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INTERVIEW

2018.12.25

待望の1stアルバムが完成!たぴみる『タピオカ×ミルクティー』インタビュー

待望の1stアルバムが完成!たぴみる『タピオカ×ミルクティー』インタビュー

アニソンシンガー“たぴみる”が1stフルアルバムをリリースする。アーティスト名の由来となった「タピオカ×ミルクティー」をタイトルに冠した本作には、「発見者はワタシ」(TVアニメ『ゼロから始める魔法の書』OP主題歌)、「モテないくせに(`;ω;´)」(TVアニメ『ハイスクールD×D HERO』EDテーマ)のほか、i☆Risの若井友希、シンガーソングライターのカノエラナ、大原ゆい子、リリィ、さよなら。のヒロキによる提供曲、たぴみる自身が作詞を手がけた楽曲も収録。彼女自身のキャラクター、音楽性が幅広く実感できる作品に仕上がっている。

――1stフルアルバム『タピオカ×ミルクティー』が完成しました。デビューから1年半の軌跡が感じられると同時に、たぴみるさん自身のリアルな感情が伝わってくるアルバムですね。

たぴみる いろいろな私を見てもらえるアルバムになったと思います。ここで満足せず、もっと活動の範囲を広げたいという気持ちも強くなりましたね。新曲に関しては、提供してくださった作家の方と直接お会いして、話をしながら制作させてもらいました。いままでは恋愛ソングと人生について歌った曲、ポップで楽しい曲が中心だったから、それ以外のテーマの曲も歌いたくて。

――なるほど。「自己フリクト」は、たぴみるさん自身が作詞を担当。

たぴみる アルバム制作の最後のほうに、ギリギリの段階になってから「私も作詞したいです」とワガママを言わせてもらって。素晴らしい作家の方に参加してもらっているんですけど、1曲は自分で作詞した新曲を入れたくなったんですよね。

――つまり歌いたいことがあった、と。

たぴみる そうですね。デビューからの1年半、歌手としての自分の強味、自分らしさって何だろう?とずっと考えてきて。他の誰ともカブらず、自分にしかなくて、なおかつ人に好きになってもらえるものを探していたというか……。簡単に見つかれば苦労はしないし(笑)、今もずっと試行錯誤を続けているんですが、そのことを歌詞にしてみたいと思って。デビュー前は基本的にひとりで活動していたから、音楽的なことを話せる仲間もいなかったんです。自分がやりたいことをやって、歌いたい曲を歌って。それはすごく楽しかったんだけど、リスナーの皆さんからどう思われるかは、まったく気にしてなかったんですよね。

――デビュー以降は、アーティストとしての自分の見え方を意識するようになった?

たぴみる はい。今もその過程なんですが、これまでに感じていたことが「自己フリクト」の歌詞になっています。自分のなかの矛盾、ギャップみたいなものを前半で歌っていて、サビでは自分の背中を頑張って叩いて。全然答えは出てないし、考えもまとまってないんだけど、ちょっとだけ前向きな曲になってます。

――「不自然なハミング」はフンワリした雰囲気のラブソング。この曲からも、たぴみるさんの新しい表情が感じられました。

たぴみる これまでのラブソングはツンデレ系が多かったので、フワッとしたイメージの、日常の小さな幸せをテーマにしてみたいなって。リア充感を出してみました(笑)。

――そのリア充感って、完全にフィクションなんですか?

たぴみる いえ、私の経験もだいぶ入ってます。作詞・作曲をお願いした大原ゆい子さんとお会いしたとき、自分がこれまでに感じてきた“小さな幸せ”を箇条書きにしてお渡ししたんです。しゃべるのが恥ずかしいからあらかじめ書いておいたんですが、その場で大原さんから「どんなときに好きって感じる?」みたいな感じで質問をいただきまして(笑)。そこでお話したことも歌詞に入っています。私、LINEじゃなくて通話派なんですよ。例えばゲームしてるときも、スピーカーにしてずっと電話してたり。“なかなか切れない/電話は君と繋いだ手”は、そのことが反映されています。

――たぴみるさん自身の日常も映し出されているというか。

たぴみる だからこの歌詞って、スッと体になじむんですよ。歌っていると「こんなことあったな」って思い出すし、ちょっとエモい気持ちになりますね。

――曲を通して、自分自身のリアルな思いを伝えたいという気持ちも?

たぴみる あります。まずは自分がオープンでいないと、聴いてくれる人たちも近づいてくれないと思うので。考え方や感情って、日々変わっていくじゃないですか。それを歌として残していきたいんですよね。

――シンガーソングライターのカノエラナさんの作詞・作曲のよる「アニメヲタクで何が悪い」もすごくインパクトがあって。

たぴみる 「モテないくせに(`;ω;´)」もそうですけど、タイトルを見ただけで「なんだ?」って思うかも(笑)。カノエラナさんがデビュー前からずっとファンだったんです。面白おかしく、ズバズバと本音を歌うところがすごく好きで。まさかご本人に曲を提供してもらえるとは思ってなかったから、すごくうれしいです。アニヲタが聴いて「わかる!」と思ってもらえる歌詞にしたかったので、打ち合わせのときに“ヲタクあるある”なリストを作って、私が観てきたアニメの話もさせてもらって。お互いにコミュ障だから、ふたりとも相手のヒザを見ながら話してましたけどね(笑)。最近ようやく、ちょっと目を見て話せるようになってきたところです。

――(笑)。たぴみるさんはデビュー前から、アニソン・シンガーを目標にしていたそうですね。

たぴみる はい。アニソンを聴くと、そのアニメの印象的なシーンがフラッシュバックするし、「高校生の頃、友達とこのアニメの話をしてたな」みたいな個人的な思い出も蘇ってきて。高校のときに軽音楽部に入っていたんですが、そのときもバンドでアニソンやボカロ曲をよくカバーしてたんですよ。オーディションで歌う曲もアニソンが多かったですね。

――高校生がアニソンを演奏するのって大変じゃないですか?

たぴみる 曲は選んでました(笑)。テンポがゆっくりした曲とか、コードがシンプルな曲とか。私もちょっとギターを弾いてたんですけど、ギターが上手い子に原曲のコードを簡単にアレンジしてもらったり。バンドメンバーがやりたい曲を歌うことで、いろんな曲を知るきっかけにもなりましたね。

――やはりルーツはアニソンなんですね。

たぴみる いちばん最初はJ-POPだったんです。大塚 愛さんやYUIさんとか、シンガーソングライターも好きで。アニソンを知ったきっかけは、中学のときにやった初音ミクのゲームなんですよ。そのなかの曲の歌詞がすごいツンデレで(笑)、「こういう歌詞、J-POPにはないな」と思って。その後、ニコ動をチェックするようになって、アニソンのメドレーとかを聴いて、どんどんハマっていった感じですね。

――最近もアニメは観てますか?

たぴみる できる限り観るようにしてます。ファンの皆さんとアニメの話をしたいので。

――では、アルバムの話に戻って。「タイムマシン」は女の子同士の友情がテーマ?

たぴみる そうですね。友達をテーマにした曲もなかったから、作詞・作曲を担当した友希(i☆Risの若井友希)さんと“友達はどんな存在?”“どこまでぶっちゃけて話せる?”みたいなことをやりとりしながら作っていきました。他の楽曲もそうなんですけど、きれいごと過ぎない、現実味のある言葉を使いたかったんですよね。“ずっと一緒よ なんて綺麗ごと/きっと確かめる意味もないでしょ?”という歌詞は、まさにそういう感じですよね。

――アルバムの最後に収録されている「ランナーズクライ」からも、たぴみるさんの生々しい感情が伝わってきました。迷いながら、泣きながら、それでも前に走り続けるっていう…。

たぴみる 「ランナーズクライ」も、私から「こういう歌詞にしたい」というお話をさせてもらったんです。曲を作ってくれた(リリィ、さよなら。の)ヒロキさんとは今回が2回目なんですが、最初の曲(『ロンリーコール』)のときに「私は自分に問いかけるとき、そんなに優しい言葉遣いはしないです」みたいな話をさせてもらって。「ロンリーコール」があったからこそ、「ランナーズクライ」が出来たんだと思いますね。

――個性的なクリエイターの協力もあって、等身大のたぴみるさんが明確に見えてくるアルバムになりましたね。

たぴみる そうですね。明るいだけじゃないところも入ってるし、大人になりきれない自分、ちょっとめんどくさい自分もいて(笑)。いろんな自分を感じ取ってもらえたらうれしいです。

――最初のアルバムが完成したことで、アーティストとしての方向性も見えてきたのでは?

たぴみる 「やりながら見えたきた」という感じですね。楽曲を作りながら、少しずつ自分のなかで整理されてきたというか……。最初にも言いましたけど、このアルバムを元にして、もっと活動範囲を広げたいんですよね。ツアーをやりたいんですよ、私。最近、少しずつ都内以外のライブが増えているんですけど、もっといろんな場所に行きたくて。「東京までは行けないです」というファンの方もいらっしゃるし、だったら「私から行くから、会場まで来て」って。私は心配性だし、ちょっとヒネくれてるので、「応援してます」というメッセージだけでは足りないというか(笑)。ライブで実際に皆さんの顔を見たら、「本当に聴いてくれてるんだな」って信じられるじゃないですか。そういう機会を増やしたんですよね。一緒に歌うのも好きだから、そういう曲も作りたいです。

――制作でもライブでも“こうしたい”という意志が強いですね、じつは。

たぴみる 貪欲らしいです、どうやら(笑)。自分ではよくわからないんですけどね。やりたいことはやりたいし、得られるものは全部得たいというだけで。あ、それが貪欲ってことなのか(笑)。

――そうですね(笑)。

たぴみる いろんな経験をしたんですよね、とにかく。退屈な時間を作りたくないし、つねに面白いことをやっていたので。自分だけではどんどん視野が狭くなっちゃうので、スタッフの方の意見やアイデアも取り入れて、いろんなことに挑戦していきたいと思います。

Interview & Text By 森 朋之


●リリース情報
1st アルバム
『タピオカ×ミルクティー』
12月26日発売

品番:LACA-15749
価格:¥3,000+税

<CD>
01:新世界Dot
作詞:辻 純更 作曲:伊藤心太郎 編曲:藤原彩豊
02:自己フリクト
作詞:たぴみる 作曲・編曲:中野領太(onetrap)
03:発見者はワタシ(TVアニメ『ゼロから始める魔法の書』OP 主題歌)
作詞:鳳シシィ 作曲・編曲:石倉誉之
04:不自然なハミング
作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:池窪浩一
05:アニメヲタクで何が悪い
作詞・作曲:カノエラナ 編曲:やしきん
06:ロンリーコール
作詞:たぴみる, ヒロキ(リリィ、さよなら。) 作曲:ヒロキ(リリィ、さよなら。) 編曲:出羽良彰
07:心情コンプレックス
作詞:たぴみる 作曲・編曲:岡本辰平
08:タイムマシン
作詞・作曲:友希 編曲:池窪浩一
09:モテないくせに(`;ω;´) (TVアニメ『ハイスクールD×D HERO』ED主題歌)
作詞:たぴみる 作曲・編曲:河田貴央
10:ランナーズクライ
作詞・作曲:ヒロキ(リリィ、さよなら。) 編曲:馬渕直純

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