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2018.12.08

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの主題歌を担当するCoda、作品へのリスペクトを込めた初のワンマンライブ! “Live Experience 2018-misson to Coda-”レポート

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの主題歌を担当するCoda、作品へのリスペクトを込めた初のワンマンライブ! “Live Experience 2018-misson to Coda-”レポート

TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』の主題歌を歌うCodaの初のワンマンライブ、“Live Experience 2018-misson to Coda-”が 2018年11月23日に東京・渋谷TSUTAYA O-WESTで開催された。『ジョジョ』の楽曲を中心に、カバー曲やCodaの正体である小田和奏の曲も披露。随所に『ジョジョ』を連想させるセリフや演出を散りばめ、作品への強い思いが感じられるライブとなった。

サングラスをかけて登場したCodaは、まず新曲の『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』OPテーマ「Fighting Gold」を熱唱。「風吹かれてる? 風感じてる?」と呼びかけて歓声を浴びると、「今日はCodaと素敵なバンドの皆さんと音楽の旅に出ましょう」と観客をいざなった。2曲目はOVA『岸辺露伴は動かない エピソード#02 六壁坂』のEDテーマ「FINDING THE TRUTH」で、こちらは打って変わって英語詞の渋さがにじみ出る歌声でじっくりと聴かせた。

『スターダストクルセイダース』に登場した犬、イギーの歌である「IGGY WALK」では、FIRE HORNSのAtsukiがトランペットで参加。豪華な編成での演奏となった。曲後のMCではこの「IGGY WALK」を作るときにはルーツとなった曲があり、音楽的なルーツだけでなくキャラクターの境遇も重ね合わたものだと明かした。それが本人も大好きなアーティストだというStingの「Englishman in New York」。この曲では欠かせないパートとしてFIRE HORNSのサックス・Juny-aが参加し、原曲に近いアレンジでの演奏となった。ニューヨークが舞台の曲であり、都会的でありながら哀愁の漂うメロディは確かに「IGGY WALK」と重なるものがある。

「IGGY WALK」と同様に「The anthology songs 2」に収録された「Goodbye Nostalgia」は花京院典明をイメージした曲で、ライブで聴くと強い郷愁の思いが感じさせられ、胸が締め付けられるようだった。曲が終わるとまたMCの時間に。Codaとしては初のライブということでどんな雰囲気になるのかと思っていたが、今回はステージと観客の距離が近く、Coda自身も遠慮しなくていいと言っていたこともあって、MCは観客から声がかかったりして笑いが絶えない時間となった。このときも「今まではJO☆STARSっていう、大きいおじさんと大きくないおじさんがいてくれて……笑いすぎじゃねーか、お前ら?」と、関係者席で観ていたメンバーの富永TOMMY弘明とJINこと橋本 仁をいじって笑いをとっていた。「JO☆STARSというユニットはただのユニットじゃねえ。……財団だ」というネタも飛び出す。次はそんなTOMMY、橋本 仁の曲を“Codaフィルター”を通して歌ってみるということで、まずは橋本の「Star Platinum」、そしてTOMMYの「未来への遺産-Jonathan’s Ballad-」をカバーするというこのライブでしか聴けない試みもなされた。

ここでひと息ついてバンド紹介が行われた。「みんなすごい! なんでもできちゃう!」と粋なプレイも熱い演奏もこなすメンバーを絶賛したCodaは、メンバーの名前を楽器で表現させるなど無茶振りをしまくっていたが、それをアドリブでしっかりこなすのがさすが熟練のバンドマンたちという感じだった。なお、このバンドは「“Codaバンド”じゃ味気ない」ということで、“Coda & The Experience”と名付けられた。さらにこの日はFIRE HORNSも参加。そこで「ちょっとオシャンティな感じで……オシャンティって死語かな? シャレてる感じで」ということで、フランク・シナトラの「Fly Me To The Moon」を“オシャンティ”に歌い、ファンを酔わせた。

続いて、何かエンディング曲をやりたいということで名前が出たのが『1st Season』で使われたYESの「ROUNDABOUT」。しかしこれをカバーするにはあと“3Coda”必要だということで、惜しくも断念することに。そこで今回は『ダイヤモンドは砕けない』のEDだったSavage Garden「I want you」をカバー。「身体揺らしていこうぜ!」と呼び掛けて手を左右に揺らし、観客もノリ良く反応していた。

「皆さんご存じかどうかわからないですけどね、Codaによく似てる人間知ってる? 小田和奏さんっていうんだけど」と言うと、おもむろにサングラスを取った。なんと、そこには小田和奏にそっくりな姿のCodaが! そんなわけで、「小田和奏さんの曲も歌っちゃったりなんかしてー」と言って歌ったのが、小田和奏名義の曲「コーディの苦悩は今日も続く」だった。“コーディ”というのは小田和奏につけられたあだ名だという。「みんな遠慮してると人生終わっちゃうぜ!」と軽快なクラップで盛り上げた。

もともとCodaは『ジョジョの奇妙な冒険』で正体不明の覆面アーティストのような形で登場した。その後、Codaの正体が小田和奏であることは明かされたが、この日もCodaはあくまで小田和奏とは別のキャラクターとして歌っていた。だがサングラスを取って、自身の名義の曲を歌ったことで、このとき初めてCodaと小田和奏はひとつに結びついたのだった。

そしてその勢いのまま、「俺はこれがやりたかったんだよ!」と叫んでTHE DUの「Crazy Noisy Bizarre Town」をカバー。さらにそこから「Crazy my Beat」へと繋げた。最後の曲を前に、「今日が終わったら、また“次”を始めようと思います」とCodaの活動はこれからも続いていくことを表明。そして、Codaの始まりの歌である『1st Season』のOPテーマ「BLOODY STREAM」でライブを締めくくった。

しかしファンからのアンコール(“アンCoda”と言っているように聞こえた)が止まらず、Codaがまたステージに戻ってきた。バンドメンバー紹介に続き、この日販売されたライブグッズを紹介。さらに、ここで次回の活動として“財団”ことJO☆STARSのアコースティックライブが開催されることが発表された。タイトルは“JO☆STARS Acoustic Session 2019 ~Season 3~”で、2019年3月2日、3日に東京・渋谷7th FLOOR、3月10日に大阪・梅田Soap Opera Classicsと3公演を開催。チケット第一次オフィシャルHP先行予約受付は12月16日(日)23:59までとなっている。なお、この日の会場でもM-チケット販売が行われたが、「もしお金がなかったら、下の“OWSON”の便利な現代機器で……」と作品に出てきたコンビニをさりげなく出してくるところがさすがだ(ちなみに会場の下にあるのはローソン)。

アンコールの曲は『ジョジョ』への感謝とリスペクトの気持ちを込めて、自らもギターを弾いて歌った小田和奏名義の「ターニング」。そして最後の挨拶で、小田和奏が『ジョジョ』のアーティストになり、Codaが生まれたときのことを回想した。「俺はラッキーだなって思った。最初は無我夢中でしかなかった。でも、ちゃんとCodaに向き合おうと思った。誇りに思おう、恥じないようにしようと思った。全力で向き合おうと。そして『黄金の風』が始まって、再びCodaの歌を求められたんです。それで今日があります」と、Codaとして向き合った日々があってこの日のライブを迎えたのだという。

子どもの頃に読んでいた『ジョジョ』の曲を何十年後に歌うという奇妙な運命。でもそれはCodaに言わせれば「運命(さだめ)だったんだよな」という。「だからCodaにも夢があります。いろんなところで求められている限り、俺はCodaとして歌いに行きたいと思います。Codaを通して『ジョジョ』の音楽を拡げていくんだ。Codaを生んでくれた『ジョジョの奇妙な冒険』に本当に感謝しております。ありがとう。おこがましいけど、Codaは荒木先生の作品なんだよ」と感謝を述べた。最後は「Fighting Gold -English Ver.-」を熱唱。音楽は国境の壁を越えていくというCodaが、この英語詞となった新曲を引っ提げて海外で歌う日も遠くないのかもしれない。

Text By 金子光晴
Phtography By 塚越淳一

“Live Experience-mission to Coda-”
2018年11月23日(金・祝)Shibuya O-WEST
<セットリスト>
M1 Fighting Gold
M2 FINDING THE TRUTH
M3 IGGY WALK
M4 Englishman In New York
M5 Goodbye Nostalgia
M6 Star Platinum
M7 未来への遺産-Jonathan’s Ballad-
M8 Fly Me To The Moon
M9 I want you
M10 コーディの苦悩は今日も続く
M11 Crazy Noisy Bizarre Town
M12 Crazy my Beat
M13 BLOODY STREAM

ENCORE
M14 ターニング
M15 Fighting Gold -English Ver.-

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