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INTERVIEW

2019.03.13

TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』OPテーマ「ワガママで誤魔化さないで」をリリース!THE ORAL CIGARETTES インタビュー

TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』OPテーマ「ワガママで誤魔化さないで」をリリース!THE ORAL CIGARETTES インタビュー

――歌詞は山中さんの心境が反映されたものになっていますが、サウンドはどのように組み立てていかれたのですか? 特に今回の楽曲はホーンが肝になっていますが。

山中 ホーンに関しては、元々入れていたんですよ。自分の中で鳴ってたのでどうしても入れたくて。

中西 最初、彼がずーっとホーンを入れる作業をしてて、全然進まなかったんですよ(笑)。

山中 でもそれぐらい、この曲はホーンが大事というイメージがあったんですよね。なのでバンドのサウンドも、より艶っぽく色っぽくしてて、立体感が出てすごくいい感じに混ざってると思いますね。

鈴木 今まではバンドで鳴らせる以外の音、ホーンとかが主線レベルで前に出ることがあまりなくて、そういう部分はギターで埋めてることが多かったんですよ。でも、ギターは音程が決まってるし、音色もエフェクターをかませば多少は変わりますけど限界があるので、そればっかじゃあかんなというところがあって。あと、自分は元々歌メロに合わせて同じメロディをギターで弾くことはあまりなかったし、それをなかなか受け入れられないタイプだったんですけど、この曲はそもそも「ポップにしたい」という話だったので、そこに対してはスマートに対応することができたと思いますね。

中西 この曲は拓也が持ってきた時点で明確なイメージが出来上がってたので、それに合わせて歌ありきで考えながら作業したのはいつもと同じアプローチなんですけど、今回はホーンが主役だと思ったので、リズムもそれを立てるように組み立てていったんです。あと、曲のド頭のドラムだけのところに歌が入ってくるのは新しいなと思ったんですけど、ドラマーって孤独で、シンプルなのがいちばん怖いんですよ。初めてライブで演奏したとき、今までにないぐらい緊張しましたもん(笑)。いつもはみんなせーのでバーンって入るのに、自分の音しか鳴ってないので、ちょっと不安でしたね。

あきら いつもどおりのアプローチでやってるところに関しては、もう当然と思うぐらい身体に入ってるので、すんなり曲に寄り添えたんですけど、この曲はデータ上で音をどんどん積み上げたり、それぞれのパートを加味して組み上げていったので、ベース以外のパートも意識しながら作ることができたんです。だからシゲのフレーズも普通に口ずさめるし、より曲として制作に向き合えたと思うことが多くて。それと今回はTVサイズのAメロの頭のところがベースだけになるので、そこのフレーズはすごくこだわりましたね。

――ホーンの音の都会的な華やかさとオーラル特有のダークな雰囲気が合わさっていて、歌詞の中に「渋谷」というワードが入っていることも相まってか、サウンド的に都会の光と影が入り混じっている様子が表現されてるようにも感じました。

山中 元々は「東京」という街の映像を思い浮かべて書いた曲だから、そういう曲調になったのかもしれないですね。あと、オーラルは今後そういうバンドになっていく気がしてるんです。というのも、僕らはこれまでずっと音楽に特化してきましたけど、最終的な目標としては、ロックシーンや音楽シーンのなかでいろんなカルチャーを発信していきたいんですよ。なのでアニメのタイアップのお話もすごくありがたいんですよね。僕らは武道館公演で書道家とコラボしたり、『Kisses and Kills』のリリース時にコンセプトバーを開いて、そこでライブペイントをやってもらったりしてて。これからも信頼できる人や作品と一緒に、音楽だけではない自分たちのカルチャーを発信したいので、最近は自分たちだけじゃなく、街とか空間というものを意識して曲を作るようになってきてるんです。今回のシングルに関してはカップリングも含めてそういう色が出てるし、これからのオーラルを提示するシングルになってるのかなと思って。

――たしかにカップリング曲の「Color Tokyo」は、まさにそのお話どおりの曲になってますね。

山中 「Color Tokyo」は自分たちの今を全部詰め込んでるような楽曲になってるので、2年後に振り返ったときに「この曲が実は始まりだったんだ」みたいなことになるような曲にしたかったんです。まあ僕らはカップリング曲だとは思ってないんですけど。

――「Color Tokyo」はどんなコンセプトで書かれた曲なのですか?

山中 この曲は自分たちから見た東京のことを表現してるんです。僕らは東京に上京してきて5年目になるんですけど、最初の頃は全然魅力を感じられなくて、あれだけワクワクしてたのに街が白黒に見えたし、いろんな人の孤独を感じて、「さみしい街やな、田舎の方が全然あったかいな」と思ってて。でも、それから5年の間に、いろんなところに顔を出させてもらったり、いろんな友達ができて、自分たちが成長していくなかでだんだん東京が色づき始めてるのを感じ始めて、最近ようやく「これが僕らの東京の色なのか」というのを感じたんです。そこで「色」をテーマに自分なりのこの5年間の東京を表現しようと思って出来たのがこの曲で。これが来年の東京オリンピックに繋がったらより面白いことになるなと思って書いた曲なんです。

――ホーンがメインのソウルフルなサウンドと、艶やかなバンドサウンド、雰囲気もテンポも全然違うふたつの曲調が突然混ざり合う構成になっていて、最初に聴いたときは驚きました。

山中 曲を作るときに、ペインターとか自分たちの友達の顔、自分たちが身を置いていた場所、いろんな場面が、とぎれとぎれのコラージュみたいにバーッと思い浮かんでしまって。その混ざり切ってないカオス感を「どうやって表現しよう?」と思ったときに、まったく違う空気感の2曲を張り付けてしまえと思ったんです。実はAメロもBメロもサビも間奏もギターソロも、僕にとっては全部コラージュで、全然違う年代に作った曲をくっつけたり、いろんなフレーズを入れ込んだりしてるんですよ。サウンド的にも歌詞的にも表現したいことが形にできたし、メンバーのいいところも聴けるし、自分的には今まででいちばんと言ってもいいぐらい納得いってる曲かもしれないです。シングルの取材でこんなん言うのもなんですけど(笑)。

あきら 僕もずっとワクワクしながら制作が出来た曲ですし、この曲が世に出たときの反応にもワクワクしますね。バンドが止まることなく進む雰囲気しかしなくて、「これからどこまでいけるんやろう?」と思ったし、何より僕は歌詞に感動して。絵の浮かぶ歌詞を書ける人がバンドにいるのは強いなと思ったし、シングルの取材で言うのもなんですけど、僕もこれが推し曲ですね(笑)。

――表題曲もカップリングも含めて自信作になったと(笑)。それと今回は「リスアニ!」の取材ということで、アニメとのタイアップで楽曲を作ることについて、どのように捉えてらっしゃるのかも聞きたいのですが。

山中 さっきも少し話しましたけど、何か別の業種でやってる人たちとコラボするワクワクが強いですね。音楽だけじゃないやり方で発信できることがすごくうれしいし、最終的に僕らがめざす場所に繋がるのですごくありがたいですし。それといい意味で曲が書きやすいですね。僕は昔から映画を観たあとに曲を作ることが多かったので、ストーリーが明確にできてる映像に対してだと曲がすごく書きやすいんです。でも、その代わり自分たちにしっかりと合う作品じゃないと絶対にやらないですし、それは僕らだけの問題ではなくて、タイアップする作品にも失礼になるので、めっちゃ考えますね。

――過去には「狂乱 Hey Kids!!」(『ノラガミ ARAGOTO』OPテーマ)や「トナリアウ」(『サクラダリセット』EDテーマ)も手がけてますが、タイアップ曲を作るにあたって心がけてることは?

山中 アニメのタイアップのときがいちばん曲のバランスを考えますね。コード進行とかサビ前のキメとか、いろんなことを考えて……なんか本試験みたいな感じですね(笑)。

あきら 今まで学んだことをそこで出すわけね(笑)。

山中 そうそう。全部出す場所という気がします。だから言うなれば「Color Tokyo」とかは模試なんですよ(笑)。「これやってみたろ!」ってちょっと冒険してみる場というか。そういういろんなところで培った技術とか知識をフルで使って、なおかつ需要に応えられるように、いちばん頭を使って曲を作るのがタイアップ曲の気がします。

――それだけ気合いを入れて制作されてるからこそ、「狂乱 Hey Kids!!」も今やライブでのアンセム曲に成長してるんでしょうね。

山中 「狂乱 Hey Kids!!」はすごかったですね。前に居酒屋で、全然知らないお兄ちゃんに「この曲めっちゃいいんですよ!」って言われたんですよ(笑)。「それ、僕です」って言ったら「えーっ!」ってなってました(笑)。あと、自分の兄貴が前にアメリカに住んでたんですけど、バーで飲んでたときに、ふたりの女性客が『ノラガミ』の話をしてて、「狂乱 Hey Kids!!」をお店で流したらしいんですよ。それで兄貴が「マイブラザー!」って教えたら「オーッ!」って盛り上がったらしくて(笑)。

――海外の飲み屋でも流れるなんて、やっぱりアニメの力はすごいですね(笑)。では最後に、皆さん普段はどんなアニメをご覧になってるのか教えていただけますか?

あきら ちょうど最近『まどか☆マギカ(魔法少女まどか☆マギカ)』を観たんですけど、本当に面白くて。あんなにダークなアニメやとは思わなかったんですよ。僕らのライブでコラージュっぽく歌詞を出す絵本劇みたいな映像を使ったんですけど、それが『まどか☆マギカ』の世界観と近くて、自分たちの表現にも繋がるものがあることを今さらながら気づいて。しかも1クールであれだけ面白いし、絵に惑わされていたので完全にやられましたね。さすがみんなが言うだけはあるなあと思ったし、熱くなる気持ちもわかりました(笑)。

鈴木 僕は片っ端から観てるんですよ。そもそもマンガ誌も少年誌から何から読んでるので、「ついにあれがアニメ化するんですね」という感じで観てるのが多いですね。だから挙げたらキリがないんですけど……今のクールだと『約束のネバーランド』ですね。そもそもマンガを読んでたんですけど、そりゃあ単行本がバカ売れするでしょうね、と思っていたので。あと、アニメ化されると声優さんが誰になるのかも気になるじゃないですか。なかなか残酷なお話ですし。

中西 僕は最近改めて『ガンダム』シリーズを観返してます。こないだ観たのは『機動戦士ガンダム MS IGLOO』というフルCGの作品なんですけど、最初は「ガンダムのCGアニメ?」と思って観てたんですけど、『ガンダム』ってやっぱり人対人の物語じゃないですか。それがすごく大人に描かれてて、ウワーッと思って。そこから改めて『ガンダム』は面白いなと思って、今はファーストから観直してますね。

山中 僕は元々スロッターやったので、スロットからの影響がすごくデカくて(笑)。『エウレカ(交響詩篇エウレカセブン)』とか『ルルーシュ(コードギアス 反逆のルルーシュ)』『エヴァ』はもちろん、『バジリスク(バジリスク ~甲賀忍法帖~)』も観ましたね。「アニメを全部観てから打つのがスロット台への礼儀」という意味の分からん考えを持ってたんので(笑)。あっ、それと面白いエピソードが一個あって。僕、『るろうに剣心』が好きすぎて、THE ORAL CIGARETTESを結成したときのいちばん最初のバンド名が「ミツルギ」やったんですよ(笑)。その名前のままやと、たぶん売れへんかったな(笑)。

Interview & Text By 北野創(リスアニ!)


●リリース情報
New Single
「ワガママで誤魔化さないで」
3月13日発売

【完全生産限定盤(CD+DVD)】※10,000枚限定、スリーブケース仕様
品番:AZZS-86
価格:¥2,000+税

【通常盤(CD)】
品番:AZCS-2074
価格:¥1,200+税

<CD>
01. ワガママで誤魔化さないで
02. Color Tokyo
03. Like the Music
04. ワガママで誤魔化さないで(Instrumental)

<DVD>
2018年9月から11月にかけて行われた「Kisses and Kills Tour Live house series 〜Directly to various places〜」に密着した Live&Documentaryを収録

CDショップ(オンラインショップ含む)購入特典
BKW!!カード(ワガママで誤魔化さないで ver.)
「ワガママで誤魔化さないで」
各音楽配信サイトにてダウンロード・サブスクリプション配信スタート

●作品情報
TVアニメ『revisions リヴィジョンズ』
フジテレビ「+Ultra」にて放送中

毎週水曜日24:55から放送
NETFLIXにて日本先行全話一斉配信

ほか、関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジにて

【スタッフ】
原作 S・F・S
監督 谷口悟朗
CG監督 平川孝充
シリーズ構成 深見真/橋本太知
キャラクターデザイン原案 近岡直
メカデザイン 新井陽平
CGキャラクターデザイン 白井順
BGコンセプトアーティスト 白田真人
MattePaintディレクター 大西穣
美術・設定 坂本竜
色彩設計 長尾朱美
撮影監督 高橋和彦
編集 齋藤朱里
音響監督 明田川仁
音楽 菊地梓
企画 スロウカーブ
アニメーション制作 白組
制作 リヴィジョンズ製作委員会
オープニングテーマ THE ORAL CIGARETTES「ワガママで誤魔化さないで」(A-Sketch)
エンディングテーマ WEAVER「カーテンコール」(A-Sketch)

【キャスト】
堂嶋大介 内山昂輝
ミロ 小松未可子
剴・シュタイナー 島﨑信長
露・シュタイナー 高橋李依
手真輪愛鈴 石見舞菜香
浅野慶作 斉藤壮馬
チハル・イスルギ 日笠陽子
ムキュー・イスルギ 田村ゆかり
堂嶋幹夫 櫻井孝宏
矢沢悠美子 遠藤 綾
黒岩亮平 てらそままさき
牟田誠一郎 飛田展男
泉海香苗 寺崎裕香
ニコラス・サトウ 大塚芳忠

©リヴィジョンズ製作委員会

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