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INTERVIEW

2018.11.05

TVアニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』OPテーマ担当・霧雨アンダーテイカー「ステレオとモノローグ」インタビュー

TVアニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』OPテーマ担当・霧雨アンダーテイカー「ステレオとモノローグ」インタビュー

キャラクターデザインに桂 正和、そして企画制作がサンライズという黄金コンビでの完全新作オリジナルアニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』が絶賛放送中。ベテラン刑事のダグとヤル気が空回る新人刑事・キリルがバディとなって都市国家リスヴァレッタで犯罪を追いかける痛快なまでのストーリーと爽快な世界観で多くの人の心を掴んでいる本作のオープニングを歌うのは、そんなリスヴァレッタ出身の5人組バンド・霧雨アンダーテイカー。メンバーのジョシュア・K・キリサメとダニエル・A・ヒサメのふたりを直撃した!

――アニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』のOP主題歌を担当されている霧雨アンダーテイカーの皆さんは、作品の舞台となっている都市国家リスヴァレッタのご出身。MVにも街の風景が挟み込まれていますが、そんなリスヴァレッタの魅力を教えてください。

ジョシュア・K・キリサメ リスヴァレッタという街は、日本で言うと未来的な要素とクラシカルな要素が入り混じったような場所なんです。サイバーパンクとかスチームパンクのようなイメージもありつつですね、近未来なんだけどすごくオールドなところが魅力な街だと思っています。その辺はアニメをご覧いただいたり、今、おっしゃっていただいたように我々のMVを観ていただけるとイメージが湧きやすいと思うんですが。近未来感とクラシカルなイメージの融合、という部分が、リスヴァレッタの魅力です。あとは太陽がふたつあるところも、ですね。

ダニエル・A・ヒサメ まさにジョシュアの言う通りです。アニメやMVを観ていただくと、新しいものと古いものとの対比もくっきり出ている、ある種不思議で独特な街の姿を感じることができると思うので、そこも楽しんでもらいたいですね。

ジョシュア MVはまさにダグとキリルの出会いとなった廃工場そのまま、という感じになっていますので、ぜひ観てもらいたいです。

――そんなリスヴァレッタ出身の皆さんですが、バンド名の「霧雨アンダーテイカー」というのは、どんな経緯でついたバンド名なんでしょうか。

ジョシュア 霧雨はそのままの意味ですが、アンダテイカーというのは墓堀人・請負人という意味なんです。僕ら、雨男なんです。今日(取材時)も雨が降っていますし。

――降ってます!しかもかなり激し目です!さっきは止んでいたのに、取材場所に到着する数分前から土砂降りですよ!

ジョシュア そうなんですよ。我々、大変な雨男でして。取材を受けるときもですが、スタジオに練習に入るときでもレコーディングやライブとか、雨が降るんです。こういう天気になってしまうと、外に出たくなくなったりするし、憂鬱な気持ちになると思うんですが、我々は雨男だからこそ、その辛さを痛感している5人組なんです。そんな憂鬱な気持ちを葬り去る者たち、ということで冠にしていこうではないか、ということでつけたのが「霧雨アンダーテイカー」なんです。なので、雨天による皆様の憂鬱を吹き消すような楽曲を放っていきたいと思っています。

――だとすると、アニメを観ていて、リスヴァレッタに雨が降っていたなら、それはあの街のどこかで皆さんが何かされているタイミングなんでしょうね。

ジョシュア まさに。そして日本で降っているときには、我々がリスヴァレッタからこちらに出てきている、と思っていただければ。

ダニエル あいつらが何かやっているぞ、と思っていただきたいですね。

――アニメとリアルをリンクする存在ですね。その霧雨アンダーテイカーのデビューシングル「ステレオとモノローグ」ですが、オファーはどのように来たんでしょうか。

ジョシュア 元々はこのアニメ作品のOPテーマを探している、という情報を耳にしたんですが、リスヴァレッタが舞台になっているということは我々しかいないだろう!ということで名乗りをあげるべく曲を作って、スタッフの皆さんに聴いていただいたことでオープニングをやらせていただくことになりました。

――そんな「ステレオとモノローグ」の制作において、最も影響したのはどんなことですか?

ジョシュア 日本のアニメのOPテーマであったり、J-ROCKやJ-POPにはすごく影響を受けているので、その形式にのっとることや、そこに並んで恥ずかしくないものを、ということはすごく意識したんですが、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』というアニメはエンターテイメント作品なんですよね。グッと力を入れるものではなく、力を抜きながら観て存分に楽しんでもらうものだと思うので、曲に関してもわかりやすく、第一印象で聴いて「元気がある」とか「爽快な感じの曲だな」と思って頂けることを意識して作りました。

――アレンジ面ではバンドのメンバーのみなさんはどのようなお話をされたんですか?

ダニエル ジョシュアが持ってきた世界観、空気感を損なわずにさらにブーストできるようなアレンジをしていこう、というのは大前提として、コンセプトとしてありました。

ジョシュア 『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』は主人公がふたりいて、バディとして活躍していく物語なので、曲の中でもそうしたギミックがあればいいなと思って、アレンジのうえでも、イントロではリードでシンセが最初に入って来るんですけど、そこに対してもう一本のリードとしてギターが入って来て、お互いに入り混じるような構成にしてあったりとか、歌に関しては掛け合いのパートがあったり、歌詞も“ステレオとモノローグ”であったり、“希望と孤独”“正義と痛み”のようにふたつのことを対比させて歌ったりもして、歌詞の中でもバディ感が出るように作りました。

――楽曲が生まれるきっかけはどのようなことだったんですか?

ジョシュア 発端となったのは、この作品ですね。『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』のために書き下ろしました。最初は脚本もない状態で、ふたりの主人公でバディものってことだけだったんですが、僕の中では誰かと誰かがいて、そのふたりの中で生まれた絆を持って困難を突破していく、というところがイメージできましたし、そこを歌詞に投影させてみた感じでしたね。

――デビュー曲なので、バンドにとって「はじめまして」の名刺でもあると思うんです。物語はあるけれど、その中で出した「霧雨アンダーテイカーらしさ」とは。

ジョシュア 作品に寄り添った音楽をしっかり作れている、という部分だと思います。あとはサウンド的なところで言えば、我々の持っている、ちょっと歪んだギターの音と爽やかなメロディ、そしてシンセの音が混じる、という、ストレートのロックサウンドとはまた少し違ったカラーや要素を入れられたかなと思います。

――作品に寄り添うという意味では、今回の楽曲の音色は、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』の持つ色彩感と非常にマッチしているなと感じるんです。音色で意識したことはありますか?

ジョシュア 音に関してはどちらかというとアッパーで、疾走感のあるものを、と思って作っていったんです。だから僕の考える「アッパー」や「疾走感」が音色には出たんじゃないかと思いますね。ただ今回は、結構ギターの音を重ねたんです。いろんな種類のギターを使いましたし、ピックアップの種類も3、4種類使っていますし、さらにシンセも使っているので、音数自体はすごく多いと思います。それが作品のアメコミ感のような色彩感豊かな部分とリンクしていったんじゃないかと思います。全体を煌びやかになるようにしました。雨上がりの、水たまりに陽が差し込んでキラッと反射する感じなんかも自分としてはイメージしていましたね。「晴れた!きれい!」みたいな爽快さもイメージとしては入れています。

――先ほど少しお話をしてくださったMVもまた非常に皆さんの世界観、そして『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』の世界を体現していらっしゃるように感じます。MVの撮影はいかがでしたか?

ダニエル 色彩的なところはかなり監督さんも意識してくださっていた部分で。5人のメンバーがいて、それぞれにイメージカラーをつけてくれたり、ソロでも全体としても、録って編集したときにどういう色彩になるか、ということも細かくお話してくださいましたし。しかもメンバーはこういう見た目なので、どういう人たちなのか、どんな演奏をするのか、と疑問を持たれる方も多いと思うんですが、演奏シーンではすごく生々しく熱く、人間らしさを出しているので、そこを観てもらいたいですね。

――そんな皆さんの「ステレオとモノローグ」が彩る『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』という作品の魅力はどこにあると思われますか?

ジョシュア この作品の魅力は、なによりキャラクターですね。ダグとキリルというふたりの主人公がいて、それぞれがすごく魅力的なんですけど、彼ら以外にもバディはいて、その一人ひとりを掘り下げれば下げるほどドラマがあるし、面白い。見れば見るほどすべてのキャラクターを好きになっていく作品だと思うんです。そんな個性を好きになっていける作品だと思っています。

ダニエル 僕はテンポ感が魅力の作品だなと思っています。最初の展開もそうですし、ナレーションの入る間であったり、セリフの掛け合いのテンポ感もそうですし、いろいろなところで面白い効果音があったり、劇伴も面白いんですね。音楽が、笑えて楽しめて惹きつけられる物語をより深く彩っていると思うので、そういうものを含めたテンポ感がいいな、と思っていますね。

――実際に絵が付いた状態の「ステレオとモノローグ」をご覧になっていかがでしたか?

ダニエル 鳥肌ですね。鳥肌を越えた超鳥肌でした。感動しました。

ジョシュア 曲を作るときには曲だけしか形はないので、曲としてシンコペーションやキメを作っていくんですけど、映像として目に見える形でシンコペーションが活きたり、キメでバシバシと絵が変わっていったり。ひとつの作品を作って形になったと感じて、僕も感動しました。

――さらにシングルには「Don`t Think Feel So Good!!!」と「Gunpowder Ballad」の2曲のカップリング曲も収録されています。

ジョシュア 「Don’t Think Feel So Good!!!」はキリルをイメージして、「Gunpowder Ballad」はダグを意識した曲になっているんです。なので、今回のシングルはタイトル曲がふたりをイメージして、カップリングではそれぞれの曲を作って収録した、まさにリスヴァレッタな1枚になっています。

――そういったオファーだったんですか?

ジョシュア これは僕らの中で「こういうのがやりたいね」と作った曲ですね。せっかくふたりのことをイメージしての曲を作らせていただいたので、それぞれの曲もしっかり向き合いながら作ったら面白いんじゃないかなと思いましたし。このアニメを好きになった人が、シングルを手に取って聴いたら、もっと好きになってくれたらいいな、という想いで作ったので。それぞれのキャラクターの歌だ、と思って聴いてくれたら、もっと楽しんでいただけるかなと思っています。

――ダグとキリル。彼らのどんなところを出したんですか?

ジョシュア キリルは馬鹿だけど、諦めない強さがあると思うんです。特に「Don’t Think Feel So Good!!!」では華々しく空回るところや七回転んで八回起き上がって、Feel So Goodって言えるところ。そんな彼のめげないところや熱さを歌にしようと思いました。ダグはもう、底が知れない。渋いですし。とは言えちょっと間が抜けている少し残念なところもある。でも基本的には大人だと思うんです。酸いも甘いも噛み分けてきている。だからこそ見せられる表情もあると思うので、ミステリアスでアダルトな雰囲気という彼の魅力をメージして、イントロでアコギを入れてちょっとエキゾチックにしてみたりしました。

――では最後に、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』を楽しんでいる皆さんにメッセージをお願いします。

ジョシュア 『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』を楽しんでいただけていると思うんですが、「ステレオとモノローグ」がさらにこのアニメの魅力をブーストしていると自分で思っているので、アニメ共々我々の楽曲も愛していただければと思います。カップリングも僕の想いとダグとキリルをしっかり投影することの出来た曲で、歌詞にもいろいろなギミックを織り交ぜているので、作品が好きでキャラクターも好きな皆さんにぜひ聴いていただきたいです。そして感想を、Twitterをフォローして教えていただけたらうれしいです!

ダニエル フォロワーが43人しかいないですからね(取材時)。

――じゃあ、フォローします!(44人目になる)

ダニエル キリ番ゲット、おめでとうございます!(笑)。

――今後のご活躍も、楽しみにしております!

Interview & Text By えびさわなち


●配信情報
「ステレオとモノローグ」(単曲)配信中
・TV Size/FULL Size
※iTunes・レコチョク・mora他、各配信サイトにて

サブスクリプション
TV Size配信中
※Apple Music・Spotify・レコチョクBest他、各配信サイトにて

●リリース情報
1st シングル「ステレオとモノローグ」【期間限定生産商品】
12月5日発売

品番:SRML-1001
価格:¥1,500+税
※描き下ろしジャケット/デジパック仕様/ Ultimate High Quality CD

<収録曲>
1.「ステレオとモノローグ」
2.「Don’t Think Feel So Good!!!」
3.「Gunpowder Ballad」
4.「ステレオとモノローグ(Instrumental)」
5.「Don’t Think Feel So Good!!! (Instrumental)」
6.「Gunpowder Ballad(Instrumental)」
and more!

作詞:ジョシュア・K・キリサメ 作曲・編曲:霧雨アンダーテイカー

●作品情報
TVアニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』

TV放送&配信中

TOKYO MX 毎週日曜日 22:30~
BS11 毎週火曜日 24:00~
MBS 毎週火曜日 26:30~

配信
バンダイチャンネル他、見放題・都度課金サービスにて配信中!
「&CAST!!!」他サービスにて放送同時ライブ配信も決定!
※放送・配信日時は都合により変更になる場合がございます。

<イントロダクション>
都市国家リスヴァレッタ。
二つの太陽が昇るこの街には、人々が平穏な生活を営むその影で、犯罪や違法薬物がはびこっている。
中でも致死率の高い危険な薬物「アンセム」は街に暗い影を落としていた。
SEVEN-O特殊犯捜査係──「アンセム」を専門に取り締まるこの捜査機関は、二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカーシステム」を敷き、その対応に当たっていた。
経験豊富な捜査員ダグ・ビリンガム、そして彼の元へとやってきた実力未知数の捜査員キリル・ヴルーベリ。
飄々とした掴みどころのないベテラン刑事と、やる気だけが空回りする新米刑事。
型破りな二人の刑事の物語が今はじまる。

【STAFF】
監督:古田丈司
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋
脚本:吉田恵里香
メインキャラクターデザイン:桂正和
アニメーションキャラクターデザイン:板垣徳宏
デザインワークス:小曽根正美
コンセプトデザイン:兒玉陽平、安藤賢司
セットデザイン:宮本崇
シリーズディレクター:安藤良
色彩設計:永井留美子
美術監督:水野雄介
美術監修:東潤一
CG:サンライズD.I.D.スタジオ
CGディレクター:伊藤樹
CGモデリングチーフ:高橋将太郎、櫛田健介
撮影監督:後藤春陽
編集:西村英一(タバック)
音響監督:木村絵理子
音響効果:中野勝博
選曲:合田麻衣子
音楽:林ゆうき
プロデューサー:田村一彦(サンライズ)
企画・制作:サンライズ

OPテーマ:
霧雨アンダーテイカー『ステレオとモノローグ』
作詞:ジョシュア・K・キリサメ 作曲・編曲:霧雨アンダーテイカー
EDテーマ:
ビッケブランカ『Buntline Special』
作詞・作曲・編曲:ビッケブランカ

【CAST】
ダグ:三上哲
キリル:天﨑滉平
ディーナ:早見沙織
ケイ:安済知佳
マックス:大地葉
ユリ:種﨑敦美 ほか

<霧雨アンダーテイカー Profile>
架空都市リスヴァレッタ出身の5人組バンド。2018年結成。アニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』OP主題歌「ステレオとモノローグ」でデビュー。オルタナティブロック・パンクをベースとしながらも、プログラミングを駆使した緻密なアレンジを施し、ロックに留まらない幅広い音楽性を武器としている。5人集まると何をするにも雨が降るという稀代の雨男達の集まりである。「持ってない」彼らが勝手に感じている使命はただ一つ「雨の日の憂鬱を吹き飛ばす」こと。そんなリスヴァレッタの「霧雨の請負人」たちが、あなたの心の雨雲を晴らしてくれるかもしれない。
<メンバー>
・ジョシュア・K・キリサメ(Vo)
・アダム・T・ムラサメ(Syn)
・ダニエル・A・ヒサメ(Dr)
・ルーカス・H・シグレ(Ba)
・ハリソン・S・ハルサメ(Gt)

©SUNRISE/DD PARTNERS

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