【リスアニ!LIVE 2019】初日“FRIDAY STAGE”ライブレポート

アニメ音楽誌「リスアニ!」の主催による恒例の一大ライブイベント“リスアニ!LIVE 2019”が、1月25日(金)から27日(日)までの3日間、東京・日本武道館で開催された。今年で9回目を迎えた今回の公演には、アニメ音楽のシーンを中心に活躍するアーティスト、総勢19組が集結。全曲生バンドによる演奏というこだわりのもと繰り広げられたステージでは、数々の名場面が生まれた。その1日目となる“FRIDAY STAGE”は、PENGUIN RESEARCH、May’n、LiSAの3組がそれぞれに情熱的なパフォーマンスをぶつけ合う、熱狂的な一夜となった。

初日のトップバッターを飾ったのは、今やアニメ音楽シーンに留まらず様々なロックフェスにも出演し、“ロックヒロイン”の名をほしいままにしているLiSA。“リスアニ!LIVE”には2010年の初開催から2017年まで皆勤賞だった彼女は2年ぶりの登場となる。Pay money To my PainのメンバーでもあるギターのPABLO aka WTF!?らを含む自身のライブバンドとともにステージに現れた彼女は、そのPABLOがアレンジを担当した「ROCK-mode’18」でライブをスタート。重々しくも起爆力を備えた演奏に会場の熱気はいきなり沸点まで上昇し、LiSAの「いくぞ!」の掛け声と同時に武道館は爆発的な盛り上がりを見せる。歌詞の“たりらたりら”というフレーズでの大合唱も込みで、最高の立ち上がりと言えるだろう。

 

そこから間髪入れずスピーディなロックチューン「Thrill, Risk, Heartless」を畳みかけ、青いレーザー光線が飛び交うなか、LiSAはワイルドかつどこか艶めかしさを感じさせる所作と突き抜けるようなハイトーンボイスで、オーディエンスの心を次々と撃ち抜いていく。「“リスアニ!LIVE”ただいまー!」と挨拶した彼女は、ここで3日間続く公演を盛り上げるために、みんなで一体になって盛り上がれる振り付きの楽曲を持参してきたと語る。続けて彼女はその振り付けをバンドメンバーとともにレクチャーし、キュートでかわいらしい曲調の「スパイシーワールド」を披露。投げキッスをしたり、ステージ中央に置かれたステップに腰かけて歌唱したりと、自由奔放かつ楽しそうな振る舞いでお客さんを魅了していく。

そしてこの日の彼女のライブでの最大のハイライトとなったのが、最新シングル「ADAMAS」のパフォーマンスだ。このナンバーは『ソードアート・オンライン アリシゼーション』の第1期OPテーマにして彼女の新たな代表曲になっているのだが、その楽曲自体が内包する熱量をライブでさらに高めるための演出として取り入れられているのがLiSA自身による太鼓を使ったパフォーマンス。ステージにはいつの間にか太鼓が用意され、彼女は手に持ったバチを思い切りよく振り下ろして、その髪を振り乱さんばかりのパワフルな動作と歌声によって、観るものの意識を鼓舞し、扇動するのだ。その熱気に煽られるように「ウォーオーオー」と声を揃えて歌うオーディエンス。ラストのサビでの驚異的な高まりと一体感は、まさしく新しいアンセムの誕生を告げるものだった。最後はもはや彼女のライブに欠かせない楽曲になっている「Catch the Moment」で大合唱の光景を生み出し、ラストは満足げな表情でピースサインを決めて「ばいち~!」とステージをあとにした。

<セットリスト>
LiSA
M01. ROCK-mode’18
M02. Thrill, Risk, Heartless
M03. スパイシーワールド
M04. ADAMAS
M05. Catch the Moment

その盛大な開幕に負けず劣らずのエネルギッシュ極まりないステージングで圧倒したのが、今回が“リスアニ!LIVE”初登場となる5人組ロックバンドのPENGUIN RESEARCH。2018年夏には日比谷野外大音楽堂での野外ワンマンを大盛況で成功させ、今最高にホットなライブを見せてくれるバンドとして赤丸急上昇中の存在だ。バンドとしては初めて日本武道館の舞台に立つ彼らは、生田鷹司(vo)の「武道館、俺らとも一緒に遊んでくれよー!」という言葉を引き金に、まずは現時点での最新シングル「WILD BLUE」を投入。スクリーンに映る青い炎の映像を背中に受けながら、まさに燃え上がるような演奏とストレートに突き刺さる歌声でオーディエンスを先導していく。

続くハード&疾走感溢れるロックナンバー「嘘まみれの街で」では、堀江晶太(b)と神田ジョン(g)の竿楽器隊もステージのフロントへと前進し、まるでライブハウスのような雰囲気で会場に熱を伝えていく。「LiSAさんとMay’nさん、素敵なおふたりに挟まれて、ガチャガチャうるせえバンドがやってきましたよ!」(生田)と威勢よく挨拶をかました彼らは、次いでデビューシングルにして『デュラララ!!×2 結』のEDテーマ「ジョーカーに宜しく」を披露。柴﨑洋輔(key)の奏でるジャジーかつ鮮烈なフレーズと新保恵大(ds)のタイトに引き締められた怒涛のドラム捌きも素晴らしく、さらに神田のギターソロが激情的な色味を加えていく。

 

ここで「せっかくだからコラボやっちゃっていいかな?」(生田)とステージに迎え入れられたのは、先ほど熱いライブを見せてくれたばかりのLiSA。この2組、同じSACRA MUSIC所属のアーティストという繋がりのみならず、実はベースの堀江晶太がLiSAの楽曲を多数アレンジしているという縁もある(この日のライブで披露された「Thrill, Risk, Heartless」「ADAMAS」も堀江が編曲している)。そんな彼らの初コラボ楽曲となったのは、堀江がアレンジを手がけたLiSAの代表曲のひとつ「Rising Hope」。ゴリゴリの演奏もさることながら、やはり見せ場となったのは生田とLiSAによる掛け合いだろう。サビの高音部分も原曲のキーそのままで歌いこなす生田、彼をリードしながら高みへと押し上げていくLiSA、その二人がコブシを突き出し合って“Rising Hope!!”と決めるシーンは多くの人の心に熱く焼き付いたはずだ。

彼らのステージはLiSAを見送ったあともヒートアップし続け、すさまじいスピード感でジェットコースターのように駆け抜けていく「敗者復活戦自由形」では、超技巧派でもある彼らの本領が発揮され、レーザーが飛び交うなかをアグレッシブなパフォーマンスで一気に畳み掛けていく。そして彼らがこの日最後のレパートリーとして選んだ楽曲は、「敗北の少年」。どれだけ打ちひしがれたとしても地を這ってでも生きる、その意味を問うたこの楽曲はおそらく、楽曲を手がけた堀江の表現の根幹にある大切なものなのだろう。そんな大きな意味を感じさせるエモーショナルなセルフカバーで観客の心に爪痕を残し、PENGUIN RESEARCHは初の武道館でのステージを締めくくった。

<セットリスト>
PENGUIN RESEARCH
M01. WILD BLUE
M02. 嘘まみれの街で
M03. ジョーカーに宜しく
M04. Rising Hope(with LiSA)
M05. 敗者復活戦自由形
M06. 敗北の少年

“リスアニ!LIVE”1日目のトリという大任を務めたのは、2010年代のアニメ音楽シーンをリードし続けてきたMay’n。客席からは早くも彼女の愛称である「部長」コールが上がるなか、『劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』の挿入歌として知られるシェリル・ノーム曲「ユニバーサル・バニー」のイントロが流れた途端に万雷の歓声が上がる。「燃え尽きろ、武道館!」と檄を飛ばしたMay’nは、しなやかかつ力強い美声を武道館いっぱいに響き渡らせる。Dメロの無機質なアンドロイドめいたパートからはダンサーも登場し、そこから一転、パワフルな絶唱で観るものを昇天へと導く。そして軽快なテンポのきらびやかなハードチューン「ViViD」へとなだれ込み、ダンサーとのシンクロした動きも込みで華やかに魅せる。

さらに彼女のMay’n名義での1stシングル「キミシニタモウコトナカレ」のイントロが始まり、May’nが冒頭の一節を歌ったかと思えば、ここでLiSAが呼び込まれてステージ後方から登場。抱擁し合った彼女たちは、ふたりで同曲をコラボで分け合いながら歌っていく。サビ部分でお互い向き合いながら指をさして伸びやかな声を重ねるその姿は、まるでここまでシーンの最前線でサバイブしてきたお互いを称え合う戦友のような趣きだ。「大好きなLiSAちゃんと歌ってめっちゃパワー注入されました!」と喜色満面で語った彼女は、続いて「ひとりひとりに思いを絶対に届けたくて」と彼女とシェリルを代表する楽曲「ダイアモンド クレバス」を、ひとつひとつの言葉を噛み締めるように歌唱。青いライトが神秘的な雰囲気を生み出すなか、情感豊かな歌声で思いを届けていく。

その崇高な光景が感動を呼んだのに続き、ステージ中央でピンライトに照らされたMay’nは、まずゆっくりと息を吸ってアカペラで「Belief」の冒頭の一節を歌い始める。その朗々とした歌声にやがてハードなバンドサウンドが重なって、May’nの「武道館、声出せるんですか?」という声に応じて会場は一気に熱狂の渦へと突入。聴く者の心を奮い立たせるような熱い歌唱と抑揚の効いたメタリックなサウンドが一丸となって熱い高まりを生み出していく。さらに「どうしてもみんなに伝えたくて、このライブナンバーを持ってきました」と投入されたのは、「Belief」と同じくラウドロックバンドのSALTY DOGが提供したナンバー「AMICITIA」。息つく暇もなく展開していく劇的なサウンドとMay’nの逞しい歌声が導く先は絶頂の世界。彼女は「叫べ、武道館!」と煽って会場から絶叫のような大合唱を引き出してみせる。

そして「今日の声は今日で使い切りませんかー!」と客席のボルテージを極限まで引き上げた彼女が、この日の最後を最高の気分で締め括るために持ってきたのは、おそらくこの場にいた誰もが期待していたであろうシェリル・ノームの人気曲「射手座☆午後九時Don’t be late」。お馴染みの「持ってけー!」のフレーズではみんなが声を張り上げて気持ちをひとつにし、間奏の「オイ!」コールでその一体感はエクスタシ―へと転化していく。『マクロスF』の放送、そして楽曲のリリースから10年以上が経った現在も決して古びることなく、むしろ時間の経過とともに演者とファンそれぞれの思いがさらに蓄積されていることが実感できた瞬間だ。アニメソングは、その作品の物語を彩るのみならず、歌い手であるアーティスト、そしてそれぞれのファンのストーリーを背負って成長していくのだろう。May’nはパフォーマンス終了後、感無量の表情で「めっちゃ楽しかった!」と語っていたが、おそらくその場にいた全員が同じ感想を抱いていたはずだ。

<セットリスト>
May’n
M01. ユニバーサル・バニー
M02. ViViD
M03. キミシニタモウコトナカレ(with LiSA)
M04. ダイアモンド クレバス
M05. Belief
M06. AMICITIA
M07. 射手座☆午後九時Don’t be late

TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
PHOTOGRAPHY BY 能美潤一郎、松本建彦


※2日目“SATURDAY STAGE”と最終日“SUNDAY STAGE”のライブレポートはこちら

●配信情報
“リスアニ!LIVE 2019”ライブ&コメント映像配信中!
【1月25日(金)“FRIDAY STAGE”】
[配信スケジュール]2019年2月15日(金)0:00~2019年3月14日(木)23:59まで
[配信アーティスト(五十音順)]PENGUIN RESEARCH/May’n/LiSA

【1月26日(土)“SATURDAY STAGE”
[配信スケジュール]2019年2月16日(土)0:00~2019年3月15日(金)23:59
[配信アーティスト(五十音順)]アイドルマスター SideM/ASCA/田所あずさ/TrySail/水瀬いのり/やなぎなぎ/ReoNa

【1月27日(日)“SUNDAY STAGE” 】
[配信スケジュール]2019年2月17日(日)0:00~2019年3月16日(土)23:59
[配信アーティスト(五十音順)]アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ/GARNiDELiA/KOTOKO/JUNNA/鈴木みのり/halca/宮野真守

すべて動画配信サービス「GYAO!」内の特設サイトにて配信

※配信映像はすべてフル尺でライブそのままの映像をお届けいたします。
※1アーティスト1曲のみの配信です。
※三月のパンタシアとCHiCO with HoneyWorksの配信はございません。
※スマートフォンでの視聴は「GYAO!」アプリからのみ可能です。

●放送情報
[放送局]
音楽チャンネルMUSIC ON! TV(エムオン!)

[放送日時・放送アーテイスト]
■4月28日(日)19:00~20:00
FRIDAY STAGE
PENGUIN RESEARCH/May’n/LiSA

■4月28日(日)20:00~22:00
SATURDAY STAGE
アイドルマスター SideM/ASCA/田所あずさ/TrySail/水瀬いのり/やなぎなぎ/ReoNa

■4月28日(日)22:00~24:00
SUNDAY STAGE
アイドルマスター ミリオンライブ! ミリオンスターズ/GARNiDELiA/KOTOKO/JUNNA/鈴木みのり/halca/宮野真守

※三月のパンタシア、CHiCO with HoneyWorksの放送はございません

“リスアニ!LIVE 2019”番組ページはこちら

番組の詳細や視聴方法は、MUSIC ON! TV(エムオン!)公式サイトをご覧ください。MUSIC ON! TV(エムオン!)は、スカパー!、J:COM、ケーブルテレビ、ひかりTVなどでご覧いただける音楽チャンネルです。

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