TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』OPテーマ「ワガママで誤魔化さないで」をリリース!THE ORAL CIGARETTES インタビュー

2017年に日本武道館ワンマンを成功させ、2018年6月リリースの最新アルバム『Kisses and Kills』がオリコンのアルバムウィークリーランキング初登場1位を獲得するなど、今や日本の若手ロックシーンを牽引する存在へと成長した4人組ロックバンド、THE ORAL CIGARETTES。そんな彼らのニューシングル「ワガママで誤魔化さないで」は、谷口悟朗監督がおくる最新オリジナルTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』のOPテーマとして制作されたナンバーだ。

今回は、バンドの全楽曲の作詞・作曲を手がける山中拓也(Vo/Gt)はもちろん、鈴木重伸(Gt)、あきらかにあきら(Ba/Cho)、中西雅哉(Dr)のメンバー全員にインタビューを敢行。過去にもアニメ作品とのタイアップ曲を制作し、LiSAと対バンを行うなど、アニソンシーンとも少なからず繋がりのある彼らに、新曲に込めた作品への想い、そして好きなアニメについて語ってもらった。

――昨年6月に発表されたバンドの最新アルバム『Kisses and Kills』は、オリコンの週間ランキング初登場1位を獲得するヒットとなりましたが、自分たちとしてはどのような作品になったと感じていますか?

山中拓也 それまでの作品は、お客さんのノリやすさ・わかりやすさを考えて作ってたところがあったんですけど、『Kisses and Kills』はそこをあまり意識せず、より自分たちが表現したい世界観を追求して作ったので、僕ら的にはすごく自信があったんですけど、「もしかしたら売れないかも?」という気持ちもあったんです。でも、セールス的にも世間的にも評価されて、今までのファン以外の人にも届いたことが伝わってきたので、すごく手応えを感じることができました。

あきらかにあきら 制作してるときは、世間的なバランスと違う感覚で作ることに対する葛藤があったんですよ。だから「もうちょっとお客さんのことを考えたものを作ったほうがいいんちゃうかな?」と思うこともあったんですけど、(山中から)上がってくる曲のデモを聴いたら、それはそれでかっこいいから、とりあえずやってみようということで進めていって。結果、バンドの考えがアップグレードしていくきっかけになったので、そういう意味では新しい壁を越えられた作品になりましたね。

――そのアルバムでの成果が、今回のニューシングル「ワガママで誤魔化さないで」の制作にも活かされた?

山中 この曲は逆に「よりポップなもの」に挑もうと思って作ったんです。『Kisses and Kills』のときに、自分の頭の中で鳴っている音をより具現化するための方法をいろいろと勉強できたので、じゃあこれを作ったうえでもう一度お客さんの求めるものに合わせて自分たちなりのポピュラーなものを作るとしたら何ができるんだろう?と思って。

――「ワガママで誤魔化さないで」はTVアニメ『revisions リヴィジョンズ』のOPテーマですが、作品ありきで制作した楽曲なのでしょうか。

山中 楽曲的には、元々ふんわりとしたデモがあったんですよ。で、タイアップのお話をいただいて、OPテーマのミーティングに参加したんですけど、そのときにアニメのスタッフの方から「『revisions リヴィジョンズ』はモンスターと戦うことをメインに描いたアニメではありません」と断言されたんです。僕は「いや、最初からモンスターみたいなの出てきますよね?」と思ったんですけど(笑)、これは主人公の心境や感情にフォーカスをあてたい作品だということを聞いて、「この曲がめっちゃ合うかも!」と思ったんです。

――『revisions リヴィジョンズ』という作品に対しては、皆さんどんな印象を持ちましたか?

山中 僕はNetflixで全話観まして。最初の方はいろんなことが起こりますけど、だんだん主人公の右往左往する感情が描かれるようになって、さらにそこにまつわる人たちの感情もプラスされていって、最終回なんてもう感情の渦がすごくて「どういうこと?」と思いましたね(笑)。でも、最初の時点で「主人公の感情にフォーカスをあてる」と教えていただいたからこそ、今回は物語の最後までしっかりと寄り添えるOPテーマが書けたと思ってます。

あきら 僕は放送前の試写会を観に行ったんですけど、そのときに(谷口悟朗)監督さんがトークショーで「第1話に虐殺のシーンがあるのは、『このアニメは血が出ますよ』ということを視聴者に伝えるため」ということをおっしゃっていて。これは大人が観て楽しめるように作った作品なんだな、と思ったんですよ。その後にNetflixで最終回まで観ると、主人公やほかのキャラの性格や感情が変化していくところが、この曲の展開が多いところとハマっているなと思ったし、オープニングのアニメでキャラクターたちが曲の譜割りに合わせて歌ってくれたり、歌詞に合った情景を差し込んでくれたりしてて、すごく愛を感じましたね。

鈴木重伸 僕はTVで観てるのでまだ全話は観てないんですけど、1話目の主人公はまあヤバいやつじゃないですか(笑)。でも、渋谷という街が大きく変わって、それまで「悪」と思っていたものが急に「正義」になったりして、最初から惹き込まれましたね。それに1話目からいろんな伏線が散りばめられてましたし、そもそも僕はアニメが大好きなので、「これはどういうふうに回収していくんやろう?」と思いながら、普通に楽しんでます(笑)。

中西雅哉 僕も『エヴァ(新世紀エヴァンゲリオン)』とか『コードギアス』みたいなアニメが大好きなので、最初はそういうSFバトルもののアニメなのかな、と思って楽しみにしてたんですよ。でも、アニメを観ていくとだんだん人と人との感情が描かれるようになって、「まさか戦っている相手が……」というところもあって、観方が急に変わりましたね。例えば敵がエイリアンとかやと、もっと思い切り戦えますけど、それが対人間になったときの人の感情は、こういうふうに捉えてしまうんやなあと思って。想像と全然違う角度の作品だったので、もっと先が観たいと思いながら観てましたね。

――皆さん普通のバトルものではないところに魅力を感じられたんですね。そんな本作のOPテーマとして、山中さんはどのようなことを意識して今回の楽曲を作詞・作曲されたのですか?

山中 元々作っていたときから仮の歌詞があったんですけど、それは主人公が定まっていない客観的な内容だったんですよ。でも、この『revisions リヴィジョンズ』のお話をいただいたことで、まず歌詞の中に主人公を作って、ひとりの人物の視点をしっかりと立てて歌詞を作り直していったんです。

――その歌詞の主人公は『revisions リヴィジョンズ』の主人公・堂嶋大介をイメージしたもの?

山中 もちろんイメージしましたし、自分が共感できる部分をいくつかピックアップして、歌詞に入れ込んでいきましたね。そこで「ワガママ」がキーワードになるんですけど、自分は『revisions リヴィジョンズ』の主人公に対して「本物の〈ワガママ〉とは一体なんなのか?」ということを思ったんです。彼は「自分が責任を背負ってる」というすごい使命感を持ってるけど、周りの人たちは別にそんなことを思っていなくて。で、何かが起こったときに「俺がいちばん考えてるんだから、お前らは言うことを聞けよ!」っていう部分。その「お前らはそこまで考えてないだろ!」っていうわがままが出たときに、「あっ、何年か前の俺に似てる!」ってすごく思ったんですね。自分も正直、「いや、だって俺がいちばんオーラルのこと考えてるし」みたいな考えがすごくあったんです。

――そのことは他のメンバーの皆さんも感じてたのでしょうか。

あきら鈴木中西 (無言でうなずく)

山中 ほら、みんなめっちゃうなずいてる(笑)。その頃の自分は、周りへの感謝がまったくないわがままみたいなときがあって。この曲の歌詞を書いているときは、「バンドとしてのわがままってなんなんやろう?」と考えてたんですけど、その1年ぐらい前は僕個人のわがままについてめっちゃ考えてたんですよ。そこが作品とうまくハマった共感ポイントのひとつでしたね。

――なるほど。

山中 で、ストーリーが進んでいくなかで、主人公がだんだん自己欲求を満たすためではなくて、本当に誰かを守りたいと思う気持ちに気づいていく様を観て、まるで自分を見ているかのような気持ちになったんです(笑)。だから『revisions リヴィジョンズ』には一貫して共感できる部分が多くて、歌詞もそれを落とし込んで、1番から段階を経て3番で最終的に気づく、というふうにわかりやすく順序立てて作りました。

――主人公の姿に自分自身を投影できるぐらい、作品自体に共感できたんですね。

山中 観ながら「めっちゃわかるわー!」って言ってましたもん(笑)。

鈴木 僕は暗黙の了解で本人に歌詞のことは聞いてなかったし、「このアニメのことを言ってるんやろうな」ぐらいにしか思ってたので、今、拓也の話を聞いて本当に驚いてますね(笑)。だって、そんなん初めてじゃない?

山中 初めてかも。

――ちなみに主人公の大介が劇中で「本当に守りたいもの」に気づくように、山中さんが見つけた「本当に守りたいもの」とはなんですか?

山中 僕は昔からずっと、京都大学や神戸大学を出てるあきらとシゲ、年上の先輩だった雅哉をバンドに誘ってしまったことに対して、「自分がなんとかせな」と思ってたところがあって。でも、それはメンバーを守りたい気持ちというよりは、この山中拓也という人間が周りから見られたときに、しっかり面目が立つよう、ただ自分を守りたいだけのものやったんです。でも、こうやって何年も一緒にバンドをやってきて、いろんなことを乗り越えたなかで最終的に気づいたことが、まず自分が進んでいくよりも、メンバーを理解したうえで進んでいくということ、それと俺は自分自身ではなくてオーラルを守らなくてはいけない、ということで。自分は主役でもなんでもなくて、俺は俺で仕事があるし、あきらはあきら、シゲはシゲ、雅哉は雅哉、スタッフはスタッフで仕事がある。それは全部平等やし、そのなかで全員でオーラルを守っていこうよ、っていう。そう考えるようになって自分自身もすごく楽になったし、メンバーとのやり取りもより楽しくなって。俺にとってはそれが、今まで気づけなかった本当に守りたいもの、守らなくちゃいけないものやなと思って……こんなしゃべったの初めてですよ、熱くなっちゃった(笑)。

あきら ひとりになってたかもしれへんけど、みんないるで(笑)。

――今の山中さんの言葉を聞いて、他のメンバーの皆さんはなにか思うところはありますか?

鈴木 たしかに(山中は)使命感というのはすごく出てるんですよ。過去と今とでは出し方は違うと思うんですけど。それとよくあるのは、歌詞の中に当時拓也が葛藤していたもの入ってて、あるとき曲を聴いてそれが自分にすごく刺さることがあるんです。そういうことが何回もあるので、自分自身は後ろを歩いてるんやなと思うし、面白い刺激を与え合えるように頑張りたいなと思う今日この頃ですね。昔は支え合わなきゃとか、落としたものを拾わなきゃと思ってましたけど、そういう感覚が変わってきたところはあります。

――そういう意味でも、今のバンドは調子の良い状態にあるみたいですね。

山中 僕は「めっちゃ調子いい!」って思ってるんですけど(笑)。

あきら バンドというのは面白いもので、彼の調子がいいときは僕も調子いいし、だいたいハマるんですよ。さっきの拓也の話にしても、直接言葉にされたことはないですけど、日頃の会話の温度感でなんとなく伝わってはいたし。だから言わないことも多かったんですけど、言葉にするとより一層シンクロ率が上がるのかなとは思いますね。まあ言いすぎるとウソっぽくなるからバランスが重要なんですけど。だから今は調子がいいです。

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