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2019.02.12

CUTEに、そしてROCKにキメた、あっという間の2時間! “Machico Live Tour 2018 「Gimme♡」”東京公演レポート

CUTEに、そしてROCKにキメた、あっという間の2時間! “Machico Live Tour 2018 「Gimme♡」”東京公演レポート

12月2日、代官山SPACE ODDにて“Machico Live Tour 2018 「Gimme♡」”の東京公演が開催。全3公演それぞれにROCK・POP・CUTEのテーマを設定して行われた今回の全国ツアーのうち、東京公演ではCUTEをテーマにしつつそれ以外の表情も織り交ぜ、アーティストとしてのさらなる進化をパフォーマンスする姿で示してくれた。

開演の5分ほど前には、SPACE ODDのフロアはファンでいっぱい。開演定刻にinterludeが流れると、そのフロアには自然とクラップが起こりMachicoを呼び込む。そんななかステージ中央に立ったMachicoは、「fantastic dreamer」からライブをスタート。ブルーの照明に包まれて頭サビを歌いきると「最後までよろしくー!」とシャウトを飛ばし、相変わらず抜群の安定感と伸びやかさ・爽快感のある“喉からCD音源”すぎる歌声をのっけから披露していく。Dメロのコールを生かしたファンとの掛け合いなど生ならではのやりとりもバッチリハマると、「みんないいねー!」と満面の笑み。
引き続き歌ったアッパーチューン「青春オーバードライブ」では、頭サビの「メーター振り切ってこう!」のフレーズをシャウトに変えてまず自らが真っ先にテンションを振り切ると、1サビからお立ち台に上ってライブハウスらしい熱気あふれる盛り上がり方に。2サビ直前の「響かない」のフレーズの歌声のざらつき具合にもロック感が感じられる。Dメロではファンのコールが主線を支え、大サビ直前「オーバードライブ!」のコールも会場全体での合唱。場内は一体感をより増していく。
2曲歌ってからのこの日初のMCでは、まずは改めて今回のツアーのコンセプト等について説明。そのうち“CUTE”にあたる東京公演の衣装も「私の感覚での女の子っぽい(Machico)」ガーリーなものであると紹介。そしてツアータイトルについて、「どの持ち歌だったら、私が考えてる小悪魔的な意味を込められるかな?」と考え、最新シングルのカップリング「ギミー・ラブ」から引用したと説明した。
その「ギミー・ラブ」は、直前の楽曲同様Bメロにて一緒に歌える部分を有す曲。歌唱前に「みんなの実力を試しに行く」と煽ったMachico、イントロまではまだMCのモードが若干残っていたが、曲が始まると一気にカッコよくスイッチをチェンジ。そのBメロではファンの見事な大合唱を受けると、サビ前の「ギミー!」3連発でのフロアへの指差しなどファンとのコミュニケーションも挟みつつ、ロッキンに歌っていく。楽曲にノッた歌声には自然とグルーヴ感が増し、サビ最後のロングトーンにも小悪魔さがほのかに現れていた。続く「永久見方宣言」も、イントロでポンポンを取り出しながら「ここからはみんなも一緒に歌ってね!」と呼びかけ、フロアへマイクを向けてからのスタート。キー高めな楽曲ということも相まって、Machicoのボーカルはこの日のコンセプトドンピシャなキュートなものに。さらに2コーラス目に入ってからは、歌詞に連動した身振りも交えて魅せていく。
かと思えば、「次はみんなのスマイルいっぱい見せてねー!」とイントロで呼びかけた「Million Smile」では、再びその歌声は爽快感強めのものに。コールの大きく上がるフロアとともに再び盛り上がり、早くも序盤のヤマ場を作ることに成功したMachicoは、曲ラストには自身の満点スマイルで締めくくった。

「アツいよー!」と自身も叫ぶほどに場内が熱を帯びたところで、今度は3曲続けてバラードを歌唱し、違った表情をみせていくMachico。その1曲目「勇気のつばさ」は、暖かみのあるサウンドに乗せて、音源以上の深い感情が伝わってくる歌声へとさらに進化していた。特にDメロで最もはっきりと感じられたのが、感情の盛り上がる部分も力で押し切ろうとしないトライ。こういった試みもあって、より“聴かせる”1曲へと進化した印象を持った。また、よりメロウにオトナに聴かせるバラード「禁断の運命」は活動初期に誕生したナンバー。歌唱後のMCで自ら「当時は精一杯切なさを出そうとしていたけど、自分自身も大人になった今は、やっと思うままに感情を込めて歌えるようになった」と自身の成長を語ったこの曲は、しゃくりなども効果的に用いて曲に込められた深い感情をありありと伝えてくるものとなっており、スーッとした抜き方やロングトーンのハスキーなかすれ加減、そして表情からも感じる切なさ、そのいずれもがたまらなく胸に響くものだった。そしてバラードゾーンの最後に歌ったのは、自ら作詞を手がけた物語調のナンバー「ココロメロディー」。サビではハンドサイン調の振付も交えつつ、とにかく切ないナンバーを情感たっぷりに表現。ミラーボールが作る星空のなか楽曲を締めくくり、バラードという1ジャンルの中で暖かさと切なさの両方をしっかり表現できることを、改めて示してくれた。

曲明けバラード3曲について振り返ったところで、「次は強い気持ちを届ける激しめな曲」と宣言。さらに「次はピンクにちなんだ曲」と語ると、続いてステージ上にはスタンドマイクが登場し、Machicoもライダースジャケットを着用。そしてツアーのキーカラー・ピンクとロックにちなんで、『キラキラ☆プリキュアアラモード』の岬あやねのキャラクターソングを披露することが告げられるとフロアからは大歓声!しかもこのツアーで初披露となった「IGNITION」からの幕開けという点が、さらにファンを喜ばせる。コール・アンド・レスポンスで自身と会場両方のスイッチを入れてから披露したそのド直球のロックチューンを、Machico自身も強くまっすぐに歌唱し歌声をフロアへと突き刺していく。さらに2サビ明けには彼女の先導でヘドバンも起こるライブハウスらしいロックライブへと発展すると、続く「Soul Believer」ではイントロでお立ち台に脚をかけ「いくよー!」とひと煽り。そのお立ち台に登って堂々としたステージングを繰り広げ、2サビ明けには「叫べー!」とシャウト。場内のボルテージはさらにUPし、自身もそれを受けさらにノッたのか、歌声の力強さは増していった。そして歌唱後には「岬さんのロック魂がめちゃめちゃ好き!」と語り、「キャラクターがいてくれるからこそ、自分でも気づかなかったような表情に出会えた気がした!」と続け、最後は改めてあやねとして「みんな、サンキューな!」とエールを送ってこのブロックを締めくくった。

そんな沸きに沸いたブロックが終わると、早くもライブはラストスパートに。「次はキラキラってなれる曲なので、みんなにもマネしてほしい」と語り、この日の“CUTE”というテーマに沿ったハイスピードなデジタルチューン「Happy Gathering」へ。キュートな歌声とファンと一緒に行う手フリとをもって駆け抜けていく。2サビ明けには曲のリズムを生かして、歌声のみならず指鉄砲でもファンのハートを撃ち抜くと、ラストのキメまで笑顔で歌いきっていった。さらに、事前に披露を告知し予習用振付動画もUPしていた「星屑プリンス」ともう1曲振付曲を続けるMachico。メロ部分のおてんばなボーカルなどでキュートさも味わわせながら、場内をさらにひとつにしていく。そのうえで落ちサビで少し引きめになった歌声が乙女感をより強く感じさせたりと、ぬかりなく聴きどころも併せ持った1曲となっていた。こうして楽しみながらファンをキュンとさせた後は、自作詞のナンバー「ラブ★スト」で爽やかにまたキュンキュンをお届け。イントロで「ここからはタオルを振る時間でーす!」と煽ると、サビでは合図に合わせてタオルが左右に大きく揺れる。その様子に彼女も「みんなサイコー!」とご満悦の様子。また、2-Aメロでの「決まんない」にわずかにイラ立ち感が付加されていたりと、楽曲のヒロインとしてのボーカル表現のさらなる深まりも印象的だった。
その空気をしばし変えたのが、続く疾走感を持つデジタルロック「key of the future」。CUTEの中に割って入る形となったロッキンなナンバーと曲にマッチした力強くも鋭い歌声が、彼女のアーティストとしてのかっこよさを終盤に再認識させる。加えて歌唱しながらの腕のしなやかな動きなどがセクシーさも醸し出すと、そんなパフォーマンスに引っ張られてか、再びBメロではフロアでヘッドバンギングも発生していた。
そして本編ラストを飾ったのは、爽快な前向きナンバー「コレカラ」。本編ラストを飾るのは、やはり彼女のイメージド真ん中な最新シングルだ。2コーラス目に入ってからの歌詞に合わせてのパフォーマンスにこの日のテーマ・CUTEを感じるもので、そんな彼女に向けてフロアからは、無数の指や手が掲げられる。そしてMachico自身は2サビ明けにお立ち台に再度上り、改めてそれを一望するとその表情はこの日一番の笑顔に。そのまま最後まで気持ちよさそうに歌いきり、本編を締めくくった。

ほどなくして起こった「まーちーこ!」のアンコールを求める声。それに応えてMachicoが再登場すると、「コレカラ」とも繋がるメッセージ性を持つ「マケズギライなThank you」でアンコールスタート。星型のタンバリンを手に楽しく披露して、フロアを再点火する。また大サビの「頑張れ!」のフレーズは、ただ歌うのではなくあふれんばかりに気持ちを込め、エールのように発信していた。

歌唱後には、ライブグッズ“ちょっとおおきいTシャツ”をアレンジした衣装を後方のファンにも見せようと、前方のファンがその場にしゃがんで協力。ひと通り紹介が終わったところで「スタンドアップ!」と起立を促す……と、「あっ」と何かに気づくMachico。そう、それはつい先日リリースとなったばかりの彼女の新曲のタイトルそのものだったから。この天才的なトーク展開から、楽曲について「RPGにぴったりな、戦いに出たくなるような曲」と説明すると、そのままその「STAND UP!」の披露へ!
イントロ中にフロアに拳をリクエストして幕を開けたこの曲。これまでにもテーマ曲を担当してきた『この素晴らしい世界に祝福を!』の新作RPGゲームの主題歌に起用されたこの曲は、“青”を連想するようなこれまでの『このすば』曲と違って“赤”がイメージカラーになりそうな激しいナンバー。勝ち気と明るさとの両方を兼ね備えた曲であり、たしかに直前の言葉通り戦いがよく似合うもの。これは様々な角度からロックのアプローチを学び身につけた今だからこそ彼女によりハマるジャンルであり、歌ってほしい楽曲になったように思う。

そして最後の最後はもう1曲の『このすば』曲である、明るく未来を向いたキラーチューン「TOMORROW」で締めくくり。力いっぱいではありながらも、フロアのパワーを受けたMachicoは終始超絶楽しそう。最後までエネルギーは尽きさせずに、ファンから受け取ったパワーをさらに大きくして返していく。ファンも大サビで恒例の一斉ジャンプを起こすなど最後まで一緒に楽しみ尽くし、アンコール3曲もハッピーに終了。そんな笑顔いっぱいのフロアを視認すると、Machicoも「私もたっぷり笑顔になれました!」と語り、言葉通りの満面の笑顔で「サラバダ!」と挨拶。深く長い一礼とともに、ステージを降りたのだった。

この日の主テーマはCUTEだったが、それと同時に今のMachicoが歌うロックの魅力も非常に色濃く感じられるライブだった。ただの“巧さ”にとどまらず、その場の空気や楽曲に応じて気持ちよくはき出す術を、これまで以上に自分のものにしていたように思うのだ。だからこそ進化し続ける彼女のロックな魅力にはよりいっそう期待したいし、その先で彼女自身も待望している生バンドでのワンマンライブが実現することを、心から願ってやまない。

Text By 須永兼次

Machico Live Tour 2018 「Gimme♡」
2018.12.02@代官山SPACE ODD
【SET LIST】
M1.fantastic dreamer
M2.青春オーバードライブ
M3.ギミー・ラブ
M4.永久味方宣言
M5.Million Smile
M6.勇気のつばさ
M7.禁断の運命
M8.ココロメロディー
M9.IGNITION(『キラキラ☆プリキュアアラモード』岬あやねキャラクターソング)
M10.Soul Believer(『キラキラ☆プリキュアアラモード』岬あやねキャラクターソング)
M11.Happy Gathering(日替わり曲:CUTE)
M12.星屑プリンス
M13.ラブ★スト
M14.key of the future
M15.コレカラ
EN1.マケズギライなThank you
EN2.STAND UP!(新曲)
EN3.TOMORROW

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