『虹』に続いて『空』をコンセプトにした2nd アルバムが完成!東山奈央『群青インフィニティ』インタビュー

東山奈央の2ndアルバムが完成した。今回のコンセプトは空。前作の虹からさらにスケールが大きく、楽曲もかなりぶっ飛んだ曲から、泣けるバラードまで、その振り幅がものすごく広くなっている。ジェットコースターのようにコロコロ表情が変わるアルバムなので、じっくりたっぷり楽しんでほしい。

――すごくバラエティ豊かなアルバムだと思いましたが、曲はどのように集めていったのですか?

東山奈央 最初は「ブラスっぽい曲をやりたいです」とか、「ダンスが踊れる曲がほしいです」という、ざっくりなところからスタートして、「未来YELL!」や「Action」が生まれたんです。で、そこからまだやってないジャンルって何だろうねという感じで、コンペをしながら曲を集めていきました。1stアルバムの『Rainbow』のときは曲ができたものをいただいて、そこから練習をし始める感じだったんですけど、今回はデモから完成するまでの過程も見ていて、曲がどう変化してこうなったのかもわかるんです。制作の過程でなくなったフレーズをもう一度復活させてほしいとか、お願いをいろいろさせてもらったくらい綿密に関わらせていただいたので、レコーディングする頃には曲の良さをいちばんわかっている状態だったんです。それは結構大きかったなと思います。1stアルバムのときはやらなかったコンペも、今回は何曲かやらせていただいたりしたので、私の好みがかなり反映されていると思います。

――歌詞の段階でも、意見を出したりしたのですか?

東山 した曲もあります。「ちょっと恋愛っぽい曲にしたいです」とか。「I Want You To Know Baby」はデジタル曲として上がってきた曲なんですけど、ロボっぽい方向性に振れるなと思って、アンドロイドとかAIが人に恋をしちゃうような歌詞にしてほしいとお願いして書いていただいたんです。すごくイメージ通りのかわいい仕上がりになりました。

――ボーカルもロボットっぽくていいですよね。

東山 でも、“私のココロは ヒトとして動き始めた”という歌詞があったので、ラスサビだけはロボではなく人として歌ってるんです。そこは歌がパキッと変わっているので注目して聴いてほしいです。

――声で言うと、声優らしいアプローチの曲もありました。

東山 「さよならモラトリアム」ですね。この曲はあまりにも攻めすぎていたので、コンペのときは一度スルーしていたんですけど、何回も聴くうちに、この曲のエモさに気づき、だんだん虜になってしまったんです。レコーディングもいちばん最後だったのでお祭り感があったというか。でもちょっとふざけたテイクが、面白いからこれで行こうみたいになってて、「ちょっとやり過ぎてませんか?」と思うくらい、大人の悪ふざけをした感じでしたね(笑)。

――掛け合いもあるし、ライブでは絶対盛り上がりますよね!それは「未来YELL!」もそうですが。

東山 今回は「ライブで皆さんと盛り上がりたい!」「一緒に歌いたい!」という気持ちが強いので、そういう曲が多いんです。「未来YELL!」の“say, Eh-i Oh-u!”とかもそうですよね。デモのときに、この曲は掛け合いパートがほしいですと希望させていただいて、あとから追加されたんです。でも“Eh-i Oh-u!”は初めてなので、こういう掛け合い方があるんだと思いました。作詞、作・編曲の日景秀徳さんは、以前「オトメイロ」という曲も書いていただいた方なんですけど、今回は青空が見えるような、ブラスバンドの力が強い曲だなと思いました。

――「Living Dying Kissin’」はTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさんの楽曲ですね。

東山 テクノボーイズさんが個人的に好きで、ぜひ書いていただきたいですとオファーさせていただいたんです。そしたらすごく素敵な曲を書いてくださって!

――何やらこの曲には秘密も隠されているそうですね?

東山 twitterで私が言ったことですね。この曲のタイトルは、略すとLDKになるんですけど、「愛という鍵があれば、愛する誰かと人生をルームシェアすることもできるのさ!」っていう、テクノボーイズさんからのメッセージが込められているんです。

――それに気づくのは、結構難しくないですか?

東山 でもちゃんと“傷口ってKeyhole みんな隠して 愛ってKeyが回るのを信じてる”という、すごくカッコいいラップ部分にキーワードがあるんですよ。生きて、死んで、キスしてってタイトルは哲学的な感じもあるけど、ちゃんとLDK=部屋にもかかっていてかっこいい!って思いました。

――おしゃれなギミックなんですね。ライブではどんな反応がありそうですか?

東山 ライブでは多分ダンスが付く気がするので、見せる感じになるのかなぁと思ってます。まだ現状は予想でしかないんですけど。

――ダンスと言うと、やっぱり「Action」ですよね。EDMですし。

東山 この曲は振り付けの先生が喜ぶテンポだと思うんです。どのリズムも拾えるのがすごくて、刻む感じというより、結構ウラのリズムが多いので、どこでリズムを取っても振り付け的にキメられるんですよね。だから、振り付けが楽しみな曲でもあります。

――ダンスはリズムだと言いますしね。

東山 やはり体から音が流れているように見えるダンスがいちばん理想的というか。この歌詞が付くためにメロディが生まれたとか、体から音が鳴っているように見えるダンスとか、相互作用なんですよね。この曲は体で音を奏でるようなダンスができる曲だと思うので、楽しみです。

――そして「青空ダイアリー」が胸キュンソングでしたね。

東山 片想いですし、「Action」よりもティーンエイジャーな感じがあるというか、少女漫画的な曲ですよね。すごくかわいいが詰め込まれていて、サビのところはみんなで手を左右に振れる感じだなと思いました。でもこの曲、サビが二転三転して、最終的にリズムでステップが踏める感じになってるんですけど、一度踏めなくなったときがあって、それは戻してください、とお願いしました。軽やかな感じを残してもらったので、ライブで楽しく聴けるんじゃないかなと思ってます。

――アルバムの中では、「ゆれる」と「奇跡」はバラードですが、「ゆれる」はジャジーな曲ですね。

東山 「さよならモラトリアム」を歌っていた人が歌っても説得力がなくなりますよね、なんて(笑)。退廃的な文字の並びが多いんですけど、私は明るい曲を歌うことが多いので、とことんダークサイドの曲が歌いたいと思ったところから生まれた曲なんです。でも、闇の中でまだ光っている何かはあって、バンドネオンの音からも情熱を感じるんです。闇の中でまだ消えない情熱を諦めずに歌っている。這ってでも進むみたいな、強い女性の歌だなと思いました。あとこの曲はジャズということで、ピアノとドラムとベースは同時に収録したんです。ジャズって即興じゃないですか。なので間奏の畳み掛ける感じが半端なくカッコ良かったので、シビれました。

――「奇跡」はいい曲ですね。

東山 川崎里実さんに書いていただきました。川崎さんも私からお願いしたんですけど、『神のみぞ知るセカイ』の中川かのんの曲で「らぶこーる」を作曲された方で、長らくお世話になってるんです。かのんちゃんがスタァになったのが武道館をモデルにした場所だったんですけど、私が日本武道館で歌うことで、一度は区切りがついていたかのんちゃんのもうひとつのエンディングができたんじゃないかと思うんです。なので今だからこそ、私だけのバラードを、他でもない川崎さんに書いてもらいたいなと思って、全部お任せしました。バラードであれば何でもいいです!と(笑)。本当に押し付けがないというか。モノローグで漏れているものが、ひとりでに染み込んでいくような感覚なんですよね。川崎さんの温かさを感じました。

――「灯火のまにまに」は、アルバムの中で唯一のシングル曲なんですけど、和楽器が印象的な曲だから、入れ込むのが難しかったのではないですか?

東山 でも意外と自然と馴染んだなというか(笑)。和楽器はたしかに個性があるから、それだけで浮いちゃうかもしれなかったんですけど、この曲がいちばん強いなってなるより、アルバムの新曲も強いねってなってほしかったんです。実際そうなったんじゃないかなと思いました。でも、この曲で歌手としての私をいろいろな人に知ってもらえたので、やっぱり何度聴いてもいい曲だなと思いました。褪せないし強い曲ですよね。

――そして東山さんが作詞・作曲をした曲もあります。まずは「群青インフィニティ」です。

東山 全然このタイトルにするつもりはなかったんですけど、Dメロを書いているとき、“放て 群青を!”という歌詞が出てきて、「群青」っていいなと。そこから可能性と空の広さを表すならばインフィニティがいいなという感じで、最後の最後に出てきたタイトルなんです。表題曲だからこそ、キャッチーな曲にしたいと思って、空の広さ、伸びやかさを出しながらロックな疾走感を表現したいなと思ったんです。それはサビの三連符でうまく表現できたかなと思ってます。

――でも、結構ハードな曲ですよね。

東山 私は職業作家ではないので、歌う人の気持ちをまだまったく考えられないんです。メロディ優先みたいになって、これ歌うと結構大変なんじゃ?って(笑)。誰だこれ作ったの? 私だー!みたいな感じだったんですけど、かなりカロリーは消費すると思うので、ダイエットにおすすめです。

――虹というワードが出てくるのもいいですね。

東山 この曲は応援ソングなんですけど、私にとって虹は絆の象徴なので、“またとないこの瞬間を もっと君と輝きたいよ 空へと 何度も何度も虹を架けよう”あたりは、ライブでみんなと一緒に分かち合うための歌詞だと思っています。

――最後の曲「はじまりの空」は名曲ですね。

東山 この曲は1stアルバムの表題曲である「Rainbow」のアンサーソングという立ち位置なんです。たとえば「Rainbow」では“ここにいる 声が聞こえた 浅いまどろみから醒めて ちいさく祈った”とあるんですけど、この曲では“季節がめぐり 小さな祈りが 芽吹くそのときを ただ待つように”という歌詞になってたり、“消えない 2つの星”が”生まれた小さな星を”になっていたり。あとは「Rainbow」では風が、ちょっと試すような風だったんですけど、この曲では“優しい風をつれて 明日を迎えにいこう”というように、風が自分の味方になっているんですよね。だからふたつでひとつみたいな歌詞になっているんです。

――優しく見守ってくれているような、すごく温かい曲ですよね。

東山 聴いてて温かくなるというか、アルバムのラストなのに「はじまりの空」なんですけど、ここから始まっていく感じ。これを聴き終えた人が、明日からまた頑張ろうって、新しい未来の始まりの可能性を感じてもらえる曲になったらいいなと思います。

――それらを引っさげてのツアーがありますね。

東山 今回はツアーなので、近くに来たからと、歌手としての私をまだあまり知らない人も来てくれると思うんです。そういう方にもわかりやすく、手を左右に振ったり、掛け合いをしたりできたらいいなと思っています。多分1番を聴いたら2番からはノれると思うので、幅広くたくさんの方に、楽しかったと、満ち足りた気持ちで帰っていただけるセットリストにしたいなと思っているので、楽しみにしていただけたらうれしいです。

Interview & Text By 塚越淳一


●リリース情報
『群青インフィニティ』
4月3日発売

【初回限定盤(CD+BD)】

品番:VTZL-156
価格:¥3,800+税

【通常盤(CD)】

品番:VTCL-60495
価格:¥3,000+税

<CD>
1. 群青インフィニティ
作詞・作曲:東山奈央/編曲:WEST GROUND
2. Action
作詞・作曲・編曲:KENGO
3. 青空ダイアリー
作詞・作曲・編曲:金井奏馬
4. 灯火のまにまに
作詞:ZAI-ON/作曲:WEST GROUND/編曲:ZAI-ON
5. I Want You To Know Baby
作詞・作曲・編曲:Kyota.
6. さよならモラトリアム
作詞・作曲・編曲:山田裕介
7. Living Dying Kissin’
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
8. ゆれる
作詞・作曲・編曲:篠崎あやと,橘亮祐
9. 奇跡
作詞・作曲・編曲:川崎里実
10. 未来YELL!
作詞・作曲・編曲:日景秀徳
11. はじまりの空
作詞・作曲:東山奈央/編曲:WEST GROUND

<BD>
1.灯火のまにまに Music Clip
2.群青インフィニティ Music Clip
3.群青インフィニティ Making Movie

●イベント情報
アルバム発売記念イベント 「うぉーうぉーしようぜ!!」
4月7日(日)14:00【東京】東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ
4月14日(日)14:00【兵庫】阪急西宮ガーデンズ 本館4 階スカイガーデン・木の葉のステージ
4月28日(日)14:00【愛知】エアポートウォーク名古屋 3F イベントステージ

内容:ミニライブ&特典会(会場別メッセージカードお渡し)
※イベントはフリーでご観覧頂けます。

●ライブ情報
東山奈央 1st TOUR “LIVE Infinity” 
8月12日(月・祝) 大阪 /オリックス劇場 17:00開場 18:00開演
9月1日(日) 名古屋 /名古屋国際会議場センチュリーホール 17:00開場 18:00開演
9月7日(土)・8日(日) / 横浜 / パシフィコ横浜・国立大ホール 17:00開場 18:00開演

主催:
大阪公演/キョードー関西 (問い合わせ:キョードーインフォメーション0570-200-888)
名古屋公演/サンデーフォークプロモーション(問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100)
横浜公演/ソーゴー東京(問い合わせ:SOGO TOKYO 03-3405-9999)

企画・制作:フライングドッグ(全公演)

アジアツアー(追加公演)
9月15日(日) / Legacy Taipei 17:00開場 18:00開演
主催:フライングドッグ
企画・制作:フライングドッグ・avex taiwan inc.
※現地でのチケット販売情報につきましては、追って発表とさせて頂きます。

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