伊藤さんも不器用? 5thシングル「閃きハートビート」リリース記念 伊藤美来インタビュー

声優としての活動と平行して、2018年には2枚のシングルをリリースし、「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」などアニソンイベントへの出演も重ねアーティストとしても充実の1年を過ごした伊藤美来。彼女にとって2019年最初のリリースとなる5thシングル『閃きハートビート』が1月16日に発売された。これを記念し、彼女の声に惹かれたという佐藤純一(fhána)に引き出された“みっく”らしさ全開の新譜、そして大きな変化を間近に控えた今年にかける意外な思いを語ってもらった。

──表題曲『閃きハートビート』はどういうコンセプトで作られたのでしょうか?

伊藤美来 まず、新曲はTVアニメ『上野さんは不器用』の主題歌になるのと、fhánaの佐藤純一さんがプロデュースしていただくということが決まっていました。それで佐藤さんに『上野さんは不器用』が持つコメディ感と伊藤美来らしさを加えた、かわいらしくて疾走感のある曲を作っていただきました。

──伊藤美来さんらしさとは?

伊藤 佐藤さんには一生懸命なところと言われました。『上野さんは不器用』の上野さんは大好きな田中くんのことを思っていろいろな発明をしては、から回りしている子なんですけど、佐藤さんからするとそういった部分が私と重なったそうです。

──今回、佐藤さんがプロデュースすることになった理由は?

伊藤 佐藤さんには、ゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』で私が歌うキャラクターソング「地球儀にない国」を作曲していただいたんです。その曲を初披露するライブを佐藤さんが観ていて、その後に「伊藤さんの声が気になります」と事務所にご連絡くださったみたいで。そんな縁から「じゃあ次の新曲でご一緒しましょう」となりました。

──歌い手冥利に尽きるエピソードですね。

伊藤 ステージを頑張ってよかったです(笑)。気にかけていただいてうれしかったです。

──伊藤さんにとってfhánaはどんなイメージですか?

伊藤 実は家族みんなで応援していたんです。私は前から好きで、特にアニメ『僕らはみんな河合荘』の「いつかの、いくつかのきみとのせかい」は爽やかさとかわいらしさがありつつ、流れていく風のようなメロディラインが好きでよく聴いていました。そんな私以上に弟がすごくファンだし、お母さんも聴いているし。お父さんも、私が出るフェスにfhánaさんがいらっしゃったら絶対に観に来るし。

──いやいや、そこは娘のために来てほしいですよね。

伊藤 本当に(笑)。観ているアニメの主題歌も担当されていたので普通に芸能人だと思っていました。だからレコーディングに佐藤さんがいらしてくれたときは、「あんなすごい人にレコーディングを聴かれるなんてどうしよう」と緊張していたんです。でも佐藤さんはそんな緊張をほぐすために冗談やお茶目なことを言ってくれて、優しかったですね。

──これまで曲を聴いていた中で、佐藤さんらしさをどの辺りに感じますか?

伊藤 キラキラ感とちょっと捻ったメロディラインです。「閃きハートビート」の場合だと、サビのラストの畳み掛けるところとか、2番の終わりから間髪入れずにDメロに入るところとか。驚かせよう、楽しませようという意図を強く感じます。

──サビで畳み掛ける前にある、跳ねるような「けれど」も印象的です。

伊藤 あそこも、すごく耳馴染みがいいというかクセになるメロディラインですよね。

──歌詞は、主題歌にふさわしくアニメ『上野さんは不器用』に素直に寄り添ったものです。

伊藤 学園ものの青春感と恋で暴走しちゃう感じが歌詞に出ていて、すごくストレートです。レコーディングでも、暴走まではいかないですけど気持ちを昂ぶらせて歌いました。あと全体的にストーリーチックになっているのが気に入っていて、1番のAメロ、Bメロでアニメで言う日常パートみたいな風景が描かれ、サビで一気に自分の気持ちを大きく出して駆け抜けていく。かと思えば2番になると少し大人っぽい表情が見えて……と曲全体の構成が好きですね。

──ミュージックビデオは京都で撮影されたそうですね。

伊藤 ものづくりを体験できる場所に3ヵ所行ったんです。まずガラス工房でティースプーンを作って、次はかんざし屋でかんざしを作って。最後はアロマの調合をして、贅沢な京都観光みたいな感じでした(笑)。

──特に楽しかったのは?

伊藤 かんざし作りですね。正方形の布を折ったり、切ったり、くっつけたりしながらひとつの花びらを作るという作業で、最初は「絶対にできない」なんて思っていました。でも先生に教えてもらいながらきれいに作れて楽しかったです。

──結構手間がかかるんですね。

伊藤 私は不器用なので大変でした。ティースプーン作りでは火を使って細工するポイントが5回あったんですけど、最後までひとりではうまくできませんでした……。フル尺だと最後にかんざしがポイントになるシーンがあるので、ぜひ観てほしいです。

──ミュージックビデオ内ではダンスもされています。

伊藤 すごく手の振りが細かいんですよ。『恋はMovie』のときは大きな振りでみんなで踊れそうな感じでしたけど、今回は曲が早いし楽しいリズム感なので、それに合うような振り付けです。真似したくなるようなキャッチーさがあるので、少し難しいんですが、皆さんもぜひ挑戦していただければ。

──続いて、カップリングの「TickTack Invitation」がどんな曲かご紹介ください。

伊藤 こちらは佐藤さんが「2019年に大学を卒業する、今の伊藤さんにしか歌えない曲を作りたい」ということで書いてくださった卒業ソングです。でも一般的な卒業ソングから連想されるようなバラードではなく、アメリカの卒業パーティー“プロム”みたいなものをイメージしているから、リズム感がアメリカチックだったり、歌詞にたくさん英単語が散りばめられていたりして。「明るく、前を向いて卒業していこう」というメッセージが込められた楽曲で、曲と歌詞をいただいたときは勇気づけられました。学校を卒業をする人だけでなく、何か新しいことを始める人、違う場所に向かう人にもぜひ聴いてほしいです。

──クラップやコールが多く、ライブ映えしそうですよね。

伊藤 ぜひお客さんも一緒に歌って踊って、音を楽しんでほしいです。コールや最後の英詩は佐藤さんも一緒にコーラスをしてくださって、そういう形でもコラボレーションできてうれしかったです。

──ライブだと最後のサビの“TickTack そうして回り始める”以降の高音の続く部分が大変そうです。

伊藤 頑張らないといけないところですね(笑)。最初に聴いたときは「これがfhánaの佐藤さんが作る曲か」「私は(fhánaの)towanaさんにはなれないよ……」とビックリしました。それでもレコーディングでは何回も声を出して喉を慣れさせ、そこから本番を録ってうまく歌えたと思います。

──お気に入りのポイントは?

伊藤 全体的にかわいらしい言葉が散りばめられている歌詞なんですけど、特に“大人になれるのに 待ちわびていたのに もう少しこのまま どうか時間よ止まれ”は共感できましたね。私はこの仕事を始めてからずっと学業との両立が続いて「早く卒業したい」と思っていたのに、いざその苦労がなくなる段階になると少し寂しくって。だからそこはすごく感情移入しながら歌いました。

──ありがとうございます。ここからは今回の新譜から少し離れたことを伺います。まず『上野さんは不器用』には田中よもぎ役として出演していますが、どんなキャラクターか教えてください。

伊藤 よもぎは、田中の妹です。妹気質で元気はつらつ、いろんなことに興味津々なまさに中学生という女の子です。双子の姉のみずなと一緒に登場するので、ふたりのかけあいを楽しんでほしいです。

──アフレコ現場の雰囲気は?

伊藤 上野さん役の芹澤さんが引っ張ってくださっています。いつもメインの3人が楽しそうに話していて、結束力のある現場だなと思って見ています。

──声優陣で不器用だと思う人は?

伊藤 あの中だと間違いなく私がいちばん……(笑)。皆さん滅茶苦茶しっかりしていますし。私は物理的にも不器用だし、緊張すると挙動不審なところもあるので現場でも不器用だと思われているかもしれません。“伊藤さんは不器用”です。

──どんなふうに不器用なんですか?

伊藤 細かいことですけど物をこぼすとか、手が震えて針に糸を通せないとか。調理実習のときも「お皿に触らないで」「包丁に触らないで」「伊藤さんはそこにいてくれればいいから」なんて言われていました。特にちょっと見栄を張ろうとしたときにやっちゃいがちで、大人ぶったお店に行こうとしたら閉まっている、お洒落なカフェに入ったらコップの持ち方がわからなくて、手を滑らせて落とす……そんなことがしょっちゅうあります。

──しょっちゅうあるのは大変そうですね。では最後に、2019年の目標を教えてください。

伊藤 いろんな人に会うことです。2018年の私は、仕事も卒論もあって1年通じてバタバタしていたので、あまり友達や同業の方々、スタッフさんとご飯に行ったりゆっくりお話したりできませんでした。だから今年はいろんな人と話をしたいです。

──今会いたい人、話してみたい人は?

伊藤 とても個人的なんですけど、私が大好きな特撮の仲間を増やしたいです。これまではあまり自分からグイグイ行けなかったんですが、これからはそういった趣味の面もどんどん発信していこうかなって。

──女性声優さんだと、松田利冴さんと松田颯水さんの姉妹やi☆Risの茜屋日海夏さんが特撮好きですよね。

伊藤 そうなんです。茜屋さんとは連絡先の交換まではしたんですけど、うまい誘い文句が思いつかなくて……じっくりお話したいという気持ちを持ちながら半年くらい経とうとしています。今年こそ、何かいい話題を見つけて連絡を取りたいです。

Interview & Text by はるのおと


●リリース情報
「閃きハートビート」
1月16日発売

【DVD付き限定盤(CD+DVD)】

品番:COZC-1497/8
価格:¥1,800+税

【通常盤(CD)】

品番:COCC-17542
価格:¥1,200+税

<CD>
1.閃きハートビート
作詞:林英樹 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
2. TickTack Invitation
作詞:RIRIKO 作曲・編曲:佐藤純一(fhána)
3.閃きハートビート(off vocal ver.)
4. TickTack Invitation(off vocal ver.)

<DVD>
01.「閃きハートビート」Music Video
02.メイキング映像

●作品情報
TVアニメ『上野さんは不器用』
放送中

TOKYO MX 毎週月曜日25:05~
BS11   毎週日曜日24:30~
J:COMテレビ 毎週火曜日22:30~

<配信>
・dアニメストア 毎週日曜日24:30~
・AbemaTV   毎週日曜日24:30~
・niconico    毎週水曜日24:00~ ほか

【スタッフ】
原作:tugeneko「上野さんは不器用」(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督・シリーズ構成:月見里智弘
キャラクターデザイン・作画監督:大和田彩乃
美術監督:猿谷勝己
色彩設計:のぼりはるこ
音響監督:阿部信行
音楽:三澤康広
音楽制作:日本コロムビア
制作協力:ギャザリング
アニメーション制作:レスプリ

【キャスト】
上野:芹澤 優
田中:田中あいみ
山下:影山 灯
田中みずな:大森日雅
田中よもぎ:伊藤美来
タモン:井澤詩織
北長:戸松 遥
西原:佐藤利奈
南峰:竹達彩奈
東川:井口裕香

© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会

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