でした。単独でも成立する曲として完成はさせていますが、やはり今までの流れを汲んだものにはしたいんですよね。とはいえ、ここまで“集大成感”を出すというのは勝負でもあって。

――まさに。冒頭のお馴染みのフレーズからメドレー的な構成をたどるなど、これ以上にないほど情報が詰め込まれた印象もあって。

Revo  1曲の中であれこれと変わったことはたくさんしているんですけど、「なるほど、今回はこうきたか」と腑に落ちれば、変化球というよりは豪速球ストレートなのだということを感じてもらえるのではないかと。単独の曲としての良し悪しは当然あると思うし、いろいろなご意見もあるとは思いますが、この「憧憬と屍の道」という曲は間違いなく『進撃』と共に歩み続けてきた僕たちにしか生み出せない曲です。もうすでに、僕たちが生み出してきた楽曲たちも『進撃』の一部なんですよね。Season3までに亡くなってしまったキャラクターたちがいて、今回のPart.2で新たに亡くなったキャラクターたちもいる。その屍の道の上に物語があり、その先には、それぞれのキャラクターが追い求めた真実がある。楽曲も同じように、これまでの曲たちが道になっているんだということをこういう形で伝えたいと思ったんです。この曲を聴くことで『進撃の巨人』の主題を改めて思い出してもらえると思ったし、「だからこの道の最前線たるSeason3 Part.2を刮目してみよ!」と言える主題歌になったなと思っています。

――「憧憬と屍の道」において、エレンやアルミンたちの顔も浮かんできますが、やはりエルヴィンの存在が大きく感じられました。

Revo 実は最初の構想ではもう少しエルヴィン要素が強い歌詞だったんです。しかし主人公の存在が希薄な主題歌はどうなんだろう? ということで現在の形に若干軌道修正しました。それでも彼の存在感は大きいですよね。“憧憬”や夢という話になってくると、さまざまなキャラクターが持っているものですよね。それが作中で分かりやすい形で表現されている人物たちがいて、象徴的に描かれていますけど、その憧憬や夢が人を動かしていく原動力になっている。 “屍の道”という言葉だけでも重要な意味を持つし物語を表現しているけど、そこに本来であれば“屍”と結びつきそうにない“憧憬”という真逆ともいえる言葉を組み合わせて一つにできることこそ、『進撃の巨人』の魅力だとも思うんです。

――なるほど。

Revo Season3 Part.2のキャラクターたちが突き動かされている原動力に、夢や希望が確かにあって、このタイミングでそれを僕なりに言葉にしたいと思った。ただその夢には皮肉も含まれていて、「果たして夢を見ることは良いことなのだろうか?」と。

――その皮肉的な要素は、Revoさんが生み出したこれまでの作品とも類似性が見いだせますね。

Revo 実際にエルヴィンは父親を死に追いやってしまったわけで、彼はそのきっかけとなった夢に囚われて生きていくことになった。そういう人生の重荷を背負わされたのは、夢を見てしまったからなのかもしれない……ということだね。真実というものは、本来はとても難しいものなんです。最初はTVサイズから制作したのですが、あくまでもTVサイズの段階ではその“真実”に向かって猛進していく雰囲気が感じられるように作っていきました。そしてこのフルサイズが発売されるタイミングではオンエアも進んでいるので、その“真実”の内容についてもある程度触れても大丈夫だろう、ということで曲が途中でがらりと変わり、そこで“真実”の一端が垣間見える。そうすることで“真実”とはいったい何なのかを問おうと。それを1曲の中にまとめたのが「憧憬と屍の道」です。

――フルサイズを聴いて「ここまで言及するんだ」という驚きもありました。

Revo エレンたちが追い求めている世界の真実の中にも“憧憬と屍”が存在している。その道は、つまりはすべて地続きなんです。

――歌詞カードを見ると、屍の道に沿って歌詞が連なっていますね。

Revo こうすべきだと思いました。でも意外と大変なんですよ。「歌詞の流れ的にここでは改行したくないな」とか、言葉の切れ目とかも当然あるから。なので、少しだけ屍さんの方に動いてもらったり(笑)。いろいろな試行錯誤でこの形になりました。

――アニメのOP映像をご覧になった感想は?

Revo これしかないだろうなと。曲後半のメドレー部分については、映像でもメドレー的な形になるとは打ち合わせの段階では荒木総監督はおっしゃっていなかったんですが。しかしもう、あの場で言葉にする必要もなかったんだろうね。それくらいこの曲にはこの映像しかないと思う。暗黙のうちに渡したバトンがゴールに辿りついたのを見た瞬間は、やはりとても感動的なものでした。

――さて、続いては「13の冬」について。 “十三の冬”という言葉自体はアルバム『進撃の軌跡』に収録されている「二ヶ月後の君へ」の歌詞にも登場しています。今後の『進撃』の物語においてはこの“13”という数字が意味を持ってはくるのですが、改めてこの楽曲はどんな着想から?

Revo 「憧憬と屍の道」だけでも作品としては完結しているのですが、シングルとして考えたときに何が必要なのかと。“憧憬と屍の道”が何に対して続いている道なのか、そして、これまで通りシングルのタイトルにしていた「○○への進撃」に相応しい1枚にするには? と考えたのですが、憧憬ってどちらかというと男の子たちの夢という側面が強いように感じて。では彼らの“憧憬”を別の目線から見たらどうなるのか。その目線とは、ミカサに代表される女の子の目線です。男の子たちが真実を追い求める憧憬と、それを見つめる女の子の目線。この2つでパッケージしたら面白いのではないかと。

――そこからミカサ役の石川由依さんに歌唱をオファーされたのですね。

Revo そうですね。断られてしまう可能性もあったわけですが、曲を先行して作っていきました。そして石川さんが快く引き受けてくれて、委員会的にもOKということで無事にこうして形になったんです。もし石川さんがNGだったら、「13の冬」も世に出ていなかったかもしれないし、きっと「憧憬と屍の道」もこの形にはなっていなかったと思います。「13の冬」があったからこそ、あの形になったので。

――石川さんの歌声について、Revoさんはどのように感じましたか?

Revo この「13の冬」において、彼女に勝るヴォーカリストはいないでしょう。改めてすごい表現者だと僕は思います。だからレコーディングでも「ここをこういう風に歌ってください」みたいな話はほとんどしていないんですよ。誰よりもミカサを演じてきた石川さんなので「自由に表現して、歌に感情を乗せてください」くらいのものです。芝居にも近しい表現をあれだけダイレクトに歌に乗せることができる方というのも、とても珍しいと思っています。

――「13の冬」の“冬”ということで、最後にSound Horizon(以下SH)の“あの曲のあのピアノのフレーズ”を入れたのはRevoさんのサービス精神ということで?

Revo そうですね(笑)。わからない人にとっては何のことかはわからないと思いますけど、僕たちにとって“冬”はとても大切なキーワードだと思っているし、やっぱり気軽には使えない言葉ではあるんです。なのでサービス精神だけで物語的意味合いの薄いことをやっているわけではないので、わかるという人は是非ご自分の解釈をしてもらえればと思います。

――SHのお話しになりましたので伺いますが、今後のご予定は……?

Revo 今年、本来はSHのメジャーデビュー15周年なんです。なんですけど、10周年記念作品である『Nein』から新作が出ていない状況で。そこで集大成的な、たとえばベスト盤を出すといったことも考えられますが、そこまで安易な方法に走ってまで無理やり盛り上げるのにはちょっと抵抗があって。だから“15周年記念”という企画自体はペンディングした状態ですが、〈次の何かが出るまで15周年は終わらないのではないか?〉という風に考えています。ただ「15周年記念作品を5年後に出します」だとそれはもう20周年なので(苦笑)。少し遅れてしまうかもしれませんが……“アラウンド15周年”でどうでしょうか、と(一同笑)。

――新しい周年の概念が今誕生しましたね(笑)。

Revo そんな言葉今まで存在していなかったと思うんだけど(笑)、“アラウンド15周年”ということでお願いしたいなと。というのも、次に控えているSHの新作は、重大なターニングポイントになる作品なんですよ。だからそんなに気軽にできるものでもなくて。音楽作品なのでいろいろな人に気軽に聴いてもらいたい、という気持ちもあるのですが、次回作は非常に覚悟が必要な作品になっていて。

――覚悟、ですか。

Revo 作る側も聴く側も、ある種の覚悟が必要です。一度それを乗り越えてしまえば、次からはそれが普通だと思えるのかもしれないけど、新しいものを作るときは常に覚悟が必要で、そこに向かうためにはまだ解決していない問題もある。でも、思いついたものはやらなくてはいけないんだろうなと。それがたとえ難しかったとしても、思いつくということは実現できるはずなんです。モノを作る人間というのは、思いついたからにはそれを成し遂げる使命のようなものがあると思うんです。そこから逃げていては……その先には行けないんだろうな。さっきの“アラウンド15周年”は半分冗談ですけど、僕の中では「ちゃんと15周年を迎えなければ20周年には行けない」んです。この次回作をスルーして20周年とは言えないので、次回作が出たあかつきには、しっかりと15周年を祝ってもらいたいですね。

Interview & Text By 冨田明宏


●リリース情報
Linked Horizon 4thシングル
『真実への進撃』
6月19日発売

【初回盤】

品番:PCCA-04796
価格:¥1,389+税
※豪華スリーブ仕様

<CD>
1. 憧憬と屍の道 (TVアニメ「進撃の巨人」Season 3 Part.2 オープニングテーマ)
2. 13の冬

【通常盤】

品番:PCCA-04797
価格:¥1,111+税
※初回出荷限定ジャケット

<CD>
1. 憧憬と屍の道 (TVアニメ「進撃の巨人」Season 3 Part.2 オープニングテーマ)
2. 13の冬

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